【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

spin-offージェイクと騎士ー

17

　ルイが恍惚とした表情を向ける。
　寝ぼけていると思ったが、今は意識はしっかりとしているようだ。
「本当に、いいの？　もう止められなくなるよ？」
　俺からの質問にルイは目を見て頷く。

「今日やめてしまえば、きっと後悔するので……。緊張はしていますけど、でも……僕も男です。それに騎士団で鍛えていますので、そんなにか弱くありません」
　確かに、ルイは見た目が華奢で童顔だけど、毎日鍛えている。

　つい興味本意でお腹を触ってみた。
「本当に、筋肉すごいね」
「昔からずっと体を動かしていたので、多分一生このままだと思います」
　ルイが照れたように言う。
　でも体が硬いのが弱点なんだそうだ。

「ベルガルドさんなんか、すごく柔軟性があるんですよ。きっとジェイクさんが見れば驚きます」
「そうなの？　あんなにもガタイがいいのに？」
「はい！　でもやはり、柔軟性があるから、動きが全て僕の何倍も素早くて綺麗で強いです」
「尊敬しているんだ？」
「目指している一人です」

　だからベルガルドさんの誘いを断れずに、ダンスパーティーに来ていたんだな。
　リアム様からも一目置かれていたし、パーティーでの人気ぶりも然り……と言ったところか。

「じゃあ、俺のことはなんで気に入ってくれたの？」
　大事なことなので、誤魔化されないよう、グイッと顔を近づけて尋ねた。
「えっ……と……その……ジェイクさんは……」
　急にたじろき始めたルイの唇を奪う。
　ルイは突然の行為に、ポカンと口を開けている。
「俺はね……」
「ま、前にも聞きましたので！！　もう、大丈夫です！！」
「何度だって言わせてよ」
「自分のは恥ずかしすぎますから！」

　顔を背けたルイと、また視線を合わせるように馬乗りになった。
　真上からルイを見下ろす。

「じゃあ、行動で教える」

　自分の着ていた上着を脱ぎ捨てた。
　ルイも鍛えているが、自分だって誰かに見られて恥ずかしい体などしていない。
　それがトップに立つものの身だしなみの一つだと思っている。
　
　ルイの服も剥ぎ取った。
　そこからは、小柄な体型からは想像もできないような肉体美が現れた。
　確かに、こんなに鍛えていれば、少しくらい乱暴されても動じなそうだ。

「でも大事にするけどね」
　目を細めて、ルイの首元に顔を埋めた。

　舌を這わせると、よりフェロモンの甘い香りが溢れ出してきた。