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第3話
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「初めまして、ヴェルファイア家の皆様。俺・・いえ私は主の命で参りましたルークと申します。」
相手の殿方の代理としてやってきたのはルークと名乗る何処か軽薄そうな雰囲気の若い執事だった。
応接室で両親と一緒にルークさんと向かい合う。
「最初に聞いておきたいのだが君の主はどこの家のご子息なのかな?事前にもらった手紙には『アレン』という名前だけしか書かれていなかったのだが?」
最初に口火を切ったのはお父様だった。
「アレン様の身分は平民なので名前のみで間違いございません。」
「ま、まさか、どこの生まれとも分からない下民に娘を嫁にやれということなの!?」
お母さまが驚きの声をあげる。
「下民とは心外ですね。身分こそ低いですがアレン様は飛ぶ鳥落とす勢いのの豪商。そこいらの貴族よりもよほど条件の良い相手かと思われますが?」
「ええい!失礼な奴め!帰れ!お前の主なんぞに娘はやれん!」
いきり立ったお父様が立ち上がってルークさんを怒鳴りつける。
今にも殴りかかりそうな勢いだった。
しかしルークさんは動じず冷ややかな視線を向けるだけだった。
「もちろん帰れというなら帰りますが、その前にこちらの書類はご覧になった方がよいかと・・・」
そう言うとルークさんは一枚の書類を差し出す。
「そちらのエミリーお嬢様がアレン様と婚姻することになった場合に行われる当方からヴェルファイア家への経済的支援の一覧です」
そこに書かれていたのは大貴族でも中々に目にできないであろう金額だった。
「シエルの病気の治療費に・・領地の開拓支援・・・それに当家の借金の全額肩代わりだと・・・!?」
「フローラ商会ってきいたことあります?指輪とか首飾りみたいな宝飾品を売ってるんですけど」
フローラ商会・・・聞いたことのある名前だった。
上質な宝石を、見事なセンスで加工した装飾品を作ると評判の会社。
私自身は品物を見たことはないけど、ファッションが生きがいの友人たちが口をそろえて絶賛していたのを覚えている。
「アレンさまはフローラ商会の社長です。フローラ商会は販路拡大のために自らに箔をつけたいと思っていましてね。それで金に困っていて、それなりに由緒のある貴族とつながりを持ちたいっていうのがアレンさまの意向です」
「家柄を金で買おうというのかね・・・?」
「フローラ商会はヴェルファイアの家名を手に入れ、ヴェルファイア家は経済的な問題が全て解決する。悪くない取引でしょう?」
ルークさんの言葉に両親は黙り込んでしまった。
確かにヴェルファイア家の懐事情は厳しい。『アレン』という方はそれを見越して縁談を持ち掛けてきたらしい。
「確かに金銭的には魅力的だが・・・我が家の血筋だけが目当ての男にエミリーを嫁がせるわけにはいかない。帰ってくれ」
「そうですか、構いませんよ。他にも経済的に困窮している貴族はありますからね。一応、1週間以内なら受け付けますので心変わりされた場合は遠慮なくご連絡ください」
お父様が絞り出すように言うと、ルークさんはあっさりと引き下がり去っていった。
これで、この話はお終い・・・そう思ったのは間違いだった。
運命は私たちをあざ笑う。
その晩のこと、シエルの容体が急激に悪化してしまった。
相手の殿方の代理としてやってきたのはルークと名乗る何処か軽薄そうな雰囲気の若い執事だった。
応接室で両親と一緒にルークさんと向かい合う。
「最初に聞いておきたいのだが君の主はどこの家のご子息なのかな?事前にもらった手紙には『アレン』という名前だけしか書かれていなかったのだが?」
最初に口火を切ったのはお父様だった。
「アレン様の身分は平民なので名前のみで間違いございません。」
「ま、まさか、どこの生まれとも分からない下民に娘を嫁にやれということなの!?」
お母さまが驚きの声をあげる。
「下民とは心外ですね。身分こそ低いですがアレン様は飛ぶ鳥落とす勢いのの豪商。そこいらの貴族よりもよほど条件の良い相手かと思われますが?」
「ええい!失礼な奴め!帰れ!お前の主なんぞに娘はやれん!」
いきり立ったお父様が立ち上がってルークさんを怒鳴りつける。
今にも殴りかかりそうな勢いだった。
しかしルークさんは動じず冷ややかな視線を向けるだけだった。
「もちろん帰れというなら帰りますが、その前にこちらの書類はご覧になった方がよいかと・・・」
そう言うとルークさんは一枚の書類を差し出す。
「そちらのエミリーお嬢様がアレン様と婚姻することになった場合に行われる当方からヴェルファイア家への経済的支援の一覧です」
そこに書かれていたのは大貴族でも中々に目にできないであろう金額だった。
「シエルの病気の治療費に・・領地の開拓支援・・・それに当家の借金の全額肩代わりだと・・・!?」
「フローラ商会ってきいたことあります?指輪とか首飾りみたいな宝飾品を売ってるんですけど」
フローラ商会・・・聞いたことのある名前だった。
上質な宝石を、見事なセンスで加工した装飾品を作ると評判の会社。
私自身は品物を見たことはないけど、ファッションが生きがいの友人たちが口をそろえて絶賛していたのを覚えている。
「アレンさまはフローラ商会の社長です。フローラ商会は販路拡大のために自らに箔をつけたいと思っていましてね。それで金に困っていて、それなりに由緒のある貴族とつながりを持ちたいっていうのがアレンさまの意向です」
「家柄を金で買おうというのかね・・・?」
「フローラ商会はヴェルファイアの家名を手に入れ、ヴェルファイア家は経済的な問題が全て解決する。悪くない取引でしょう?」
ルークさんの言葉に両親は黙り込んでしまった。
確かにヴェルファイア家の懐事情は厳しい。『アレン』という方はそれを見越して縁談を持ち掛けてきたらしい。
「確かに金銭的には魅力的だが・・・我が家の血筋だけが目当ての男にエミリーを嫁がせるわけにはいかない。帰ってくれ」
「そうですか、構いませんよ。他にも経済的に困窮している貴族はありますからね。一応、1週間以内なら受け付けますので心変わりされた場合は遠慮なくご連絡ください」
お父様が絞り出すように言うと、ルークさんはあっさりと引き下がり去っていった。
これで、この話はお終い・・・そう思ったのは間違いだった。
運命は私たちをあざ笑う。
その晩のこと、シエルの容体が急激に悪化してしまった。
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