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二頁 アジサイの涙
16話 憂鬱な復学
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ーー王立スティルペース学園。
【手折れぬ花の守護者】本編の舞台であり、十二歳から十八歳までの王侯貴族と一部の平民が通うツヴィトーク王国内唯一の王立学園。その歴史は非常に古く他国の学園とも積極的に交流を行い、毎年数名の学生がランダムで他国へ留学しているほどだ。
そのスティルペース王立学園には全部で五つの寮があり、それぞれがこの国の公爵家にちなんだ寮になっていて、各公爵家の子息息女は必ず自分の家紋の寮に入る決まりだ。そして他の生徒は派閥や爵位に関係なくランダムにそれぞれの寮へと振り分けられ、一切の融通も例外も通じない。
ーーそれはシュヴァリエ・アクナイトも同じである。
アクナイト公爵家の次男として扱われている俺はアクナイトの色であるヴィオレ寮四階の一人部屋を使っている。ほんっとうにあの公爵はこういうところが狡い。世間体を守るために一人部屋に送り込むんだもんな。まあでも静かな部屋でゆっくりできるのは嬉しいので、そこだけは素直にありがとうと思っておこう。絶っ対に言わないけど。
あくまでも学園の寮なので派手派手しい見た目ではない。しかし使用されているのは高級品ばかり。その中でも公爵家の子息息女のみが使える一人部屋はデザインこそシンプルなものの、すべてが最高級のもので揃えられていた。
そしてそれぞれの寮には専用のカフェテリアがあり、生徒はそこで朝食と夕食を摂るという校則になっている、のだが。
……めちゃくちゃ視線がうるさい。
昨日は寮に入る時間が遅く、外で適当に食べたこともあってカフェテリアには行かなかった。それで朝起きてカフェテリアに入った途端視線が一斉に集中し、現在進行形で好奇の視線に晒されている。周囲に誰も座ろうとしないのはいつものことだし、普段はほぼ空気なんだけど今は真逆だ。朝から超鬱陶しい。
……まあその理由には心当たりしかないんだけど。
ーーアクナイト公爵夫妻の離縁騒動。
よりにもよってアクナイト公爵家がそんな事態になったということで、貴族界はさぞ荒れるだろうと思っていたがあちこちから聞こえてくる会話から、俺が予想していた以上に衝撃が大きいようだ。ずっとチラチラ視線が向けられているしね。おかげで落ち着いて飯も食えやしない。
「…………まさか……離縁なんて」
「夢にも思いませんでしたわ……」
うんうん、そうだよね。俺もびっくりだし。
「なんでわざわざそんな方法を」
それについては激しく同意だ。
「ですが離縁の原因はシュヴァリエ様にあるとか」
まあ、間違ってはいないねぇ。あの人の自業自得だけど。
「しっ! 聞こえたらまずいぞ」
逆にこの距離で聞こえないと思っているのかアホ。わざと聞こえよがしに言っているくせに今更抑えたところで、ねえ?
