74 / 140
五頁 孤立したホオズキ
70話 ヌカヅキの本性
しおりを挟む
夏場の暑く乾いた木の感触、埃の舞う空気に俺は盛大に咽せた。
「ようやく起きたんだ。お坊ちゃん」
あ~目ぇ開けたくねえ。このまま気絶したふりしていたいけど、たぶん気づいているんだろうから無駄な足掻きか。
「気絶したふりしても無駄だから」
さすがだね~完全にばれてら。
「公爵子息を床に転がすとはいい度胸をしているな……ヌカヅキ」
両手両足を縛られた状態で床に転がされている俺を楽しそうに見下ろすのはヌカヅキだった。その手には先端の尖った細長い棒が握られている。こいつがゲーム内で持っていた武器と同じものだ。そしてそれはホオズキランタンを括ってある紐を頑丈に固定するために使われるものでもある。使用方法は応急処置で筒状のものを布に当ててくるくる回転させてきつく縛るあれと似たような感じだと思えばいい。ヌカヅキの武器はそれを改造したものだ、
「……俺なかなか器用だと思わね~?」
……とこんな風にゲームでもクラルテに自慢していたっけ。
まさかそれを悪役でありクラルテを殺すように依頼をしたシュヴァリエが聞くことになるなんて、一体誰が想像できただろうか。この展開予言していた人いる?
「ねえ聞いてんの?」
キイテマスキイテマス。……なんて冗談はさておき、いい加減床に転がっているのも嫌なんだけど。
「そんなことよりもいつまでこの私を床に置いておくつもりだ? 話なら座ってでもできるだろう。さっさと起こせ」
ヌカヅキは武器をくるくる回して遊んでいた手を止めて俺を覗き込み、舌打ちをしながら顔すれすれに武器を突き刺した。
「あのさぁ……アンタ状況わかってんの?」
「何者かに祭りの破壊と私の暗殺を頼まれて仕込みをしていた、だろう」
あっさり言うとヌカヅキが盛大に顔を顰める。気づかれていないと思っていたんだろう。こいつはかなり慎重にことを進めていたからな。まさか遊んでいただけの人間に見破られるとは考えまい。俺の場合はかなり反則的な方法を使っているから、こいつの用意周到さは認めてやろう。
「……アンタ本当に何者なのさ」
「ただの公爵子息だが?」
「はっ……! ほんっとに腹立つなぁ。お貴族様ってのはさぁ……!!!」
突然ヌカヅキが苛立ったように壁を思い切り蹴り飛ばした。あまりの威力に建物全体が激しく揺れる。床に転がったままである意味良かったかも。
「あの時も、あの時も、あの時も、あの時もあの時も!!! 俺はぁっ!」
狂ったように暴れ出したヌカヅキを俺は呆然と見つめていた。ゲームでもこんなシーンあったけど間近で見ると恐怖だなこれ。とりあえず耳が痛いから少し声のボリューム下げて欲しいんだけど。……こんな時シュヴァリエが顔に出ないタイプで良かったとつくづく思う。少なくとも柊紅夏だったら絶対に怯えて耐えられなかったかもしれないから。
「……アンタ本当お気楽だよなぁ。自分の命を狩ろうとしている人間を目の前にしてそんな余裕があるなんて。それともただの馬鹿とか?」
「大声を出せば逃がしてくれるとでも?」
「いや? むしろ騒いだら舌削ぎ落とすから」
パシパシと顔に武器を当ててくるヌカヅキに俺は目を細める。ヌカヅキはそんな俺を見てコテンと首を傾げた。
「アンタ全然怖がっていないね? 普通もっと怯えるものだと思うけど」
「少なくとも他者の無属性魔法を借り受けて天狗になっている人間に怯えるほど、素直な性分ではない」
瞬間ヌカヅキの顔から笑みが消え、同時に俺の胸に鋭く熱い感覚が走る。その後生暖かい感触が肌を伝った。ヌカヅキの武器を見ると先端が赤く濡れていた。ごく浅くではあるがその武器で俺の肌を切ったらしい。痛みはまるで紙で指を切ったあの感じによく似ているが、胸元という場所ゆえか背中に冷や汗が流れる。
「生憎とアンタとの話に時間をかけたくないんだよね。だから……さっさと死んでくれる?」
「断る、と言ったら?」
「この状況でその言葉が出てくるなんていっそ尊敬すんだけど。……まあいいや」
ヌカヅキは強引に俺の胸ぐらを掴むとそのまま壁に向かって投げつけた。
「……っ!」
壁に叩きつけられた衝撃で一時的に肺が圧迫されたのか息が詰まり、後から背中の痛みが襲ってきた。ドラマや漫画なんかで壁とか木に叩きつけられたキャラが苦しげに呻いて咳き込む描写とかあるけど確かにこれは、咽せるどころじゃないわ。
しかし随分と唐突だなぁ、おい。
