【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

spin-offージェイクと騎士ー

18 sideルイ ★Rー15

　きっとジェイクさんは、僕がヒートを起こしていると感じているだろう。
　僕は『フェロモン過剰分泌症』で、ヒートを起こしてなくても、些細なキッカケでフェロモンを放ってしまう。

　人混みが苦手なのはこの理由が一番大きい。
　しかし仕事の時はどうしても仕方ないから、過剰なまでに強い薬でフェロモンを抑えていた。

　ホテルの医務室の先生には、全てを正直に話したが、それでもこれ以上同じ薬を飲むことは許可できないと言われてしまった。
　それは仕方ないと思っている。

　先生は僕の体に負担がなく、効果の高い抑制剤を処方してくれたが、できるだけ早く番を見つけなさいと言った。そうすればもっと軽い薬に変えられると。

「番が出来れば、別に騎士団にオメガだとバレてもいいじゃないか」
　なんて言われれば、そんな気もしてくる。
　
　その後すぐのジェイクさんからの告白……。医務室の先生は、きっとこうなるのが分かっていたからこそ、僕に番を見つけろと言ったんじゃないかとも考えた。

　今日は、先生からもらった薬さえ飲んでいない。
　発情期じゃないから、妊娠の心配もない代わりに、今日例え頸を噛まれたとしても番にもなれない。
　でも、正真正銘、僕はジェイクさんの恋人になったと言う証が欲しかった。
　それで、次の発情期に番になろうって言ってくれるかもしれない。それに賭けているんだ。

　目の前には服を脱ぎ捨てたジェイクさんがいる。
　スーツを着ていると、スラリと細い印象だったが、しっかりと鍛えられてしなやかな筋肉がとても綺麗だと思った。

　うっとりと眺めていると、ジェイクさんが近付き、首元に顔を埋めた。
　首から口付けながら、鎖骨へと降りていく。
　
「ルイ、甘い香りが増している」
「今日、薬を……飲まなかった……から……」
　ジェイクさんはそこまで腹を括っているとは思っていなかったようで、一瞬顔を離し、顔を覗き込んだ。

「絶対に優しくするから」
　そう言って微笑むと、また首や耳、肩にキスを落としていく。

　触れたところから熱を帯びていき、自然と吐息が零れた。
　ジェイクさんの手は大きくて、温かくて、心地いい。
　初めての行為に過剰なまでに緊張していたが、この手に包まれているようで、体が蕩けていく。

　上肢を愛撫されるほど、息を吹き返すように体の奥に熱が宿った。

　心臓の音が二つ重なる。
　ジェイクさんも、僕と同じくらい早くなっているようだ。

　ジェイクさんが胸の突起を啄むと、肩に置いていた手に力が入った。
「ぁんっ……」
　自分からこんな声が出るなんて、予想外すぎて恥ずかしい。
　男なのに、乳首がこんなにも感じるなんて誰も教えてくれなかった。
　でも、口付けられるたびに吐息と共に溢れる声が止まらない。

「ぅっ……ふぅっ、ン……やぁ……」
「もっと、聞かせて？」
「や……はずかしい……から……」
「でも、もっと啼いてほしいな……」

　ジェイクさんの舌遣いが、激しくなっていく……。