「けど、アクナイト公爵はどうするんだろうな。後妻でも迎えるのか?」
「あまり想像がつかないよな」
「それにシエル様とルアル様ですわ。あのお二方はどうお思いになるのかしら」
「そうですわよね。夫人と不仲だという噂はありませんでしたし」
「心配ですわ」
あんたらに心配されるほどあの二人は弱くないと思うけど。むしろそんな噂していたら、侮辱行為と受け取りそうだ。別に友達でもないのに心配だなんだと言われても胡散臭いだけだろ。
だけどシエル兄さんとルアルのことは気掛かりだし今回の件で完全に対立する可能性もあるな。他国へ留学しているシエル兄さんには後で手紙を出すとして、ルアルとは時間を見つけて話をしてみるか。
……もっともシュヴァリエは上とも下とも仲良くないからまともに話ができるか怪しいけどね。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
食事を終えて朝っぱらから元気に飛び交う視線たちを全力で無視しながら俺は学園へと向かった。無駄に敷地が広いせいで校舎へ向かうのにちょっとばかり歩く必要がある。校舎と寮の往復だけで三十分はかかるくらいには広い。
……そして、その道すがら聞こえる会話は普段と違い一貫している。
四方八方から無遠慮な視線ともはや通常のボリュームになっている会話が飛んでくる。向こうからしたら声を抑えているつもりだろうが、いかんせんあちこちで同じ話題が上がっているため、いくら個人で抑えてもほとんど意味をなしていなかった。
それに……。
視線の中に他とは異なるものがいくつかあるのだ。多分アクナイト公爵家と敵対している派閥のものだろう。どんな国も一枚岩じゃないから貴族間での対立など珍しくないけど、それにしても視線が以前より無遠慮だ。つまり今回の出来事は敵対派閥にとってそれなりに旨みのあるものだということなんだろうな。正直言って馬鹿馬鹿しいことこの上ないが、気を大きくした勘違い野郎どもと一悶着ありそうだ。できることならいつものように放っておいてくれないだろうか。まあ仮にも公爵子息に喧嘩を売ってくるような馬鹿相手に話が通じるとは思えないけど。
「はあ……」
久しぶりの登校だっていうのにいろんな意味で気が重い、帰りたい。
「そういえばご存知? 今日編入生が来るそうですわよ。しかも平民の」
……!?
唐突に聞こえてきた会話に俺は耳をすませた。時期外れの編入生で平民、俺にはそれだけでの情報で充分だった。
「まあ、本当ですの? よく入れましたわねこんな時期に」
「学年はどうなりますの?」
「第四学年だそうですわ」
その単語で確定だ。平民でありながら途中編入という異例な事態を叩き出した存在。
ーー主人公・クラルテ!
シュヴァリエ・アクナイトの復学がプロローグの開始条件という俺の予想はどうやら当たっていたらしい。……正解しても嬉しくないことって存在するんだな。
となると、どうにかしてエンカウントは避けたいが、同学年と学園ですれ違わないなんて奇跡がそうそうあるとは思えない。だからすれ違うだけのモブ、主人公にとっての空気になろう。何があってもこの目標はブレるわけにはいかない。俺の趣味のためにも!
「由緒正しきスティルペース学園にこんな異例なことが起こるなんてな」
「それだけ優秀な奴ってことじゃないか?」
「でも所詮は平民だろ? 大したことないって!」
……ん?
「この学園に平民が増えるなんて、品格が落ちるんじゃないか?」
「まったくだ。何故我らが平民なんかと机を共にしなければいけないんだ」
「平民の分際で僕らと同じ場所に立とうだなんて生意気な」
……あー、早速出てきたな。選民意識で凝り固まった嫌味なモブ。こんな往来で話すことか? しかもそれなりに声も大きいし、聞こえているのは俺だけじゃないだろうな。ただでさえ憂鬱な朝だっていうのにますます気が滅入るわ。
さりげなく周囲を見渡すと、少々不快な思いをしているらしい生徒がちらほらといる。楽しげに会話をしている当人たちは気づいていないが、明らかに歓迎されてはいなかった。中には顔を背けて見ないようにしている人もいて、やや顔色が悪かったり、よく見ないとわからないけど、さりげなく拳を握っている人もいた。そんな態度を見るに彼らは平民なのだろう。こんな場所であんな会話を直接耳にしたら該当者はもちろん真っ当な感性を持つ子息たちだって眉を顰める。こういう内容を話したいなら自分たちの部屋でやれよ。
なんて思っている間に彼らの会話はさらにエスカレートして聞くに堪えない。
………………ああ、もう!
