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第四章 幸せにつながる道
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キャスティナが玄関に戻ると、アルヴィンが待っていてくれた。
「キャスティナ、部屋に案内するよ」
アルヴィンが、キャスティナに肘を出す。
「お願いします。アルヴィンお兄様」
キャスティナが、アルヴィンの肘に手を掛けて歩き出す。
連れて行かれた先は、2階の端っこの部屋。
アルヴィンがノックをして扉を開ける。キャスティナを先に部屋に入れてくれた。
「うわぁー。素敵!すごく可愛い」
部屋の中に足を踏み入れると、キャスティナは興奮した面持ちで部屋を見回した。キャスティナの部屋は、木目調を生かした家具と壁紙。薄い紫をアクセントにした、ナチュラルカントリーとなっている。
「気に入ったかな?」
アルヴィンが、キャスティナの後ろから声をかける。
「はい。勿論です。こんな素敵なお部屋に住めるなんて夢みたいです」
キャスティナが、振り返ってキラキラの笑顔で返事をする。
「母上が喜ぶよ。娘の部屋作りなんて、楽しすぎる!って張り切ってたからね。それと、侍女はキャスティナの希望通り、リズとリサをコーンフォレス家から借りたからね」
アルヴィンが、そう言うと部屋の中に控えていた、リズとリサがキャスティナの前に出て来た。
「キャスティナお嬢様、一足先に来て部屋の使い勝手の確認をしておきました」
リズが、キャスティナに話しかける。キャスティナも、リズとリサに気づき相槌を打つ。
「お兄様、私の我儘を聞いて頂きありがとうございました」
キャスティナが、アルヴィンに頭を下げてお礼を言う。キャスティナは、シェラード公爵家で新しい侍女を付けてもらっても、仲良くなった所でお別れになってしまうと思った。だから、慣れ親しんだリズリサをシェラード公爵家に連れてくるよう頼んだのだ。
「いや、こんな事我儘のうちに入らないよ。慣れ親しんだ侍女が安心だろうし、両親も全く反対なんてしてなかったよ」
「良かった」
キャスティナは、みんなが優しいのを良い事に調子に乗ってしまったかしら……と心配していた。ホッと安心する。
アルヴィンが、キャスティナの前に歩いて来ると頭を撫でてくれた。
「大丈夫だよ。何でもお兄様に相談しなさい」
「あの……お兄様……」
キャスティナが、言い辛そうにしている。
「なんだい?言ってごらん」
「あの……。ダグラス様とシャルリーヌ様の事を、お父様とお母様って呼んでもいいでしょうか?」
キャスティナは、アルヴィンの顔を見上げながら不安そうな表情で尋ねた。
「うん。そう呼んで貰えたら、きっと父上も母上も喜ぶよ。父上なんて、泣くかもな」
アルヴィンが、笑いながら答えてくれた。それを聞いてキャスティナは、とても嬉しくて胸が一杯になる。
「それと、兄上と義理の姉だけど、領地にいるから会うのはキャスティナの結婚式になると思う。2人の事はそんなに気にしなくていいから」
「はい」
アルヴィン曰く、アルヴィンの兄クリフォードは女性の趣味が悪く変人だと言う。なんでも、性格が悪い女を矯正するのも楽しいだろっと言う事で今の奥さんと結婚したらしい。
なんとクリフォードの奥さんは、あのリッチモンド侯爵家の長女なんだそう。それを知ったキャスティナは、夜会で会ったキャロライナ・リード・リッチモンドを思い出し複雑な心境になる。キャロライナは、クリフォードの奥さんの実の妹にあたる。
キャロライナの事を相談すると、アルヴィンは当然の様に知っていて、特に気にしなくて大丈夫だと言ってくれた。クリフォードも知っているし、キャスティナが気にする事じゃないと言ってくれてるらしい。
クリフォードと言う人間は、身内に甘く他人に厳しいから、キャスティナに会ってもただただ妹を可愛がるだけだよと。多分うざいぐらいだから、キャスティナは覚悟しといた方がいいよと笑っていた。
説明を終えたアルヴィンは、今日は夕飯までゆっくりするといいよと告げ部屋を出ていった。
すぐにキャスティナは、リズリサに声をかける。
「リズとリサ、シェラード家に付いて来てくれてありがとう。大丈夫?二人ともここでやって行けそう?」
「はい。執事とメイド長に挨拶したら、とってもいい方達で色々と丁寧に教えて頂きました。使用人部屋もとっても可愛かったです」
リズがにっこり笑顔で答える。
「シェラード家の使用人の皆さんも、キャスティナお嬢様の事、楽しみに待ってたみたいですよ。私達もドキドキしてましたが、安心しましたー」
と、リサも笑顔で教えてくれた。
その後は、三人で部屋の中を確認してお茶を淹れてもらい、キャスティナはひと息ついた。
「キャスティナ、部屋に案内するよ」
アルヴィンが、キャスティナに肘を出す。
「お願いします。アルヴィンお兄様」
キャスティナが、アルヴィンの肘に手を掛けて歩き出す。
連れて行かれた先は、2階の端っこの部屋。
アルヴィンがノックをして扉を開ける。キャスティナを先に部屋に入れてくれた。
「うわぁー。素敵!すごく可愛い」
部屋の中に足を踏み入れると、キャスティナは興奮した面持ちで部屋を見回した。キャスティナの部屋は、木目調を生かした家具と壁紙。薄い紫をアクセントにした、ナチュラルカントリーとなっている。
「気に入ったかな?」
アルヴィンが、キャスティナの後ろから声をかける。
「はい。勿論です。こんな素敵なお部屋に住めるなんて夢みたいです」
キャスティナが、振り返ってキラキラの笑顔で返事をする。
「母上が喜ぶよ。娘の部屋作りなんて、楽しすぎる!って張り切ってたからね。それと、侍女はキャスティナの希望通り、リズとリサをコーンフォレス家から借りたからね」
アルヴィンが、そう言うと部屋の中に控えていた、リズとリサがキャスティナの前に出て来た。
「キャスティナお嬢様、一足先に来て部屋の使い勝手の確認をしておきました」
リズが、キャスティナに話しかける。キャスティナも、リズとリサに気づき相槌を打つ。
「お兄様、私の我儘を聞いて頂きありがとうございました」
キャスティナが、アルヴィンに頭を下げてお礼を言う。キャスティナは、シェラード公爵家で新しい侍女を付けてもらっても、仲良くなった所でお別れになってしまうと思った。だから、慣れ親しんだリズリサをシェラード公爵家に連れてくるよう頼んだのだ。
「いや、こんな事我儘のうちに入らないよ。慣れ親しんだ侍女が安心だろうし、両親も全く反対なんてしてなかったよ」
「良かった」
キャスティナは、みんなが優しいのを良い事に調子に乗ってしまったかしら……と心配していた。ホッと安心する。
アルヴィンが、キャスティナの前に歩いて来ると頭を撫でてくれた。
「大丈夫だよ。何でもお兄様に相談しなさい」
「あの……お兄様……」
キャスティナが、言い辛そうにしている。
「なんだい?言ってごらん」
「あの……。ダグラス様とシャルリーヌ様の事を、お父様とお母様って呼んでもいいでしょうか?」
キャスティナは、アルヴィンの顔を見上げながら不安そうな表情で尋ねた。
「うん。そう呼んで貰えたら、きっと父上も母上も喜ぶよ。父上なんて、泣くかもな」
アルヴィンが、笑いながら答えてくれた。それを聞いてキャスティナは、とても嬉しくて胸が一杯になる。
「それと、兄上と義理の姉だけど、領地にいるから会うのはキャスティナの結婚式になると思う。2人の事はそんなに気にしなくていいから」
「はい」
アルヴィン曰く、アルヴィンの兄クリフォードは女性の趣味が悪く変人だと言う。なんでも、性格が悪い女を矯正するのも楽しいだろっと言う事で今の奥さんと結婚したらしい。
なんとクリフォードの奥さんは、あのリッチモンド侯爵家の長女なんだそう。それを知ったキャスティナは、夜会で会ったキャロライナ・リード・リッチモンドを思い出し複雑な心境になる。キャロライナは、クリフォードの奥さんの実の妹にあたる。
キャロライナの事を相談すると、アルヴィンは当然の様に知っていて、特に気にしなくて大丈夫だと言ってくれた。クリフォードも知っているし、キャスティナが気にする事じゃないと言ってくれてるらしい。
クリフォードと言う人間は、身内に甘く他人に厳しいから、キャスティナに会ってもただただ妹を可愛がるだけだよと。多分うざいぐらいだから、キャスティナは覚悟しといた方がいいよと笑っていた。
説明を終えたアルヴィンは、今日は夕飯までゆっくりするといいよと告げ部屋を出ていった。
すぐにキャスティナは、リズリサに声をかける。
「リズとリサ、シェラード家に付いて来てくれてありがとう。大丈夫?二人ともここでやって行けそう?」
「はい。執事とメイド長に挨拶したら、とってもいい方達で色々と丁寧に教えて頂きました。使用人部屋もとっても可愛かったです」
リズがにっこり笑顔で答える。
「シェラード家の使用人の皆さんも、キャスティナお嬢様の事、楽しみに待ってたみたいですよ。私達もドキドキしてましたが、安心しましたー」
と、リサも笑顔で教えてくれた。
その後は、三人で部屋の中を確認してお茶を淹れてもらい、キャスティナはひと息ついた。
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