「私を尾行していた連中やカガチのように洗脳の無属性魔法でも使うかと思っていたが、嬲り殺しに変更でもしたのか?」
「ほんっとつくづく口の減らない坊ちゃんだなぁ。俺がどんな手段を使おうが関係ねえだろ。だってどのみち死ぬんだし」
大人しく死んだ方が楽だと思うけど? なんてそんな冷え切った眼差しで言われるってマジで怖いな。目の周りに前髪で影ができているのも相まって恐怖倍増です。リアルで見たくない顔ランキングの上位に余裕で食い込むレベルに怖い。
けど俺はシュヴァリエ・アクナイトだ。こんなところでビビってたまるか。と思っていたがヌカヅキに突然口元に布を押し付けられた。うわ、マジかよ。さすがにまずいなこれ。布から甘ったるいお菓子のような匂いがして嗅ぐたびに意識が朦朧としてくる。
「口を開けばうざいけどアンタの容貌は極上だ。どうせなら綺麗な姿で死なせてやるよ。シュヴァリエ・アクナイトおやすみ」
……この感じ、またか。混濁する意識の中で見るヌカヅキの顔は今まで見たどの顔よりも歪んでいた。そんな武器をちらつかせながら綺麗な姿って……意識を刈り取った後で急所を避けながら全身を刺して血染めにでもする気か? ゲーム内でクラルテにやろうとしたように。ゲームではご丁寧にどうするかを笑いながらクラルテに説明していたっけ。兄弟探しも学園への編入も一番に応援してくれた存在からの手酷い裏切りという点もこの章がシリアスだと言われる理由の一つなんだけど。もっとも後でそれらのほとんどがシュヴァリエ・アクナイトの仕込みだと判って滅茶苦茶に怒りを露わにしていたな。
……んで、ヌカヅキがあの時とまったく同じセリフを吐いたってことは、俺がそんな風に殺されるってことになるわけだ。なぜそんな殺し方をするかというと、単純にヌカヅキのポリシーだ。奴曰く、
「笑みを浮かべた顔が血に染まるからこそ美しい」
……ということだ。
「さて、そろそろ意識がなくなったころかな」
ああ、やべえもう意識が持た……ない……
意識の端でヌカヅキが武器をそっと掲げたのがうっすらと見えて俺は——その場で思い切り体を捻って縛られている親指の縄を切った。そのまま思い切り足を振り上げ、ヌカヅキの武器の先端を利用し足首を縛っている縄を切る。
「……なっ!?」
足を振り上げた勢いで上半身と下半身の位置が逆になったところでヌカヅキの腹に思い切り拳を叩きつけた。
「ぐはっ……!?」
突然の反撃に動揺していたらしいヌカヅキは咄嗟に動けず俺の拳をもろに受けて苦し気にうめくが、すぐさま体制を立て直しバク転で距離を取った。さすがだね。俺の火事場の馬鹿力とはわけが違う。やっぱこういう荒事慣れているんだろう、なんて思いながら俺もヌカヅキから距離を取る。
「あっれれ、おっかし~な~。あの薬嗅いだくせになんであんなに動けんのさ。しかも俺の魔法効いてないし」
「隠す気はなくなったのか?」
「は? 今さら何言ってんの? もう隠しても無駄でしょ」
「洗脳の無属性魔法」
「その通り。いつから気付いていたんだよ。つーか、魔法が効かないってなに? やっぱりアンタただの貴族のお坊ちゃんとか絶対嘘だろ」
「……私が何者だろうと君のような卑賎の民には何の関係もない」
「ほんっと、むかつくわアンタ」
お互いの空気が張り詰める。こっちは丸腰な上に悪趣味な薬品嗅がされて全然体が動かないのに対して向こうはピンピンしているのに加えて武器を持っているという圧倒的不利なこの状況。さて、どうするかな。
「君の苛立ちなど私の知ったことではない。だが、ひとつだけ聞いておく」
「はあ? 俺が答えるとでも?」
「別に大したことではない。ただ随分とこの町に対して並々ならぬ思い入れがあるように見えたからな」
「なに? まさかこの状況で好奇心とか言わないよね?」
「その通り、ただの好奇心だ」
「それ本気で言っている? あのシュヴァリエ・アクナイトが好奇心? 馬鹿じゃねえの?」
こいつマジで失礼だな。俺だって好奇心ぐらいあるっつーの。いや、シュヴァリエ・アクナイトは……あんまりなさそうだけど。だからって心底あり得ないみたいな面される謂れはないぞ。
「そんなに不思議がることもないだろう。自分の故郷に愛着があるのは何ら不思議ではない。加えてこの町には我が国が誇る祭りに『少年と嘘』の舞台に」
「その名前を出してんじゃねえよくそがぁぁぁっ!!!!!」
『少年と嘘』の名前を出した途端激しい憎悪をむき出しにして突然喚きだした。まるで憎いという感情のすべてを詰め込んだかのようなヌカヅキの表情は異常だった。ただ嫌いというだけじゃない。あの話をなぞっていることと言い……やっぱりあの話には何かとんでもない裏があるのか。
