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第4話
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「はい! ……はあああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
わお。
凄い気合ね。
結界って、そんなに気合を入れて張るもんじゃないと思うけど、まあ、やり方は人それぞれだもんね。あっ、そうだ。私、今、リラックスして、寝そべっててもいいのかしら? 別にいいわよね。シャノーラが結界を張ってるんだし。
私はゴロンと横になり、結界を張るシャノーラを見る。
おおー。
凄い凄い。
さすがシャノーラね~。
けっこういい感じの結界じゃない。
今まで私が張ってた結界の1・2倍……いや、1・5倍くらいは、強力ね。
いやもう、結界の色が違うもの、色が。
この子、『自分の敵』と認定した相手には、手段を選ばずに、割とタチの悪い嫌がらせをするのがちょっとアレだけど(ちなみに私は、過去何度も悪い噂を流され、ご近所の皆さんに、前科二犯の危険人物だと思われている)、実力自体は、ちゃんとあるのよね。
王様も、「なんという力だ……!」って言って、驚いてる。
王子様は、相変わらず、退屈そうに神殿の隅っこを眺めている。こう言っては何だけど、その瞳には、知性の光を感じない。この国の第一王子は、あまり利発ではないとの噂だったが、どうやら本当らしい。
シャノーラは汗だくになりながら、寝そべった私に、勝ち誇ったように言う。
「どう? お姉様! これが私の、真の力よ!」
私は寝たまま、パチパチと拍手した。
「凄い凄い、いや、ほんと、参りました。私の負けでございます」
「当然よ! 私こそが、本来選ばれるべきだった、『真の聖女』なんだから!」
「いや、まったくもってその通り。私も、最初からそうだと思ってたのよね~」
姉妹の会話に、王様が割り込んでくる。
「で、では、聖女よ。お前は、自らが『偽りの聖女』であると、認めるのだな?」
「はい。これからは、このシャノーラが『真の聖女』として、国を守ってくれますよ~」
「う、うむ。わかった。聖女の任は、『真の聖女』シャノーラに、引き継がせることにしよう。……さて、こうなった以上、将来結婚するはずであった、我が息子と、お前の婚約については、破棄することになるのだが、よもや、文句はあるまいな」
「ありませんありません。一言もしゃべらず、ずっと神殿の暗がりを眺めてるようなボンヤリ王子様との結婚話がなくなって、むしろ嬉しいです」
「そうか。……今、我が息子を侮辱しなかったか?」
「気のせいですよ~。あの、ところで王様。『偽りの聖女』とはいえ、私、一ヶ月以上も結界を張って、この国を守ってきたんですから、そのぉ、退職金みたいなものって、出たりしませんかね?」
「お、お前、しっかりしておるな……。分かっておる、短い期間だが、我が国のために尽くしてくれたことは事実。それなりの報酬金は出させてもらう」
「やった」
わお。
凄い気合ね。
結界って、そんなに気合を入れて張るもんじゃないと思うけど、まあ、やり方は人それぞれだもんね。あっ、そうだ。私、今、リラックスして、寝そべっててもいいのかしら? 別にいいわよね。シャノーラが結界を張ってるんだし。
私はゴロンと横になり、結界を張るシャノーラを見る。
おおー。
凄い凄い。
さすがシャノーラね~。
けっこういい感じの結界じゃない。
今まで私が張ってた結界の1・2倍……いや、1・5倍くらいは、強力ね。
いやもう、結界の色が違うもの、色が。
この子、『自分の敵』と認定した相手には、手段を選ばずに、割とタチの悪い嫌がらせをするのがちょっとアレだけど(ちなみに私は、過去何度も悪い噂を流され、ご近所の皆さんに、前科二犯の危険人物だと思われている)、実力自体は、ちゃんとあるのよね。
王様も、「なんという力だ……!」って言って、驚いてる。
王子様は、相変わらず、退屈そうに神殿の隅っこを眺めている。こう言っては何だけど、その瞳には、知性の光を感じない。この国の第一王子は、あまり利発ではないとの噂だったが、どうやら本当らしい。
シャノーラは汗だくになりながら、寝そべった私に、勝ち誇ったように言う。
「どう? お姉様! これが私の、真の力よ!」
私は寝たまま、パチパチと拍手した。
「凄い凄い、いや、ほんと、参りました。私の負けでございます」
「当然よ! 私こそが、本来選ばれるべきだった、『真の聖女』なんだから!」
「いや、まったくもってその通り。私も、最初からそうだと思ってたのよね~」
姉妹の会話に、王様が割り込んでくる。
「で、では、聖女よ。お前は、自らが『偽りの聖女』であると、認めるのだな?」
「はい。これからは、このシャノーラが『真の聖女』として、国を守ってくれますよ~」
「う、うむ。わかった。聖女の任は、『真の聖女』シャノーラに、引き継がせることにしよう。……さて、こうなった以上、将来結婚するはずであった、我が息子と、お前の婚約については、破棄することになるのだが、よもや、文句はあるまいな」
「ありませんありません。一言もしゃべらず、ずっと神殿の暗がりを眺めてるようなボンヤリ王子様との結婚話がなくなって、むしろ嬉しいです」
「そうか。……今、我が息子を侮辱しなかったか?」
「気のせいですよ~。あの、ところで王様。『偽りの聖女』とはいえ、私、一ヶ月以上も結界を張って、この国を守ってきたんですから、そのぉ、退職金みたいなものって、出たりしませんかね?」
「お、お前、しっかりしておるな……。分かっておる、短い期間だが、我が国のために尽くしてくれたことは事実。それなりの報酬金は出させてもらう」
「やった」
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