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四頁 カンパニュラの恩恵
56話 狙う者
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突然の攻撃にその場は一気に戦場となった。全くだから急ぎたかったのに! とりあえず卵は何とか死守しないと。敵の狙いは卵とその親であるフェイバースパイダーだ。敵の正体は最後までゲームに登場しなかったから多分続編で明らかになるんだろう。残念ながらそちらはプレイできていない。だが敵のヴィジュアルは立ち絵で出てきていた。奴らは上から下まで真っ黒な鎧に身を包んでいる。誰一人顔をさらすことはないが昼間だとすっごく目立つ。いや奴らの風貌は今はどうでもいい。
重要なのは狙いのほうだ。それもゲームで言及してくれていたおかげで何をすればいいかはわかる……けど、正直今の俺に戦闘できるだけの体力は残っていない。戦闘に加わったとしても足手纏いは確実だ。ならせめてこの卵は何としても守る。もしここで害されたら……俺の押し花ライフはお終いだ!!!
どうやら狙いが卵と眷属様だということはアウルたちも気づいたようで、まだまだ元気な戦闘民が守るようにフェイバースパイダーの前に出ていた。
しかし魔法と剣で何とか防ぐが如何せん敵の攻撃のほうが早い。ほんと戦えるだけで尊敬だわ。
「お前たちは一体何者だ! ここは眷属の聖域! それを知っての狼藉か!?」
クラージュが叫ぶ。クオーレも兄同様に殺気に満ちていた。自分たちの管轄地でもある聖なる山でこんなことされたら怒りますよね。……あ~あ、カンパニュラの花畑がめっちゃくちゃ。
なんて思っている間も容赦ない猛攻が襲う。ほんとに勘弁してくれ。
「眷属の聖域? 魔物を神と崇める悪しき風習など認めるわけにはいかない。世界は我が陛下の正義の下に浄化されるのだ! 大人しくそこの魔物を明け渡せ!」
出た出た。敵さんの意味不明なご高説。ゲームでも兄貴と一緒になってこいつら意味わかんねえ論議してたわ。生憎と頭のねじが飛んだ連中の正義とやらに付き合ってやる義理も道理もない。
「小僧。命が惜しくば大人しく卵を渡せ」
はあ? どこの誰だか知らない赤の他人が何命令してんだよ腹立つなぁ……。誰のせいでこんなことになっていると思ってんの?
「誰に向かって命令している?」
「口の利き方には気をつけるんだな小僧。大人しく言うことを聞いておいたほうが得策ぞ」
「戦闘中におしゃべりとはまるで空の花瓶のようなお人だな。心から敬意を送りたい」
「貴様らと我らでは格が違うのでね。逆らうというのなら容赦はせん!」
嫌味通じてねえし。俺が今話している奴は馬鹿なのか? それとも相当おめでたい奴? ……両方か。俺たちがこんな目に遭っているのはこいつらのせいだ。それを証明するには……よし、挑発しよう。
「猛毒も知らぬ雑草如きがどう容赦しないと?」
「それはだな……」
相手が銃のようなものを構えてその先端をこちらに向けた。俺はその動きを見逃さないよう意識を集中させ、銃口を見据える。……来る!
パァンッ! と銃特有の発砲音が響くと同時に俺は放たれた物を何とか躱すことに成功。……危機一髪だった~~~!
