秘密の多い令嬢は幸せになりたい

完菜

文字の大きさ
38 / 105
第二章 貴族としての生活

2-10

しおりを挟む
 昼食を食べ終えた後は、フィルが屋敷を案内してくれた。特に驚いたのが図書室。もはや、図書館と言ってもおかしくない規模。もしかしたら、魔法関連の書物があるかも。今度ゆっくり見に来よう。あと、フィルがコーンウォレス家に関係のある貴族をまとめた本を貸してくれた。きっと必要になるから、早めに覚えるように言われた。そして、庭。びっくりするぐらい広い。今、丁度お花の季節で、綺麗に手入れされた花達が咲き誇っていた。フィルに案内してもらった後は、自分の部屋に戻って休憩。それから、ルイスに手紙を書いた。

 手紙には、無事にエヴァン・ウィリアーズ・コーンウォレス様と婚約が成立したこと。コーンウォレス家のみんなから、とても良くしてもらっている事を書いた。ルイスの方は、大丈夫?と逆に心配していることも付け加えた。

 手紙に封をして、リズに届けて欲しいとお願いした。予め、エジャートン家の執事のダンに、私からのルイス宛の手紙はこっそり、ルイスに渡して欲しいとお願いしてきた。これで、取り合えずルイスの心配もなくなるはず。後は、返事が来るのが楽しみだな。

 手紙を書いた後は、先程フィルに貸してもらった貴族年鑑を読んで過ごした。読んでいる間に、リサがお茶とお菓子を持って来てくれたので休憩した。そして誰かが帰って来ると、その都度出迎えに玄関に足を運んだ。久しぶりに、こんなにゆっくりしたなとキャスティナは思った。

 夕飯の時間になり、ダイニングに集まってみんなで夕食を食べていた。食べ初めて2、30分たった頃だろうか。フィルが、キャスティナを呼んだ。

「キャスティナお嬢様、エヴァン様がお帰りになられたようです」

「では、お出迎えに行って参ります」と、顔を上げてみんなの顔を見た。すると、みんなびっくりした顔をしている。

「えっ?本当に?」

 お義兄様が、みんなを代表して言葉に出す。

「本当です」

 フィルも驚きを隠せない表情で言う。

「凄いな·····早く帰って来れるんだな·····取り合えずキャスティナ行っておいで」

 お義兄様達は、なにやらみんなで驚いている。キャスティナは、急いで玄関に向かった。玄関に着くと、エヴァンが上着を脱いでいる所だった。

「エヴァン様、お帰りなさいませ」

 キャスティナが、待ってましたを溢れさせた笑顔で出迎えた。

「キャスティナただいま。夕飯中だった?」

「はい。ちょっと抜けて来ました。まだみんな食べ始めた所です。エヴァン様も一緒に食べましょう」

 キャスティナは、エヴァンが帰って来てニコニコが止まらない。

「うん。では、行こう」

 エヴァンがキャスティナの手を取って、歩き出した。ダイニングに入ると、エヴァンは、みんなからお帰りと言われ席に着いた。キャスティナも、隣に座り先程の料理の続きを食べ出す。

