お母さんに捨てられました~私の価値は焼き豚以下だそうです~【完結】

小平ニコ

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第17話(リネットの母視点)

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 驚いた。

 視察嫌いの豚侯爵がうちの村にやって来たのもそうだけど、あのリネットが、豚侯爵の隣であれこれと説明をして、村を案内していることが、一番驚いた。

 リネットの奴、変わったねえ。うちにいる間は、生気の欠片もない、しょぼくれたガキだったのにさ。領主の侯爵に対して、言葉こそ丁寧だが、まるで娘か妹みたいな口をきくなんてさあ。

 こりゃ、あれだね。
 あの娘、相当な寵愛を、豚侯爵から受けているんだねえ。

 ふん、あの侯爵。綺麗なツラして、とんだ変態だね。
 でも、こっちにとっては、そっちの方が都合がいい。

 しめしめ。
 しめしめ。

 こりゃいい。

 侯爵から、金をせしめられるかもしれないよ。

 なんたって、こっちは『愛しい娘』を売り払ったも同然なんだから、それなりの身請け金を払ってもらわないと。リネットはあたしの言いなりだし、強く言えば、あいつからも『お母さんにお金を払ってください』っておねだりをさせられるはずさ。

 明日、早速侯爵の屋敷に行ってみようかね。
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