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1章
第24話:戦の代償と、静かなる余波
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戦の翌朝。
フェンリース村には、霧が立ち込めていた。
火薬の匂いは風に流され、砕けた地面も、焦げた木々も、徐々に“日常”へと戻りつつある。
だが、その静けさの中には、確かに“傷痕”が残っていた。
広場では、セラが村人たちと共に損壊箇所の復旧を進めていた。
「そっちは崩れた柵、私が修理する! 魔力糸で支えてくれたら助かる!」
「は、はい! セラさん!」
セラの声はいつもより少し張りがあり、誰よりも動き回っていた。
戦闘の直後とは思えないほどに。
けれど、ユリウスはその背を見つめながら、そっと言う。
「……無理をしてるな」
その横で、リリアがそっと頷く。
「彼女なりに“答え”を出そうとしているのでしょう。
戦うしかなかった時間の中で、彼女が見つけた“守る側”の意味を」
「……なら、俺の役目は、その土台を築くことだな」
ユリウスは村の周囲を歩きながら、魔力の流れを再調整していた。
結界の再構築、防衛陣の整備、そして——新たな魔力の気配に備えるために。
「……ラグナは確かに引いた。だが、次に来るのは、理屈も誇りも通じない“上”の存在だ」
帝国の本気。
王族、宰相、そして“禁術”を操る最後の奥の手。
ラグナは“戦士”だった。だが帝国の中枢は、ただの“化け物”だ。
その夜。
村の焚き火を囲んで、ユリウス、セラ、リリア、そしてフレアが集まっていた。
火のはぜる音だけが、静かに響く。
「……あたし、怖かったよ」
セラがぽつりと呟いた。
「本当は、空飛ぶだけでも手ぇ震えてた。でも……逃げたくなかった。
この村、焼かせたくなかった。ユリウスを、独りにしたくなかった」
ユリウスは何も言わなかった。
だが、フレアがセラに身を寄せ、軽く頭を擦りつける。
それが、何よりの答えだった。
リリアが静かに火を見つめながら言う。
「この村は、もはや一つの“国”と呼べる規模と意志を持ち始めています。
帝国が再び動く前に——“旗”を掲げる時です」
「……自治宣言か」
「ええ。“フェンリース自由自治領”。
あなたが魔王でも、王でもなく、“ただの導き手”としてこの地を守り続けるなら」
ユリウスは黙って、焚き火の中に薪を一本くべる。
火が小さく燃え上がる。
「……ならその旗は、“剣”じゃなく、“火”でいい」
フェンリース村には、霧が立ち込めていた。
火薬の匂いは風に流され、砕けた地面も、焦げた木々も、徐々に“日常”へと戻りつつある。
だが、その静けさの中には、確かに“傷痕”が残っていた。
広場では、セラが村人たちと共に損壊箇所の復旧を進めていた。
「そっちは崩れた柵、私が修理する! 魔力糸で支えてくれたら助かる!」
「は、はい! セラさん!」
セラの声はいつもより少し張りがあり、誰よりも動き回っていた。
戦闘の直後とは思えないほどに。
けれど、ユリウスはその背を見つめながら、そっと言う。
「……無理をしてるな」
その横で、リリアがそっと頷く。
「彼女なりに“答え”を出そうとしているのでしょう。
戦うしかなかった時間の中で、彼女が見つけた“守る側”の意味を」
「……なら、俺の役目は、その土台を築くことだな」
ユリウスは村の周囲を歩きながら、魔力の流れを再調整していた。
結界の再構築、防衛陣の整備、そして——新たな魔力の気配に備えるために。
「……ラグナは確かに引いた。だが、次に来るのは、理屈も誇りも通じない“上”の存在だ」
帝国の本気。
王族、宰相、そして“禁術”を操る最後の奥の手。
ラグナは“戦士”だった。だが帝国の中枢は、ただの“化け物”だ。
その夜。
村の焚き火を囲んで、ユリウス、セラ、リリア、そしてフレアが集まっていた。
火のはぜる音だけが、静かに響く。
「……あたし、怖かったよ」
セラがぽつりと呟いた。
「本当は、空飛ぶだけでも手ぇ震えてた。でも……逃げたくなかった。
この村、焼かせたくなかった。ユリウスを、独りにしたくなかった」
ユリウスは何も言わなかった。
だが、フレアがセラに身を寄せ、軽く頭を擦りつける。
それが、何よりの答えだった。
リリアが静かに火を見つめながら言う。
「この村は、もはや一つの“国”と呼べる規模と意志を持ち始めています。
帝国が再び動く前に——“旗”を掲げる時です」
「……自治宣言か」
「ええ。“フェンリース自由自治領”。
あなたが魔王でも、王でもなく、“ただの導き手”としてこの地を守り続けるなら」
ユリウスは黙って、焚き火の中に薪を一本くべる。
火が小さく燃え上がる。
「……ならその旗は、“剣”じゃなく、“火”でいい」
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