「…………そんなに知りたいなら教えてやるよ。このファルカタの腐りきった塵屑みてえな真実をなぁ!」
「ようやく起きたんだ。お坊ちゃん」
あ~目ぇ開けたくねえ。このまま気絶したふりしていたいけど、たぶん気づいているんだろうから無駄な足掻きか。
「気絶したふりしても無駄だから」
さすがだね~完全にばれてら。
「公爵子息を床に転がすとはいい度胸をしているな……ヌカヅキ」
両手両足を縛られた状態で床に転がされている俺を楽しそうに見下ろすのはヌカヅキだった。その手には先端の尖った細長い棒が握られている。こいつがゲーム内で持っていた武器と同じものだ。そしてそれはホオズキランタンを括ってある紐を頑丈に固定するために使われるものでもある。使用方法は応急処置で筒状のものを布に当ててくるくる回転させてきつく縛るあれと似たような感じだと思えばいい。ヌカヅキの武器はそれを改造したものだ、
「……俺なかなか器用だと思わね~?」
……とこんな風にゲームでもクラルテに自慢していたっけ。
まさかそれを悪役でありクラルテを殺すように依頼をしたシュヴァリエが聞くことになるなんて、一体誰が想像できただろうか。この展開予言していた人いる?
「ねえ聞いてんの?」
キイテマスキイテマス。……なんて冗談はさておき、いい加減床に転がっているのも嫌なんだけど。
「そんなことよりもいつまでこの私を床に置いておくつもりだ? 話なら座ってでもできるだろう。さっさと起こせ」
ヌカヅキは武器をくるくる回して遊んでいた手を止めて俺を覗き込み、舌打ちをしながら顔すれすれに武器を突き刺した。
「あのさぁ……アンタ状況わかってんの?」
「何者かに祭りの破壊と私の暗殺を頼まれて仕込みをしていた、だろう」
あっさり言うとヌカヅキが盛大に顔を顰める。気づかれていないと思っていたんだろう。こいつはかなり慎重にことを進めていたからな。まさか遊んでいただけの人間に見破られるとは考えまい。俺の場合はかなり反則的な方法を使っているから、こいつの用意周到さは認めてやろう。
「……アンタ本当に何者なのさ」
「ただの公爵子息だが?」
「はっ……! ほんっとに腹立つなぁ。お貴族様ってのはさぁ……!!!」
突然ヌカヅキが苛立ったように壁を思い切り蹴り飛ばした。あまりの威力に建物全体が激しく揺れる。床に転がったままである意味良かったかも。
「あの時も、あの時も、あの時も、あの時もあの時も!!! 俺はぁっ!」
狂ったように暴れ出したヌカヅキを俺は呆然と見つめていた。ゲームでもこんなシーンあったけど間近で見ると恐怖だなこれ。とりあえず耳が痛いから少し声のボリューム下げて欲しいんだけど。……こんな時シュヴァリエが顔に出ないタイプで良かったとつくづく思う。少なくとも柊紅夏だったら絶対に怯えて耐えられなかったかもしれないから。
「……アンタ本当お気楽だよなぁ。自分の命を狩ろうとしている人間を目の前にしてそんな余裕があるなんて。それともただの馬鹿とか?」
「大声を出せば逃がしてくれるとでも?」
「いや? むしろ騒いだら舌削ぎ落とすから」
パシパシと顔に武器を当ててくるヌカヅキに俺は目を細める。ヌカヅキはそんな俺を見てコテンと首を傾げた。
「アンタ全然怖がっていないね? 普通もっと怯えるものだと思うけど」
「少なくとも他者の無属性魔法を借り受けて天狗になっている人間に怯えるほど、素直な性分ではない」
瞬間ヌカヅキの顔から笑みが消え、同時に俺の胸に鋭く熱い感覚が走る。その後生暖かい感触が肌を伝った。ヌカヅキの武器を見ると先端が赤く濡れていた。ごく浅くではあるがその武器で俺の肌を切ったらしい。痛みはまるで紙で指を切ったあの感じによく似ているが、胸元という場所ゆえか背中に冷や汗が流れる。
「生憎とアンタとの話に時間をかけたくないんだよね。だから……さっさと死んでくれる?」
「断る、と言ったら?」
「この状況でその言葉が出てくるなんていっそ尊敬すんだけど。……まあいいや」
ヌカヅキは強引に俺の胸ぐらを掴むとそのまま壁に向かって投げつけた。
「……っ!」
壁に叩きつけられた衝撃で一時的に肺が圧迫されたのか息が詰まり、後から背中の痛みが襲ってきた。ドラマや漫画なんかで壁とか木に叩きつけられたキャラが苦しげに呻いて咳き込む描写とかあるけど確かにこれは、咽せるどころじゃないわ。
