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初等部編
16.ロニー・ウェイスの思い
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ロニー・ウェイスsid
コンコン
...こんな夜更けにだれ?
僕はガチャリとドアを開けるとそこには僕の苦手なイズリル・バードナーとオブシディアン・ハーバーが立っていた
「......何」
と出来るだけ目を合わせずに答える。
すると普段あんなにおちゃらけているイズリル・バードナーが目を鋭くさせこちらを睨み、若干殺気だった雰囲気でこちらを見る。
対してオブシディアン・ハーバーは退屈そうにしていた。
「殿下が闇ギルドの奴に暗殺されかけてたぞ、お前ら側近候補者は気づかなかったのか」
なっ!暗殺者!?それに闇ギルド!?
僕の探知魔法には全く引っ掛からなかったのにっ!?
いやっ、そんなことより!
「...っ!?殿下っ!」
僕は慌ててメイル殿下の元に急ごうとするとその行手をイズリル・バードナーに阻まれる。
「暗殺者は始末していないが今から騎士団に引き渡す。尋問は俺がした。使い捨ての駒だったぞ。お前仮にも魔法面で優れているのならばこれからはもっと気配察知できる様に精々頑張るんだな、ロニー・ウェイス。」
「......。」
僕より魔法面でイズリル・バードナーのほうが優れているとでも言うのか...
いや、実際優れているのだろう。そしてコイツはキリエにも剣術で圧倒的強さを見せつけていたではないか。
これだけの実力がありながらどうしてあんなに普段おちゃらけているんだ
僕は魔術師団長を父に持ち、幼い頃から魔法を教わってきた。楽しかったし、期待に応えたいと思っていた、そうしたらもう周りには誰もライバルと言える人はいなくなっていた。
今でもまだ敵わないのはお父様だけだった。
それがイズリル・バードナーはどうだ。
僕でさえ気が付かなかった暗殺者を捕まえて尋問まで行っているではないか。
僕では殿下を、メイル殿下を守れない...?
そう思うと今までの自信がガラガラと崩れていく音が聞こえた気がした。
唯一魔法の面では周りより優れていた。
魔法でだけは誰にも負けないと思っていた。
なのに、なのに...
「殿下が不安がっている、お前がついていろ、俺は後始末してくるから。」
「......分かった。」
「じゃあ、行くぞ」
「でーんかっ!戻りましたよー!ウェイス殿もちゃんと連れてきたんで、今日は二人で寝てください。何もないとは思うけど念のためです。多少位は役に立つでしょうし。ではこの暗殺者連れていきますね!おやすみなさーい」
さっきまでとは打って変わった雰囲気でメイル殿下に話しかけるイズリル・バードナー。
早口で捲し立て僕をメイル殿下のそばにグイグイと押し付けるとオブシディアン・ハーバーと共に足早に部屋を出て行った。
多少位は...か。
「あっ、バードナーっ!」
バタンッ
メイル殿下の制止を聞かずに出て行ったイズリス・バードナーとオブシディアン・ハーバー。きっと今から騎士団に行くのであろう。
「ロニー、悪いな、夜中に来てもらって。」
そう言うメイル殿下は少し震えていた。
「...殿下、ごめんなさい、襲撃...気が付かなかった。」
「いや、あの暗殺者は手だれだった。俺も気が付かなかったのだから気にすることは無い。」
「でもっ...!」
本来僕が励まさないといけないはずなのに逆に励まされてどうするんだっ!
こんな時イズリル・バードナーならどうするのだろう。
それと同時にイズリル・バードナーの殺気と鋭い瞳を思い出す。
まるで肉食獣に睨まれているかの様な緊張感だった。
それに一瞬しか見えなかった暗殺者。
尋問の後が生々しかった。
初めて心から恐怖した。
できればもうあの様なイズリル・バードナーには会いたくない。
「...殿下、一緒に寝る。今夜は僕が守る...。」
「ああ、ありがとうロニー、ロニーがいるなら安心だな」
そう言って笑うメイル殿下。
近いうちにイズリル・バードナーについてちゃんとみんなと話し合わないと...。
end
昨日のメイル襲撃事件以降、ロニーとよく目が合う様になった。
何なのだろう?
「あのガキ、私のイズリルをジロジロと見るとは...」
「いや、別に見るくらい良いじゃん」
どうやらオブシディアンは気に入らない様でご機嫌斜めである。
「ああ、早くイズリルの魂が私のものにならないか待ち遠しい」
「はい、死亡フラグ立てるの禁止な」
今日は最近お気に入りの場所である裏庭のベンチに座っている。
木の上も好きだけどね。
あれからメイルが俺と話したそうにしているので俺はと言うと話しかけられそうになったら逃げ隠れしている。
あくまでもちゃらんぽらんなので、俺。
「バードナー、またサボりか、懲りないな。」
「げっ、クラウス先生」
デジャブ。
「メイル殿下がバードナー、お前を呼んでいるぞ。行きなさい。」
「は?今授業中では?」
「お前がそれを言うのか。こうでもしないとバードナーと話ができないからってメイル殿下がおっしゃっていたぞ。」
ジト目で見ないで先生。
「はいはい、行きますよ、いけば良いんでしょう!?んで、どこですか?」
「第一校舎のテラスだ。ちゃんと行きなさい。」
「うへーい。行こう、オブシディアン」
「ああ。だがこちらからわざわざ出向く必要はあるのか?」
「そりゃあ、まあ逃げ回ってる俺が悪いからねー」
「あのガキどもが出向けば良いものを。」
「そう言わずにさ、行くぞー」
コンコン
...こんな夜更けにだれ?
