3 / 7
第3話 魔石の発見
しおりを挟む
翌朝、私は領地の視察に出かけた。
「本当によろしいのですか? 魔物の危険がありますが」
レオンハルトが心配そうに尋ねるが、私は馬にまたがったまま笑顔で答えた。
「大丈夫です。騎士団長がついていてくれるんですから」
実は前世でも乗馬が趣味だった。セラフィーナの身体もそれを覚えているらしく、馬上での姿勢は自然だ。
北の森へ向かう道すがら、私は領地の様子を観察した。畑は荒れ、家々は修繕が必要な状態。しかし領民たちは私を見ると、驚きながらも丁寧にお辞儀をしてくれた。
「あの、セラフィーナ様……」
小さな女の子が、おずおずと近づいてきた。
「なあに?」
「お姫様みたいに綺麗です。本物の令嬢様を見たのは初めてで……」
「ありがとう。あなたの名前は?」
「リリィです」
「素敵な名前ね、リリィ。また会いましょう」
女の子は顔を輝かせて駆けていった。
北の森に入ると、空気が変わった。魔力を含んだ重い空気が肌にまとわりつく。
「ここです」
レオンハルトが示した地面には、確かに巨大な爪痕があった。三本の指、鋭い爪。間違いなくワイバーンだ。
「奥に進むのは危険です。今日はここまでに……」
「あれは何ですか?」
私は木々の間に光るものを見つけた。青白く輝く石が、地面から顔を出している。
「魔石です。この辺りにはよく落ちていますが、小さくて質も悪いので価値は……」
「待って」
私は馬を降りて、その石に近づいた。前世でプレイしたゲームの知識が頭をよぎる。
「この色、この輝き……もしかして、これは高純度の魔石では?」
「え? しかし……」
私は慎重に石を掘り出した。手のひら大の青い石は、太陽の光を受けてきらきらと輝いている。
「レオンハルト騎士団長、この森には他にも魔石がありますか?」
「はい、至る所に。ただ、どれも小さくて……」
「そうじゃないんです! ゲームの知識では、北方の魔石は実は高品質なんです。ただ、誰も価値に気づいていないだけで!」
前世でプレイした攻略本に書いてあった。『北方の青魔石は魔道具の最高級素材だが、流通量が少なく幻とされている』と。
「これを王都の魔道具商に持っていけば……」
「莫大な富になる、ということですか?」
「そうです! この森全体が宝の山かもしれません!」
レオンハルトは呆然としていたが、やがてゆっくりと笑みを浮かべた。
「セラフィーナ様、あなたは本当に変わられましたね」
「え?」
「以前のあなたなら、こんな辺境の森に足を踏み入れることもなかった。まして、地面に膝をついて石を掘るなど……」
確かに、原作の悪役令嬢セラフィーナは、プライドが高くて領民を見下していた。
「人は変われるんです。それに、私にはこの領地を守る責任がありますから」
その時、森の奥から不気味な咆哮が響いた。
「ワイバーンです! 急いで戻りましょう!」
私たちは急いで馬に飛び乗った。背後から何かが迫ってくる気配。
「レオンハルト騎士団長!」
「お任せを!」
彼は見事な剣さばきで、飛びかかってきた魔物を一刀両断した。
城に戻る途中、私は握りしめた魔石を見つめた。
これが、私たちの希望の光。この領地を救う第一歩になる。
「本当によろしいのですか? 魔物の危険がありますが」
レオンハルトが心配そうに尋ねるが、私は馬にまたがったまま笑顔で答えた。
「大丈夫です。騎士団長がついていてくれるんですから」
実は前世でも乗馬が趣味だった。セラフィーナの身体もそれを覚えているらしく、馬上での姿勢は自然だ。
北の森へ向かう道すがら、私は領地の様子を観察した。畑は荒れ、家々は修繕が必要な状態。しかし領民たちは私を見ると、驚きながらも丁寧にお辞儀をしてくれた。
「あの、セラフィーナ様……」
小さな女の子が、おずおずと近づいてきた。
「なあに?」
「お姫様みたいに綺麗です。本物の令嬢様を見たのは初めてで……」
「ありがとう。あなたの名前は?」
「リリィです」
「素敵な名前ね、リリィ。また会いましょう」
女の子は顔を輝かせて駆けていった。
北の森に入ると、空気が変わった。魔力を含んだ重い空気が肌にまとわりつく。
「ここです」
レオンハルトが示した地面には、確かに巨大な爪痕があった。三本の指、鋭い爪。間違いなくワイバーンだ。
「奥に進むのは危険です。今日はここまでに……」
「あれは何ですか?」
私は木々の間に光るものを見つけた。青白く輝く石が、地面から顔を出している。
「魔石です。この辺りにはよく落ちていますが、小さくて質も悪いので価値は……」
「待って」
私は馬を降りて、その石に近づいた。前世でプレイしたゲームの知識が頭をよぎる。
「この色、この輝き……もしかして、これは高純度の魔石では?」
「え? しかし……」
私は慎重に石を掘り出した。手のひら大の青い石は、太陽の光を受けてきらきらと輝いている。
