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聖女と魔王と魔女編
魔王は口説かれない
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昼過ぎに魔王の居城の通称玉座の間で女王様(ヴァージニア)と待ち合わせだ。
おそらく、あとで聖女もやってくるだろう。
私はそこで待ち受ける。
よく考えたけど、やはり、魔王の討伐は許せないと決別した私はここで待っている。ここで勝っても負けても魔王は聖女が奪っていく。
女神の目を欺くための話とは言え、悲劇的なことで。あの女神が好きそうだ。
という設定の打ち合わせが、酒瓶の箱に入っていた。
思いのほか分厚い。
見ていないかもしれないけど、苦悩して、徹夜して、リミッター外しといてとの指示に素で頭が痛くなってきた。
ご当人は夜明けに紛れて、女神の隠しものをさがしてから準備してここに来る。
夜と朝の混じるときは光の神と闇の神の力が一番強くなる。ほかの神の影響力がとにかく落ちるのだ。その間は動きやすいらしい。
それから、魔王が番でない可能性の高さを指摘していたが、こればかりはあまり信用していない。女神が捻じ曲げることもあり得る。
そもそも、この計画に女神が乗るか、という話がある。見え透いた罠なんだけど。
彼女が見ていない、ということはないだろう。それでも堂々と準備しているが、一向に妨害がこない。やっぱり気がついていない、と思うほうが良さそうだ。
女神は、というより、神々は人の字がよく読めない。
そうヴァージニアは手紙を送ってよこした。彼女が言うには、神々が人の世を覗くとき望遠鏡で覗くようなものらしい。見えるだけでなく、音声も聞こえるし、思考さえ読むこともある。
しかし、紙に書かれた文字はよく見えない。文字は滲んだ模様のようにしか見えないし、それを気に留めることもほとんどないらしい。光の神のように人の目を通して覗くようなことをすれば別である。
確かに本を読む神の話もあるが、それは本そのものを手元に置いている。演劇などを理解する神もいるが、それも劇そのものをみている。
しかし、のぞき見で、文字を読む神という記述は魔女の記録にも残っていなかった。
盲点というか、意外というか。
なお、情報源は闇の神と光の神らしい。あと、死の神とされる冬の女神の証言もあると。
それに随時見ているわけでもないから、そこまでバレることもないだろうとヴァージニアは踏んだ。大胆不敵の女王様である。
それに乗った私も相当なものだが。
「にゃ」
「大丈夫ですよ」
足元にすり寄る黒猫に声をかける。
うーん。今、気を変えてどこかに行ってくれないだろうか。黒猫がここにいるには理由がある。
「うにゃ」
「あー、だから、ね、あなたは連れて行かない」
「うにゃ」
「陛下聞き分けてくださいって。
私のお仕事です」
「うーにゃー」
「……ダメだこれ」
以上の話によって、黒猫がついてきた。予定外だ。
予定では私作張りぼてを用意するつもりが本人がいてはなんの役にも立たない。存在感とかそういうモノが全く違うからだ。
それにしても説得などというのが無意味に思える頑固さはなんだろうか。どこかに隔離しても存在が曖昧で抜け出してくるし……。
今はあきらめの境地だ。なんか突っ込まれると思うけど……。
魔物は一時的に森に退避させた。この城は今は空っぽと言っていい。誰でも気軽にここまで来れる。
まあ、魔物がいても軽く処理しては来るだろうけど無駄な消耗は避けたい。
……と思ってたらオプションがついてた。
「……なんで少年連れてきたの」
気の抜けた話を先にしてしまった。
まあ、ここまできたら、女神が来ないということもないので普通に話をしてもいいのだろうけど。
完全武装の女王陛下はどこかのかっこいい騎士みたいだった。その従者のように、少年がついている。確か、イリューとか言ったな。こちらも武装はしているが、普通の青の騎士団の制服の延長線上だろう。えぐい加護とか見なかったふりをしたいが。
ヴァージニアは眉をひそめて、黒猫を見ている。
「そっちこそ、なんで連れてきたわけ?」
お互いにダメ出しというのが中々笑えない。
微妙に押しに弱いとこあるっぽい。
「そのままで運べない魂憑けてきてるからよ」
「なんか、ちゃんとした理由あった。
