2 / 14
悪役は1日にして成らず
しおりを挟む
「セフィル様!ご機嫌いかがですか?」
今日も今日とてやってくる、栗毛で愛らしい顔立ちのサラ様。
お見舞いと称して王城に通い、セフィル様と楽しそうな一時をおくっているユーリシア伯爵家のご令嬢だ。
王宮の中庭にあるガゼボで、セフィル様と逢瀬を重ねている。
ハッキリ言おう。
羨ましい!
側に侍従がいるとはいえガゼボという狭い空間で見つめ合い、2人きりで楽しげに語らい合うシチュエーションなんて、羨ましすぎるに決まってる!!
あぁ、セフィル様の微笑み、プライスレス!
間近で見られないのが残念だけど、よくよく考えたら間近で見たら私が鼻血出して倒れてしまうわ。
奇跡の血、勿体無い。
さて、興奮を抑えて悪者になりに行きますか。
「あら、またいらしてたの?サラ様。
セフィル様も迷惑してらしてよ?」
「アリア様……。」
「人の婚約者を誑かそうだなんて、恥知らずじゃございませんこと?」
「やめないか、アリア。
サラ嬢は俺の病によく効くという薬を持ってきてくれたんだ。」
セフィル様に睨まれて凹みそうになるが、そこはグッと堪える。
「ならばこんな場所で逢い引きなどするものではありませんわ。」
そうですよ!
城の北側にある薔薇園のガゼボなら誰にも見られませんよ!
逢瀬ならそちらをお勧めします。
「こんな人目のある場所で逢い引きするなど、侍女達がお二人を恋仲ではと噂を広めてしまいますわ。
わたくしに不貞を疑えと言っているようなものでしてよ?」
「違う!
不貞ではないから人目のつく場所で話をしているんだ。
勘ぐるのはよせ!」
あぁ、セフィル様!言い訳せずともよろしいのですよ。
私、ちゃんと分かっておりますから!
セフィル様がお好きな方はサラ様。
私、ちゃんと悪者を演じて、婚約破棄してみせますとも!
私が一方的に悪者になれば、王も王妃も奇跡の血の負い目なく婚約破棄が出来るはず。
愛する貴方が他の誰かと結ばれるのは身を切られるほど辛いけど。
愛する貴方に嫌われるのは死ぬほど辛いけど、貴方が幸せになる為なら私は何だって出来る。
「あら、そうですの?
ではわたくしはお邪魔なようなので失礼いたしますわ。」
「アリア!」
背後からセフィル様の嗜めるような声が聞こえてくる。
今日もちゃんと悪役を演じられたかしら?
貴方の笑顔を間近に見ることは叶わないけど、貴方の恋が成就するよう、私、全力で応援いたします!
今日も今日とてやってくる、栗毛で愛らしい顔立ちのサラ様。
お見舞いと称して王城に通い、セフィル様と楽しそうな一時をおくっているユーリシア伯爵家のご令嬢だ。
王宮の中庭にあるガゼボで、セフィル様と逢瀬を重ねている。
ハッキリ言おう。
羨ましい!
側に侍従がいるとはいえガゼボという狭い空間で見つめ合い、2人きりで楽しげに語らい合うシチュエーションなんて、羨ましすぎるに決まってる!!
あぁ、セフィル様の微笑み、プライスレス!
間近で見られないのが残念だけど、よくよく考えたら間近で見たら私が鼻血出して倒れてしまうわ。
奇跡の血、勿体無い。
さて、興奮を抑えて悪者になりに行きますか。
「あら、またいらしてたの?サラ様。
セフィル様も迷惑してらしてよ?」
「アリア様……。」
「人の婚約者を誑かそうだなんて、恥知らずじゃございませんこと?」
「やめないか、アリア。
サラ嬢は俺の病によく効くという薬を持ってきてくれたんだ。」
セフィル様に睨まれて凹みそうになるが、そこはグッと堪える。
「ならばこんな場所で逢い引きなどするものではありませんわ。」
そうですよ!
城の北側にある薔薇園のガゼボなら誰にも見られませんよ!
逢瀬ならそちらをお勧めします。
「こんな人目のある場所で逢い引きするなど、侍女達がお二人を恋仲ではと噂を広めてしまいますわ。
わたくしに不貞を疑えと言っているようなものでしてよ?」
「違う!
不貞ではないから人目のつく場所で話をしているんだ。
勘ぐるのはよせ!」
あぁ、セフィル様!言い訳せずともよろしいのですよ。
私、ちゃんと分かっておりますから!
セフィル様がお好きな方はサラ様。
私、ちゃんと悪者を演じて、婚約破棄してみせますとも!
私が一方的に悪者になれば、王も王妃も奇跡の血の負い目なく婚約破棄が出来るはず。
愛する貴方が他の誰かと結ばれるのは身を切られるほど辛いけど。
愛する貴方に嫌われるのは死ぬほど辛いけど、貴方が幸せになる為なら私は何だって出来る。
「あら、そうですの?
ではわたくしはお邪魔なようなので失礼いたしますわ。」
「アリア!」
背後からセフィル様の嗜めるような声が聞こえてくる。
今日もちゃんと悪役を演じられたかしら?
貴方の笑顔を間近に見ることは叶わないけど、貴方の恋が成就するよう、私、全力で応援いたします!
28
あなたにおすすめの小説
第一王子は私(醜女姫)と婚姻解消したいらしい
麻竹
恋愛
第一王子は病に倒れた父王の命令で、隣国の第一王女と結婚させられることになっていた。
しかし第一王子には、幼馴染で将来を誓い合った恋人である侯爵令嬢がいた。
しかし父親である国王は、王子に「侯爵令嬢と、どうしても結婚したければ側妃にしろ」と突っぱねられてしまう。
第一王子は渋々この婚姻を承諾するのだが……しかし隣国から来た王女は、そんな王子の決断を後悔させるほどの人物だった。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
醜くなった私をあっさり捨てた王太子と彼と婚約するために一番美しくなろうとした双子の妹と頼りない両親に復讐します
珠宮さくら
恋愛
アデライン・マルティネスは、エイベル国でも、他の国でも美しい令嬢として有名になっていた。その噂には色々と尾ひれがついていたが、美しさを利用して、子息を誘惑しては婚約を台無しにするとある一定の人たちに思われていた。
でも、実際の彼女はそんな令嬢ではなかった。そのことを一番理解してくれていて、想いあっていると思っていた相手が、実は一番酷かったことを思い知ることになった。
それを知ることになったきっかけは、妹によって美しい顔を台無しにされたことから始まるとは思いもしなかった。
月の光はやがて仄かに輝く
白ノ猫
恋愛
私より妹が愛されたこの世界で、唯一私を見てくれた人がいた。婚約者であるその人は私を「愛している」と、そう言ってくれたが、ある日突然事故に遭い、記憶に異常が出た。
人間関係について混乱してしまった彼に、妹を可愛がる両親は嘘を伝える。妹が貴方の婚約者なのだと。
なら、もう、いい。妹が愛されたこの世界で、私ばかり見ていた彼が変だったのだ。それならば私はこの現実を受け入れよう。
そうすることで家族がシアワセでいてくれるなら。
※小説家になろう様でも掲載しております。改稿している部分がございます。内容に変更はありません
※全八話で本編完結致します。その後四話番外編更新
〘完結〛ずっと引きこもってた悪役令嬢が出てきた
桜井ことり
恋愛
そもそものはじまりは、
婚約破棄から逃げてきた悪役令嬢が
部屋に閉じこもってしまう話からです。
自分と向き合った悪役令嬢は聖女(優しさの理想)として生まれ変わります。
※爽快恋愛コメディで、本来ならそうはならない描写もあります。
婚約破棄を宣告した王子は慌てる?~公爵令嬢マリアの思惑~
岡暁舟
恋愛
第一王子ポワソンから不意に婚約破棄を宣告されることになった公爵令嬢のマリア。でも、彼女はなにも心配していなかった。ポワソンの本当の狙いはマリアの属するランドン家を破滅させることだった。
王家に成り代わって社会を牛耳っているランドン家を潰す……でも、マリアはただでは転ばなかった。
私は婚約破棄をされ好い人と巡り会いました。
SHIN
恋愛
忙しい年末年始に現れたのはめったに顔を遭わせない男でした。
来た内容はえっ、婚約破棄ですか?
別に良いですよ。貴方のことは好きではありませんでしたし。
では手続きをしましょう。
あら、お父様。私が欲しいと言う殿方が居ますの?欲しがられるなんて良いですわね。
この話は婚約破棄を快く受け入れた王女が隣国の男に愛される話。
隣国の方はなんと『悪役令嬢をもらい受けます』のあの方と関わりがある人物だったりじゃなかったりの方です。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる