次世代最強とうたわれている辺境伯家次男の目覚めは、何もないお隣の領地を治める男爵家の三男。幼馴染な関係の平凡男子な俺でした。[完結]

かざみはら まなか

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23.辺境伯家の晩餐用に仕立てられた俺のジャケットは、膝上丈。ただしズボンの丈が。純白の人工スライムの材料って?幼馴染が俺を好き過ぎるよ。

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俺は幼馴染と並んで、辺境伯家の食事の席についていた。

案内された俺の椅子の真ん中に、穴は空いていなかった。

代わりに、真ん中に穴が空いている硬めのクッションが座面に置いてあった。

良かった。

晩餐会に出席して、一人だけ真ん中に穴が空いた椅子に座るなんて。

誰かに見られたら、恥ずかしすぎる。

俺一人だけ椅子が違うのかと不思議に思われたときに。

今晩の下準備のために、お尻から純白の人工スライムを仕込んでいるので、一人だけ椅子が違うんですって、とか説明されたら。

恥ずかしくて二度と顔を合わせられないよ。

辺境伯家にいるときは必ず幼馴染が俺といるから、幼馴染以外の辺境伯家の人達と話し込むことはないけれど、顔を知らない仲じゃない。

弁解できるほどの仲良さじゃない人達の前で、印象に残るようなことは避けたい。

もし説明を求められても、説明しようがないけれど。

辺境伯家の晩餐は、男爵家の家庭的な空間とは違っていた。

シチューを鍋からお皿に一人ずつよそって並べて食べる、というのではなかた。

今日の晩餐は、前菜から始まるコース料理。

幼馴染と俺の服のジャケットの裏地には、プレシオサウルスの刺繍がお揃いでさしてある。

隠れたお洒落だと思ったから、伝えてみた。

『裏地に刺繍したのは、通のお洒落?』

『今日の服は裏地をお揃いにしているけれど、特別な日には背中にお揃いの刺繍をさすよ。』
と幼馴染。

裏地の刺繍は、お洒落道とは関係なかった?

『裏地に刺繍と背中に刺繍の違いは、晩餐会の格の違い?』

『今晩が終わったら背中にお揃いの刺繍の服だよ。』
と幼馴染。

『着ていい服が変わる基準って?』

『今晩が楽しみだよ。』
と幼馴染。

ホクホクとした表情で笑っている幼馴染を見て、戦慄するしかない。

『刺繍をお揃いにするのは、辺境伯家の風習?』

『俺は次男だから。』
と幼馴染。

『うん。』

『俺とお前の今をカタチにするよ。』
と幼馴染。

辺境伯家のしきたりでも風習でもなく、幼馴染の欲望だったよ。

『ヤる前の服が裏地に刺繍有りで、ヤッた後の服は背中に刺繍有りなんて。そんな丸わかりアピールいらないよ。』

恥じらいというものは、ないんかーい!

『分からせないとね。』
と幼馴染。

『誰に?』

『お前に。』
と幼馴染。

『俺に、分からせはいらないよ。』

気をつけろよ。

また、俺の目が半分になったらどうするんだよ?

『いらないと言ってしまうお前だから、いるんだよ。』
と幼馴染。

『お前と俺がヤッた報告なんてなんでいるんだよ。』

そんな話をしながら案内され、俺と幼馴染は着席した。

移動は、更衣室を出てからずっと縦抱きだった。

俺と幼馴染は同じ色の生地で作られた服を着ている。

飾りボタンには、辺境伯家の紋章とプレシオサウルス。

職人さんの技術に、万歳したい。

飾りボタンに描かれているプレシオサウルスの姿の向きが全部違うという芸の細かさ。

俺がプレシオサウルスと仲良しなことを知って服作りをしてくれたんだと思うと、敬意しかない。

幼馴染の服のプレシオサウルスの飾りボタンは、俺のと並べると、俺と幼馴染でセットに見える仕様。

服を着たときに、幼馴染の服のデザインは雄々しく、俺の服は無邪気さを表現したと説明された。

『俺、大人だけど。』

無邪気が褒め言葉になるお子様は卒業しているよ?

無邪気をデザインするのは、思い留まって欲しかった。

ジャケットが、膝上丈だから、安心しきっていた。

無邪気さを、短パンで表現するんじゃない!

膝上丈のジャケットよりズボンの裾が短いなんて。

『ズボンの丈が短いと、ズボンを履いてないように見えるよ?』

幼馴染は、俺の抗議もなんのその。

着替えた俺の全身を見て、頬を緩めきっていた。

『履いていないように見えて履いているズボンからのびるお前の太ももに触っていいのは、俺だけだよ?』
と幼馴染。

ジャケットの裾から鼻先を入れて、スー、スーと匂いを嗅ぐんじゃない。

『お前は、俺の太ももをじかに触って、匂いを嗅ぎたいだけだろ。』

『大好きだよ。』
と幼馴染。

俺の太ももの匂いを嗅ぎ終わったタイミングで、目をキラキラさせて微笑んでくるなよ。

俺の幼馴染は、俺を好き過ぎる!

