次世代最強とうたわれている辺境伯家次男の目覚めは、何もないお隣の領地を治める男爵家の三男。幼馴染な関係の平凡男子な俺でした。[完結]

かざみはら まなか

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28.俺もお前も、二人で素直になって、全部、最初からもう一度。

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寝室の外にはプレシオサウルスが、ついていてあげると言わんばかりに番をしてくれている。

幼馴染のベッドで幼馴染と抱き合っていると、抱き合っていることが自然な形に思えてきた。

「今晩中に感じられるかどうか分からないけれど、しようよ。」

声をかけたら、頬に頬をくっつけてきた。

「お前が元気になった。良かった。」
と幼馴染。

幼馴染も元気になった。

「うん。俺、お前とすることを考えすぎて、頭でっかちになっていたよ。」

きっと、ヤることしか頭にない状態になってしまったせいで、切羽詰まったんだ。

「俺がせっかちに求めすぎた、ごめん。」
と幼馴染。

幼馴染は、すっぽりと俺の全身を抱き込むように抱き締める。

「お前がせっかちになったのは、事情があったんだろ?」

俺を泣かさないためにドラゴンを寝室の横に待機させるくらい気配りが行き届いているんだよ。

急ぎたい事情があったんだと今なら分かる。

「お前を大事にできないなら、そんなものはただの言い訳だよ。」
と幼馴染。

「反省なんてしなくていいよ。俺の分の貴族としての荷物を全部背負ってくれていたんだろ?」

幼馴染が俺を悲しませたくないように、俺だって幼馴染を悲しませたくない。

「お前を守ることとお前を愛することは俺にとっては同義なんだよ。」
と幼馴染。

「お前の責任感には感謝しているし、愛情も感じているけれど、俺にお前の背負っている荷物をいくつかくれよ。」

「お前に負担はかけたくない。」
と幼馴染。

幼馴染は、ヌルッとしたキスをしてきた。

誤魔化されないよ?

「負担になんかならない。俺だってお前を守りたい。」

「俺を守りたい?」
と幼馴染。

嬉しそうだ。

「うん。」

俺から鼻先にキスしてみる。

「俺を守りたいなんて俺に言うのはお前だけだよ。」
と幼馴染。

ふふっと笑っている幼馴染。

知らなかったからとはいえ、一人で頑張らせてごめん。

俺とお前の二人の未来のためだから。

「守りたいよ。俺、お前が好きだよ。」

「愛している。」
と幼馴染。

幼馴染の囁きが耳に染み込んでくる。

「俺はお前と夫婦になりたいよ。」

耳の中に息、入れていない?

「夫婦だよ。」
と幼馴染。

幼馴染の声が小さくなった。

「ずっとお前と夫婦でいたいんだ。だから、俺にも、俺とお前が夫婦でいられなくなる原因を取り除かせてよ。」

幼馴染の背中に回した手で、幼馴染の背中を撫でる。

俺は、この背中に守られてきた。

「お前には聞かせたくなかったんだ。」
と幼馴染。

まだ、一人で頑張ろうとしている。

「俺やお前が一人でやってうまくいかなかったことでも、二人でやってうまくいったこと、覚えていない?」

子どもの俺と幼馴染は、一緒にいるだけで毎日が冒険だった。

「忘れていた。一人で全部やってきた気になっていたよ。」
と幼馴染。

幼馴染の顔を両手で挟む。

「お前の横には、いつも俺がいたんだよ。」

「うん。俺は、そんなお前を好きになったんだ。」
と幼馴染。

はにかむように微笑む幼馴染につられて笑顔になる。

「王家の人が来ている前で、初夜をしないといけないとか、俺の知らない話はない?」

幼馴染は腹をくくって話し出した。

「俺とお前の結婚はうまくいかないと王女が主張したんだよ。」
と幼馴染。

「王家じゃなくて、王女殿下が俺とお前の結婚に反対した?」

「うん。俺とお前の初夜に王家からの証人をたてて、初夜がうまくいかなかったら、俺が王女と結婚して、王都に住むという取引で、いったん王女を黙らせた。」
と幼馴染。

「王女殿下がお前にご執心だったなんて、知らなかったよ。」

顔も頭も性格も体格も良くて、次世代最強とうたわれている幼馴染に恋に落ちた?

「お前も俺といたときに王女と遭遇したことがある。」
と幼馴染。

「王女殿下が辺境伯領に遊びに来た?」

俺は、王都に行かないから、王女殿下と遭遇するチャンスは辺境伯領にしかない。

「うん。その後、俺と仲良くなろうとしていた王女に見向きもせずに、お前ばかり構って王女の相手をしなかったという抗議がきた。」
と幼馴染。

「初対面の女の子と仲良くなろうとするよりも、既に仲良しの男友達と遊ぶのが楽しい時期だったら仕方ないよ。」

もしくは、異性に気を遣うお年頃だと気楽に遊べなかったりするんじゃないかな?

「俺は、お前の視界に俺しか映らないようにするのに忙しかった。」
と幼馴染。

王女殿下を避けた?

「王女殿下は、今も失恋を引きずっている?」

「プライドを傷付けられたことが許せないという感情から、俺との結婚で勝利を味わいたがっている。」
と幼馴染。

「お前が好きだから、が動機じゃないんだ。」

女の子のイメージが、思ってきたのと違う。

「好きから始まったのかもしれないし、好きな気持ちはあるかもしれないね。」
と幼馴染。

「好きよりももっと大きくて甘くないものをお前は王女殿下から感じたんだ?」

「うん。だから、お前には王女に関わりのある何人も近付けたくない。」
と幼馴染。

幼馴染の警戒心の理由が分かった。

「扉の外にいる王家からお使いに来た人は、王女殿下に関わりがある人なんだ?」

「王女が指名して派遣してきた。」
と幼馴染。

「王女殿下が指名して派遣してきた時点で、俺とお前の初夜がうまくいってもいかなくても、報告とその結果が俺とお前のためにならないことは十分考えられる。」

「うん。」
と幼馴染。

良かった、俺の見通しは間違ってない。

「俺とお前のためにならないなら、王女殿下の使いを生かして帰す選択肢は俺にはないよ。」

「お前にそれを言わせるつもりはなかった。」
と幼馴染。

「先に言ったのはお前だよ。」

「うん。ありがとう。」
と幼馴染。

「自分からしがらみにとらわれにいくのは、俺達に合わない。」

「うん。」
と幼馴染。

「色々考えるのは止めて、初夜を楽しもうよ。」

「俺の、怖くない?」
と幼馴染。

「もう、怖くないよ。怖かったのは、尻に入れることとか、尻で感じることとかをプレッシャーに感じていたからだから。」

「愛している。」
と幼馴染。

「プレッシャーが吹っ飛んで、お前のことが大好きだと思ったら、お前と抱き合うだけじゃ足りないと分かったんだよ。俺、お前と繋がりたい。」

「今、人工スライムをおまえから出すよ。」
と幼馴染。

「覚えていてよ。俺が欲しいのは人工スライムじゃなくて、お前のだよ?」
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