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第5話 頑固職人と、一筋の光明
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焦げ臭い匂いと失敗作の山に囲まれ、フィオナは何度ため息をついたか分からない。あれから毎日、夜明けと共に起き出し、日がな一日パンと格闘している。だが、出来上がるのは相変わらず「石ころパン」か「煙幕パン」ばかり。前世の記憶は、まるで悪戯な妖精のように、掴もうとするとふっと消えてしまうのだ。
(何が足りないの? どうすれば、あの温かいパンが焼けるの……?)
マルセルは、フィオナの体調を気遣いつつ、王立図書館からパンに関する古めかしい文献を幾冊か借りてきてくれた。フィオナはそれに食い入るように目を通したが、難解な記述や専門的な知識の羅列は、今の彼女にはまるで呪文のようにしか見えない。市場へ足を運び、粉屋の主人に小麦粉の種類や特性について尋ねてみても、貴族令嬢の世間知らずな問いに、主人は困惑したような、あるいは少し馬鹿にしたような顔をするだけだった。
「やはり、独学では限界があるのかもしれないな」
ルーカスが、またしてもフィオナの「作品」を前に、腕を組んで唸った。それは、なぜか紫色に変色し、微かに硫黄のような匂いを発している物体だった。
「これは…さすがの私も擁護できないぞ、フィオナ」
「分かっているわ……」
落ち込むフィオナに、ルーカスは少し考える素振りを見せ、そしてポンと手を打った。
「そうだ、気分転換も兼ねて、街で一番美味いと評判のパン屋に行ってみないか? 何かヒントが見つかるかもしれないぞ」
その提案に、フィオナは僅かな期待を込めて頷いた。
ルーカスに案内されて訪れたのは、庶民街の賑やかな一角にある、こぢんまりとしたパン屋だった。「ブランシュール」という素朴な木の看板が掲げられている。店先に近づくだけで、鼻孔をくすぐる芳醇な小麦の香り。それは、フィオナがこれまで嗅いだことのない、力強く、そして優しい香りだった。
店内に足を踏み入れると、焼きたてのパンが所狭しと並べられ、どれもが美しい焼き色を誇っていた。フィオナは、その中の一つ、シンプルな丸いパンを買い求め、店の外でルーカスと分け合って口にした。
その瞬間、フィオナの碧眼が見開かれた。
(……美味しい)
外はパリッとして香ばしく、中は驚くほどしっとりとして、噛みしめるほどに小麦の甘みが広がる。それは、フィオナが夢にまで見た、まさしく「本物のパン」の味だった。涙が滲みそうになるのを、必死で堪える。
「ここの主人は、レオン・ブランシュール。頑固で有名だが、腕は確かだ」
ルーカスの言葉に、フィオナは決意を固めた。
店の奥で、白髪に白い仕事着、しかし背筋はしゃんと伸びた初老の男性が、額に汗してパン生地をこねている。彼がレオンに違いない。
フィオナは深呼吸を一つすると、レオンの前に進み出た。
「あの、ブランシュール様! 私に、パン作りを教えていただけないでしょうか!」
レオンは、小麦粉まみれの手を止め、ギロリとフィオナを一瞥した。その鋭い眼光に、思わず身が竦む。
「……あん? 何だ、嬢ちゃん。見ての通り、うちはパン屋だ。菓子教室じゃねえぞ」
ぶっきらぼうな口調。フィオナは怯まず、続けた。
「どうしても、美味しいパンが焼けるようになりたいのです! お願いいたします!」
そう言って、深々と頭を下げる。
レオンは、フィオナの豪奢ではないが上質なドレスと、どこか浮世離れした雰囲気に鼻を鳴らした。
「ふん。どこぞのお嬢様の道楽か? パン作りってのはな、そんな甘っちょろいもんじゃねえんだ。さっさと帰んな」
その言葉は、フィオナの胸に突き刺さった。だが、ここで引き下がるわけにはいかない。
それから毎日、フィオナは「ブランシュール」に通い詰めた。
最初は店の隅で邪魔にならないようにパン作りの様子を盗み見ていたが、やがて、頼まれもしないのに店の掃除を手伝い始めた。レオンは何も言わなかったが、追い出すこともしなかった。フィオナは、彼の動き一つひとつを目に焼き付け、夜になると自分の店に戻って試作を繰り返した。もちろん、相変わらず失敗ばかりだったが。
ある日、レオンはいつものように無言でパンをこねていたが、不意にフィオナの手元に視線を落とした。そこには、フィオナが肌身離さず持ち歩いている研究ノートと、豆だらけになり、あちこちに火傷の痕が残る彼女の手があった。
ノートには、びっしりと細かい文字で、失敗の原因や改善点、レオンの店のパンの観察記録などが書き込まれていた。それは、お世辞にも上手な字とは言えなかったが、彼女の真剣さが痛いほど伝わってくるものだった。
「……そんなに、パンが焼きてえのか」
レオンが、ぽつりと呟いた。
フィオナは顔を上げ、まっすぐにレオンの目を見つめた。
「はい。どうしても……」
その時、店の入り口からルーカスが顔を覗かせた。彼はレオンに軽く会釈すると、フィオナの隣に立ち、勢いよく頭を下げた。
「ブランシュールさん、こいつは本気なんです! 見ての通り不器用で、世間知らずのところもあるけど、パンへの想いだけは誰にも負けないはずだ。どうか、こいつにチャンスをやってくれませんか!」
レオンは、ルーカスとフィオナの顔を交互に見比べ、大きなため息をついた。
「……やれやれ。面倒な嬢ちゃんに好かれたもんだ」
そして、厳しい顔つきでフィオナに言った。
「いいか、嬢ちゃん。本当に本気なら、まずあのガラクタ同然の薪窯で、てめえの力で、食えるパンを一つでも焼いてみせろ。それができたら、パンの『パ』の字くらいは教えてやってもいい」
それは、弟子入りを許すという言葉ではなかった。だが、冷たく突き放されたわけでもない。
厳しい課題。今のフィオナにとっては、途方もなく高いハードルだ。
しかし、フィオナの顔には、一瞬怯んだものの、すぐに強い光が宿った。
「……はい! 必ず!」
頑固職人の心に、フィオナのひたむきな情熱が、ほんの少しだけ届いたのかもしれない。
それは、暗闇の中に差し込んだ、細く、しかし確かな一筋の光明だった。
フィオナは、レオンの言葉を胸に、埃まみれの自分の店へと急いだ。あの薪窯で、今度こそ、本物のパンを焼いてみせる。その一心で。
(何が足りないの? どうすれば、あの温かいパンが焼けるの……?)
マルセルは、フィオナの体調を気遣いつつ、王立図書館からパンに関する古めかしい文献を幾冊か借りてきてくれた。フィオナはそれに食い入るように目を通したが、難解な記述や専門的な知識の羅列は、今の彼女にはまるで呪文のようにしか見えない。市場へ足を運び、粉屋の主人に小麦粉の種類や特性について尋ねてみても、貴族令嬢の世間知らずな問いに、主人は困惑したような、あるいは少し馬鹿にしたような顔をするだけだった。
「やはり、独学では限界があるのかもしれないな」
ルーカスが、またしてもフィオナの「作品」を前に、腕を組んで唸った。それは、なぜか紫色に変色し、微かに硫黄のような匂いを発している物体だった。
「これは…さすがの私も擁護できないぞ、フィオナ」
「分かっているわ……」
落ち込むフィオナに、ルーカスは少し考える素振りを見せ、そしてポンと手を打った。
「そうだ、気分転換も兼ねて、街で一番美味いと評判のパン屋に行ってみないか? 何かヒントが見つかるかもしれないぞ」
その提案に、フィオナは僅かな期待を込めて頷いた。
ルーカスに案内されて訪れたのは、庶民街の賑やかな一角にある、こぢんまりとしたパン屋だった。「ブランシュール」という素朴な木の看板が掲げられている。店先に近づくだけで、鼻孔をくすぐる芳醇な小麦の香り。それは、フィオナがこれまで嗅いだことのない、力強く、そして優しい香りだった。
店内に足を踏み入れると、焼きたてのパンが所狭しと並べられ、どれもが美しい焼き色を誇っていた。フィオナは、その中の一つ、シンプルな丸いパンを買い求め、店の外でルーカスと分け合って口にした。
その瞬間、フィオナの碧眼が見開かれた。