晩餐会は、全員の着席とともに始まった。

「今日結婚しました。顔合わせに私の伴侶も同席しています。」
と幼馴染。

「おめでとう。」
と辺境伯夫人。

「ありがとうございます、母上。」

「おめでとう。」
とお兄さん。

「ありがとう、兄上。」
と幼馴染。

「おめでとうございます。」
とお兄さんのお嫁さん。

「おめでとうございます。」
とお兄さんの娘さん。

「今日から一人増えた辺境伯家を皆で祝おう。」
と辺境伯。

グラスに注がれたお酒を全員で飲み干す。

「よろしくお願いします、と一言。」
と俺の後ろに控えていた侍従に促されるままに。

「よろしくお願いします。」
と頭を下げる。

こうして、俺は辺境伯家の一員になった。

腹の中に入っている純白の人工スライムは大人しい。

肛門にくっついている蓋も、ぴったり。

今晩のことは棚上げにして、美味しいご飯をいただこう。

念の為に会話は、相槌をうつことに専念しようと決めて。

フォークとナイフとスプーンを使って美味しくいただいていた。

メイン料理は、先に魚で次が肉。

肉のメイン料理までは、なんともなかったんだ。

「辺境伯家へようこそ。ドラゴン好きに、辺境伯領はたまらないだろう?」
とお兄さん。

「はい。たまらないです。」

お尻の中の人工スライムが、震え始めた。

いきなり、なんで?

ぶるぶる震えながら、下へ下へとたまっていくスライム。

スライムの重さで、肛門が広がりそう。

隣の幼馴染に文句を言いたいけれど、幼馴染を見る余裕なんかない。

こら、人工スライムのくせに、いきなり重力に従うんじゃない!

肛門の蓋はまだぴったりくっついているけれど。

スライムの重さでもりっと外れたらどうしよう?

ズボンが破けたら?

肛門の蓋を落としたくない。

真ん中が空いているクッションの上に座っているせいで、肛門の下がスカスカだから、心許ないよ!

スライムの重みで蓋が外れて、モコモコとスライムがお尻から漏れたら?

いーやーだーよー。

肛門をキュッとしめる。

こら、スライムのくせに、肛門まわりでぶるぶる震えるんじゃない。

はみ出たらどうするんだよ!

肛門周辺でぶるぶるしていないで、お腹の中の方へ移動するんだ!

「叔父様との愛はどう育んだの?」
とお兄さんの娘さん。

「長い時間をかけて?」

疑問形になったのは許してほしい。

冷静になんて喋れない。

声が震えてしまう。

下へ下へと下がってきていたスライムが、急に上へ上へと伸びだした。

漏らさなくて良かったって。

ホッとしたかったのに。

ぶるぶる震えながらお尻の中をのぼってくるなよ。

スライムめ。

「叔父様を見ていたら察することも多かったんじゃない?」
とお兄さんのお嫁さんは娘さんをたしなめる。

お腹の上へ上へと上ってきていたスライムは、うねりながら縦に横にとうごめき始めた。

スライム、止まるんだ!

お尻の穴が広がったら、蓋が外れる!

ごぽり、とお尻から純白スライムが溢れるのは阻止したい!

晩餐にスライムを仕込んでくる変態として記憶されてたまるか。

頑張れ、俺の肛門!

「結婚したら毎日忙しくなるわよ。」
と辺境伯夫人。

幼馴染の家族から話しかけられる都度、返事をしたり質問を投げたりしながら食事をしていたら、幼馴染と目を合わせる暇もない。

ぐいーん。

ぐぶーん。

お腹の中で縦や横に動いていた純白の人工スライムが、膨張し始めた!

俺のお尻の中で、勝手に大きくなろうとするんじゃない!

人工スライムが好き勝手するせいで、俺の肛門とお尻と太ももが攣りそうになっている。

かくなるうえは、幼馴染に何か言ってやらないと、俺の気がすまない。

ご飯を食べ終わって、部屋に戻ろうというときに。

横に座っていた幼馴染が、素早く俺を縦抱きにした。

今だけは、すごく助かる。

俺が自分から幼馴染に縦抱きされたいと思うなんて。

幼馴染の頭をはしっと掴む。

「純白の人工スライムは、本当に野生じゃなくて人工?」

「もちろん、人工だよ。」
と幼馴染。

「人工の動きとは思えないんだけど!」

「俺の思いの丈がこもった傑作だからね。」
と幼馴染。

幼馴染は、鼻歌を歌い出すんじゃないかぐらいに機嫌がいい。

「材料に何を使ったら、野生並に暴れる人工スライムになるんだよ?」

「俺の精液。」
と幼馴染。

「人工スライムの白さって?」

「俺の精液が凝縮されているからだよ。」
と幼馴染。

幼馴染が縦抱きにした途端。

俺のお尻の中を縦横無尽に動き回っていた純白の人工スライムは大人しくなった。

「二度と人工スライムは入れない。覚えておけよ!」

まさか、幼馴染の精液を凝縮して作った人工スライムには、幼馴染の意思が宿っていたり?

「純白の人工スライムは、俺さえいれば、いつでもどこでも何度でも作れるんだよ。」
と幼馴染。

「お前は、知らないうちにお前の精液を入れていた俺の身になれよ!」

「俺のものを入れる前なのに、俺の精液以外の選択肢はないよ。」
と幼馴染。

「潤滑油という選択肢は?」

「原材料から全部俺が作るとなると、潤滑油よりも人工スライムの方が、お前の肛門に優しいよ。」
と幼馴染。

「なんだよ、その気遣い!」

「純白の人工スライムは、お前の肛門を守れる最強の便利道具だから、お前が俺のを出し入れするのに慣れるまでは毎日入れるね。」
と幼馴染。

俺は縦抱きにされたまま、幼馴染の寝室へ運ばれた。
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