悪役令息の花図鑑

蓮条緋月

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一頁 覚醒のロベリア

10話 夫人の転落

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 罠にかかった夫人に俺は口角を上げた。

「処分しろとはどういう意味でしょうか?」
「あ……そ、れは……」

 俺の問いかけに夫人がわかりやすく口籠る。顔色はすこぶる悪く、今にも倒れそうだ。自分の失言に加えて隣から漂う冷淡な空気が拍車をかけているらしい。

「……アマラ」

 とても静かな声が室内に響く。まるで静かな水面に落ちた一滴の雫のように公爵の声が空気を支配し、その場にいた全員が口を噤んだ。

「アクナイトの血を持つ者の特性を鑑みればこれが異常に虚弱なだけで本来は毒殺だなんだという話にはならん。よってそこまで問い詰めはしない」

 おいそこは嘘でも咎めろやこんちくしょう! そんなに俺が嫌いだってか!? わかっていたけど、わかっていたけども!! でもふざけんなつーか特性ってなんじゃゴラァ!!!
 ……いや、ここで叫んではダメだ。だいたい公爵が俺のことをどうでもいいと思っているのは本当に本っ当に今更じゃないか。そう、今更なんだから耐えろ、俺!

「しかし、問題はそれ以前の出来事だ」

 バサっとやや乱暴に書類を机に放り投げた公爵は足を組みながら夫人を見やる。

「王族と立場的にも血縁的にも近しい我がアクナイトに暗殺者を手引きするとはどういう魂胆だ?」

 いや毒物の持ち込みもダメだと思いますが。マジで基準が意味不明だわこの公爵。ていうかそっちも見たんだ。まあ一回目も二回目も失敗しているんだけど。三回も殺されかけているのに三回とも無傷ではないが無事だし……俺って結構運が強いのかもしれない。

「おまけに下劣な者までアクナイトに引き入れ、屋敷を汚すような真似を……お前との婚姻は両家の先代が決めた政略的なものだ。しかしアクナイトの女主人としての仕事は申し分なくこなしていたと思っていたんだが……その裏で我が家に泥を塗る行為に手を染めていたとはな」

 公爵から淡々と紡がれる言葉に温度は感じられず、その目の宿っていたのは紛れもなく失望だった。夫人の表情を見るに結婚してから今までただの一度も向けられたことのないだろう眼差しを正面から受け、ずっと酷い顔色で震えるばかりだった。
 
「な……何故、あなたは今になって……今までこの者の言葉には聞く耳を持たなかったのに、この期に及んで……この者の言葉をお信じになるの……?」
「信じているわけではない。だがこの情報元はカルだ。彼奴の名を騙るほど愚かではあるまい」
「……っ、その、カルがその者に買収されている可能性もありますわよ」

 おーい、その言い分は無理あるって。そんな理屈が罷り通るなら貴族間で怖がられたりしてないよ。というかそれ言っちゃう? 俺の周りで起こっていること全部把握しているだろうあいつの悪口をここで言っちゃう!? 公爵家のことも筒抜けなんだぞ? その言葉結構な侮辱だって気づいていないの? 
 夫人の命知らずな発言にカルの噂を知る者は揃って絶句した。無論公爵も言葉を失っている。無知は罪という言葉があるけど、まさかそれを体現する人間が身近にいるとは思わなかった。

「……あれがそんな男なら貴族連中は今頃買収し放題だろう」

 初めて気が合いましたね公爵。今だけはあんたの言い分に心から同意するよ。サリクスもダズルも深く頷いているので、わかっていないのは夫人とシエンナだけだろう。なんというおめでたい二人なんだろういっそ羨ましい。

「……まあいい。これの真偽についてはカルに問い合わせればわかることだ。……もちろん我が公爵家に害虫を持ち込んだことも、な」
 
 公爵はチラッとファボルに視線を向けた。本人は思い切り俯いて必死に目を合わせないようにしている。気力はすでに限界突破しているんだろうな。
 なんて考えていたら公爵が盛大にため息をつき、頭が痛いと言わんばかりに額を押さえながら言った。

