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六頁 サンビタリアに染まって
78話 社交界デビューの日
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「足の軸がズレているぞ。支える腕に力が入りすぎだ。そんな状態では女性は踊りづらくなってしまう。もう少し力を抜け」
突如始まったアウル先生の社交マナー講座。礼儀作法やエスコートの仕方は問題ないと言われ、只今ダンスの練習中ですが……この教師、本当に鬼でございます。つーかなんで女性パート踊れるんだよ。いつの間にかダズルやルアルもいるし最悪。
「まあ久しぶりにしては全然踊れているほうだ。やっぱり体が覚えているんだろう。当日までには余裕で間に合うと思う」
「それはどうも……」
「さあ、シュヴァリエ。もう少し続けようか」
なんて神々しい笑顔。本当に顔いいよな思わず見惚れそうだよ。……こんなときでなければ。うう……社交ダンス、嫌いになりそう。
「ほら立って。ステップを最初から」
「……はい」
それからパーティーまでの数日間、なぜかアウルが泊まり込みで俺に授業をしてくれた。もちろんそばにはルアルやダズル、サリクスがいたことは言うまでもない。果ては公爵までもが授業の様子を覗きに来るという始末……なんで?
♦♦♦♦♦♦♦
そうして数年というブランクを短期間で取り戻し、あの場にいた全員からなんとか合格をもぎ取って迎えたサンビタリア侯爵家でのパーティー当日。
「いいですことお兄様? これはお兄様にとってとても重要な意味を持ちますの。絶対絶対絶っ対に成功させますわよ」
「……そう何度も念押ししなくてもわかっている」
「まあまあアクナイト嬢、そうプレッシャーをかけることもないだろう。シュヴァリエの作法は完璧だしダンスも問題なく踊れていたじゃないか」
「それはオルニス公子のお力添えのおかげですわ。アクナイトを代表してお礼を申し上げます」
「礼など不要だ。俺はただシュヴァリエの力になりたかっただけなんだから」
「まあ……お兄様は本当に良いご学友と出会いましたわね」
「そう言ってくれると嬉しいな」
狭苦しい馬車の中で何をやっているんだか……全身が痒くなりそうな会話してんじゃねえよ。こっちはもうすぐ始まるパーティーを考えるだけで吐きそうだっていうのに。シュヴァリエは今まで誰からの招待も受けなかった。それどころか大勢の人間が集まる場に顔を出したのは学園が初で、そこでの評判だけが彼の社交界での評価そのものになってしまっている。他者を見下している、傲慢、冷酷無比……耳に入るのはそんな話ばかりだ。だから悪評の多いシュヴァリエを見くびって悪意満載で近づいてくる人間もいるだろう。そいつらをあしらいながら目的を果たさないといけない。……あぁ憂鬱だ。一発で社交界が嫌いになりそうな予感しかしない。
「見えてきましたわ。サンビタリア侯爵家のお屋敷です」
……ここまで来たら、盛大にやってやる!
馬車が目的地に着くとサンビタリアの使用人が馬車の扉を開けてくれた。
「シュヴァリエ・アクナイト公爵子息様、ルアル・アクナイト公爵令嬢、アウル・オルニス公子様。ようこそお越しくださいました」
使用人が一斉に礼をする中俺が先に降りてルアルをエスコートする。最後にアウルが降りて使用人の案内で会場へ向かった。
「さあ、お兄様。お覚悟はよろしくて?」
「愚問だ」
「シュヴァリエなら大丈夫だ」
妹をエスコートしアウルと共にパーティー会場へ到着するとそこには漫画やゲームなんかで見る光景が広がっていた。
「アクナイト公爵家シュヴァリエ・アクナイト公爵子息。ルアル・アクナイト公爵令嬢。アウィス王国よりアウル・オルニス様が到着なさいました」
これまで一度も社交界に顔を出すことのなかったシュヴァリエ・アクナイトが初めて顔を見せたと集まっていた貴族たちの空気が一気に揺れた。
「まあ、あの方がシュヴァリエ・アクナイト様? なんて美しい」
「これまで社交の場に一切出てこられなかったようだが……」
「確かにあれは公爵閣下が表に出したがらなかったのも頷けますわ」
「ですが第二子息はほら……誇り高いことで有名ですから」
おい聞こえているんだよ。俺は見世物か何かかっつーの。早くも遠い目になりそうなところを我慢して雑音に耳を貸すことなくそのまま主催者の下へ行く。というか俺らが真っ先に挨拶をしないと他の貴族が挨拶できない。別に挨拶くらい到着順にやればいいと思うんだけどな。駄目だ考え方が完全に平民のそれだわ。
「ようこそお越しくださいました。オルニス公子、アクナイト第二公子、アクナイト嬢。お会いできて光栄です」
「今日は我が家のパーティーへいらしてくれて嬉しい限りですわ」
なるほどこの二人がサンビタリア侯爵夫妻か。侯爵のほうは知的で理性ある大人って印象だし、夫人のほうは子どもを五人も生んでいるとは思えないほど若々しいな! 綺麗というよりは可愛らしいって言葉が似合いそうな雰囲気だ。
