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第7話
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……それにしても、このルフレンス。どこか、見覚えのある顔だ。これほどの美青年に一度でも会い、言葉を交わしたことがあるならば、その存在を忘れたりはしないと思うのだが、どうにも思い出せない。
ルフレンスもまた、私の顔を見て小さく首を傾げ、何かを思い出そうとしているような表情になっている。数秒の後、彼の美しい瞳は驚愕に見開かれ、それから、伺いを立てるように、尋ねてくる。
「あなたは、まさか……イルスタン王家の、リーリエル様? いや、しかし、そんな、リーリエル様が、トラウゼンなどに来るはずが……」
私は肩をすくめ、言う。
「残念ながら、その『まさか』よ。私、濡れ衣を着せられて、国外追放60年の刑になっちゃったの」
ルフレンスはしばし黙り、今しがた聞いたばかりの情報を心の中で咀嚼するように頷いてから、沈痛な面持ちで口を開いた。
「そうですか……大変なことになってしまいましたね。イルスタンの司法制度は王族にも容赦がありませんから、一度執行された刑は、よほどのことがなければ取り消されたりしない。このトラウゼンも、慣れればそれほど悪いところではありませんが、王族のあなたにとっては、過酷な暮らしとなるでしょう」
「ま、右も左もテントだらけだもんね。繁華街なんてなさそうだから、ショッピングもできそうにないし」
小馬鹿にしたような私の言い方に、黙っていたコラがカタコトで憤慨した。
「トラウゼン馬鹿にする、よくない。繁華街、ある。全部テントだけど、繁華街、ある。外国の本、珍しい石。色々、色々、並んでる」
「あっ、そうなの。これは大変失礼しました。……ちなみに、通貨って、どうなってるの? イルスタンと同じで、金貨をやり取りするのかしら?」
私の問いに、コラは首を傾げ、沈黙してしまった。
代わりに、ルフレンスが微笑を浮かべ、答える。
「リーリエル様、トラウゼンには『通貨』という概念はありません。必要なものは皆、自分の力で手に入れるか、物々交換をするしかないのです」
「そ、そうなんだ。そうかもしれないとは思ってたけど、とんでもなく原始……」
私は、『とんでもなく原始的な国ね』と言いそうになるのを、ギリギリのところでストップした。また、コラに『トラウゼン馬鹿にする、よくない』と怒られると思ったからだ。
そんなわけで、「コホン」と咳払いをし、改めて口を開く。
「まあ、繁華街があって、物々交換もちゃんと成立してるなら、第一印象よりは、ずっとまともな国だわ。これならなんとか暮らしていけるかもね」
ルフレンスもまた、私の顔を見て小さく首を傾げ、何かを思い出そうとしているような表情になっている。数秒の後、彼の美しい瞳は驚愕に見開かれ、それから、伺いを立てるように、尋ねてくる。
「あなたは、まさか……イルスタン王家の、リーリエル様? いや、しかし、そんな、リーリエル様が、トラウゼンなどに来るはずが……」
私は肩をすくめ、言う。
「残念ながら、その『まさか』よ。私、濡れ衣を着せられて、国外追放60年の刑になっちゃったの」
ルフレンスはしばし黙り、今しがた聞いたばかりの情報を心の中で咀嚼するように頷いてから、沈痛な面持ちで口を開いた。
「そうですか……大変なことになってしまいましたね。イルスタンの司法制度は王族にも容赦がありませんから、一度執行された刑は、よほどのことがなければ取り消されたりしない。このトラウゼンも、慣れればそれほど悪いところではありませんが、王族のあなたにとっては、過酷な暮らしとなるでしょう」
「ま、右も左もテントだらけだもんね。繁華街なんてなさそうだから、ショッピングもできそうにないし」
小馬鹿にしたような私の言い方に、黙っていたコラがカタコトで憤慨した。
「トラウゼン馬鹿にする、よくない。繁華街、ある。全部テントだけど、繁華街、ある。外国の本、珍しい石。色々、色々、並んでる」
「あっ、そうなの。これは大変失礼しました。……ちなみに、通貨って、どうなってるの? イルスタンと同じで、金貨をやり取りするのかしら?」
私の問いに、コラは首を傾げ、沈黙してしまった。
代わりに、ルフレンスが微笑を浮かべ、答える。
「リーリエル様、トラウゼンには『通貨』という概念はありません。必要なものは皆、自分の力で手に入れるか、物々交換をするしかないのです」
「そ、そうなんだ。そうかもしれないとは思ってたけど、とんでもなく原始……」
私は、『とんでもなく原始的な国ね』と言いそうになるのを、ギリギリのところでストップした。また、コラに『トラウゼン馬鹿にする、よくない』と怒られると思ったからだ。
そんなわけで、「コホン」と咳払いをし、改めて口を開く。
「まあ、繁華街があって、物々交換もちゃんと成立してるなら、第一印象よりは、ずっとまともな国だわ。これならなんとか暮らしていけるかもね」
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