元チート大賢者の転生幼女物語

こずえ

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現代の常識学

獣耳、友来る。

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朝早い時間の事である…

「カリヤ、今日は気になるところがあって私1人で出かけるから、好きに過ごしててね。」

「はーい」

ボクはシェラが出かけるのを見送って、まだ少し眠かったので二度寝する。

試験が終わって、家に帰ってからはティアラはシェラの中で生命力と自身の怪我の回復に専念し、ディアはシェラが出る前に同じ受験者だった金髪の少年、フレンと出かけて行った。





『で、起きたら昼過ぎだったと言うわけじゃな。』

ボクの中でシャタルアが呆れた様子で言う。

『まあ、そうなんだけど…なんで家に居るのにボクの中にいるの?』

『なんでって言われてもなぁ…特に出る必要も無いからとしか言えないのじゃが…』

ほんの少しだけ困った様にシャタルアは言う。

『ふ~ん…シャタルアさんって、もっと自由に外に出たい人だと思ってた。』

『昔の我なら、そうじゃったのぅ…今ではカリヤの中で外を見てる方が楽しいのじゃ。それに話そうと思えば、カリヤの中からでも普通に話せるからのう。』

『まあ、楽しんでるならいっか。』

『そういう事じゃ。』

シャタルアがそう言ったと同時に「コンコン」と玄関の扉からノック音が聞こえる。

『む?誰か来たようじゃな。』

「誰だろ?」

ボクは「くわぁ…」と大きな欠伸をして玄関を開ける。

「どちら様で…あ!」

「カリヤさん、突然お邪魔してすみません」

青く長い髪を後ろで括った宝石のルビーを思わせるような赤い瞳の少女が言う。

少女の綺麗な顔立ちと引き締まった身体を彩るような胸元に白いリボンのある薄いピンク色のワンピース姿だ。

「えっと…確か…」

「こんにちは!昨日の試験でカリヤさんと同じチームになったスカーレット・ヴァルテアーノです!」

スカーレットは丁寧にお辞儀をして言う。

「あの時のね…それで、スカーレットさんはどうしてここに来たの?」

ボクが言うとスカーレットは少し恥ずかしそうに頬を赤らめて言う。

「あの…よろしければ、私とお友達になっていただけないかなと思いまして…それで一緒にお話とかお出かけなんか…どうかなと…その…」

「いいよ。暇だし…用意するから、中で待ってて…」

ボクがそう言うとスカーレットは「パアァ!」と音が聞こえてきそうな表情をして言う。

「ありがとうございます!では、お邪魔します!」

スカーレットは玄関から中に入ると「凄い…」と感動していた。

「凄く広いよね。ボクも初めて入った時はビックリしたよ。」

「そうですね…ヴァルテアーノの屋敷も広いのですが、ここは特に広いですね。上流貴族階級の屋敷と比べてもトップクラスに広い部類になるのでは無いでしょうか…?」

スカーレットの家系のヴァルテアーノ家は上流貴族階級の家系なんだそう。

貴族階級の屋敷の大きさはその貴族の力の強さを示す指標になるので、上流であればあるほど大きな屋敷になるんだ。

その上流貴族階級の家系のスカーレットが広いと認めたこの家の広さは文字通りに一般階級では規格外の大きさと言える。

「カリヤちゃん、お昼にしませんか~?」

そう言って、オリオンがやってくる。

「あら?カリヤちゃんのお友達ですか?初めまして!私はシェラ様のメイドのオリオンです!よろしくお願いしますね」

オリオンがスカーレットに気がついた様子で言う。

「はい!私はスカーレット・ヴァルテアーノです!こちらこそよろしくお願いします!」

スカーレットが丁寧にお辞儀をして言うとオリオンは驚いた様子で言う。

「ヴァルテアーノ家と言えば、三大貴族の一角を担うと言われてる大貴族様じゃないですか?!カリヤちゃん、凄い方とお友達になられたのですね!」

「そうなんだ。ボクは元d…ボクは貴族には嫌なイメージしか無いけど…」


当然である。

カリヤは元奴隷であり、貴族に飼われていたのだ。

恐怖による支配、身体中に痣や怪我の跡があり、汚れも酷く、病的なまでにやせ細っており、自分自身のことをただの殴られる道具としてでしか見られない。

それがシェラと会うまでのカリヤの当たり前だった。

カリヤが気がつかないうちにシェラが暗示をかけていなければ、カリヤが普通の少女に戻るのはもっと時間がかかっただろう。

今ではシェラのおかげで綺麗な白い肌、手入れが行き届いた長い髪、年相応の可愛らしい服装、標準よりはやや細めだが健康的な体型になっている。

カリヤ本人としてはシェラと会う前の事は思い出したくない記憶なのは変わりないが、トラウマとなった要素はほとんど克服したと言っても過言では無いほどには精神的に楽になったようだ。

(シェラさんに「アレイアちゃん…シャタルアはすぐ調子に乗るからあんまり褒めちゃダメよ」と言われているけど、シャタルアさんにも助けられてる部分はあるんだよね。昨日の試験の時のような時も大賢者様の家の時もシャタルアさんが居てくれなかったら、ボクはもうここには居られなかったかもしれない。ボクにとっては恩人であり、大切な人でもある。)

『そのわりには紋章が消えないのが我にとっては不安要素なのじゃがな。とは言っても、今の感じだと信頼関係が原因ではなさそうじゃが…』

シャタルアが少し不安そうに呟く。


「そうなのですか…それは不快な思いをさせてしまってごめんなさい…」

スカーレットがしょんぼりと肩を落として言う。

「別に…スカーレットさんは関係無いよ…冒険者に身分は関係無いし…」

ボクはいつの間にか準備をしてくれていたシャタルアから荷物を入れたバッグを受け取る。

『フッフッフッ…出来る魔族は主人のやり取りから仕事をこなすのさ…』

シャタルアがすんごいドヤ顔でなんか言ってる…

「あなたは…!?」

スカーレットが驚いた様子でシャタルアを見る。

『あ、やべっ…』
「私はカリヤのお手伝いさんだよ。」

シャタルアはそう言って「パチッ」と左目を瞬きさせると近くの部屋の扉に入って、ボクの中に戻って来る。

『やってしまったのじゃ…角を隠さずに出ちゃったのじゃ…大事になる前になんとかしないと…』

シャタルアが焦った様子で言う。

「かっこいい…私もあんな風になりたいなぁ…」

スカーレットは先程のシャタルアの振る舞いに憧れの声をもらす。

「…ハッ!いけないいけない…思わず普通の話し方をしてしまいました。お父様に叱られてしまいます。」

スカーレットはそう言うと顔を引きしめる。

『…無用な心配じゃったな。』

シャタルアはホッとした様子で言う。

「それじゃ…いこ?」

ボクが玄関に向かうとスカーレットも着いてくる。

「行ってらっしゃいませ!」

オリオンに見送られながら家を出る。

そうして、街中を駆け回って遊び尽くし、日が沈み家に帰る頃には将来は一緒にパーティを組む約束をするほどの仲になっていた。
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