僕はガチャリとドアを開けるとそこには僕の苦手なイズリル・バードナーとオブシディアン・ハーバーが立っていた
「......何」
と出来るだけ目を合わせずに答える。
すると普段あんなにおちゃらけているイズリル・バードナーが目を鋭くさせこちらを睨み、若干殺気だった雰囲気でこちらを見る。
対してオブシディアン・ハーバーは退屈そうにしていた。
「殿下が闇ギルドの奴に暗殺されかけてたぞ、お前ら側近候補者は気づかなかったのか」
なっ!暗殺者!?それに闇ギルド!?
僕の探知魔法には全く引っ掛からなかったのにっ!?
いやっ、そんなことより!
「...っ!?殿下っ!」
僕は慌ててメイル殿下の元に急ごうとするとその行手をイズリル・バードナーに阻まれる。
「暗殺者は始末していないが今から騎士団に引き渡す。尋問は俺がした。使い捨ての駒だったぞ。お前仮にも魔法面で優れているのならばこれからはもっと気配察知できる様に精々頑張るんだな、ロニー・ウェイス。」
「......。」
僕より魔法面でイズリル・バードナーのほうが優れているとでも言うのか...
いや、実際優れているのだろう。そしてコイツはキリエにも剣術で圧倒的強さを見せつけていたではないか。
これだけの実力がありながらどうしてあんなに普段おちゃらけているんだ
僕は魔術師団長を父に持ち、幼い頃から魔法を教わってきた。楽しかったし、期待に応えたいと思っていた、そうしたらもう周りには誰もライバルと言える人はいなくなっていた。
今でもまだ敵わないのはお父様だけだった。
それがイズリル・バードナーはどうだ。
僕でさえ気が付かなかった暗殺者を捕まえて尋問まで行っているではないか。
僕では殿下を、メイル殿下を守れない...?
そう思うと今までの自信がガラガラと崩れていく音が聞こえた気がした。
唯一魔法の面では周りより優れていた。
魔法でだけは誰にも負けないと思っていた。
なのに、なのに...
「殿下が不安がっている、お前がついていろ、俺は後始末してくるから。」
「......分かった。」
「じゃあ、行くぞ」
「でーんかっ!戻りましたよー!ウェイス殿もちゃんと連れてきたんで、今日は二人で寝てください。何もないとは思うけど念のためです。多少位は役に立つでしょうし。ではこの暗殺者連れていきますね!おやすみなさーい」
さっきまでとは打って変わった雰囲気でメイル殿下に話しかけるイズリル・バードナー。
早口で捲し立て僕をメイル殿下のそばにグイグイと押し付けるとオブシディアン・ハーバーと共に足早に部屋を出て行った。
多少位は...か。
「あっ、バードナーっ!」
バタンッ
メイル殿下の制止を聞かずに出て行ったイズリス・バードナーとオブシディアン・ハーバー。きっと今から騎士団に行くのであろう。
「ロニー、悪いな、夜中に来てもらって。」
そう言うメイル殿下は少し震えていた。
「...殿下、ごめんなさい、襲撃...気が付かなかった。」
「いや、あの暗殺者は手だれだった。俺も気が付かなかったのだから気にすることは無い。」
「でもっ...!」
本来僕が励まさないといけないはずなのに逆に励まされてどうするんだっ!
こんな時イズリル・バードナーならどうするのだろう。
それと同時にイズリル・バードナーの殺気と鋭い瞳を思い出す。
まるで肉食獣に睨まれているかの様な緊張感だった。
それに一瞬しか見えなかった暗殺者。
尋問の後が生々しかった。
初めて心から恐怖した。
できればもうあの様なイズリル・バードナーには会いたくない。
「...殿下、一緒に寝る。今夜は僕が守る...。」
「ああ、ありがとうロニー、ロニーがいるなら安心だな」
そう言って笑うメイル殿下。
近いうちにイズリル・バードナーについてちゃんとみんなと話し合わないと...。
end
昨日のメイル襲撃事件以降、ロニーとよく目が合う様になった。
何なのだろう?
「あのガキ、私のイズリルをジロジロと見るとは...」
「いや、別に見るくらい良いじゃん」
どうやらオブシディアンは気に入らない様でご機嫌斜めである。
「ああ、早くイズリルの魂が私のものにならないか待ち遠しい」
「はい、死亡フラグ立てるの禁止な」
今日は最近お気に入りの場所である裏庭のベンチに座っている。
木の上も好きだけどね。
あれからメイルが俺と話したそうにしているので俺はと言うと話しかけられそうになったら逃げ隠れしている。
あくまでもちゃらんぽらんなので、俺。
「バードナー、またサボりか、懲りないな。」
「げっ、クラウス先生」
デジャブ。
「メイル殿下がバードナー、お前を呼んでいるぞ。行きなさい。」
「は?今授業中では?」
「お前がそれを言うのか。こうでもしないとバードナーと話ができないからってメイル殿下がおっしゃっていたぞ。」
ジト目で見ないで先生。
「はいはい、行きますよ、いけば良いんでしょう!?んで、どこですか?」
「第一校舎のテラスだ。ちゃんと行きなさい。」
「うへーい。行こう、オブシディアン」
「ああ。だがこちらからわざわざ出向く必要はあるのか?」
「そりゃあ、まあ逃げ回ってる俺が悪いからねー」
「あのガキどもが出向けば良いものを。」
「そう言わずにさ、行くぞー」
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