「アクナイト公子無事か!?」
アウルが血相を変えて俺のところに駆け寄ってきた。
「大丈夫ですからそんなに騒がないでください」
「それならいいが……卵は?」
「無事ですよ」
「そうか。奴らの持っているあれは一体……」
そう言いながら敵を見上げるアウルの顔色は若干青ざめている。俺も実物は初めて……というか普通に生きていたらまず目にする機会はないだろう。——本物の銃なんて。
何とか体制を整えながら受け止めた地面を見やるとそこにはここに来る道中とまったく同じ現象が起こっていた。
「なっ……錆、だと?」
アウルの驚愕の声に他の面々もその場所を見て瞠目し、今まで以上に険しい表情を黒鎧集団に向ける。
「まさか一連の騒動を起こしていたのはこいつらか!?」
「よそ様の土地でよくもまあここまで厚顔無恥な真似ができますね。お里が知れるというものです」
クラージュの怒りの籠った怒声にリヒトの毒舌が炸裂した。そんな二人の言葉に鎧の連中は鼻で嗤う。
「愚かな……完全に洗脳されてしまっているようだ。そんな哀れなお前たちを救ってやろうというのに、もはや卑しき者に成り下がったというわけだな。……そこの餓鬼のように、な?」
そう高々に言いながら鎧野郎の一人が俺を指さしながら嘲る。
……。
………………へえ? 卑しき者、ねえ? 舐めてんのか? ……というかさっきお前らが打った物でせっかくの綺麗なカンパニュラの花畑の致景が台無しになってんだけどなぁ…….
「ぐああぁっ!?」
ぼんやり考えていたら俺を指さした男が急に声と血飛沫が上がった。いきなりどうしたんだと思っていたらなぜか右手が軽いと感じて見ると持っていたはずの剣がない。そこまで考えて改めて奴のほうに視線を移すと…………俺の剣が奴の肩にぶっ刺さっていた。俺の剣っ!!!!!
「ア、アクナイト公子……?」
みんなにすっげえ目で見られてんだけど。ど、どうしよう!
「……私を見るよりも敵を見るべきでは?」
状況を伝えることで俺から意識を逸らさせる。俺の言葉にそれぞれ思うところはあるようだが、何とか意識を別方向へ向けることに成功した。
あれか……花畑荒らされて怒りが頂点に達して死ねと思った時には既に剣を投げつけていたってことか? ………もう少し感情を制御できるようにならないと危険だな。
まあそこは後で考えよう。構えてもらったところ悪いけど多分もうすぐ決着がつくはず。あとほんの少し時間を稼ぐことさえできれば……
「アンタたち! 全員どきなさい!」
よしきた!
強大な魔力の気配と同時に背後からヴィータの声が響く。全員が咄嗟にしゃがんだ直後、頭上をとてつもない魔力の塊のような風が通り過ぎていった。そして——
『ぎゃあああぁぁぁっっ!!!!!!!』
重く鈍い音と汚い悲鳴を発しながら鎧野郎どもはヴィータの放った魔法によって真昼の星となった。……魔塔主強ぉ。
「終わった、のか……?」
しゃがんでいた面々がゆっくりと起き上がり目の前で見た魔塔主の力に唖然となる。あまりの強さに何人かは引いていた。かく言う俺もその一人だったりするけど。
「ひとまずゴミは片付いたわね」
周囲の視線をものともせずすっきりしたように清々しい表情で言い放つヴィータは……実に楽しそうだ。魔塔主の名は伊達ではない。画面上での表記と現物は違うなんてものではない。もはや完全に別物だ。ヴィータは正しくチートである。
「よいしょっ……と」
「魔塔主殿、それは奴らが持っていた武器、ですか?」
「ええそうよ。アタシがぶっ飛ばした時、ひとりが落っことしていったの。間抜けよねぇ? 持って帰って調べれば奴らが汚したこの森を何とかできるかもしれないもの。精々活用させてもらうわよ」
うふふ……と嗤うヴィータに俺たちは別の意味で引いた。
「ああそうだ。アクナイトの子倅」
「なんでしょう?」
ヴィータは何かを俺に向かって投げつけてきた。なんだ……って俺の剣! え、拾ってくれたんか! うわ~ヴィータ様ありがとう!
「礼を言ったほうがいいのでしょうね」
「素直に言えないの? まあいいわ。アンタに素直さは求めていないもの。さてゴミ掃除が終わったところで……それ、どうするのよ?」
ヴィータは俺が抱えていた卵指さす。そうでした。森は後々清められるからいいとして問題はこの汚染された卵だな。ゲーム内では……どうしてたっけ? ……ん? あれは……白いカンパニュラ? なんであんなところに。
——人間、あっち
あっち? ……そうか! 思い出した。確かこの山には!
