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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
553.『カズラくん。急に敬語を使うなんて。お腹が痛いのかな?』『なんで、お腹限定?そこは、頭が痛いかを聞くところだよ?』とカズラくん。
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「カズラくん。急に敬語を使うなんて。
お腹痛いのかな?」
「ヒサツグ。なんで、お腹に限定した?
そこは、頭が痛くないかを聞くところだよ?」
とカズラくん。
いつも通りのカズラくんだった。
敬語も先輩も、消えている。
「カズラくんの敬語を初めて聞いたから、動揺したなー。」
「ぼく、敬語は使えるから。」
とカズラくん。
「そうなんだ。
カズラくんが敬語を使うの初めて聞いたぞ?」
「敬語を使う相手がいなかったんだよ。
使う機会がなかったんだよ。」
とカズラくん。
「えー、オレは?」
オレは、どう見ても、カズラくんより年上だぞ?
「ヒサツグ先輩。
敬語ですよ?
敬語は、尊敬する人に使いますよね?」
とカズラくん。
うん?そうだったかなー?
「今までのヒサツグ先輩を振り返ってください。
ヒサツグ先輩のどこに尊敬できるところがありました?」
とカズラくん。
敬語に戻ったカズラくんが容赦ない。
カズラくんは、敬語になると攻撃力が増すなー。
それでも。
「カズラくんは、たくさんお喋りしてくれるくらい、オレに心を許しているんだよなー。」
今のカズラくんは、口ではなんのかんのいいながら、オレと話すのを楽しんでいるような気がする。
「ヒサツグのことは、尊敬してもいいかと思ったから。」
とカズラくん。
え?
ええ?
「カズラくんが、オレを尊敬する?
本気で?
オレ、凄いなー。
どのへんで、オレの評価が上がったのかな?」
「ヒサツグは、全然チートじゃない。
ぼくと違って。」
とカズラくん。
うん?
一瞬、カズラくんに褒められた気がしたんだけど、オレの勘違いだった?
「オレの場合は、クロードの伴侶になるという属性がチートになるんじゃないかなー。」
オレにある特殊能力は、クロードを守るため限定で使える女神様の加護。
オレとしては、クロードを助けられるから、ありがたいけれどなー。
オレ自身では、パワーアップして必殺技を繰り出したりできない。
女神様の加護の対象が限定されている時点で、修行しても、オレは強くなったりはしないと思う。
「ヒサツグは、見た目が武器にならない。」
とカズラくん。
カズラくん、今さら、どうしたのかな?
出会ったときから、オレの見た目に大きな変化はないはずだぞ?
「オレは、どっちかと言うと、大勢の中にいる一人だからなー。」
「ヒサツグは、ぼくとは全然違う。」
とカズラくん。
カズラくんは、一目をひく容姿だからなー。
日本では、男女問わず、恋人がいたみたいだからな。
働いて、稼いでもいたようだし。
日本でのカズラくんは、目立っただろうな、と思う。
「カズラくんは、目立ちたくなかった?」
女神様の創ったこの世界にいるカズラくんは、元神子様でありながら、目立っているとは言い難い。
元神子様であろうがなかろうが、関係ない感じになっている。
この世界に来てから、オレやカズラくんが関わりを持った人が、主に王侯貴族だからかなー。
周りに埋もれそうな人っていないんだよなー。
皆、存在感がある。
女神様なんて、その最たるものだよなー。
女神様は、人ではないけれど。
印象に残らないのような一般の人の中で、その内の一人として生きてきたオレは、女神様がお気に入りの英雄を伴侶に持つ大公妃。
世界を超えて、平凡とはかけ離れた存在意義になったなー。
「ヒサツグは、チート能力のない平凡で、見た目の印象も弱い。」
とカズラくん。
カズラくんは、オレの人物評をしたいのかな?
「オレは、見たままだからなー。」
「女神様の創ったこの世界の変革者は、何でも持っていたぼくじゃなくて、何も持っていないヒサツグなんだよ。」
とカズラくん。
うん?
真剣な話が始まるのかな?
「ぼくは、ヒサツグに完敗した後、ぼくとヒサツグの差は何だったんだろう、と考えたんだよ。」
とカズラくん。
「クロードとの恋の成就については、クロードとの相性だったと思う。」
「相性って、結局、人となりが合うかどうか、だよね?
ぼくは、自分の人生を振り返って、ぼくの魅力が何かを見直した。」
とカズラくん。
うん、カズラくんは前向きだ。
「日本に帰って、ヒサツグにあって、ぼくにないものは、何かと考えても答えが見つからなかった。
日本から戻ってからも、ヒサツグとクロードを見ても、答えが見つからなかった。」
とカズラくん。
「うん。」
カズラくんの発見が、オレの年の功だったら。
オレの九歳下のカズラくんが正解にたどり着くまで、時間がかかっただろうなー。
「今日、ぼくは、答えを見つけたんだよ。」
とカズラくん。
「答えは、何だったのかなー?」
カズラくんはオレの何を評価したのかなー?
「秘密。」
とカズラくん。
「え?秘密?」
ここへきて、秘密?