しかし随分と唐突だなぁ、おい。
「私を尾行していた連中やカガチのように洗脳の無属性魔法でも使うかと思っていたが、嬲り殺しに変更でもしたのか?」
「ほんっとつくづく口の減らない坊ちゃんだなぁ。俺がどんな手段を使おうが関係ねえだろ。だってどのみち死ぬんだし」
大人しく死んだ方が楽だと思うけど? なんてそんな冷え切った眼差しで言われるってマジで怖いな。目の周りに前髪で影ができているのも相まって恐怖倍増です。リアルで見たくない顔ランキングの上位に余裕で食い込むレベルに怖い。
けど俺はシュヴァリエ・アクナイトだ。こんなところでビビってたまるか。と思っていたがヌカヅキに突然口元に布を押し付けられた。うわ、マジかよ。さすがにまずいなこれ。布から甘ったるいお菓子のような匂いがして嗅ぐたびに意識が朦朧としてくる。
「口を開けばうざいけどアンタの容貌は極上だ。どうせなら綺麗な姿で死なせてやるよ。シュヴァリエ・アクナイトおやすみ」
……この感じ、またか。混濁する意識の中で見るヌカヅキの顔は今まで見たどの顔よりも歪んでいた。そんな武器をちらつかせながら綺麗な姿って……意識を刈り取った後で急所を避けながら全身を刺して血染めにでもする気か? ゲーム内でクラルテにやろうとしたように。ゲームではご丁寧にどうするかを笑いながらクラルテに説明していたっけ。兄弟探しも学園への編入も一番に応援してくれた存在からの手酷い裏切りという点もこの章がシリアスだと言われる理由の一つなんだけど。もっとも後でそれらのほとんどがシュヴァリエ・アクナイトの仕込みだと判って滅茶苦茶に怒りを露わにしていたな。
……んで、ヌカヅキがあの時とまったく同じセリフを吐いたってことは、俺がそんな風に殺されるってことになるわけだ。なぜそんな殺し方をするかというと、単純にヌカヅキのポリシーだ。奴曰く、
「笑みを浮かべた顔が血に染まるからこそ美しい」
……ということだ。
「さて、そろそろ意識がなくなったころかな」
ああ、やべえもう意識が持た……ない……
意識の端でヌカヅキが武器をそっと掲げたのがうっすらと見えて俺は——その場で思い切り体を捻って縛られている親指の縄を切った。そのまま思い切り足を振り上げ、ヌカヅキの武器の先端を利用し足首を縛っている縄を切る。
「……なっ!?」
足を振り上げた勢いで上半身と下半身の位置が逆になったところでヌカヅキの腹に思い切り拳を叩きつけた。
「ぐはっ……!?」
突然の反撃に動揺していたらしいヌカヅキは咄嗟に動けず俺の拳をもろに受けて苦し気にうめくが、すぐさま体制を立て直しバク転で距離を取った。さすがだね。俺の火事場の馬鹿力とはわけが違う。やっぱこういう荒事慣れているんだろう、なんて思いながら俺もヌカヅキから距離を取る。
「あっれれ、おっかし~な~。あの薬嗅いだくせになんであんなに動けんのさ。しかも俺の魔法効いてないし」
「隠す気はなくなったのか?」
「は? 今さら何言ってんの? もう隠しても無駄でしょ」
「洗脳の無属性魔法」
「その通り。いつから気付いていたんだよ。つーか、魔法が効かないってなに? やっぱりアンタただの貴族のお坊ちゃんとか絶対嘘だろ」
「……私が何者だろうと君のような卑賎の民には何の関係もない」
「ほんっと、むかつくわアンタ」
お互いの空気が張り詰める。こっちは丸腰な上に悪趣味な薬品嗅がされて全然体が動かないのに対して向こうはピンピンしているのに加えて武器を持っているという圧倒的不利なこの状況。さて、どうするかな。
「君の苛立ちなど私の知ったことではない。だが、ひとつだけ聞いておく」
「はあ? 俺が答えるとでも?」
「別に大したことではない。ただ随分とこの町に対して並々ならぬ思い入れがあるように見えたからな」
「なに? まさかこの状況で好奇心とか言わないよね?」
「その通り、ただの好奇心だ」
「それ本気で言っている? あのシュヴァリエ・アクナイトが好奇心? 馬鹿じゃねえの?」
こいつマジで失礼だな。俺だって好奇心ぐらいあるっつーの。いや、シュヴァリエ・アクナイトは……あんまりなさそうだけど。だからって心底あり得ないみたいな面される謂れはないぞ。
「そんなに不思議がることもないだろう。自分の故郷に愛着があるのは何ら不思議ではない。加えてこの町には我が国が誇る祭りに『少年と嘘』の舞台に」
「その名前を出してんじゃねえよくそがぁぁぁっ!!!!!」