思い出すと同時に俺は卵を抱えてフェイバースパイダーが指示した方向へ向かって走り出す。ゲーム通りならあの先は崖になっているけどそこを下っていけばこの卵を浄化できる場所への隠れ道がある。ゲームと景色が違ったという前例が直近であるからちょっと怖いけどフェイバースパイダーが教えてきたんだ。大丈夫だろう。
「アクナイト公子!? どこへ行く!?」
「まったく! 本当に勝手なんですから!」
「でも今までのアクナイトさんの行動には意味があったし眷属のフェイバースパイダーさんも何かを訴えているみたいだから何かあるのかも。僕たちも行こうよ!」
「はあ……仕方ないですね。みなさん行きましょう!」
「そうだな。それに……アクナイト公子はおそらくそろそろ限界だろう。万が一のためにも追いかけたほうがいい」
アウルがやや険しい顔をしながら言うと、カンパニュラ兄弟がはっとして互いに頷き合う。クラルテは心配で青ざめ、普段馬が合わないリヒトも目に動揺が宿っていた。
「では私は残ろう。万が一奴らが戻ってきたときのためにビアンコラーニョたちとここにいよう」
「ならアタシも残るわ。物理攻撃担当の筋肉だるまと魔法攻撃担当のアタシがいれば大丈夫でしょう」
「き、筋肉だるま……いや、そうですね。よろしくおねがいします」
「ほらさっさと行きなさい。見失うわよ」
なんてやり取りを背後に受けながら俺は彼らをおいてフェイバースパイダーに案内されるまま先に進んでいく。ただでさえ足が大変なことになっているのに卵まで抱えて疾走とかきついどころじゃないけど、入り口を知っているのは俺だけだ。正直成体であるフェイバースパイダーよりも卵のほうが重傷だ。フェイバースパイダーもそれがわかっているからこんなに急いでいるんだろう。急激な酷使で震える足を叱責しながらフェイバースパイダーに続き、ほぼ滑り落ちるようにしてひたすらに入り口を目指した。しかし足は思うように動いてくれず、卵を抱えた状態で木の根に足が引っかかる。……やべっ!
とっくの昔に限界を突き抜けていた足ではうまく体重を支え切れずそのまま俺は重力に逆らえずそのまま——
重要なのは狙いのほうだ。それもゲームで言及してくれていたおかげで何をすればいいかはわかる……けど、正直今の俺に戦闘できるだけの体力は残っていない。戦闘に加わったとしても足手纏いは確実だ。ならせめてこの卵は何としても守る。もしここで害されたら……俺の押し花ライフはお終いだ!!!
どうやら狙いが卵と眷属様だということはアウルたちも気づいたようで、まだまだ元気な戦闘民が守るようにフェイバースパイダーの前に出ていた。
しかし魔法と剣で何とか防ぐが如何せん敵の攻撃のほうが早い。ほんと戦えるだけで尊敬だわ。
「お前たちは一体何者だ! ここは眷属の聖域! それを知っての狼藉か!?」
クラージュが叫ぶ。クオーレも兄同様に殺気に満ちていた。自分たちの管轄地でもある聖なる山でこんなことされたら怒りますよね。……あ~あ、カンパニュラの花畑がめっちゃくちゃ。
なんて思っている間も容赦ない猛攻が襲う。ほんとに勘弁してくれ。
「眷属の聖域? 魔物を神と崇める悪しき風習など認めるわけにはいかない。世界は我が陛下の正義の下に浄化されるのだ! 大人しくそこの魔物を明け渡せ!」
出た出た。敵さんの意味不明なご高説。ゲームでも兄貴と一緒になってこいつら意味わかんねえ論議してたわ。生憎と頭のねじが飛んだ連中の正義とやらに付き合ってやる義理も道理もない。
「小僧。命が惜しくば大人しく卵を渡せ」
はあ? どこの誰だか知らない赤の他人が何命令してんだよ腹立つなぁ……。誰のせいでこんなことになっていると思ってんの?
