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第二部
餌付け
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「……もしもし」
『あぁ、どうだった? 手に入ったか?』
心は妖艶な笑みを浮かべつつ、ストレートの黒髪を手櫛で梳く。
「当たり前ですわ、フフ……。司さんこそ、ちゃんと制限かけて下さいました?」
『もちろんだ……じゃあ院で待ってる』
心は携帯電話をカバンに入れると、戦利品を手に持ち院へと向かった。
スキップしたいところだが、そうはいかない。
「ごきげんよう」
「あ、心ちゃん、久し振りだね」
院のドアを開けると幸が笑顔で出迎える。心はにっこりと微笑むと幸にビニール袋に入った白い箱を差し出す。
「幸さん、これ召し上がれ」
「あ、もしかしてこれ……」
みるみる幸の顔が破顔し、周りにぽわっと小花が咲いた。ふわふわの笑顔だ。
「ふふふ、コーヒー入れてくるからそこに掛けてね、町田さんも手伝ってくれる?」
「はい、では──」
幸と町田が奥の部屋へと消える。
「……よく手に入れたな、あそこは並ばないとダメだろう?」
待ち合いのソファーに座る組長は足を組み替えた。心の持ってきた袋をまじまじと見つめる。
「えぇ、舎弟にも並んでもらいましたわ。一度に六個は厳しいですもの……行列の後方から睨まれますし、二手に分かれて三個ずつ購入しましたわ……ふふ」
心は嬉しそうにビニール袋から白い箱を出す。人数は五人だが、一つは幸の明日のために余分に購入するのがお約束だった。
これは某有名パティシエの店の限定ショートケーキだ。こだわりの一品らしい……先日テレビで放送された為、より入手が困難となった。
各々別の場所でこの番組を見ていた心と組長が連絡を取り合った。二人のセンサーが作動した。これこそ、幸にぴったりだと──。
必ず、あの店のショートケーキを手に入れてみせる……。
二人の気持ちは一つになった。
実は二人には共通の趣味があった。それは……幸の餌付けだ。
正確には幸にショートケーキを買い与えることだ。幸はショートケーキが大好きだ。
組長も心も幸の嬉しそうな姿を見るのが楽しみだった。
「お待たせしました」
幸と町田が皆のコーヒーを盆に乗せて戻ってくる。幸がテーブルに置くといそいそと箱の中身を確認する。
その様子を周りのみんなが注視している……。
先生は、喜んでくれるだろうか──。
この日のために組長たちも幸がケーキを食べないように誘導していた。光田は特に外出時には気を使った様だ。
「う、わ……わわわ! きっれーい」
目を煌めかせてケーキを見つめる幸に皆が心の中でガッツポーズをとる。
めちゃくちゃ喜んでる! 成功だ!
「あー、あ、なんだ、食べようぜ」
組長はニヤける口元を押さえつつ早く食べるように幸を促す。皿の上にあるケーキを上から、そして横から見て幸はフフっと微笑む。
先細った部分をフォークで掬うと口に入れた。
──?!