「うん。
ぼくは、ヒサツグのことを尊敬したからね。
ヒサツグは、ぼくの先輩にするよ。」
とカズラくん。
「そうか、オレは、カズラくんに、先輩にしてもらったんだなー。
オレに後輩ができて良かったぞ。」
お腹痛いのかな?」
「ヒサツグ。なんで、お腹に限定した?
そこは、頭が痛くないかを聞くところだよ?」
とカズラくん。
いつも通りのカズラくんだった。
敬語も先輩も、消えている。
「カズラくんの敬語を初めて聞いたから、動揺したなー。」
「ぼく、敬語は使えるから。」
とカズラくん。
「そうなんだ。
カズラくんが敬語を使うの初めて聞いたぞ?」
「敬語を使う相手がいなかったんだよ。
使う機会がなかったんだよ。」
とカズラくん。
「えー、オレは?」
オレは、どう見ても、カズラくんより年上だぞ?
「ヒサツグ先輩。
敬語ですよ?
敬語は、尊敬する人に使いますよね?」
とカズラくん。
うん?そうだったかなー?
「今までのヒサツグ先輩を振り返ってください。
ヒサツグ先輩のどこに尊敬できるところがありました?」
とカズラくん。
敬語に戻ったカズラくんが容赦ない。
カズラくんは、敬語になると攻撃力が増すなー。
それでも。
「カズラくんは、たくさんお喋りしてくれるくらい、オレに心を許しているんだよなー。」
今のカズラくんは、口ではなんのかんのいいながら、オレと話すのを楽しんでいるような気がする。
「ヒサツグのことは、尊敬してもいいかと思ったから。」
とカズラくん。
え?
ええ?
「カズラくんが、オレを尊敬する?
本気で?
オレ、凄いなー。
どのへんで、オレの評価が上がったのかな?」
「ヒサツグは、全然チートじゃない。
ぼくと違って。」
とカズラくん。
うん?
一瞬、カズラくんに褒められた気がしたんだけど、オレの勘違いだった?
「オレの場合は、クロードの伴侶になるという属性がチートになるんじゃないかなー。」
オレにある特殊能力は、クロードを守るため限定で使える女神様の加護。
オレとしては、クロードを助けられるから、ありがたいけれどなー。
オレ自身では、パワーアップして必殺技を繰り出したりできない。
女神様の加護の対象が限定されている時点で、修行しても、オレは強くなったりはしないと思う。
「ヒサツグは、見た目が武器にならない。」
とカズラくん。
カズラくん、今さら、どうしたのかな?
出会ったときから、オレの見た目に大きな変化はないはずだぞ?
「オレは、どっちかと言うと、大勢の中にいる一人だからなー。」
「ヒサツグは、ぼくとは全然違う。」
とカズラくん。
カズラくんは、一目をひく容姿だからなー。
日本では、男女問わず、恋人がいたみたいだからな。
働いて、稼いでもいたようだし。
日本でのカズラくんは、目立っただろうな、と思う。
「カズラくんは、目立ちたくなかった?」
女神様の創ったこの世界にいるカズラくんは、元神子様でありながら、目立っているとは言い難い。
元神子様であろうがなかろうが、関係ない感じになっている。
この世界に来てから、オレやカズラくんが関わりを持った人が、主に王侯貴族だからかなー。
周りに埋もれそうな人っていないんだよなー。
皆、存在感がある。
女神様なんて、その最たるものだよなー。
女神様は、人ではないけれど。
印象に残らないのような一般の人の中で、その内の一人として生きてきたオレは、女神様がお気に入りの英雄を伴侶に持つ大公妃。
世界を超えて、平凡とはかけ離れた存在意義になったなー。
「ヒサツグは、チート能力のない平凡で、見た目の印象も弱い。」
とカズラくん。
カズラくんは、オレの人物評をしたいのかな?
「オレは、見たままだからなー。」
「女神様の創ったこの世界の変革者は、何でも持っていたぼくじゃなくて、何も持っていないヒサツグなんだよ。」
とカズラくん。
うん?
真剣な話が始まるのかな?
「ぼくは、ヒサツグに完敗した後、ぼくとヒサツグの差は何だったんだろう、と考えたんだよ。」
とカズラくん。
「クロードとの恋の成就については、クロードとの相性だったと思う。」
「相性って、結局、人となりが合うかどうか、だよね?
ぼくは、自分の人生を振り返って、ぼくの魅力が何かを見直した。」
とカズラくん。
うん、カズラくんは前向きだ。
「日本に帰って、ヒサツグにあって、ぼくにないものは、何かと考えても答えが見つからなかった。
日本から戻ってからも、ヒサツグとクロードを見ても、答えが見つからなかった。」
とカズラくん。
「うん。」
カズラくんの発見が、オレの年の功だったら。
オレの九歳下のカズラくんが正解にたどり着くまで、時間がかかっただろうなー。
「今日、ぼくは、答えを見つけたんだよ。」
とカズラくん。
「答えは、何だったのかなー?」
カズラくんはオレの何を評価したのかなー?
「秘密。」
とカズラくん。
「え?秘密?」
ここへきて、秘密?
「うん。
ぼくは、ヒサツグのことを尊敬したからね。
ヒサツグは、ぼくの先輩にするよ。」
とカズラくん。
「そうか、オレは、カズラくんに、先輩にしてもらったんだなー。
オレに後輩ができて良かったぞ。」
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