一途な令嬢は悪役になり王子の幸福を望む

紫月

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恋する令嬢と深窓の王子様

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私の名前はアリア・マクシミリア。
由緒正しい公爵家の長女として生まれ、今年社交デヴューを果たしたばかりのうら若き15歳だ。
我が公爵家には大きな秘密があり、その為王家とは切っても切れない仲となっている。
が、一先ずそれは置いといて。
現在、絶賛片想い中だ。
どうか私の恋バナを聞いてほしい。

片想いの相手は王太子である、セフィル・ブランドル様だ。
王家に嫁ぐ娘として申し分ない身分の公爵家の令嬢だったため、婚約を結ぶことになったのは1ヶ月前だ。
幼い頃お会いしてから数年間、全くお会いすることはなかったが、セフィル様は美しい青年になったと思う。
深窓の王子様といったら怒られるだろうか?
表向きは政略的な婚約であるが、特殊な事情があって婚約者になった。
セフィル様は私のこと好いてなどいないが、私は彼を愛している。
セフィル様は全く覚えてらっしゃらないだろうけど、幼い頃私はセフィル様に助けられたことがある。
王城の庭園を散策中に、老朽化した池の橋を渡り落ちたのだ。
ドレスが水を吸い身動きがとれなくなって溺れてしまった私を、颯爽と助けてくれたのがセフィル様だ。
単純かもしれないが、そのときに私は恋に落ちてしまったのである。

私はこの方の為に生きていこうと心に決めていた。

セフィル様は生まれつき病弱だった。
どんどん心臓が弱っていく病気なのだそうで、あまり長い人生を生きられないと医者に診断されていたのだそうだ。
ここで我が公爵家の秘密である。
公には秘密にされていることなのだが、我が公爵家の人間は特殊な血筋で、血が特効薬になるのだ。
何故特効薬になるのかは、何一つ解明されていない。
だが、どんな万病にも効く不思議な力が宿っており、飲めば生命力を漲らせる力が湧いてくるという。
軟膏に混ぜれば、瞬く間にどんな傷でも癒してしまう傷薬が出来上がる。
あまりにも特殊な血筋ゆえ極秘事項として扱われ、我が公爵家の人間か王と王妃しか知り得ない情報となっていた。
何故なら利用価値のある情報だからである。
こう言ってはなんだが、売れば相当荒稼ぎが出来るだろう。

王と王妃は私にセフィル様を救ってくれと願われた。
私がセフィル様に好意を寄せていると知り、婚約者となり彼を支えてくれと頭を下げられたのだ。
頼まれるまでもなく、彼を私の命に代えても助ける決意がある。
彼が誰を好いていようとも、この決意は変わることはない。
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