「本日はお招きくださりありがとうございます」
「お久しぶりですねご夫妻」
「ええ、ほんと! オルニス公子もお変わりないようで喜ばしいですわ」
「ご夫妻もお変わりないようでなによりだ」
「ご紹介しますわ。こちら私の兄のシュヴァリエですわ」
「初めましてシュヴァリエ・アクナイトと申します。この度は妹のみならず私までお誘いいただきありがとうございます。以後お見知りおきを」
「貴方が……お会いできて光栄です。サンビタリア現当主コンセルト・サンビタリアです。社交界デビューおめでとうござます」
「妻のオペラと申しますわ。よろしくお願いしますわね」
最初に挨拶するのがこういう雰囲気の人だとちょっと安心する。なんというか春の陽気のような夫婦って感じがする。
「それにしても……まあまあまあ本当にお美しいですこと。社交界デビューに我が家のパーティーを選んでいただけるなんて嬉しいですわ」
「恐れ入ります」
「最近アクナイト公子についてのお話をよく耳にしますの。なんでもコランバイン伯爵の悪事を暴きローダンセ一族を救い出したとか! 本当に素晴らしいことですわ」
……。ちょっと待て! なんでそんなことが広まっているんだよ。た、たしかにたいして口止めをしたわけではなかったけどさ? それにしたってわざわざ拡散するものでもないでしょ。ぶっちゃけ誰が助けたとかどうでもよくない!?
「ああ、それなら私もお聞きしましたよ。騎士団が到着した時にはすでにコランバイン伯爵はアクナイト公子によって拘束されていたと。ホープレイズでもご活躍なさったそうですね」
侯爵まで乗ってきた! あ~あ、話が聞こえた貴族共がまた騒ぎ出したよ。それに引き換え……なんでアウルとルアルは嬉しそうにしているんだ。
「実はローダンセ伯爵家とは古い付き合いでしてずっと助ける方法を模索していたんです。ですが我らが動く前にアクナイト公子が救ってくださった。心から感謝申し上げます」
「私からもお礼を言わせてくださいな」
侯爵夫妻からお礼を言われた。もしかして俺を招待したのは謝礼をしたかったというのもあるんじゃないかな。それにしてもローダンセ一家って結構好かれていたのかも。まあ長く付き合いたいと思うような人たちではある。俺もあれからちょくちょく交流しているし。ルーフとフェリキタスはよろしくやっているみたいだった。……それはいいけど目の前でいちゃつくのはやめてほしい。
「娘たちもローダンセを救った公子に興味深々ですの」
オペラ夫人の言葉に一歩後ろで控えていた四人の令嬢がすっと前に出てきた。
「ご紹介します。娘たちです」
コンセルトの紹介で一人の娘がお辞儀をした。平均と比べるとちょっとばかり背が高いかな。だけどなんというか……立派な乳房をお持ちでいらっしゃる! まあルアルとあの女……アラグリアも相当だけど。あと元公爵夫人も結構あったな。
……っと、いかんいかん! 俺は貴族子息。紳士でいなければ。平民男子のノリじゃあ駄目だ。
「長女のメロディアです。お会いできて光栄ですわ」
「二女のラプソディアですわ。アクナイト公子様ごきげんよう」
こっちはかなり勝気な印象を受けるな。どちらかといえば侯爵寄りかもしれない。
「三女のモノディアですわ。はじめましてぇ」
あざといゆるふわ系だ。漫画とかでもいるわこういうの。あれだ、男が守ってあげたくなるみたいな表記が必ずあるふわふわウェーブのかかった小さい感じのキャラクターそのもの。そして三人ともゲームのビジュアルそのものである。あのゲーム顔のあるキャラクター結構多いんだよね。まあ章ごとに登場キャラが違うから当然っちゃ当然か。
な~んかキラキラした目を向けてくる。三人とも可愛いビジュアルをしているけど好みじゃねえ。俺の目的は——
「は、はじめまして。四女のセレーナと申します」
めっちゃ小さい声で挨拶をしてきた少女・セレーナである。
突如始まったアウル先生の社交マナー講座。礼儀作法やエスコートの仕方は問題ないと言われ、只今ダンスの練習中ですが……この教師、本当に鬼でございます。つーかなんで女性パート踊れるんだよ。いつの間にかダズルやルアルもいるし最悪。
「まあ久しぶりにしては全然踊れているほうだ。やっぱり体が覚えているんだろう。当日までには余裕で間に合うと思う」
「それはどうも……」
「さあ、シュヴァリエ。もう少し続けようか」
なんて神々しい笑顔。本当に顔いいよな思わず見惚れそうだよ。……こんなときでなければ。うう……社交ダンス、嫌いになりそう。
「ほら立って。ステップを最初から」
「……はい」
それからパーティーまでの数日間、なぜかアウルが泊まり込みで俺に授業をしてくれた。もちろんそばにはルアルやダズル、サリクスがいたことは言うまでもない。果ては公爵までもが授業の様子を覗きに来るという始末……なんで?
♦♦♦♦♦♦♦
そうして数年というブランクを短期間で取り戻し、あの場にいた全員からなんとか合格をもぎ取って迎えたサンビタリア侯爵家でのパーティー当日。
「いいですことお兄様? これはお兄様にとってとても重要な意味を持ちますの。絶対絶対絶っ対に成功させますわよ」
「……そう何度も念押ししなくてもわかっている」
「まあまあアクナイト嬢、そうプレッシャーをかけることもないだろう。シュヴァリエの作法は完璧だしダンスも問題なく踊れていたじゃないか」
「それはオルニス公子のお力添えのおかげですわ。アクナイトを代表してお礼を申し上げます」
「礼など不要だ。俺はただシュヴァリエの力になりたかっただけなんだから」
「まあ……お兄様は本当に良いご学友と出会いましたわね」
「そう言ってくれると嬉しいな」
狭苦しい馬車の中で何をやっているんだか……全身が痒くなりそうな会話してんじゃねえよ。こっちはもうすぐ始まるパーティーを考えるだけで吐きそうだっていうのに。シュヴァリエは今まで誰からの招待も受けなかった。それどころか大勢の人間が集まる場に顔を出したのは学園が初で、そこでの評判だけが彼の社交界での評価そのものになってしまっている。他者を見下している、傲慢、冷酷無比……耳に入るのはそんな話ばかりだ。だから悪評の多いシュヴァリエを見くびって悪意満載で近づいてくる人間もいるだろう。そいつらをあしらいながら目的を果たさないといけない。……あぁ憂鬱だ。一発で社交界が嫌いになりそうな予感しかしない。
「見えてきましたわ。サンビタリア侯爵家のお屋敷です」
……ここまで来たら、盛大にやってやる!
馬車が目的地に着くとサンビタリアの使用人が馬車の扉を開けてくれた。
「シュヴァリエ・アクナイト公爵子息様、ルアル・アクナイト公爵令嬢、アウル・オルニス公子様。ようこそお越しくださいました」
使用人が一斉に礼をする中俺が先に降りてルアルをエスコートする。最後にアウルが降りて使用人の案内で会場へ向かった。
「さあ、お兄様。お覚悟はよろしくて?」
「愚問だ」
「シュヴァリエなら大丈夫だ」
妹をエスコートしアウルと共にパーティー会場へ到着するとそこには漫画やゲームなんかで見る光景が広がっていた。
「アクナイト公爵家シュヴァリエ・アクナイト公爵子息。ルアル・アクナイト公爵令嬢。アウィス王国よりアウル・オルニス様が到着なさいました」
これまで一度も社交界に顔を出すことのなかったシュヴァリエ・アクナイトが初めて顔を見せたと集まっていた貴族たちの空気が一気に揺れた。
「まあ、あの方がシュヴァリエ・アクナイト様? なんて美しい」
「これまで社交の場に一切出てこられなかったようだが……」
「確かにあれは公爵閣下が表に出したがらなかったのも頷けますわ」
「ですが第二子息はほら……誇り高いことで有名ですから」
おい聞こえているんだよ。俺は見世物か何かかっつーの。早くも遠い目になりそうなところを我慢して雑音に耳を貸すことなくそのまま主催者の下へ行く。というか俺らが真っ先に挨拶をしないと他の貴族が挨拶できない。別に挨拶くらい到着順にやればいいと思うんだけどな。駄目だ考え方が完全に平民のそれだわ。
「ようこそお越しくださいました。オルニス公子、アクナイト第二公子、アクナイト嬢。お会いできて光栄です」
「今日は我が家のパーティーへいらしてくれて嬉しい限りですわ」
なるほどこの二人がサンビタリア侯爵夫妻か。侯爵のほうは知的で理性ある大人って印象だし、夫人のほうは子どもを五人も生んでいるとは思えないほど若々しいな! 綺麗というよりは可愛らしいって言葉が似合いそうな雰囲気だ。
「本日はお招きくださりありがとうございます」
「お久しぶりですねご夫妻」
