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spin-offージェイクと騎士ー
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次の休日、街へと出掛けていた。
ベルガルドさんに誘われて午後から会う約束をしていたのだ。
あまりお客様とはプライベートでは遊んだりはしないけれど、忙しい日が続いていたため、気晴らしがしたかった。
……というのは建前で、もしかするとルイさんの話が聞けるかもしれないと思ったからだ。
「こんにちは、ベルガルドさん」
「おう! 休日でも爽やかなのは変わらないんだな」
ニッと大きな口を開けて笑う。この人懐っこさは女性が近寄りやすい要因の一つだ。
「最近忙しかったので、誘って頂けて嬉しいです」
「なに、今日は仕事は関係ないんだ。敬語もやめてくれ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
とりあえずご飯を食べようと移動した。
ベルガルドさんがよくデートに使うカフェテリアがあるらしく、そこへ案内してくれた。テラスのあるその店は観葉植物がたくさん置いてある、落ち着きある空間だった。
「なんか、意外だな。ベルガルドさんだから、もっと派手な店かと思ってた」
「そう言われると思ったぜ! ジェイク、女性はな、ギャップに弱いんだよ。だから敢えて俺がこういう落ち着ける店に連れてくるんだ。そうしたら気を抜いて落としやすくなる」
「くすくす……参考にするよ」
本当だぞ? なんて一生懸命口説き方を伝授してくれた。
モテるポイントは他にもありそうだ。
確かに、ここのテラスに座って紅茶を飲み街を眺める時間は、とても贅沢なように思えてくる。
「俺も、ベルガルドさんに惚れるかもしれない」
「そうか!! そりゃあ自慢できそうだ!!」
本当に嬉しそうに笑うものだから、こっちまで自然と笑顔になる。例えるなら、大型犬と戯れているような感覚に似ているかもしれない。……なんて言うのは秘密だけれど。
「そういえば、ルイさんは最近めっきりパーティーに来なくなったけど、まだ体調が悪いの?」
一度パーティーを欠席してから、今度はチラリとも顔を見せなくなってしまっていた。
元々、華やかな場所は苦手だと言っていたが、そんなにも嫌だったか……。
俺に会いにきてくれるかも……なんて考えは、ただの空想になってしまった。
「いや、もうすっかり元気だ。パーティーにも誘ってるんだがな、どうも苦手だって言って……。あいつもガールフレンドくらい作ればなぁ、なんて俺の考えは、ありがた迷惑なんだろうな」
「そんなことない!! 田舎から出てきたって聞いたし、慣れるのに時間がかかるだけなんじゃない?」
「それもあるかもしれないけどな。俺は勿体無いと思ってるんだよ。仕事中のルイは活き活きしてて、本当に騎士団が好きなんだなって伝わってくる。あの良さを他の人にも見てほしいんだ」
「それは、俺も見てみたい」
見てみたいけど、他人には気付かれたくない。なんて考えてしまった。
その後は、仕事中のルイさんの話をたっぷりと聞かせてもらった。
田舎まで遠征に行っていたリアム様が直々に声をかけたこと。騎士団に憧れて、独学で剣の練習していたこと。誰よりも練習熱心なこと。
ベルガルドさんが、ここまでルイさんを気にかけている理由も分かる。
俺はその話を聞いて余計に気持ちが大きく膨れ上がるのを感じていた。
「よければ、俺がまた会いたいからパーティーに来てほしいって言っておいてよ」
「そりゃ、いいな! 今度はジェイクをダシに誘ってみるか!」
その日はとても良い日になった。
見渡した街に、偶然ルイさんが通りかからないかと何げに意識をしていた。
そこまで都合よくはいかなかったけど……。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
『転生したら淫紋が刻まれていたΩの俺~運命の番は闇堕ち王子~』の続編が連載スタートしました。併せて応援よろしくお願いします。
ベルガルドさんに誘われて午後から会う約束をしていたのだ。
あまりお客様とはプライベートでは遊んだりはしないけれど、忙しい日が続いていたため、気晴らしがしたかった。
……というのは建前で、もしかするとルイさんの話が聞けるかもしれないと思ったからだ。
「こんにちは、ベルガルドさん」
「おう! 休日でも爽やかなのは変わらないんだな」
ニッと大きな口を開けて笑う。この人懐っこさは女性が近寄りやすい要因の一つだ。
「最近忙しかったので、誘って頂けて嬉しいです」
「なに、今日は仕事は関係ないんだ。敬語もやめてくれ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
とりあえずご飯を食べようと移動した。
ベルガルドさんがよくデートに使うカフェテリアがあるらしく、そこへ案内してくれた。テラスのあるその店は観葉植物がたくさん置いてある、落ち着きある空間だった。
「なんか、意外だな。ベルガルドさんだから、もっと派手な店かと思ってた」
「そう言われると思ったぜ! ジェイク、女性はな、ギャップに弱いんだよ。だから敢えて俺がこういう落ち着ける店に連れてくるんだ。そうしたら気を抜いて落としやすくなる」
「くすくす……参考にするよ」
本当だぞ? なんて一生懸命口説き方を伝授してくれた。
モテるポイントは他にもありそうだ。
確かに、ここのテラスに座って紅茶を飲み街を眺める時間は、とても贅沢なように思えてくる。
「俺も、ベルガルドさんに惚れるかもしれない」
「そうか!! そりゃあ自慢できそうだ!!」
本当に嬉しそうに笑うものだから、こっちまで自然と笑顔になる。例えるなら、大型犬と戯れているような感覚に似ているかもしれない。……なんて言うのは秘密だけれど。
「そういえば、ルイさんは最近めっきりパーティーに来なくなったけど、まだ体調が悪いの?」
一度パーティーを欠席してから、今度はチラリとも顔を見せなくなってしまっていた。
元々、華やかな場所は苦手だと言っていたが、そんなにも嫌だったか……。
俺に会いにきてくれるかも……なんて考えは、ただの空想になってしまった。
「いや、もうすっかり元気だ。パーティーにも誘ってるんだがな、どうも苦手だって言って……。あいつもガールフレンドくらい作ればなぁ、なんて俺の考えは、ありがた迷惑なんだろうな」
「そんなことない!! 田舎から出てきたって聞いたし、慣れるのに時間がかかるだけなんじゃない?」
「それもあるかもしれないけどな。俺は勿体無いと思ってるんだよ。仕事中のルイは活き活きしてて、本当に騎士団が好きなんだなって伝わってくる。あの良さを他の人にも見てほしいんだ」
「それは、俺も見てみたい」
見てみたいけど、他人には気付かれたくない。なんて考えてしまった。
その後は、仕事中のルイさんの話をたっぷりと聞かせてもらった。
田舎まで遠征に行っていたリアム様が直々に声をかけたこと。騎士団に憧れて、独学で剣の練習していたこと。誰よりも練習熱心なこと。
ベルガルドさんが、ここまでルイさんを気にかけている理由も分かる。
俺はその話を聞いて余計に気持ちが大きく膨れ上がるのを感じていた。
「よければ、俺がまた会いたいからパーティーに来てほしいって言っておいてよ」
「そりゃ、いいな! 今度はジェイクをダシに誘ってみるか!」
その日はとても良い日になった。
見渡した街に、偶然ルイさんが通りかからないかと何げに意識をしていた。
そこまで都合よくはいかなかったけど……。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
『転生したら淫紋が刻まれていたΩの俺~運命の番は闇堕ち王子~』の続編が連載スタートしました。併せて応援よろしくお願いします。
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