「うるさい」
立ち止まって一言。それほど大きな声を出したわけではないけど、俺の声は無事に聞こえたようで、周囲は一瞬にして静まった。シュヴァリエ・アクナイトの声はよく通る。おかげでそれほど大声を出す必要がほとんどないともっとも使う場面が少ないから宝の持ち腐れ感が半端ないんけど。
「誰に言っているんだい? 口の利き方には気をつけたまえよ」
「そうだとも。だいたい僕らに背を向けたまま声をかけるなんて無礼にも程があるじゃないか」
「どこの家の子息なのか知らないけど、礼儀は弁えるべきだ」
「へえ? まだ自分たちが誰に対して口を利いているのか気づかないなんて愚かだな」
そう言いながらゆっくり振り返ってやると、連中はたちまち青ざめる。
「シュ、シュヴァリエ……様!」
揃いも揃って吃ってんじゃねえよ。
俺は不機嫌を隠すことなく見据えて静かに目を細めると、連中はわかりやすく肩を震わせた。
「ずっと君たちの会話が聞こえていたけど、随分と下品なことばかり言っていたな。朝からこの私の耳を穢すとは一体どういうつもりだ?」
「そ、それは……」
「その上、私に礼儀を問うてくるなんて、いつの間にか私のよりも上の立場になっていたとは知らなかったな」
そんなに震えるくらいなら最初から言わなければいいのに。シュヴァリエがどういう存在かなんて今更なんだから。
「も、申し訳ありません。まさかシュヴァリエ様だったとは思わず」
もはや周囲の空気が完全に凍りつき、誰一人身動きが取れなくなっていた。あんまりの言葉につい動いてしまったけど、この辺でやめておこう。
「次はない」
だからさっさと行け、という意味を込めて視線を動かすと、連中は脱兎の如く逃げ出した。なんでああいう連中って逃げ足早いんだろ。
……。
……そんなことよりも。
やってしまった。どうしようそのまま無視すればよかったのに、自分から面倒ごとに飛び込んでどうするんだ馬鹿! いつもよりも周囲が遠巻きにしだしたし、マジで帰りたいよ……。
「……はあ」
またため息を吐きながら、俺はトボトボと校舎へ向かって歩き出した。
幸先悪っ!
【手折れぬ花の守護者】本編の舞台であり、十二歳から十八歳までの王侯貴族と一部の平民が通うツヴィトーク王国内唯一の王立学園。その歴史は非常に古く他国の学園とも積極的に交流を行い、毎年数名の学生がランダムで他国へ留学しているほどだ。
そのスティルペース王立学園には全部で五つの寮があり、それぞれがこの国の公爵家にちなんだ寮になっていて、各公爵家の子息息女は必ず自分の家紋の寮に入る決まりだ。そして他の生徒は派閥や爵位に関係なくランダムにそれぞれの寮へと振り分けられ、一切の融通も例外も通じない。
ーーそれはシュヴァリエ・アクナイトも同じである。
アクナイト公爵家の次男として扱われている俺はアクナイトの色であるヴィオレ寮四階の一人部屋を使っている。ほんっとうにあの公爵はこういうところが狡い。世間体を守るために一人部屋に送り込むんだもんな。まあでも静かな部屋でゆっくりできるのは嬉しいので、そこだけは素直にありがとうと思っておこう。絶っ対に言わないけど。
あくまでも学園の寮なので派手派手しい見た目ではない。しかし使用されているのは高級品ばかり。その中でも公爵家の子息息女のみが使える一人部屋はデザインこそシンプルなものの、すべてが最高級のもので揃えられていた。
そしてそれぞれの寮には専用のカフェテリアがあり、生徒はそこで朝食と夕食を摂るという校則になっている、のだが。
……めちゃくちゃ視線がうるさい。
昨日は寮に入る時間が遅く、外で適当に食べたこともあってカフェテリアには行かなかった。それで朝起きてカフェテリアに入った途端視線が一斉に集中し、現在進行形で好奇の視線に晒されている。周囲に誰も座ろうとしないのはいつものことだし、普段はほぼ空気なんだけど今は真逆だ。朝から超鬱陶しい。
……まあその理由には心当たりしかないんだけど。
ーーアクナイト公爵夫妻の離縁騒動。
よりにもよってアクナイト公爵家がそんな事態になったということで、貴族界はさぞ荒れるだろうと思っていたがあちこちから聞こえてくる会話から、俺が予想していた以上に衝撃が大きいようだ。ずっとチラチラ視線が向けられているしね。おかげで落ち着いて飯も食えやしない。
「…………まさか……離縁なんて」
「夢にも思いませんでしたわ……」
うんうん、そうだよね。俺もびっくりだし。
「なんでわざわざそんな方法を」
それについては激しく同意だ。
「ですが離縁の原因はシュヴァリエ様にあるとか」
まあ、間違ってはいないねぇ。あの人の自業自得だけど。
「しっ! 聞こえたらまずいぞ」
逆にこの距離で聞こえないと思っているのかアホ。わざと聞こえよがしに言っているくせに今更抑えたところで、ねえ?
「けど、アクナイト公爵はどうするんだろうな。後妻でも迎えるのか?」
「あまり想像がつかないよな」
「それにシエル様とルアル様ですわ。あのお二方はどうお思いになるのかしら」
「そうですわよね。夫人と不仲だという噂はありませんでしたし」
「心配ですわ」
あんたらに心配されるほどあの二人は弱くないと思うけど。むしろそんな噂していたら、侮辱行為と受け取りそうだ。別に友達でもないのに心配だなんだと言われても胡散臭いだけだろ。
だけどシエル兄さんとルアルのことは気掛かりだし今回の件で完全に対立する可能性もあるな。他国へ留学しているシエル兄さんには後で手紙を出すとして、ルアルとは時間を見つけて話をしてみるか。
……もっともシュヴァリエは上とも下とも仲良くないからまともに話ができるか怪しいけどね。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
食事を終えて朝っぱらから元気に飛び交う視線たちを全力で無視しながら俺は学園へと向かった。無駄に敷地が広いせいで校舎へ向かうのにちょっとばかり歩く必要がある。校舎と寮の往復だけで三十分はかかるくらいには広い。
……そして、その道すがら聞こえる会話は普段と違い一貫している。
四方八方から無遠慮な視線ともはや通常のボリュームになっている会話が飛んでくる。向こうからしたら声を抑えているつもりだろうが、いかんせんあちこちで同じ話題が上がっているため、いくら個人で抑えてもほとんど意味をなしていなかった。
それに……。
視線の中に他とは異なるものがいくつかあるのだ。多分アクナイト公爵家と敵対している派閥のものだろう。どんな国も一枚岩じゃないから貴族間での対立など珍しくないけど、それにしても視線が以前より無遠慮だ。つまり今回の出来事は敵対派閥にとってそれなりに旨みのあるものだということなんだろうな。正直言って馬鹿馬鹿しいことこの上ないが、気を大きくした勘違い野郎どもと一悶着ありそうだ。できることならいつものように放っておいてくれないだろうか。まあ仮にも公爵子息に喧嘩を売ってくるような馬鹿相手に話が通じるとは思えないけど。
「はあ……」
久しぶりの登校だっていうのにいろんな意味で気が重い、帰りたい。
「そういえばご存知? 今日編入生が来るそうですわよ。しかも平民の」
……!?
唐突に聞こえてきた会話に俺は耳をすませた。時期外れの編入生で平民、俺にはそれだけでの情報で充分だった。
「まあ、本当ですの? よく入れましたわねこんな時期に」
「学年はどうなりますの?」
「第四学年だそうですわ」
その単語で確定だ。平民でありながら途中編入という異例な事態を叩き出した存在。
ーー主人公・クラルテ!