「ええ、ほんと! オルニス公子もお変わりないようで喜ばしいですわ」
「ご夫妻もお変わりないようでなによりだ」
「ご紹介しますわ。こちら私の兄のシュヴァリエですわ」
「初めましてシュヴァリエ・アクナイトと申します。この度は妹のみならず私までお誘いいただきありがとうございます。以後お見知りおきを」
「貴方が……お会いできて光栄です。サンビタリア現当主コンセルト・サンビタリアです。社交界デビューおめでとうござます」
「妻のオペラと申しますわ。よろしくお願いしますわね」
最初に挨拶するのがこういう雰囲気の人だとちょっと安心する。なんというか春の陽気のような夫婦って感じがする。
「それにしても……まあまあまあ本当にお美しいですこと。社交界デビューに我が家のパーティーを選んでいただけるなんて嬉しいですわ」
「恐れ入ります」
「最近アクナイト公子についてのお話をよく耳にしますの。なんでもコランバイン伯爵の悪事を暴きローダンセ一族を救い出したとか! 本当に素晴らしいことですわ」
……。ちょっと待て! なんでそんなことが広まっているんだよ。た、たしかにたいして口止めをしたわけではなかったけどさ? それにしたってわざわざ拡散するものでもないでしょ。ぶっちゃけ誰が助けたとかどうでもよくない!?
「ああ、それなら私もお聞きしましたよ。騎士団が到着した時にはすでにコランバイン伯爵はアクナイト公子によって拘束されていたと。ホープレイズでもご活躍なさったそうですね」
侯爵まで乗ってきた! あ~あ、話が聞こえた貴族共がまた騒ぎ出したよ。それに引き換え……なんでアウルとルアルは嬉しそうにしているんだ。
「実はローダンセ伯爵家とは古い付き合いでしてずっと助ける方法を模索していたんです。ですが我らが動く前にアクナイト公子が救ってくださった。心から感謝申し上げます」
「私からもお礼を言わせてくださいな」
侯爵夫妻からお礼を言われた。もしかして俺を招待したのは謝礼をしたかったというのもあるんじゃないかな。それにしてもローダンセ一家って結構好かれていたのかも。まあ長く付き合いたいと思うような人たちではある。俺もあれからちょくちょく交流しているし。ルーフとフェリキタスはよろしくやっているみたいだった。……それはいいけど目の前でいちゃつくのはやめてほしい。
「娘たちもローダンセを救った公子に興味深々ですの」
オペラ夫人の言葉に一歩後ろで控えていた四人の令嬢がすっと前に出てきた。
「ご紹介します。娘たちです」
コンセルトの紹介で一人の娘がお辞儀をした。平均と比べるとちょっとばかり背が高いかな。だけどなんというか……立派な乳房をお持ちでいらっしゃる! まあルアルとあの女……アラグリアも相当だけど。あと元公爵夫人も結構あったな。
……っと、いかんいかん! 俺は貴族子息。紳士でいなければ。平民男子のノリじゃあ駄目だ。
「長女のメロディアです。お会いできて光栄ですわ」
「二女のラプソディアですわ。アクナイト公子様ごきげんよう」
こっちはかなり勝気な印象を受けるな。どちらかといえば侯爵寄りかもしれない。
「三女のモノディアですわ。はじめましてぇ」
あざといゆるふわ系だ。漫画とかでもいるわこういうの。あれだ、男が守ってあげたくなるみたいな表記が必ずあるふわふわウェーブのかかった小さい感じのキャラクターそのもの。そして三人ともゲームのビジュアルそのものである。あのゲーム顔のあるキャラクター結構多いんだよね。まあ章ごとに登場キャラが違うから当然っちゃ当然か。
な~んかキラキラした目を向けてくる。三人とも可愛いビジュアルをしているけど好みじゃねえ。俺の目的は——
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