「お前の行いはアクナイト公爵家への冒涜に他ならん。そんな人間をアクナイトの家に居させるわけにはいかない。……これの裏が取れ次第、離縁する」
「なっ……!?」

 唐突に言い渡された内容に一瞬だけ思考が停止した夫人だが、すぐさま公爵に縋りついた。

「待って! これは全部あなたのためにやったことなのよ!? あなたがこれに煩わられているから、だから私が代わりにっ…… 全部アクナイトのためなのですよ!? 私がこれまであなたの邪魔になったことがありましたか!? なかったでしょう!? あなたに相応しいようにずっと努力してきましたのに、こんなことでお捨てになるのですかっ!?」
 
 悲痛な表情で訴えかける夫人に公爵は冷めた視線を向けるばかり。そんな夫に気づかずにみっともなく言い募っていた。

「私があなたをお慕いしていることはご存知でしょう!? たとえ振り向いてくれなくともあなたをずっと支えてきたではありませんか! なのに、ここまで尽くしてきた私をこの程度のことで切り捨てると!? そんなのあんまりですわっ……!」

 涙を流しながら公爵に縋りつく姿はなんとも哀れで惨めな姿だった。あーあイタい光景だ。いくらなんでもこれはない。いい加減年相応に落ち着いた方がいいんじゃねえの?

「……アマラ、お前と話すことはない。下がれ」
「あなたっ……! こんなっ……こんな仕打ちっ……私はあなたを愛しているのになぜですか!? こんなの……いくらあなたでも酷すぎますっ!!!」

 ……。
 あの~ここはいつから昼ドラの撮影現場になったんですかね。一応目の前に息子いるんですが、俺はどうすりゃあいいのこの空気で出て行くこともできないし。
 もはや俺を含めサリクスもダズルも完全に傍観者と化している。……誰かこの空気を終わらせてくれ。
 とか思っていたら他でもない夫人が終わらせた。キッと俺を顔を向けたその目には深い憎悪と憤怒、そして煮えたぎるような殺意がはっきりと宿っている。

「お前えぇぇぇっ!!! よくも、よくも……全部、全部、全部……お前のせいよっ!!!!!」

 突然は発狂しながら夫人が俺に飛びかかってきた。おいおい、公爵の目の前でなにやってんだよ! 

「シュヴァリエ様っ!」

 焦燥に駆られたサリクスの声が耳に入ってくる。……あーあ、うっざ。

「きゃっ……!!???」

 小手返しの要領で俺は夫人の手首を掴んでそのままひっくり返した。見事に回転し床に背中を打ちつけた夫人はなにが起こったか理解していないのか目を白黒させていた。

「シュ、シュヴァリエ様……?」
「……ん?」

 なんか周囲が静かだな、と思い周囲を見渡すと公爵をはじめとする面々が夫人と同じ表情で俺を見ていた。あんたらもかよ。

「お前、そんなことができたのか?」

 真っ先に口を開いたのは公爵だった。なんだその質問は。俺が動けたことがそんなに意外? シュヴァリエは一応それなりには鍛えているんだぞ? 腹筋も割れているし、今世の俺はまあまあ戦えるんですが。

「……これでも黒光騎士団長の血を引く人間ですので」
「……ふん」

 それだけ言うと公爵は俺から視線を外し、未だ床でボケっとしている夫人を一瞥した後ダズルに声をかけた。

「ダズル、アマラを部屋へ連れていけ。報告の裏付けが取れるまではなにがあっても出すな。報告書の通りならば証拠がいくつか出てくるだろう。押収しておけ」
「かしこまりました旦那様」
「それから離縁の手続きを進めろ。夫人の悪事に加担した者は一人残らず即刻解雇だ」
「はい、すぐに洗いだします」

 ダズルが一礼をして床に転がっている夫人を起き上がらせようと近づいた。ダズルが近づいたことでようやく状況の整理が追いついたのか、ダズルの手を振り払い再び俺を睨んできた。

「このっ下賎な下僕の分際でよくも私に触れたわねっ!? 穢らわしいっ……」
「ダズル」

 心底鬱陶しそうに公爵がダズルの名前を呼ぶと、仕事のできるダズルさんはすぐに騎士を呼びあっという間に夫人、シエンナ、ファボルの三名を羽交締めにして室外へと連れ出す。