(……美味しい)
外はパリッとして香ばしく、中は驚くほどしっとりとして、噛みしめるほどに小麦の甘みが広がる。それは、フィオナが夢にまで見た、まさしく「本物のパン」の味だった。涙が滲みそうになるのを、必死で堪える。
「ここの主人は、レオン・ブランシュール。頑固で有名だが、腕は確かだ」
ルーカスの言葉に、フィオナは決意を固めた。
店の奥で、白髪に白い仕事着、しかし背筋はしゃんと伸びた初老の男性が、額に汗してパン生地をこねている。彼がレオンに違いない。
フィオナは深呼吸を一つすると、レオンの前に進み出た。
「あの、ブランシュール様! 私に、パン作りを教えていただけないでしょうか!」
レオンは、小麦粉まみれの手を止め、ギロリとフィオナを一瞥した。その鋭い眼光に、思わず身が竦む。
「……あん? 何だ、嬢ちゃん。見ての通り、うちはパン屋だ。菓子教室じゃねえぞ」
ぶっきらぼうな口調。フィオナは怯まず、続けた。
「どうしても、美味しいパンが焼けるようになりたいのです! お願いいたします!」
そう言って、深々と頭を下げる。
レオンは、フィオナの豪奢ではないが上質なドレスと、どこか浮世離れした雰囲気に鼻を鳴らした。
「ふん。どこぞのお嬢様の道楽か? パン作りってのはな、そんな甘っちょろいもんじゃねえんだ。さっさと帰んな」
その言葉は、フィオナの胸に突き刺さった。だが、ここで引き下がるわけにはいかない。
それから毎日、フィオナは「ブランシュール」に通い詰めた。
最初は店の隅で邪魔にならないようにパン作りの様子を盗み見ていたが、やがて、頼まれもしないのに店の掃除を手伝い始めた。レオンは何も言わなかったが、追い出すこともしなかった。フィオナは、彼の動き一つひとつを目に焼き付け、夜になると自分の店に戻って試作を繰り返した。もちろん、相変わらず失敗ばかりだったが。
ある日、レオンはいつものように無言でパンをこねていたが、不意にフィオナの手元に視線を落とした。そこには、フィオナが肌身離さず持ち歩いている研究ノートと、豆だらけになり、あちこちに火傷の痕が残る彼女の手があった。
ノートには、びっしりと細かい文字で、失敗の原因や改善点、レオンの店のパンの観察記録などが書き込まれていた。それは、お世辞にも上手な字とは言えなかったが、彼女の真剣さが痛いほど伝わってくるものだった。
「……そんなに、パンが焼きてえのか」
レオンが、ぽつりと呟いた。
フィオナは顔を上げ、まっすぐにレオンの目を見つめた。
「はい。どうしても……」
その時、店の入り口からルーカスが顔を覗かせた。彼はレオンに軽く会釈すると、フィオナの隣に立ち、勢いよく頭を下げた。
「ブランシュールさん、こいつは本気なんです! 見ての通り不器用で、世間知らずのところもあるけど、パンへの想いだけは誰にも負けないはずだ。どうか、こいつにチャンスをやってくれませんか!」
レオンは、ルーカスとフィオナの顔を交互に見比べ、大きなため息をついた。
「……やれやれ。面倒な嬢ちゃんに好かれたもんだ」
そして、厳しい顔つきでフィオナに言った。
「いいか、嬢ちゃん。本当に本気なら、まずあのガラクタ同然の薪窯で、てめえの力で、食えるパンを一つでも焼いてみせろ。それができたら、パンの『パ』の字くらいは教えてやってもいい」
それは、弟子入りを許すという言葉ではなかった。だが、冷たく突き放されたわけでもない。
厳しい課題。今のフィオナにとっては、途方もなく高いハードルだ。
しかし、フィオナの顔には、一瞬怯んだものの、すぐに強い光が宿った。
「……はい! 必ず!」
頑固職人の心に、フィオナのひたむきな情熱が、ほんの少しだけ届いたのかもしれない。
それは、暗闇の中に差し込んだ、細く、しかし確かな一筋の光明だった。
フィオナは、レオンの言葉を胸に、埃まみれの自分の店へと急いだ。あの薪窯で、今度こそ、本物のパンを焼いてみせる。その一心で。
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