幸の目が見開き、頰がみるみる紅潮する。口にフォークを咥えたまま悶えている。体を捩らせ頬に何度も手を当てている。美味しくて頰が落ちていないか確認しているつもりだろう。
皆幸の姿を見てぽわっとした空気に包まれる。
幸はすぐさまもう一口口に運ぶ。
「むぐ、ん、太ってもいい、いいもん」
あーなんだろうな、とにかく可愛い。うん。
「心ちゃん、すごく美味しい……ありがと」
幸の言葉に心はニヤリと笑った。苦労が報われた瞬間だ。
「いえいえ、よかったですわ……ふふ、幸さんの(餌付け)のためですもの、ふふ……」
「前に組長がホールケーキ買ってきてくれた時のも美味しかったけどねぇ」
「ホールケーキ? あー、あったっけな」
組長がケーキを頬張る。組長の目がカッと開かれた。
「お、やばいなコレ、美味いな」
組長も驚くほどの美味しさだ。
「ほんまや」
「やりますわね」
「んーうま」
皆もケーキを頬張ると感嘆の声を上げる。
「ほら、随分前に私と町田さんどちらがケーキを切るかで包丁の取り合いになったでしょ? そしたら──二人で一つの包丁握り合って切る羽目になって……ふふふ、結婚式のケーキ入刀みたいになって、ふふふ」
「……ほう、どういうことだ」
幸せそうにケーキを食べていたはずの町田が真っ青な顔をして立ち尽くす。
実はそのケーキを切り分けている時、組長は手洗いにいて席を外していてその場にはいなかった。町田は内心命拾いしたと思っていたのだが、まさかここで笑い話として出るとは思いもよらなかった。
いや、先生、笑えません。生きるか死ぬかの大問題です……。結婚して初めての共同作業とやらはマズイです。
「あ、あの……その、ケガをしてはいけないと思い自分がケーキを切ろうと」
「それで手を握り合って? ケーキ入刀?」
組長がケーキの最後の一口を食べるとコーヒーを一気飲みした。ゆらりと立ち上がり満面の笑みを浮かべた。
「あ……、心、倉庫にお前忘れ物してへんかったか?」
「え? そうなんですの?」
乾いた笑いを浮かべながら光田は心の手を取り倉庫へと向かった。町田のそばを通り過ぎる時光田は町田の背中に優しく触れた。
その温もりに町田は縋り付きたくなる。
光田……お前いつも逃げ足速いよな、異様に。
「先生、すまないがコーヒーおかわりもらえるか? 喉が渇いた」
「あ、はーい、ちょっと待っててくださいね」
幸が奥の部屋に行こうとするのを町田は視線で助けを求める。
先生! ちょっと待って! あれは誤解なんです。ただ、ちょっとウケ狙いで「ケーキ入刀みたいですね」と言ってみただけで……歳をとると笑いを取るのが生きがいになるんです……。
幸は町田と目が合うと大きく頷き、親指を立てる。
「もちろん分かってます! 町田さんの分も持ってきますよ。ミルク、砂糖入りですね」
いやいや、何一つ分かっていない。
いやいや、なんでそんなドヤ顔?!
幸が町田の肩に手をやると鼻歌を歌いながら奥の部屋へと向かった。
「あ──」
「…………町田」
「あの、すみません、その……」
「いいな、町田……ケーキ入刀体験は素晴らしいだろう? 俺も憧れてるぐらいだ」
え!? 憧れてたの!? 夢みてたの!? そんなドリーマーな一面隠してたの!?
「あぁ、とりあえず──おめでとう、町田」
組長は満面の笑みで町田の肩を組んだ。
「ありがとうございま、す?──ああぁぁ!」
「倉庫には、なかったようですわ。そもそも──ん?」
「そうやなぁ、おかしいな……あ。あぁ──」
「コーヒーお待たせしました。あまーい特製コー……ヒー、の──」
三人は治療室に戻ると声が出なくなった。
町田の頭のてっぺんが平らになり、イチゴのような形になっていた。
組長は黙って座ったままだ。
町田は鼻をすすりつつもケーキを食べ続けていた。
「……あぁ、そうそう……もうすぐイチゴが旬なんですって」