「離しなさいよ、私を誰だと思っているの!? 私はアクナイトの女主人なのよ!? その手を離して!!!」

 喚きながら連れて行かれる夫人は部屋を出る直前俺を射殺さんばかりに見つめてきた。本当に熱烈だよなぁこの人は。……よし、ならば応えてやろうではないか!
 俺は親指を立てた後、左から右にスライドさせ、最後に下に向けてやった。もちろん満面の笑顔で。途端に怒りで赤くなっていた夫人の顔が一気に青ざめた。……してやったり。これって意外と効果あるんだなぁ、一番最初にこれをやった人物に俺は心から敬意を抱いた。素晴らしいジェスチャーをありがとう! あなたは最高のお方です! ああ、スッキリした。
 
 静かになった部屋に俺は公爵に向き直る。

「公爵、お話を聞いていただきありがとうございます」
「……随分と用意していたようだな」
「ええ、自分に起こったことですので」
「……ふん。まあいい。今回の詳細については問わん」
「……そうですか」
「……話が終わったのならさっさと行け」
「もう私と話すことはないと?」
「何かあるのか? まさかこの程度のことで認めてほしいとでも言うつもりではないだろうな」
「まさか。あなたにとって私は息子ではないのでしょう」
「……」
「ご自身が仰ったことですよ」
「……ふん」
「私もあなたを父とは思わないことにしましたからお互い様です」

 公爵の眉がぴくりと動いた。まさか息子にあんなことを言っておいてその逆はあり得ないとでも思っていたのだろうか。それこそ、あり得ないのに。これでも一応はシュヴァリエの父親だったんだ。ほんの少し、本当に少しは期待していたのかもしれないが、そんな思いはすでにない。
 俺は静かに立ち上がった。

「ではご希望通り私は失礼します」

 公爵とは目を合わせることなく俺は扉へと向かった。……おっといけない。

「ああ、退室前に渡し忘れていたものが。置いていくので私が部屋を出た後でゆっくりご覧ください」
「……?」

 そう言って俺はずっと脇に抱えていた分厚い茶封筒を机に乗せると今度こそサリクスと共に退室した。

「……さーて、どうなるかな~」
「シュヴァリエ様、楽しそうですね」

 浮かれていた俺にサリクスが声をかけてきた。

「まあな」
「ところでシュヴァリエ様、先ほどお話されていたロベリアのお話って本当なんですか? 太りやすくなるとか老いが早まるとか」
「あ? 嘘に決まってんじゃん」
「え?」
「毒があるのは事実だが人を老いさせるだの太らせるだのっつー効果はねえよ」
「では奥様を動揺させるための」
「方便だな」
「……ええ~」
「だいたいそんな効果があるんならそもそも正式入国した商人が売らねえだろうが」
「…………旦那様には……」
「どうせ処分されるんだから伝える必要ねえだろ」
「うわ~……」
「その前に俺が貰うけど」
「……はいっ!?」

 サリクスの声が思いの外大きかったことで側にいた使用人が一斉に振り返った。俺は首を振って使用人たちを仕事に戻す。

「そんなに大声出すことか?」
「ご自分を死に至らしめかけた花を貰うって正気ですか?」
「ああ。いいコレクションになる」
「コレ……なにをなさるおつもりで?」
「後で教える」

 呆れを隠そうともしないサリクスに俺はどこ吹く風。別にこの程度嫌がらせにもならねえだろ。それにせっかくこっちじゃ手に入りにくい花がそばにあるのに貰わないほうがどうかしている。俺のコレクション第一号のために部屋に戻ったら準備をせねば! 
 まあもっともその前に公爵とのお話があるだろうけど。あ~あ、楽しみだなぁ。

「声に出てますよ」
「別に隠してねえ」
「ですが何故わざわざあれを用意させたんですか?」
「交渉するため」
「交渉……ですか?」
「ああ。俺の趣味を邪魔させないためには必要なことだからな」
「……なんて自分勝手な」
「今更だろ」

 俺はサリクスを振り返り、人差し指を口元に当てながら言った。

「今日中にも俺のところにすっ飛んでくるぞ」

 そんな俺に何故かサリクスは青ざめながら後ずさった。……おいこら。
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