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第2話
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「ごめんなさい、シエル・・・あなたにちゃんとした治療を受けさせてあげられるはずだったのに・・・」
「いいのよ、お姉さま。気持ちだけで十分ですわ。」
ベッドに横たわる妹のシエルの胸元に顔をうずめ、私は泣き続けた。
シエルはそんな私の頭を柔らかく撫でながら慰めてくれている。
(私よりも大変なはずなのに・・・優しいシエル・・・)
シエルは生まれつき肺に病を抱えている。
呼吸機能が低くてスポーツの類は一切できないし、不定期に喘息のような発作が起きる。
不治の病ではないが、お金のかかる病だ。
治すには非常に高価な薬と、保養地での長い療養が必要だった。
けれど、どちらも貧乏侯爵家の我が家には手の届かない代物。
ヴェルファイア家は血筋をたどれば王族に行き着く家柄ではあるけど、悲しいことに代々商才には恵まれない家系。
だから長い間対症療法でやり過ごしてきた。
事態が変わったのは私がラルフと婚約してからだった。
貴族同士が結婚するとき両家の間に大きな経済的格差がある場合は、より裕福な方が金銭的な支援をするのが慣例となっている。
国内でも指折りの富豪であるプロボクス家からは婚姻後ヴェルファイア家への援助としてシエルの治療費を負担してくれる旨が伝わっていて私と両親、そしてシエルはラルフとプロボクス家に心から感謝していた。
しかし婚約解消となれば、当然ながら治療費の援助の話も打ち切られるだろう。
意図したわけではないけど、シエルには叶わない希望を見せたうえで、それを奪い取る形になってしまった。
ラルフとの婚約破棄は辛いし、それと同じくらいにシエルの希望を打ち砕いてしまったことが悲しい。
(シエル・・ずっと、思いっきり外が歩けるようになるのが楽しみだって言ってたのに・・・)
(それにラルフも薄情すぎるわ・・いくら良い条件の相手が現れたからって、あんなにもあっさり別れるだなんて・・・)
事態を受け入れられない私はしばらくの間、抜け殻のように無気力な生活を送った。
元々、家事や園芸が趣味だったけど全く意欲が湧かなくなり、魂が抜けたように自室にこもって日々を過ごした。
婚約解消という事情を知っている両親は何も言わず、私をそっとしておいてくれている。
でも運命は私を放っておいてはくれなかった。
ラルフとの婚約が解消されてから1か月が過ぎたころ、新たな縁談の話が舞い込んできたのだ。
「いいのよ、お姉さま。気持ちだけで十分ですわ。」
ベッドに横たわる妹のシエルの胸元に顔をうずめ、私は泣き続けた。
シエルはそんな私の頭を柔らかく撫でながら慰めてくれている。
(私よりも大変なはずなのに・・・優しいシエル・・・)
シエルは生まれつき肺に病を抱えている。
呼吸機能が低くてスポーツの類は一切できないし、不定期に喘息のような発作が起きる。
不治の病ではないが、お金のかかる病だ。
治すには非常に高価な薬と、保養地での長い療養が必要だった。
けれど、どちらも貧乏侯爵家の我が家には手の届かない代物。
ヴェルファイア家は血筋をたどれば王族に行き着く家柄ではあるけど、悲しいことに代々商才には恵まれない家系。
だから長い間対症療法でやり過ごしてきた。
事態が変わったのは私がラルフと婚約してからだった。
貴族同士が結婚するとき両家の間に大きな経済的格差がある場合は、より裕福な方が金銭的な支援をするのが慣例となっている。
国内でも指折りの富豪であるプロボクス家からは婚姻後ヴェルファイア家への援助としてシエルの治療費を負担してくれる旨が伝わっていて私と両親、そしてシエルはラルフとプロボクス家に心から感謝していた。
しかし婚約解消となれば、当然ながら治療費の援助の話も打ち切られるだろう。
意図したわけではないけど、シエルには叶わない希望を見せたうえで、それを奪い取る形になってしまった。
ラルフとの婚約破棄は辛いし、それと同じくらいにシエルの希望を打ち砕いてしまったことが悲しい。
(シエル・・ずっと、思いっきり外が歩けるようになるのが楽しみだって言ってたのに・・・)
(それにラルフも薄情すぎるわ・・いくら良い条件の相手が現れたからって、あんなにもあっさり別れるだなんて・・・)
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元々、家事や園芸が趣味だったけど全く意欲が湧かなくなり、魂が抜けたように自室にこもって日々を過ごした。
婚約解消という事情を知っている両親は何も言わず、私をそっとしておいてくれている。
でも運命は私を放っておいてはくれなかった。
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