「レオンハルト騎士団長、この森には他にも魔石がありますか?」
「はい、至る所に。ただ、どれも小さくて……」
「そうじゃないんです! ゲームの知識では、北方の魔石は実は高品質なんです。ただ、誰も価値に気づいていないだけで!」
前世でプレイした攻略本に書いてあった。『北方の青魔石は魔道具の最高級素材だが、流通量が少なく幻とされている』と。
「これを王都の魔道具商に持っていけば……」
「莫大な富になる、ということですか?」
「そうです! この森全体が宝の山かもしれません!」
レオンハルトは呆然としていたが、やがてゆっくりと笑みを浮かべた。
「セラフィーナ様、あなたは本当に変わられましたね」
「え?」
「以前のあなたなら、こんな辺境の森に足を踏み入れることもなかった。まして、地面に膝をついて石を掘るなど……」
確かに、原作の悪役令嬢セラフィーナは、プライドが高くて領民を見下していた。
「人は変われるんです。それに、私にはこの領地を守る責任がありますから」
その時、森の奥から不気味な咆哮が響いた。
「ワイバーンです! 急いで戻りましょう!」
私たちは急いで馬に飛び乗った。背後から何かが迫ってくる気配。
「レオンハルト騎士団長!」
「お任せを!」
彼は見事な剣さばきで、飛びかかってきた魔物を一刀両断した。
城に戻る途中、私は握りしめた魔石を見つめた。
これが、私たちの希望の光。この領地を救う第一歩になる。
5
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢として役を頂いたからには、最後まで演じきりたいです!
椎名さえら
恋愛
私は転生した侯爵令嬢。
ほどほどの家柄、ほどほどの容姿、ほどほどの人生に
満足していたのだがある日、自分に《ふられた》役目が
前世で読んでいた某恋愛小説の悪役令嬢だと知った。
そうですかそうですか
じゃ、やったりますよ!
ヒーローとヒロインはちゃんとくっつくんだよ!?
恨みを買わない程度に楽しんで演じていたら、
ど、どうして!?
貴方はヒロインだけ見ていればいいんだよっ!
そうじゃないと物語通りにならないじゃん!!
___________________________
動機。
ちょっと主人公に影がある作品を書きすぎて
メンタルやられて、明るいやつ書きたくなった。
なんで、【いい人】しか出ません笑
軽い話を読みたい方にオススメ。
★誤字脱字はスルー方向で…もう何回見直してもいつだって其処にある
★どうかどうか優しく見守ってください
★マイテーマソングはチェーンスモーカーズの【Young】
私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!
杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。
彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。
さあ、私どうしよう?
とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。
小説家になろう、カクヨムにも投稿中。
絞首刑まっしぐらの『醜い悪役令嬢』が『美しい聖女』と呼ばれるようになるまでの24時間
夕景あき
ファンタジー
ガリガリに痩せて肌も髪もボロボロの『醜い悪役令嬢』と呼ばれたオリビアは、ある日婚約者であるトムス王子と義妹のアイラの会話を聞いてしまう。義妹はオリビアが放火犯だとトムス王子に訴え、トムス王子はそれを信じオリビアを明日の卒業パーティーで断罪して婚約破棄するという。
卒業パーティーまで、残り時間は24時間!!
果たしてオリビアは放火犯の冤罪で断罪され絞首刑となる運命から、逃れることが出来るのか!?
悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?
榎夜
恋愛
私は『花の王子様』という乙女ゲームに転生した
しかも、悪役令嬢に。
いや、私の推しってさ、隠しキャラなのよね。
だから勝手にイチャついてて欲しいんだけど......
※題名変えました。なんか話と合ってないよねってずっと思ってて
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます
水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか?
私は、逃げます!
えっ?途中退場はなし?
無理です!私には務まりません!
悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。
一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる