【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

亜沙美多郎

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本編

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 ジェイクは俺がΩと分かったのに、何も言わない。

 倉庫に入るまでは自分のことしか考えられなかったが、二人きりになったことでハッとした。

 ジェイクも呼吸が荒くなっている。

「ジェイク、もしかして……」

 転生してから……いや、前世のあの時以来なかった発情期が突然来たからか、症状はかなりキツイ。

 さっきまでどんなにジェイクに近寄っても何もなかったのに、リアム様に触れられた瞬間……。いや、その前だ。目が合った瞬間、もう俺のヒートは始まっていた。

「マヒロ……」

「や……だめ……」

 尻餅をついて後退りをする。ジェイクが完全に俺のフェロモンに当てられている。

 肩で息をしながらジワリジワリと近寄ってくる。ジェイクが自我を失っている。

 抵抗したいけど、そもそもの体格差がありすぎる。俺は華奢で小柄で……、ジェイクは細いながらにも、ちゃんと鍛えているのが分かる。

 ここまで支えられて移動しながら、その逞しさを思い知った。

 それに……。守られるのがこんなにも心強いのだということも知ってしまった。

(ジェイクになら……)なんて感情さえ芽生えている。

 ついに壁に背中が付くと、俺は観念した。ジェイクに抱かれるなら、本望かもしれない。

 仕事をしている姿も、冗談を言ってる時も、オフタイムの時も、ジェイクをいつだってカッコイイと思っていた。

 気付けばジェイクを目で追っていた。

 これはもしかすると、俺はジェイクに惹かれているんじゃないのか? と判断するのが自然かもしれない。

 ジェイクが屈み、顔を近づけると、弾力のある唇が触れた。

 体に電流が流れたようだった。

 キスなんて、いつぶりにしたのかも思い出せない。

 それでも、唇が触れただけで、体の奥から疼くような感覚が生まれたのは、初めての経験だ。

 一度発情しまったことで、これまで反応しなかったジェイクにまで発情しているということなのか。

 ジェイクと出会えたのは嬉しいが、こんなことになるなら助っ人なんて断れば良かった。

 頭ではそう思っていても、体は違う。触れた唇は離れることなく自分からも吸い付いている。

 αに触れたことで、体内の熱も疼きも増しているのだ。

 本能でαを煽っている。『このフェロモンに抗えないだろう』と誘っている。

 殆ど物が置かれていない倉庫は音がよく響く。二人の吸い付く音さえも、妖しく響いている。

「んっ、んんっ……」

 自分からジェイクを求めていった。

 (あの時と、同じだ……)

 蘇る前世の記憶。

 ジェイクの手が、スーツのジャケットを脱がせ、シャツの上から胸の突起を探し当てる。

 指先で硬くなった突起をグッと抑え込まれただけで、体が戦慄わななき、もっと触って欲しいという感情が頭を支配した。

 ズボンからは、既にΩの分泌液が溢れて床まで濡らしている。

 昂った先端も、これからもっと気持ち良くしてくれるという期待に、愛液が下着を濡らしていた。
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