俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ

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初等部編

17.メイルと側近候補と話し合いと

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第一校舎のテラスに行くとそこには既にメイルとキリエ、ロニー、アロナが揃っていた。

「おや、皆さんお揃いでー。遅れましたかね、申し訳ございませんー。」

「メイル殿下が呼んだのはイズリル・バードナーだけだ、なぜそいつが居る。」

「キリエ、いいから。バードナー、呼び出してすまない、でもこうでもしないと話ができそうになかったから」

そう言って申し訳なさそうにするメイル

「...殿下が謝る必要ありませんよー、それで?話って何ですか?」

「この間の暗殺未遂の件についてなんだけど、キリエのお父上、騎士団長に話を持って行ってくれたみたいだね、それに助けてもらったお礼も言えてなかったから、俺を助けてくれてありがとう。」

「いえいえー、これでも俺も一応側近候補みたいですし?少しは働かないとと思いまして」

そう言ってニコリと笑う。

「俺は、バードナーの事を知らなさすぎる、勿論実力も。だから教えてくれないか?バードナー。」

実力も何も...俺ちゃらんぽらんで過ごすつもりなんだけど。

「俺の実力なんて大した事ないですよ?剣術の授業ではクローウェル殿がはなを持たせてくれましたので勝てたまでですし、今回の襲撃に至っても俺がたまたま気づいちゃっただけです、きっとウェイス殿も気づいてたんじゃないですかー?」

「貴様っ、適当な事を!この俺がお前相手でも手を抜いただと!?侮辱も大概にしろ!」

「僕も...気がつけなかった、殿下、危険に晒した...。」

「私はこの目であなたの全力を見たことはありません、この三人からの話の推測でしかありませんが、確かな実力者なのでしょう、何故自分を貶める様な言動をとるのですか?」

「バードナー、あの日騎士団長の元には転移魔法を使ったそうだな、あれは高位魔術師だけが使える魔法だと聞く。何故実力を隠すのだ?」

あー、ホーク騎士団長から転移魔法の件は漏れたか、別に良いけど、どうするかなぁ

「別にまだ側近候補ですよ?実力も何も、どうでも良くないですかー?」

と、あえて適当に返事をしてみる。

「バードナーっ」

「とにかく、側近候補として最低限の事はします、それ以上のことは正式に側近になってからにして下さい。ま、私が側近になどなれるとは思いませんけどね!」

「分からない奴らだな、イズリルは貴様らと必要以上に関わりたくないと言っている。イズリル、もう良いだろう、帰るぞ」

グイッとオブシディアンに手を引っ張られその場を後にする




メイルsid

ハーバーに手を引っ張られてこの場を立ち去るバードナー。

何故かその後ろ姿を見ると辛くなる。

どうしてだ?この間が初対面だったはずだ。

何がこんなに引っ掛かるんだ...?

「メイル殿下、大丈夫ですか?」

「アロナ、ああ、すまない大丈夫だ。」

「それにしてもうまく話を逸らされましたね...ハーバーさえ邪魔しなければ私がうまく話をつけられたものを。」

そう、ハーバーのあのバードナーに対する異常な執着はこの場にいる四人とも何となく察している。

あの仄暗い光を宿した瞳はやけに印象に残るのだ。

「...バードナー、あの日怖かった。今と別人、怒ってた。」

「あの日って、メイル殿下の襲撃があった日か?ロニー」

「ん、そうアロナ。バードナー家は代々尋問官、イズリル・バードナーも尋問できる人間...」

「俺の父上が言っていた、魔術に関しては恐らく騎士団長の自分では負けていると。」

騎士団長と言えば剣術も魔術も両方強い事で有名だ。

それにあの日のバードナーの容赦ない尋問、守ってくれたにも関わらず少し恐怖してしまったのも事実だ。

尋問するところは結界魔法で見えず聞こえずだったが、あの暗殺者を見たら...

「でも、そうだな、勘だがおそらくバードナーは俺を避けている様な気がするんだ。」

「なぜメイル殿下を?」

「分からない、だがそうだな、視線とか、目が合うたびにそれとなくそらされたり...お前達には目を逸らすとか、そう言った行為をしなかったから、かな...。」

バードナーの隣を許されている唯一がハーバーだと言うことが気に入らない。

この気持ちは一体何なんだ。

「とにかく、今しばらくは様子見しようと思う、側近候補の仕事を全く放棄する訳でもなさそうだし。」

「メイル殿下がそう言うのであれば俺は構いません。」

「...分かった」

「かしこまりました。」

早くバードナーとも打ち解けたいな...

end



「いやぁ、さっきは助かったよオブシディアンー!」

「私は早くあのガキどもからイズリルを離したかっただけだ。」

「ちょっと感動した俺が馬鹿みたいじゃないかー。」

いやぁ、あのまま話してたら俺のちゃらんぽらん生活が危なかったよね、本当に。

メイルには悪いんだけどさ。

そんな事を話しながら俺とオブシディアンは寮の部屋に戻ってきた。

すると突然ベッドに座った俺をオブシディアンが押し倒し、そっと俺の頬を撫でる。

「イズリルは私のものだ。出来るだけ他のものと喋るな、見るな、触るな、お前は私だけをみていれば良いのだ。分かったか?」

え、何、急にどんなスイッチ入ったのオブシディアン!?

「いや、それは無理ある」

「無理ではないだろう?だってもうお前は私のものなのだから。」

俺様何様オブシディアン様ですね!

ジャイアンかよ!

何て独占欲と執着心なんだ。

「そんなに俺の魂好きなの?」

「まあ、今のイズリルには分かるまい。」

そう言うとやっと離れたオブシディアン

「ご飯でも食べに行くか?」

「あ、うん、行くー、お腹減った!」

そう言ってニコリと笑うとオブシディアンもフッと笑った。

お?オブシディアンが笑うなんて少しレアだぞ

そんな事を思いながら俺はオブシディアンと共に学食に行くのであった。
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