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第2話
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えぇ~……
私だって、好きで聖女になったわけじゃないのに~。
私は怒り狂うシャノーラをなだめるように言う。
「ごめんね、シャノーラ。あなた、凄く聖女になりたがってたもんね。あっ、そうだわ。私から、国王陛下に進言してみようかしら。『妹の方がやる気があるから、交代させてもらえませんか』って」
我ながら名案だわ。
私は退屈な聖女の役目を降りることができるし、シャノーラは夢が叶って大喜び。国にとっても、やる気のある人が聖女になった方が、いいに決まってるわよね。うんうん。これで、みんなが幸せになれる。
……しかし、私のあっけらかんとした発言は、シャノーラの怒りをますます燃え上がらせたようで、シャノーラは顔を赤くして叫んだ。
「ふ、ふざけないでよ! お姉様から聖女の座を譲ってもらうなんて、私のプライドが許さないわ! お姉様はいつもそう! 余裕ぶって、大した努力もしないで、ボケーッとしてるだけのくせに、最後は美味しいところを持って行っちゃう! だから私、お姉様のことが嫌いなのよ!」
ガーンである。
まさか、シャノーラに嫌われていたとは。
まあ、嫌われてるものはしょうがない。
しかし、『ボケーッとしてるだけ』とは失礼な。
私だって、それなりに頑張ってるわよ。それなりには。
努力なんて、それなりでいいのよ。頑張れば頑張っただけ結果が出るのなんて、男の子が読むような漫画の主人公くらいなんだから。ムキになっても疲れるだけだし、ヘトヘトにならない程度に頑張るくらいで、ちょうどいいと思うんだけどなあ。
そんなことを考えながら小さくあくびをした私を、シャノーラは睨みつけ、宣戦布告するみたいに言う。
「今に見てなさいよ……! 私には、秘策があるんだから! すぐに、お姉様を聖女の座から引きずり降ろしてみせるわ! せいぜいそれまで、優雅な聖女の生活を楽しんでおくことね!」
「聖女の生活って、別に優雅じゃないわよ。見ての通り、一日中神殿に閉じこもって、お祈りしてるだけだし。いや、ほんと、退屈なのよ。辞めていいなら、今すぐ辞めたいくらいだわ。あなたが私を聖女の座から解放してくれるって言うなら、それはとてもありがたいことだから、ぜひ頑張ってね、応援するわ」
嫌味ではなく、本音を言っただけだったのだが、今の言葉で、シャノーラは本格的にキレてしまった。地団太を踏み、謎の金切り声を上げると、そばにあった燭台を蹴飛ばし、「最後に勝つのは私よ!」と叫んで、神殿を出て行った。
私はその背中に、「頑張ってね~」と声をかけ、にこやかに手を振るのだった。
私だって、好きで聖女になったわけじゃないのに~。
私は怒り狂うシャノーラをなだめるように言う。
「ごめんね、シャノーラ。あなた、凄く聖女になりたがってたもんね。あっ、そうだわ。私から、国王陛下に進言してみようかしら。『妹の方がやる気があるから、交代させてもらえませんか』って」
我ながら名案だわ。
私は退屈な聖女の役目を降りることができるし、シャノーラは夢が叶って大喜び。国にとっても、やる気のある人が聖女になった方が、いいに決まってるわよね。うんうん。これで、みんなが幸せになれる。
……しかし、私のあっけらかんとした発言は、シャノーラの怒りをますます燃え上がらせたようで、シャノーラは顔を赤くして叫んだ。
「ふ、ふざけないでよ! お姉様から聖女の座を譲ってもらうなんて、私のプライドが許さないわ! お姉様はいつもそう! 余裕ぶって、大した努力もしないで、ボケーッとしてるだけのくせに、最後は美味しいところを持って行っちゃう! だから私、お姉様のことが嫌いなのよ!」
ガーンである。
まさか、シャノーラに嫌われていたとは。
まあ、嫌われてるものはしょうがない。
しかし、『ボケーッとしてるだけ』とは失礼な。
私だって、それなりに頑張ってるわよ。それなりには。
努力なんて、それなりでいいのよ。頑張れば頑張っただけ結果が出るのなんて、男の子が読むような漫画の主人公くらいなんだから。ムキになっても疲れるだけだし、ヘトヘトにならない程度に頑張るくらいで、ちょうどいいと思うんだけどなあ。
そんなことを考えながら小さくあくびをした私を、シャノーラは睨みつけ、宣戦布告するみたいに言う。
「今に見てなさいよ……! 私には、秘策があるんだから! すぐに、お姉様を聖女の座から引きずり降ろしてみせるわ! せいぜいそれまで、優雅な聖女の生活を楽しんでおくことね!」
「聖女の生活って、別に優雅じゃないわよ。見ての通り、一日中神殿に閉じこもって、お祈りしてるだけだし。いや、ほんと、退屈なのよ。辞めていいなら、今すぐ辞めたいくらいだわ。あなたが私を聖女の座から解放してくれるって言うなら、それはとてもありがたいことだから、ぜひ頑張ってね、応援するわ」
嫌味ではなく、本音を言っただけだったのだが、今の言葉で、シャノーラは本格的にキレてしまった。地団太を踏み、謎の金切り声を上げると、そばにあった燭台を蹴飛ばし、「最後に勝つのは私よ!」と叫んで、神殿を出て行った。
私はその背中に、「頑張ってね~」と声をかけ、にこやかに手を振るのだった。
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