「誰に向かって命令している?」
「口の利き方には気をつけるんだな小僧。大人しく言うことを聞いておいたほうが得策ぞ」
「戦闘中におしゃべりとはまるで空の花瓶のようなお人だな。心から敬意を送りたい」
「貴様らと我らでは格が違うのでね。逆らうというのなら容赦はせん!」
嫌味通じてねえし。俺が今話している奴は馬鹿なのか? それとも相当おめでたい奴? ……両方か。俺たちがこんな目に遭っているのはこいつらのせいだ。それを証明するには……よし、挑発しよう。
「猛毒も知らぬ雑草如きがどう容赦しないと?」
「それはだな……」
相手が銃のようなものを構えてその先端をこちらに向けた。俺はその動きを見逃さないよう意識を集中させ、銃口を見据える。……来る!
パァンッ! と銃特有の発砲音が響くと同時に俺は放たれた物を何とか躱すことに成功。……危機一髪だった~~~!
「アクナイト公子無事か!?」
アウルが血相を変えて俺のところに駆け寄ってきた。
「大丈夫ですからそんなに騒がないでください」
「それならいいが……卵は?」
「無事ですよ」
「そうか。奴らの持っているあれは一体……」
そう言いながら敵を見上げるアウルの顔色は若干青ざめている。俺も実物は初めて……というか普通に生きていたらまず目にする機会はないだろう。——本物の銃なんて。
何とか体制を整えながら受け止めた地面を見やるとそこにはここに来る道中とまったく同じ現象が起こっていた。
「なっ……錆、だと?」
アウルの驚愕の声に他の面々もその場所を見て瞠目し、今まで以上に険しい表情を黒鎧集団に向ける。
「まさか一連の騒動を起こしていたのはこいつらか!?」
「よそ様の土地でよくもまあここまで厚顔無恥な真似ができますね。お里が知れるというものです」
クラージュの怒りの籠った怒声にリヒトの毒舌が炸裂した。そんな二人の言葉に鎧の連中は鼻で嗤う。
「愚かな……完全に洗脳されてしまっているようだ。そんな哀れなお前たちを救ってやろうというのに、もはや卑しき者に成り下がったというわけだな。……そこの餓鬼のように、な?」
そう高々に言いながら鎧野郎の一人が俺を指さしながら嘲る。
……。
………………へえ? 卑しき者、ねえ? 舐めてんのか? ……というかさっきお前らが打った物でせっかくの綺麗なカンパニュラの花畑の致景が台無しになってんだけどなぁ…….
「ぐああぁっ!?」
ぼんやり考えていたら俺を指さした男が急に声と血飛沫が上がった。いきなりどうしたんだと思っていたらなぜか右手が軽いと感じて見ると持っていたはずの剣がない。そこまで考えて改めて奴のほうに視線を移すと…………俺の剣が奴の肩にぶっ刺さっていた。俺の剣っ!!!!!
「ア、アクナイト公子……?」
みんなにすっげえ目で見られてんだけど。ど、どうしよう!
「……私を見るよりも敵を見るべきでは?」
状況を伝えることで俺から意識を逸らさせる。俺の言葉にそれぞれ思うところはあるようだが、何とか意識を別方向へ向けることに成功した。
あれか……花畑荒らされて怒りが頂点に達して死ねと思った時には既に剣を投げつけていたってことか? ………もう少し感情を制御できるようにならないと危険だな。
まあそこは後で考えよう。構えてもらったところ悪いけど多分もうすぐ決着がつくはず。あとほんの少し時間を稼ぐことさえできれば……
「アンタたち! 全員どきなさい!」
よしきた!