「あ、ああ、そうなんやな……」
心と光田のカップルはなんとか声を出せたがその視線を町田から離すことは出来なかった。
光田が心を送って行き、町田がいつものように院の外に出て待っていると、幸は組長を見上げる。
「ねぇ組長……私、ショートケーキ大好きなんです」
「あぁ、知ってるよ」
「……ショートケーキは組長とのキスの味なんですよ」
「──え?」
幸は目一杯背伸びをして組長に触れるだけのキスをした。
組長は固まった後、頰が赤く染まり出す。幸からのキスには未だに慣れていない。
嬉しくて、嬉しくて……顔が真っ赤になる。
「だから、その、大好きなんですよっ」
幸はふわっと微笑んだ。頰がピンク色に染まりその瞳の色は優しさで溢れていた。
院からの帰り道、しょぼんとした町田の頭を組長が撫でた。労わる様に優しく……。
「く、組長──」
「悪かった……」
「……大丈夫です。今日はイチゴになりたかったので」
組長はクククと笑うと町田も微笑んだ。
ショートケーキは、多くの人を幸せにするようだ。
『あぁ、どうだった? 手に入ったか?』
心は妖艶な笑みを浮かべつつ、ストレートの黒髪を手櫛で梳く。
「当たり前ですわ、フフ……。司さんこそ、ちゃんと制限かけて下さいました?」
『もちろんだ……じゃあ院で待ってる』
心は携帯電話をカバンに入れると、戦利品を手に持ち院へと向かった。
スキップしたいところだが、そうはいかない。
「ごきげんよう」
「あ、心ちゃん、久し振りだね」
院のドアを開けると幸が笑顔で出迎える。心はにっこりと微笑むと幸にビニール袋に入った白い箱を差し出す。
「幸さん、これ召し上がれ」
「あ、もしかしてこれ……」
みるみる幸の顔が破顔し、周りにぽわっと小花が咲いた。ふわふわの笑顔だ。
「ふふふ、コーヒー入れてくるからそこに掛けてね、町田さんも手伝ってくれる?」
「はい、では──」
幸と町田が奥の部屋へと消える。
「……よく手に入れたな、あそこは並ばないとダメだろう?」
待ち合いのソファーに座る組長は足を組み替えた。心の持ってきた袋をまじまじと見つめる。
「えぇ、舎弟にも並んでもらいましたわ。一度に六個は厳しいですもの……行列の後方から睨まれますし、二手に分かれて三個ずつ購入しましたわ……ふふ」
心は嬉しそうにビニール袋から白い箱を出す。人数は五人だが、一つは幸の明日のために余分に購入するのがお約束だった。
これは某有名パティシエの店の限定ショートケーキだ。こだわりの一品らしい……先日テレビで放送された為、より入手が困難となった。
各々別の場所でこの番組を見ていた心と組長が連絡を取り合った。二人のセンサーが作動した。これこそ、幸にぴったりだと──。
必ず、あの店のショートケーキを手に入れてみせる……。
二人の気持ちは一つになった。
実は二人には共通の趣味があった。それは……幸の餌付けだ。
正確には幸にショートケーキを買い与えることだ。幸はショートケーキが大好きだ。
組長も心も幸の嬉しそうな姿を見るのが楽しみだった。
「お待たせしました」
幸と町田が皆のコーヒーを盆に乗せて戻ってくる。幸がテーブルに置くといそいそと箱の中身を確認する。
その様子を周りのみんなが注視している……。
先生は、喜んでくれるだろうか──。
この日のために組長たちも幸がケーキを食べないように誘導していた。光田は特に外出時には気を使った様だ。
「う、わ……わわわ! きっれーい」
目を煌めかせてケーキを見つめる幸に皆が心の中でガッツポーズをとる。
めちゃくちゃ喜んでる! 成功だ!
「あー、あ、なんだ、食べようぜ」
組長はニヤける口元を押さえつつ早く食べるように幸を促す。皿の上にあるケーキを上から、そして横から見て幸はフフっと微笑む。
先細った部分をフォークで掬うと口に入れた。
──?!
幸の目が見開き、頰がみるみる紅潮する。口にフォークを咥えたまま悶えている。体を捩らせ頬に何度も手を当てている。美味しくて頰が落ちていないか確認しているつもりだろう。
皆幸の姿を見てぽわっとした空気に包まれる。
幸はすぐさまもう一口口に運ぶ。
「むぐ、ん、太ってもいい、いいもん」
あーなんだろうな、とにかく可愛い。うん。
「心ちゃん、すごく美味しい……ありがと」
幸の言葉に心はニヤリと笑った。苦労が報われた瞬間だ。
「いえいえ、よかったですわ……ふふ、幸さんの(餌付け)のためですもの、ふふ……」
「前に組長がホールケーキ買ってきてくれた時のも美味しかったけどねぇ」
「ホールケーキ? あー、あったっけな」
組長がケーキを頬張る。組長の目がカッと開かれた。
「お、やばいなコレ、美味いな」
組長も驚くほどの美味しさだ。
「ほんまや」
「やりますわね」
「んーうま」
皆もケーキを頬張ると感嘆の声を上げる。
「ほら、随分前に私と町田さんどちらがケーキを切るかで包丁の取り合いになったでしょ? そしたら──二人で一つの包丁握り合って切る羽目になって……ふふふ、結婚式のケーキ入刀みたいになって、ふふふ」
「……ほう、どういうことだ」
幸せそうにケーキを食べていたはずの町田が真っ青な顔をして立ち尽くす。
実はそのケーキを切り分けている時、組長は手洗いにいて席を外していてその場にはいなかった。町田は内心命拾いしたと思っていたのだが、まさかここで笑い話として出るとは思いもよらなかった。
いや、先生、笑えません。生きるか死ぬかの大問題です……。結婚して初めての共同作業とやらはマズイです。
「あ、あの……その、ケガをしてはいけないと思い自分がケーキを切ろうと」
「それで手を握り合って? ケーキ入刀?」
組長がケーキの最後の一口を食べるとコーヒーを一気飲みした。ゆらりと立ち上がり満面の笑みを浮かべた。
「あ……、心、倉庫にお前忘れ物してへんかったか?」
「え? そうなんですの?」
乾いた笑いを浮かべながら光田は心の手を取り倉庫へと向かった。町田のそばを通り過ぎる時光田は町田の背中に優しく触れた。
その温もりに町田は縋り付きたくなる。
光田……お前いつも逃げ足速いよな、異様に。
「先生、すまないがコーヒーおかわりもらえるか? 喉が渇いた」
「あ、はーい、ちょっと待っててくださいね」
幸が奥の部屋に行こうとするのを町田は視線で助けを求める。
先生! ちょっと待って! あれは誤解なんです。ただ、ちょっとウケ狙いで「ケーキ入刀みたいですね」と言ってみただけで……歳をとると笑いを取るのが生きがいになるんです……。
幸は町田と目が合うと大きく頷き、親指を立てる。
「もちろん分かってます! 町田さんの分も持ってきますよ。ミルク、砂糖入りですね」
いやいや、何一つ分かっていない。
いやいや、なんでそんなドヤ顔?!
幸が町田の肩に手をやると鼻歌を歌いながら奥の部屋へと向かった。
「あ──」
「…………町田」
「あの、すみません、その……」
「いいな、町田……ケーキ入刀体験は素晴らしいだろう? 俺も憧れてるぐらいだ」
え!? 憧れてたの!? 夢みてたの!? そんなドリーマーな一面隠してたの!?
「あぁ、とりあえず──おめでとう、町田」
組長は満面の笑みで町田の肩を組んだ。
「ありがとうございま、す?──ああぁぁ!」
「倉庫には、なかったようですわ。そもそも──ん?」
「そうやなぁ、おかしいな……あ。あぁ──」
「コーヒーお待たせしました。あまーい特製コー……ヒー、の──」
三人は治療室に戻ると声が出なくなった。
町田の頭のてっぺんが平らになり、イチゴのような形になっていた。
組長は黙って座ったままだ。
町田は鼻をすすりつつもケーキを食べ続けていた。
「……あぁ、そうそう……もうすぐイチゴが旬なんですって」
「あ、ああ、そうなんやな……」
心と光田のカップルはなんとか声を出せたがその視線を町田から離すことは出来なかった。
光田が心を送って行き、町田がいつものように院の外に出て待っていると、幸は組長を見上げる。
「ねぇ組長……私、ショートケーキ大好きなんです」
「あぁ、知ってるよ」
「……ショートケーキは組長とのキスの味なんですよ」
「──え?」
幸は目一杯背伸びをして組長に触れるだけのキスをした。
組長は固まった後、頰が赤く染まり出す。幸からのキスには未だに慣れていない。
嬉しくて、嬉しくて……顔が真っ赤になる。
「だから、その、大好きなんですよっ」
幸はふわっと微笑んだ。頰がピンク色に染まりその瞳の色は優しさで溢れていた。
院からの帰り道、しょぼんとした町田の頭を組長が撫でた。労わる様に優しく……。
「く、組長──」
「悪かった……」
「……大丈夫です。今日はイチゴになりたかったので」
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