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本編
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次の日の朝、俺は今までにない疲労感と腰の痛みと闘っていた。
番になった後、喜びを分かち合った俺たちは、そのまま眠るのかと思っていた。
それなのに、結局俺は一晩中リアム様に抱かれたのだ。
(あんのっ!! 絶倫団長っ!!)
身体中が痛くてろくに動けない。その上、喘ぎすぎて喉まで痛い。
番ができた代償はあまりにも大きかった。
「朝食を運ばせよう。ゆっくり体を休ませて」
頭を撫でながら、優しい言葉をかけてくれる。
リアム様は先に起きて、柔らかいブラウスに細身のパンツ、そしてウエストにはパンツと同じ生地の幅の広いコルセットを巻いていた。
全裸で寝癖だらけの俺とは正反対だ。
……でも、俺がボロボロの原因はリアム様なんだけど……。
なんて言えるわけもなく、再び寝転んでクッションに顔を埋めた。
リアム様は自らフロントに出向き、部屋まで朝食を運ばせるよう手配した。
三十分ほど経ってから、パンにヤギのミルク。フルーツの盛り合わせ……。
二人では食べ切れない程の食事が運び込まれた。
「マヒロ、お腹空いただろう?」
俺にガウンを羽織らせ、抱き上げたリアム様は、そのままダイニングへと移動する、
焼きたてのパンのいい香りが部屋に立ち込めていた。料理長が一番得意とするパンだ。バケットほど硬くなく、小さくて丸いフォルムも見た目が可愛い。これは料理長が『女性が異性の前でも食べやすいように』と研究して作ったのだと言っていた。
その時は聞き流していたが、まさか俺が番の前でこのパンを食べる日が来るなんて……。
何だか感慨深い。
「ぐぅぅぅぅ……」
最大音量で腹の音が鳴ってしまった。不本意に鳴ったものだから誤魔化しもできなかった。
リアム様は俺を抱いたまま椅子に座ると、そのまま俺もリアム様の膝に座らせた。
「さあ、マヒロ。何から食べる?」
当たり前のように言ってくるが、この絵図はまるでペットに餌を食べさせる飼い主としか思えない。
「あの、自分で食べられるです」
「やはり、焼きたてのパンから頂こうか」
「聞いてるのですかい?」
「私は私のやりたいようにするだけだ」
丸いパンを口元に運ぶ。仕方なく口で受け取った。
「……美味い」
「そうか。それは良かった」
自分で作ったんじゃないのに、リアム様は嬉しそうに微笑む。
朝日が差し込む窓際でそんな顔をされると、ただでさえ綺麗な顔が余計に輝いて見える。
(俺、本当にこんな凄い人と番になったんだ)
噛まれた頸に、今も違和感は残っている。それでもまだ実感が湧かなかった。
あんなに抱かれたのに。
もしかして、長い夢を見ているのかもしれないなんて、思ってしまう。
「そんなに私を見つめてどうした? 何か付いているか?」
「い、いえ!! 何もないです!!」
誤魔化すように、またリアム様が口元まで運んできたパンを頬張った。
「今日は、午後から私の家に案内しよう」
「え? いきなり? リアム様の家?」
「そうだ。なにか不満でも?」
「えっ、だって……ほら、家に行くってことは……親とか、兄弟とか……にも会う? ますか?」
「当たり前だ。そのために連れて行くと言っているんだ」
展開が急すぎる。
急りと不安で気の休む間もない。
その後の朝食は一切の味覚が消えた。
番になった後、喜びを分かち合った俺たちは、そのまま眠るのかと思っていた。
それなのに、結局俺は一晩中リアム様に抱かれたのだ。
(あんのっ!! 絶倫団長っ!!)
身体中が痛くてろくに動けない。その上、喘ぎすぎて喉まで痛い。
番ができた代償はあまりにも大きかった。
「朝食を運ばせよう。ゆっくり体を休ませて」
頭を撫でながら、優しい言葉をかけてくれる。
リアム様は先に起きて、柔らかいブラウスに細身のパンツ、そしてウエストにはパンツと同じ生地の幅の広いコルセットを巻いていた。
全裸で寝癖だらけの俺とは正反対だ。
……でも、俺がボロボロの原因はリアム様なんだけど……。
なんて言えるわけもなく、再び寝転んでクッションに顔を埋めた。
リアム様は自らフロントに出向き、部屋まで朝食を運ばせるよう手配した。
三十分ほど経ってから、パンにヤギのミルク。フルーツの盛り合わせ……。
二人では食べ切れない程の食事が運び込まれた。
「マヒロ、お腹空いただろう?」
俺にガウンを羽織らせ、抱き上げたリアム様は、そのままダイニングへと移動する、
焼きたてのパンのいい香りが部屋に立ち込めていた。料理長が一番得意とするパンだ。バケットほど硬くなく、小さくて丸いフォルムも見た目が可愛い。これは料理長が『女性が異性の前でも食べやすいように』と研究して作ったのだと言っていた。
その時は聞き流していたが、まさか俺が番の前でこのパンを食べる日が来るなんて……。
何だか感慨深い。
「ぐぅぅぅぅ……」
最大音量で腹の音が鳴ってしまった。不本意に鳴ったものだから誤魔化しもできなかった。
リアム様は俺を抱いたまま椅子に座ると、そのまま俺もリアム様の膝に座らせた。
「さあ、マヒロ。何から食べる?」
当たり前のように言ってくるが、この絵図はまるでペットに餌を食べさせる飼い主としか思えない。
「あの、自分で食べられるです」
「やはり、焼きたてのパンから頂こうか」
「聞いてるのですかい?」
「私は私のやりたいようにするだけだ」
丸いパンを口元に運ぶ。仕方なく口で受け取った。
「……美味い」
「そうか。それは良かった」
自分で作ったんじゃないのに、リアム様は嬉しそうに微笑む。
朝日が差し込む窓際でそんな顔をされると、ただでさえ綺麗な顔が余計に輝いて見える。
(俺、本当にこんな凄い人と番になったんだ)
噛まれた頸に、今も違和感は残っている。それでもまだ実感が湧かなかった。
あんなに抱かれたのに。
もしかして、長い夢を見ているのかもしれないなんて、思ってしまう。
「そんなに私を見つめてどうした? 何か付いているか?」
「い、いえ!! 何もないです!!」
誤魔化すように、またリアム様が口元まで運んできたパンを頬張った。
「今日は、午後から私の家に案内しよう」
「え? いきなり? リアム様の家?」
「そうだ。なにか不満でも?」
「えっ、だって……ほら、家に行くってことは……親とか、兄弟とか……にも会う? ますか?」
「当たり前だ。そのために連れて行くと言っているんだ」
展開が急すぎる。
急りと不安で気の休む間もない。
その後の朝食は一切の味覚が消えた。
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