強大な魔力の気配と同時に背後からヴィータの声が響く。全員が咄嗟にしゃがんだ直後、頭上をとてつもない魔力の塊のような風が通り過ぎていった。そして——
『ぎゃあああぁぁぁっっ!!!!!!!』
重く鈍い音と汚い悲鳴を発しながら鎧野郎どもはヴィータの放った魔法によって真昼の星となった。……魔塔主強ぉ。
「終わった、のか……?」
しゃがんでいた面々がゆっくりと起き上がり目の前で見た魔塔主の力に唖然となる。あまりの強さに何人かは引いていた。かく言う俺もその一人だったりするけど。
「ひとまずゴミは片付いたわね」
周囲の視線をものともせずすっきりしたように清々しい表情で言い放つヴィータは……実に楽しそうだ。魔塔主の名は伊達ではない。画面上での表記と現物は違うなんてものではない。もはや完全に別物だ。ヴィータは正しくチートである。
「よいしょっ……と」
「魔塔主殿、それは奴らが持っていた武器、ですか?」
「ええそうよ。アタシがぶっ飛ばした時、ひとりが落っことしていったの。間抜けよねぇ? 持って帰って調べれば奴らが汚したこの森を何とかできるかもしれないもの。精々活用させてもらうわよ」
うふふ……と嗤うヴィータに俺たちは別の意味で引いた。
「ああそうだ。アクナイトの子倅」
「なんでしょう?」
ヴィータは何かを俺に向かって投げつけてきた。なんだ……って俺の剣! え、拾ってくれたんか! うわ~ヴィータ様ありがとう!
「礼を言ったほうがいいのでしょうね」
「素直に言えないの? まあいいわ。アンタに素直さは求めていないもの。さてゴミ掃除が終わったところで……それ、どうするのよ?」
ヴィータは俺が抱えていた卵指さす。そうでした。森は後々清められるからいいとして問題はこの汚染された卵だな。ゲーム内では……どうしてたっけ? ……ん? あれは……白いカンパニュラ? なんであんなところに。
——人間、あっち
あっち? ……そうか! 思い出した。確かこの山には!
思い出すと同時に俺は卵を抱えてフェイバースパイダーが指示した方向へ向かって走り出す。ゲーム通りならあの先は崖になっているけどそこを下っていけばこの卵を浄化できる場所への隠れ道がある。ゲームと景色が違ったという前例が直近であるからちょっと怖いけどフェイバースパイダーが教えてきたんだ。大丈夫だろう。
「アクナイト公子!? どこへ行く!?」
「まったく! 本当に勝手なんですから!」
「でも今までのアクナイトさんの行動には意味があったし眷属のフェイバースパイダーさんも何かを訴えているみたいだから何かあるのかも。僕たちも行こうよ!」
「はあ……仕方ないですね。みなさん行きましょう!」
「そうだな。それに……アクナイト公子はおそらくそろそろ限界だろう。万が一のためにも追いかけたほうがいい」
アウルがやや険しい顔をしながら言うと、カンパニュラ兄弟がはっとして互いに頷き合う。クラルテは心配で青ざめ、普段馬が合わないリヒトも目に動揺が宿っていた。
「では私は残ろう。万が一奴らが戻ってきたときのためにビアンコラーニョたちとここにいよう」
「ならアタシも残るわ。物理攻撃担当の筋肉だるまと魔法攻撃担当のアタシがいれば大丈夫でしょう」
「き、筋肉だるま……いや、そうですね。よろしくおねがいします」
「ほらさっさと行きなさい。見失うわよ」
なんてやり取りを背後に受けながら俺は彼らをおいてフェイバースパイダーに案内されるまま先に進んでいく。ただでさえ足が大変なことになっているのに卵まで抱えて疾走とかきついどころじゃないけど、入り口を知っているのは俺だけだ。正直成体であるフェイバースパイダーよりも卵のほうが重傷だ。フェイバースパイダーもそれがわかっているからこんなに急いでいるんだろう。急激な酷使で震える足を叱責しながらフェイバースパイダーに続き、ほぼ滑り落ちるようにしてひたすらに入り口を目指した。しかし足は思うように動いてくれず、卵を抱えた状態で木の根に足が引っかかる。……やべっ!
とっくの昔に限界を突き抜けていた足ではうまく体重を支え切れずそのまま俺は重力に逆らえずそのまま——
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