シュヴァリエ・アクナイトの復学がプロローグの開始条件という俺の予想はどうやら当たっていたらしい。……正解しても嬉しくないことって存在するんだな。
となると、どうにかしてエンカウントは避けたいが、同学年と学園ですれ違わないなんて奇跡がそうそうあるとは思えない。だからすれ違うだけのモブ、主人公にとっての空気になろう。何があってもこの目標はブレるわけにはいかない。俺の趣味のためにも!
「由緒正しきスティルペース学園にこんな異例なことが起こるなんてな」
「それだけ優秀な奴ってことじゃないか?」
「でも所詮は平民だろ? 大したことないって!」
……ん?
「この学園に平民が増えるなんて、品格が落ちるんじゃないか?」
「まったくだ。何故我らが平民なんかと机を共にしなければいけないんだ」
「平民の分際で僕らと同じ場所に立とうだなんて生意気な」
……あー、早速出てきたな。選民意識で凝り固まった嫌味なモブ。こんな往来で話すことか? しかもそれなりに声も大きいし、聞こえているのは俺だけじゃないだろうな。ただでさえ憂鬱な朝だっていうのにますます気が滅入るわ。
さりげなく周囲を見渡すと、少々不快な思いをしているらしい生徒がちらほらといる。楽しげに会話をしている当人たちは気づいていないが、明らかに歓迎されてはいなかった。中には顔を背けて見ないようにしている人もいて、やや顔色が悪かったり、よく見ないとわからないけど、さりげなく拳を握っている人もいた。そんな態度を見るに彼らは平民なのだろう。こんな場所であんな会話を直接耳にしたら該当者はもちろん真っ当な感性を持つ子息たちだって眉を顰める。こういう内容を話したいなら自分たちの部屋でやれよ。
なんて思っている間に彼らの会話はさらにエスカレートして聞くに堪えない。
………………ああ、もう!
「うるさい」
立ち止まって一言。それほど大きな声を出したわけではないけど、俺の声は無事に聞こえたようで、周囲は一瞬にして静まった。シュヴァリエ・アクナイトの声はよく通る。おかげでそれほど大声を出す必要がほとんどないともっとも使う場面が少ないから宝の持ち腐れ感が半端ないんけど。
「誰に言っているんだい? 口の利き方には気をつけたまえよ」
「そうだとも。だいたい僕らに背を向けたまま声をかけるなんて無礼にも程があるじゃないか」
「どこの家の子息なのか知らないけど、礼儀は弁えるべきだ」
「へえ? まだ自分たちが誰に対して口を利いているのか気づかないなんて愚かだな」
そう言いながらゆっくり振り返ってやると、連中はたちまち青ざめる。
「シュ、シュヴァリエ……様!」
揃いも揃って吃ってんじゃねえよ。
俺は不機嫌を隠すことなく見据えて静かに目を細めると、連中はわかりやすく肩を震わせた。
「ずっと君たちの会話が聞こえていたけど、随分と下品なことばかり言っていたな。朝からこの私の耳を穢すとは一体どういうつもりだ?」
「そ、それは……」
「その上、私に礼儀を問うてくるなんて、いつの間にか私のよりも上の立場になっていたとは知らなかったな」
そんなに震えるくらいなら最初から言わなければいいのに。シュヴァリエがどういう存在かなんて今更なんだから。
「も、申し訳ありません。まさかシュヴァリエ様だったとは思わず」
もはや周囲の空気が完全に凍りつき、誰一人身動きが取れなくなっていた。あんまりの言葉につい動いてしまったけど、この辺でやめておこう。
「次はない」
だからさっさと行け、という意味を込めて視線を動かすと、連中は脱兎の如く逃げ出した。なんでああいう連中って逃げ足早いんだろ。
……。
……そんなことよりも。
やってしまった。どうしようそのまま無視すればよかったのに、自分から面倒ごとに飛び込んでどうするんだ馬鹿! いつもよりも周囲が遠巻きにしだしたし、マジで帰りたいよ……。
「……はあ」
またため息を吐きながら、俺はトボトボと校舎へ向かって歩き出した。
幸先悪っ!
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