《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

590.国賓がお帰りになったので、ミーレ長官夫妻と息子さんケヤキくんの話をしましょう。

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キスした後。

オレとクロードは、手を繋いで、並んで仮眠した。

愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚式で、よく働いたオレとクロードは、次の仕事を考えて、体を休めることにした。

愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚式からお帰りになる国賓のお見送りに、眠たい顔では行けないからな。

愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚式の二次会は、カズラくんの満足のいくものになったらしく。

朝から、カズラくんはご機嫌だった。

そんなカズラくんの第一声は。

「女神様は?」

女神様は、帰ったと伝えてから、補足する。

「愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚式も終わったからなー。

また来るんじゃないかな?」

女神様の姿が見えないことに、女神様と一緒に結婚式に参加した全員が納得したところで。

国賓のお見送り。

ドリアン王国の国王陛下夫妻のジャケットの裾は、めくれ上がっている。

カズラくんの力には、女神様と同じような効果があるのかもしれない。

国賓を見送った後。

ヤグルマさんが、マウンテン王国へ戻る前に。

オレは、ミーレ長官とミーレ長官の奥様を呼んだ。

ミーレ長官の息子さんケヤキくんについて話をしないとな。

ミーレ長官の息子さんケヤキくんは、ヤグルマさんの近くにいる。

「ミーレ長官とミーレ長官の奥様に確認したいことがある。

息子さんのケヤキくんの周りにいる人達の顔触れは、お父さんお母さんであるミーレ長官夫妻と繫がりのある人達だよな。

周りを警戒している息子さんケヤキくんは、自分から家族以外との距離を縮めていない。」

「私の繫がりは、結婚前からのお友達です。」
とミーレ長官の奥様。

「私は、仕事関係で知り合った人ですね。」
とミーレ長官。

うん。

利害関係がハッキリしたな。

「ミーレ長官夫妻は、ミーレ長官夫妻の周りにいる人が態度を変えた理由を理解しているよな。

ミーレ長官と奥様は、周りの人の態度の変化について、息子さんケヤキくんが理解して納得のいく説明を済ませているかな?」

済ませているなら、説明が足りない。

済ませていないなら?

「問題はありませんでした。」
とミーレ長官。

ミーレ長官は、そう答えることを予想していたから、驚かないけどさ。

「何か問題がございましたか?」
とミーレ長官の奥様。

ミーレ長官の奥様もなんだなー。

単刀直入に伝えようかな。

「急に手のひら返ししてきた人と、その人達との関係について、さ。

何も説明しないままの両親の立場としては、問題が起きなかったんだから、問題ないという認識になっていないかな。」

「問題はなかったけれど、何かが問題だとお考えでしょうか?」
とミーレ長官の奥様

「ミーレ長官夫妻が、問題ない、と感じていたことが最大の問題だとオレは思う。

まだ子どもの我が子に対して鈍感さを発揮するのは、良くないように見えたな。」

「ケヤキが何か?」
とミーレ長官。

「問題があるのは、ケヤキくんじゃない。

ミーレ長官と奥様だ。」

「不備がございましたか?」
とミーレ長官の奥様。

「息子さんケヤキくんが、必死に大人と変わらない対応をし続けたから、ミーレ長官夫妻は、やり過ごせたんだとオレは思ったな。」

「お褒めいただき光栄でございます。」
とミーレ長官の奥様。

分かっていないなー。

ミーレ長官の奥様は、貴族のご令嬢として生きていた時間を取り返したから、その当時の感覚で考えているのかもしれない。

「披露宴会場での、ミーレ長官夫妻はさ、ケヤキくんに一人の大人として、両親を困らせずに助けることを求めているように見えた。」

お父さんお母さんが、ケヤキくんに求めすぎだとオレは思った。

「ヒサツグ様は、ご覧になっていたのですか?」
とミーレ長官。

「ミーレ長官夫妻は、ケヤキくんの仲間以前に、ケヤキくんのお父さんとお母さんだ。

という考えが、ミーレ長官夫妻の両方の頭から抜け落ちているように見えたなー。」

オレの言わんとすることを受け止めても、ケヤキくんの立場になっていないミーレ長官夫妻は、貴族とはそういうものだから、という回答から先に進まなかった。

「ケヤキくんの頑張りは、お父さんお母さんと三人で頑張らないと生きていけないという切迫感から生まれている。」

「家を守る、家族を守るとは、そういうことです。」
とミーレ長官の奥様。

誤算だったなー。

貴族的な思考は、ミーレ長官の奥様の方が強かった。

「お父さんお母さんであるミーレ長官夫妻は、環境が激変して、見落としたかもしれないな。

ケヤキくんの環境の変化は、ミーレ長官夫妻の身に起きている環境の変化と同じじゃないぞ?」

オレは、ケヤキくんとヤグルマさんを呼んだ。

貴族的な発想を続けるとケヤキくんは苦しいままになる。

ケヤキくんの苦しみを、今、理解するのは難しいかな。

「今までに接点がなかった人の中に飛び込んで、思惑全開ではない人間関係をケヤキくんに体験させることにしたからな。

ヤグルマさん、ケヤキくんを任せた!

ケヤキくんは、マウンテン王国のケレメイン大使館で、ケレメイン公爵家の王都邸の人と暮らしてこい。」

「かしこまりました。」
とヤグルマさん。

「行ってまいります。」
とケヤキくん。

「ケヤキは、私達の子どもです。」
とミーレ長官の奥様。

うーん。

そうなんだけどさ。

「ミーレ長官とミーレ長官の奥様に伝えておくぞ。

ケヤキくんは、二人の子どもだけど、ケレメイン大公国の国民でもある。

ケレメイン大公国の国民のケヤキくんには、重荷に潰れないで、大人になってもらいたいとオレは考えている。

だから。

ケヤキくんは、ヤグルマさんとマウンテン王国にあるケレメイン大使館へ、今から移動させる。

決定だ。

ミーレ長官と奥様は、ケヤキくんが、今までとは異なる経験をして帰ってくるときまで、待て。

ケヤキくんの話を聞くのは。

お父さんお母さんが何を考えて、何をどうしたかったから、どんな行動に出たのか、をケヤキくんに説明する前に。

ケヤキくんが、聞いた話を自身で判断できるだけの経験を積ませてやれ。」

オレの強硬姿勢を見たことがないミーレ長官夫妻は、一瞬ひるんだ。

「私は、父上、母上を尊敬しています。
ですが、このたび、父上、母上以外にも尊敬する方が出来ました。
私は、その方のご期待に応えたいと思います。」
とケヤキくんは、オレを見る。

「楽しみにしているぞ。」
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