【完結】悪役令嬢は婚約破棄されたら自由になりました

きゅちゃん

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第3話 魔石の発見

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翌朝、私は領地の視察に出かけた。
「本当によろしいのですか? 魔物の危険がありますが」
レオンハルトが心配そうに尋ねるが、私は馬にまたがったまま笑顔で答えた。

「大丈夫です。騎士団長がついていてくれるんですから」

実は前世でも乗馬が趣味だった。セラフィーナの身体もそれを覚えているらしく、馬上での姿勢は自然だ。
北の森へ向かう道すがら、私は領地の様子を観察した。畑は荒れ、家々は修繕が必要な状態。しかし領民たちは私を見ると、驚きながらも丁寧にお辞儀をしてくれた。

「あの、セラフィーナ様……」

小さな女の子が、おずおずと近づいてきた。

「なあに?」

「お姫様みたいに綺麗です。本物の令嬢様を見たのは初めてで……」

「ありがとう。あなたの名前は?」

「リリィです」

「素敵な名前ね、リリィ。また会いましょう」

女の子は顔を輝かせて駆けていった。
北の森に入ると、空気が変わった。魔力を含んだ重い空気が肌にまとわりつく。

「ここです」

レオンハルトが示した地面には、確かに巨大な爪痕があった。三本の指、鋭い爪。間違いなくワイバーンだ。

「奥に進むのは危険です。今日はここまでに……」

「あれは何ですか?」

私は木々の間に光るものを見つけた。青白く輝く石が、地面から顔を出している。

「魔石です。この辺りにはよく落ちていますが、小さくて質も悪いので価値は……」

「待って」

私は馬を降りて、その石に近づいた。前世でプレイしたゲームの知識が頭をよぎる。

「この色、この輝き……もしかして、これは高純度の魔石では?」

「え? しかし……」

私は慎重に石を掘り出した。手のひら大の青い石は、太陽の光を受けてきらきらと輝いている。

「レオンハルト騎士団長、この森には他にも魔石がありますか?」

「はい、至る所に。ただ、どれも小さくて……」

「そうじゃないんです! ゲームの知識では、北方の魔石は実は高品質なんです。ただ、誰も価値に気づいていないだけで!」

前世でプレイした攻略本に書いてあった。『北方の青魔石は魔道具の最高級素材だが、流通量が少なく幻とされている』と。

「これを王都の魔道具商に持っていけば……」

「莫大な富になる、ということですか?」

「そうです! この森全体が宝の山かもしれません!」

レオンハルトは呆然としていたが、やがてゆっくりと笑みを浮かべた。

「セラフィーナ様、あなたは本当に変わられましたね」

「え?」

「以前のあなたなら、こんな辺境の森に足を踏み入れることもなかった。まして、地面に膝をついて石を掘るなど……」

確かに、原作の悪役令嬢セラフィーナは、プライドが高くて領民を見下していた。

「人は変われるんです。それに、私にはこの領地を守る責任がありますから」

その時、森の奥から不気味な咆哮が響いた。

「ワイバーンです! 急いで戻りましょう!」

私たちは急いで馬に飛び乗った。背後から何かが迫ってくる気配。

「レオンハルト騎士団長!」

「お任せを!」

彼は見事な剣さばきで、飛びかかってきた魔物を一刀両断した。
城に戻る途中、私は握りしめた魔石を見つめた。
これが、私たちの希望の光。この領地を救う第一歩になる。
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