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本編
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もう、どうにでもなれ……なんて気持ちになってきた。
この五月蝿い女を黙らせたい。
キャンキャン吠える犬の如く、怒り狂う様子を見ているだけでも辟易とする。
特にアンジュさんを目の仇にしているベイリーは、俺へ罵倒の合間にもアンジュさんの悪口も欠かさない。
自分よりも身分の低いアンジュさんが、リアム様を見初めたのが気に入らない。それを特に隠そうともせず、いかに自分がアンジュさんよりも優れているかを語っていた。
興味もないから聞き流したけど……。
「っていうか、何故そこまでラミレス家にこだわるんだ? 顔の綺麗な人なんて他にもいるだろう?」
それならば、働いていたホテルだって綺麗な顔の従業員はたくさんいた。
別にラミレス家にこだわる必要なんてないだろう。
「ったく!! あなた、何にも分かってらっしゃらないようね。私は常に目立っていたいの。誰よりも綺麗なドレスを着て、誰よりも素敵な宝石を身につけて、そして他の女じゃ手に入らない男を連れて歩きたい。それを実現できるのは私だけ。それを、あの女は……」
また、アンジュさんの悪口になりそうだったから、 急いで口を挟む。
「あーあ!! 分かった分かった!! リアム様を横取りしたって言いたいんだろ? でもアンジュさんに先に好意を持ったのはリアム様だぜ? それを横取りだなんて言わないだろう? 自分が選ばれなかったって、悪口や嫌がらせをするなんて、ベイリーさん。ますますリアム様やエリア様から嫌われてもいいの?」
「私が嫌われているとでもおっしゃりたいの? っていうか、さっきから偉そうに!! 何様のつもりで私に喋っているのかしら?」
「いや、俺。番だけど」
拉致が開かなくて言ってしまった。急いで口を塞いだがもう遅い。
他の人に聞かれなかったのがせめてのも救いだ……なんて思っていたが、ベイリーは俺の言う事をまるで信じていないらしく、高飛車に笑い飛ばした。
「なにを寝ぼけたことを言ってらっしゃるの? そんな見窄らしい容姿で? 質素な服で? 番? 一体誰の番なのでしょう? 嘘をつくにしても最もらしいことを言うべきですわよ?」
ベイリーが腹を抱えて笑っている。
「だから、本当なんだって!! 今日エリア様が帰ってきたら俺たちが番になった報告をサプライズでする予定なんだ」
説明すればするほどベイリーは笑いが止まらない。
「あんたみたいな下民と番になるわけありませんわ! それが本当なら、会場の人みんなの前で証拠を見せなさい!!」
笑った直後から般若のような表情になったベイリーは、俺の耳を掴み、会場の方へと引きずっていく。
「いっ痛い!! 離せよ!! 別に逃げたりなんかしねぇよ!! 離せったら!!」
俺の言うことなど聞こえてもいないような素振りで歩を進める。
耳が千切れそうなほどキツく引っ張られた。
「これで、もしあなたの言っているのが嘘だってバレた時、どうなるのかくらいは考えておきなさいね?」
「嘘なんかつかねぇよ!! だから離せって言ってるだろう!!」
会場がざわつき始めた。
視線を嫌なほど感じる。
みんな、何事かと集まってきてしまった。
その中心に放り投げ出された。
「皆様ぁ!! この下民がエリア様の番だと嘘を申しましたの!! そして、この私に数々の暴言を……。私、悲しくて……」
「ああ、キャンベル様。私たちがお助けできず、申し訳ありません」
ベイリーの言葉に、取り巻きの女たちが口々に謝り始めた。
最初から、俺が陰でベイリーに嫌がらせをしていたという演出にしたてあげていたのか。
アンジュさんと俺が一緒にいたというだけで……。
「マヒロさん!!」
アンジュさんが遠くから気づいて走り寄ってくれている。
それを計算していたかのように、ベイリーが喋り始めた。
「アンジュさんの指示で、私を会場から離れた所へ呼び出したのです。そして、この薄汚い男から暴言を浴びせられましたの……」
ベイリーの目から涙が溢れた。
な……なんだ、こいつ。演技でここまでするのか?
全て、こいつの企みだったのだ。それにまんまとハマってしまった。
これで明確になった。
ベイリーの今日の目的は、リアム様とアンジュさんの婚約破棄だ。
この五月蝿い女を黙らせたい。
キャンキャン吠える犬の如く、怒り狂う様子を見ているだけでも辟易とする。
特にアンジュさんを目の仇にしているベイリーは、俺へ罵倒の合間にもアンジュさんの悪口も欠かさない。
自分よりも身分の低いアンジュさんが、リアム様を見初めたのが気に入らない。それを特に隠そうともせず、いかに自分がアンジュさんよりも優れているかを語っていた。
興味もないから聞き流したけど……。
「っていうか、何故そこまでラミレス家にこだわるんだ? 顔の綺麗な人なんて他にもいるだろう?」
それならば、働いていたホテルだって綺麗な顔の従業員はたくさんいた。
別にラミレス家にこだわる必要なんてないだろう。
「ったく!! あなた、何にも分かってらっしゃらないようね。私は常に目立っていたいの。誰よりも綺麗なドレスを着て、誰よりも素敵な宝石を身につけて、そして他の女じゃ手に入らない男を連れて歩きたい。それを実現できるのは私だけ。それを、あの女は……」
また、アンジュさんの悪口になりそうだったから、 急いで口を挟む。
「あーあ!! 分かった分かった!! リアム様を横取りしたって言いたいんだろ? でもアンジュさんに先に好意を持ったのはリアム様だぜ? それを横取りだなんて言わないだろう? 自分が選ばれなかったって、悪口や嫌がらせをするなんて、ベイリーさん。ますますリアム様やエリア様から嫌われてもいいの?」
「私が嫌われているとでもおっしゃりたいの? っていうか、さっきから偉そうに!! 何様のつもりで私に喋っているのかしら?」
「いや、俺。番だけど」
拉致が開かなくて言ってしまった。急いで口を塞いだがもう遅い。
他の人に聞かれなかったのがせめてのも救いだ……なんて思っていたが、ベイリーは俺の言う事をまるで信じていないらしく、高飛車に笑い飛ばした。
「なにを寝ぼけたことを言ってらっしゃるの? そんな見窄らしい容姿で? 質素な服で? 番? 一体誰の番なのでしょう? 嘘をつくにしても最もらしいことを言うべきですわよ?」
ベイリーが腹を抱えて笑っている。
「だから、本当なんだって!! 今日エリア様が帰ってきたら俺たちが番になった報告をサプライズでする予定なんだ」
説明すればするほどベイリーは笑いが止まらない。
「あんたみたいな下民と番になるわけありませんわ! それが本当なら、会場の人みんなの前で証拠を見せなさい!!」
笑った直後から般若のような表情になったベイリーは、俺の耳を掴み、会場の方へと引きずっていく。
「いっ痛い!! 離せよ!! 別に逃げたりなんかしねぇよ!! 離せったら!!」
俺の言うことなど聞こえてもいないような素振りで歩を進める。
耳が千切れそうなほどキツく引っ張られた。
「これで、もしあなたの言っているのが嘘だってバレた時、どうなるのかくらいは考えておきなさいね?」
「嘘なんかつかねぇよ!! だから離せって言ってるだろう!!」
会場がざわつき始めた。
視線を嫌なほど感じる。
みんな、何事かと集まってきてしまった。
その中心に放り投げ出された。
「皆様ぁ!! この下民がエリア様の番だと嘘を申しましたの!! そして、この私に数々の暴言を……。私、悲しくて……」
「ああ、キャンベル様。私たちがお助けできず、申し訳ありません」
ベイリーの言葉に、取り巻きの女たちが口々に謝り始めた。
最初から、俺が陰でベイリーに嫌がらせをしていたという演出にしたてあげていたのか。
アンジュさんと俺が一緒にいたというだけで……。
「マヒロさん!!」
アンジュさんが遠くから気づいて走り寄ってくれている。
それを計算していたかのように、ベイリーが喋り始めた。
「アンジュさんの指示で、私を会場から離れた所へ呼び出したのです。そして、この薄汚い男から暴言を浴びせられましたの……」
ベイリーの目から涙が溢れた。
な……なんだ、こいつ。演技でここまでするのか?
全て、こいつの企みだったのだ。それにまんまとハマってしまった。
これで明確になった。
ベイリーの今日の目的は、リアム様とアンジュさんの婚約破棄だ。
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