「エヴァン‼あなた、早く帰って来れるんじゃない。今まで、いったいなんだったのよ?」

 お義母様が、エヴァン様に聞く。キャスティナは、今まで何時にお帰りだったのかしら?疑問に思う。

「今までは、早く帰って来ない方が色々と都合が良かっただけです。これからは、キャスティナが待ってるので定時で帰って来ますよ」

 エヴァンが、キャスティナにニッコリ頬笑む。みんなは、相変わらず驚いていたが家族みんなで毎日夕食が食べられる事をキャスティナはすごく嬉しく思った。

 夕食の後は、居間でエヴァンと今日あった事を話した。エヴァンは、一度部屋に戻りラフな格好に着替えて来ている。エヴァン様って、何着ててもカッコいいなと思ってしまう。

「じゃー、今日はキャスティナはゆっくり出来たみたいだね」

「はい。とっても楽しい一日でした」

「エヴァン様は、今日はお仕事どうでした?あの、私の為に早く帰って来て大丈夫なんですか?私、遅くなってもちゃんと待てますよ?」

「何かいいね。今日あったことを報告し合うって。私はね、上司に婚約した事を報告したよ。みんな驚いてたけど、おめでとうって言ってくれたよ」

「それは、良かったです」

 キャスティナは、照れた表情をしている。エヴァンが、キャスティナを抱き寄せる。

「仕事は、定時で上がれるのを今までずるずるやってただけだから平気だよ。私が、キャスティナに早く会いたいからね。今日のお帰りなさい、とっても可愛かったよ」

「エヴァン様、それって私がクリアちゃんみたいだったって事ですか?」

 エヴァンが、腕は背中に回したままキャスティナから少し離れて顔を覗く。

「ん?クリア?あはは。またぷくっとなってる」エヴァンが、笑っている。

「今日、お義父様にもお義兄様にも言われたんです。喜び方が6歳の女の子と同じって·····否定出来ない所が悲しいです·····」

「キャスティナは、それが可愛いんだからそのままで大丈夫だよ」

 エヴァンが、頬にチュッとキスをする。キャスティナは、赤くなって俯く。

「そろそろ、寝る準備しないとかな?」

「はい」

 二人は、ソファから立ち上り部屋に向かう。部屋の前まで来て、キャスティナはエヴァンに「お休みなさい、エヴァン様」と告げる。

「あれ、今日は寝る前に来てくれないの?」
 エヴァンが、からかう。

「今日は、行きません。ちゃんと、学習します」

 人差し指をばってんして、エヴァンに言う。

「じゃー、お休み。キャスティナ」

 エヴァンが、おでこにキスして自分の部屋に戻った。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』

鷹 綾
恋愛
内容紹介 王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。 涙を流して見せた彼女だったが── 内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。 実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。 エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。 そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。 彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、 **「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。 「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」 利害一致の契約婚が始まった……はずが、 有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、 気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。 ――白い結婚、どこへ? 「君が笑ってくれるなら、それでいい」 不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。 一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。 婚約破棄ざまぁから始まる、 天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー! ---

【完結】長い眠りのその後で

maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。 でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。 いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう? このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!! どうして旦那様はずっと眠ってるの? 唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。 しょうがないアディル頑張りまーす!! 複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です 全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む) ※他サイトでも投稿しております ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです ※表紙 AIアプリ作成

婚約破棄されたら、辺境伯とお試し結婚することになりました

ミズメ
恋愛
婚約者を妹に奪われ、悪女として断罪された公爵令嬢フィオレッタ・グラシェルは、王都を追われ、身分を隠して辺境の町で静かに暮らしていた。ある日、迷子の少女ティナと出会い、川辺で花を摘み笑い合うひとときを過ごす。そこに現れたのは、ティナを捜していた辺境の若き領主ヴェルフリート・エルグランドだった。 ティナに懐かれたフィオレッタは子育てのために契約結婚をすることに。ティナの子守りをしながら、辺境で自らの才覚を発揮していくフィオレッタに、ヴェルフリートや領地の人々も惹かれていく。 「俺は、君を幸せにしたい」 いずれ幸せになる、追放令嬢のお話。 ・感想いただけると元気もりもりになります!!

妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。

バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。 瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。 そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。 その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。 そして……。 本編全79話 番外編全34話 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。

千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。 だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。 いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……? と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?

はくら(仮名)
恋愛
 ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。 ※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。

さよなら、私の初恋の人

キムラましゅろう
恋愛
さよなら私のかわいい王子さま。 破天荒で常識外れで魔術バカの、私の優しくて愛しい王子さま。 出会いは10歳。 世話係に任命されたのも10歳。 それから5年間、リリシャは問題行動の多い末っ子王子ハロルドの世話を焼き続けてきた。 そんなリリシャにハロルドも信頼を寄せていて。 だけどいつまでも子供のままではいられない。 ハロルドの婚約者選定の話が上がり出し、リリシャは引き際を悟る。 いつもながらの完全ご都合主義。 作中「GGL」というBL要素のある本に触れる箇所があります。 直接的な描写はありませんが、地雷の方はご自衛をお願いいたします。 ※関連作品『懐妊したポンコツ妻は夫から自立したい』 誤字脱字の宝庫です。温かい目でお読み頂けますと幸いです。 小説家になろうさんでも時差投稿します。

前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)

miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます) ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。 ここは、どうやら転生後の人生。 私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。 有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。 でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。 “前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。 そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。 ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。 高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。 大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。 という、少々…長いお話です。 鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…? ※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。 ※ストーリーの進度は遅めかと思われます。 ※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。 公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。 ※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。 ※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中) ※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)

処理中です...