危なくなったら退避させてよ?」
「もちろん。
闇のお方に話をつけてあるわ。そっちもでしょう?」
「抜かりなく。
十全の力でお相手する」
魔女に生まれて、こんな機会があるとは思わなかった。
緩やかに朽ちていくような日々に。その平和を喜びながらも、手にした力を試したくもあったのだ。
それに気兼ねなく後方からしたいことができるというのも今までなかった。
神の血を引き、加護をもつならば、相棒として不足はない。
「失敗したら死ぬけど遺言は?」
「自分は死なないと言いたげね」
「死んだあとに働くらしいから、現世への干渉力は残っているはずなの。遺言くらいは誰かに伝えてあげる」
「そっちも大変だね。
後継が見つかってないから、ちゃんと休眠するようにしてあるから大丈夫。
少し寂しいかもしれないですけど、ちゃんと、眠っていてくださいね。陛下」
「うにゃ」
断固拒否。
ひしっと抱きつく猫を私は困惑して見下ろす。
「いやだって」
ヴァージニアは笑い声を殺し損ねている。
「今までと一緒ですよ。ね」
他の魔女と同じように、次にゆだねる。それに違いはない。
「ちがう」
幼い声と変わった質感に思わず額に手を当てた。
「もういい。
フィーリアなんて知らない。嘘つきなんだから」
責めるような声は、少年。
「真実の愛なんて、俺にはわからないけど永遠を誓えばいいのだろう?」
「い、いや、あの」
もう大人な魔王様は逃がさないとでもいうように、私を抱きしめる。
「フィーリア以外いらない」
……。
あ、ダメだ。これ。
頑固で頑固すぎて、誰に似たんだか……。
「お、おめでとう」
ものすごく、半笑いの声だった。こらえきれないと言いたげに背中を向けるヴァージニアが憎い。
誰だ、真実の愛の件を吹き込んだやつは。
「ヴァージニア?」
「聞かれたから答えたよ。
でもわかんないって言われたから道すがら色々と他の人の話も聞いて、情緒育ったね」
「ちゃんと、考えたから」
「……わかりました。わかりましたよっ!」
後で見てろよ。
そんな思いを込めて睨めば、女王陛下は肩をすくめている。
「幸せな未来をつかんでやるわよ」
「その意気ね」
「ヴァージニアも、ちゃんとするのよ」
彼女は少しだけ困ったように眉を寄せて。
なにかを言いかけた。
しかし、それは別の声にかき消される。
「あら、話が違うのではなくて?」
人というには異質なものがそこにいた。
おそらく、あとで聖女もやってくるだろう。
私はそこで待ち受ける。
よく考えたけど、やはり、魔王の討伐は許せないと決別した私はここで待っている。ここで勝っても負けても魔王は聖女が奪っていく。
女神の目を欺くための話とは言え、悲劇的なことで。あの女神が好きそうだ。
という設定の打ち合わせが、酒瓶の箱に入っていた。
思いのほか分厚い。
見ていないかもしれないけど、苦悩して、徹夜して、リミッター外しといてとの指示に素で頭が痛くなってきた。
ご当人は夜明けに紛れて、女神の隠しものをさがしてから準備してここに来る。
夜と朝の混じるときは光の神と闇の神の力が一番強くなる。ほかの神の影響力がとにかく落ちるのだ。その間は動きやすいらしい。
それから、魔王が番でない可能性の高さを指摘していたが、こればかりはあまり信用していない。女神が捻じ曲げることもあり得る。
そもそも、この計画に女神が乗るか、という話がある。見え透いた罠なんだけど。
彼女が見ていない、ということはないだろう。それでも堂々と準備しているが、一向に妨害がこない。やっぱり気がついていない、と思うほうが良さそうだ。
女神は、というより、神々は人の字がよく読めない。
そうヴァージニアは手紙を送ってよこした。彼女が言うには、神々が人の世を覗くとき望遠鏡で覗くようなものらしい。見えるだけでなく、音声も聞こえるし、思考さえ読むこともある。
しかし、紙に書かれた文字はよく見えない。文字は滲んだ模様のようにしか見えないし、それを気に留めることもほとんどないらしい。光の神のように人の目を通して覗くようなことをすれば別である。
確かに本を読む神の話もあるが、それは本そのものを手元に置いている。演劇などを理解する神もいるが、それも劇そのものをみている。
しかし、のぞき見で、文字を読む神という記述は魔女の記録にも残っていなかった。
盲点というか、意外というか。
なお、情報源は闇の神と光の神らしい。あと、死の神とされる冬の女神の証言もあると。
それに随時見ているわけでもないから、そこまでバレることもないだろうとヴァージニアは踏んだ。大胆不敵の女王様である。
それに乗った私も相当なものだが。
「にゃ」
「大丈夫ですよ」
足元にすり寄る黒猫に声をかける。
うーん。今、気を変えてどこかに行ってくれないだろうか。黒猫がここにいるには理由がある。
「うにゃ」
「あー、だから、ね、あなたは連れて行かない」
「うにゃ」
「陛下聞き分けてくださいって。
私のお仕事です」
「うーにゃー」
「……ダメだこれ」
以上の話によって、黒猫がついてきた。予定外だ。
予定では私作張りぼてを用意するつもりが本人がいてはなんの役にも立たない。存在感とかそういうモノが全く違うからだ。
それにしても説得などというのが無意味に思える頑固さはなんだろうか。どこかに隔離しても存在が曖昧で抜け出してくるし……。
今はあきらめの境地だ。なんか突っ込まれると思うけど……。
魔物は一時的に森に退避させた。この城は今は空っぽと言っていい。誰でも気軽にここまで来れる。
まあ、魔物がいても軽く処理しては来るだろうけど無駄な消耗は避けたい。
……と思ってたらオプションがついてた。
「……なんで少年連れてきたの」
気の抜けた話を先にしてしまった。
まあ、ここまできたら、女神が来ないということもないので普通に話をしてもいいのだろうけど。
完全武装の女王陛下はどこかのかっこいい騎士みたいだった。その従者のように、少年がついている。確か、イリューとか言ったな。こちらも武装はしているが、普通の青の騎士団の制服の延長線上だろう。えぐい加護とか見なかったふりをしたいが。
ヴァージニアは眉をひそめて、黒猫を見ている。
「そっちこそ、なんで連れてきたわけ?」
お互いにダメ出しというのが中々笑えない。
微妙に押しに弱いとこあるっぽい。
「そのままで運べない魂憑けてきてるからよ」
「なんか、ちゃんとした理由あった。
危なくなったら退避させてよ?」
「もちろん。
闇のお方に話をつけてあるわ。そっちもでしょう?」
「抜かりなく。
十全の力でお相手する」
魔女に生まれて、こんな機会があるとは思わなかった。
緩やかに朽ちていくような日々に。その平和を喜びながらも、手にした力を試したくもあったのだ。
それに気兼ねなく後方からしたいことができるというのも今までなかった。
神の血を引き、加護をもつならば、相棒として不足はない。
「失敗したら死ぬけど遺言は?」
「自分は死なないと言いたげね」
「死んだあとに働くらしいから、現世への干渉力は残っているはずなの。遺言くらいは誰かに伝えてあげる」
「そっちも大変だね。
後継が見つかってないから、ちゃんと休眠するようにしてあるから大丈夫。
少し寂しいかもしれないですけど、ちゃんと、眠っていてくださいね。陛下」
「うにゃ」
断固拒否。
ひしっと抱きつく猫を私は困惑して見下ろす。
「いやだって」
ヴァージニアは笑い声を殺し損ねている。
「今までと一緒ですよ。ね」
他の魔女と同じように、次にゆだねる。それに違いはない。
「ちがう」
幼い声と変わった質感に思わず額に手を当てた。
「もういい。
フィーリアなんて知らない。嘘つきなんだから」
責めるような声は、少年。
「真実の愛なんて、俺にはわからないけど永遠を誓えばいいのだろう?」
「い、いや、あの」
もう大人な魔王様は逃がさないとでもいうように、私を抱きしめる。
「フィーリア以外いらない」
……。
あ、ダメだ。これ。
頑固で頑固すぎて、誰に似たんだか……。
「お、おめでとう」
ものすごく、半笑いの声だった。こらえきれないと言いたげに背中を向けるヴァージニアが憎い。
誰だ、真実の愛の件を吹き込んだやつは。
「ヴァージニア?」
「聞かれたから答えたよ。
でもわかんないって言われたから道すがら色々と他の人の話も聞いて、情緒育ったね」
「ちゃんと、考えたから」
「……わかりました。わかりましたよっ!」
後で見てろよ。
そんな思いを込めて睨めば、女王陛下は肩をすくめている。
「幸せな未来をつかんでやるわよ」
「その意気ね」
「ヴァージニアも、ちゃんとするのよ」
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