『少年と嘘』の名前を出した途端激しい憎悪をむき出しにして突然喚きだした。まるで憎いという感情のすべてを詰め込んだかのようなヌカヅキの表情は異常だった。ただ嫌いというだけじゃない。あの話をなぞっていることと言い……やっぱりあの話には何かとんでもない裏があるのか。
「…………そんなに知りたいなら教えてやるよ。このファルカタの腐りきった塵屑みてえな真実をなぁ!」
1,274
あなたにおすすめの小説
結婚十年目の夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。彼は「送り間違えた」というけれど、それはそれで問題なのでは?
ぽんた
恋愛
レミ・マカリスター侯爵夫人は、夫と政略結婚をして十年目。侯爵夫人として、義父母の介護や領地経営その他もろもろを完ぺきにこなしている。そんなある日、王都に住む夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。義弟を通じ、夫を追求するも夫は「送り間違えた。ほんとうは金を送れというメモを送りたかった」という。レミは、心から思った。「それはそれで問題なのでは?」、と。そして、彼女の夫にたいするざまぁがはじまる。
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
拗らせ問題児は癒しの君を独占したい
結衣可
BL
前世で限界社畜として心をすり減らした青年は、異世界の貧乏子爵家三男・セナとして転生する。王立貴族学院に奨学生として通う彼は、座学で首席の成績を持ちながらも、目立つことを徹底的に避けて生きていた。期待されることは、壊れる前触れだと知っているからだ。
一方、公爵家次男のアレクシスは、魔法も剣術も学年トップの才能を持ちながら、「何も期待されていない」立場に嫌気がさし、問題児として学院で浮いた存在になっていた。
補習課題のペアとして出会った二人。
セナはアレクシスを特別視せず、恐れも媚びも見せない。その静かな態度と、美しい瞳に、アレクシスは強く惹かれていく。放課後を共に過ごすうち、アレクシスはセナを守りたいと思い始める。
身分差と噂、そしてセナが隠す“癒やしの光魔法”。
期待されることを恐れるセナと、期待されないことに傷つくアレクシスは、すれ違いながらも互いを唯一の居場所として見つけていく。
これは、静かに生きたい少年と、選ばれたかった少年が出会った物語。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』
鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」
幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された
公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。
その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、
彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。
目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。
だが、中身は何ひとつ変わっていない。
にもかかわらず、
かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、
「やり直したい」とすり寄ってくる。
「見かけが変わっても、中身は同じです。
それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」
静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。
やがて彼女に興味を示したのは、
隣国ノルディアの王太子エドワルド。
彼が見ていたのは、美貌ではなく――
対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。
これは、
外見で価値を決められた令嬢が、
「選ばれる人生」をやめ、
自分の意思で未来を選び直す物語。
静かなざまぁと、
対等な関係から始まる大人の恋。
そして――
自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる