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五十四限目 何も見たくねえ
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深淵がこちらを覗いている時、こちらも深淵を覗いているのだ。
「・・・逆では?」
<五十四限目 何も見たくねえ>
「という訳でやって参りました!にっちゃんの家!!!」
「どういう訳でやってきたのか説明して貰える!?!?」
とある休日。いろは達補習部と顧問の智奈、副顧問という肩書きはあるものの教育実習生のぬらのメンバーは部員の一人、新田日華の家に集まっていた。
「前回も来てたよね!?私の家を何だと思ってる訳!?」
「秘密基地!」
「む!溜まり場!」
「いつもすみません。こちらつまらないものですが」
他人の家を勝手に基地にするいろはにシンプルに溜まり場にしている波留の後に六花が手土産を渡してくる。それは日華の好きなプリンだった。
「ご家族で召し上がって下さい」
「うぅ、優しさが沁みる」
「我からは羊羹を」
「お~。イカの天ぷら~」
「まっ!ままままままずいのだわ!!!?生徒のお宅にお邪魔すると言うのに手土産を持ってきていないなんて!!!?しっ!死ぬ!?社会的に死ぬのだわ!!?!?!??」
別に手土産はいらないがここまで慌てられると何か手土産必須みたいな雰囲気がしてくる。というか手土産に天ぷらって。
「こほん。それで、今日は何しに来たわけ?」
「闇鍋」
いろはが何事もない様に淡々と答える。
闇鍋とは、複数人でそれぞれ自分以外には秘密の食材を持ち寄り、暗闇の中で一緒に調理して食べる鍋料理で、食事というよりはゲームやイベントとして楽しむものである。
「あの、これを一番前に持ってくるべきでしたよね?なんであんな訳の分からない説明を?」
「マンネリ化防止に決まってんだろ!!?ただでさえワンパターンなんだからこの話はよ!!」
そうでもない気がするが、マンネリ化防止事態は悪くない提案だ。それにしたってチョイスが謎過ぎるが。
「む、仕方ない。作者が三秒で考えたんだから」
「じゃあ作者のせいじゃねえか。私のせいじゃねえよ」
うるせえ!!お前が言いそうな事を考えただけだよ!
「あの、そろそろ始めないとまた二話構成になりますよ?」
六花の言葉で我に帰る。そうだ。ただでさえ一話完結の話が長引いて二話、三話構成になりやすいんだ!さっさと初めて一話で終わらせよう!
「つーわけでにっちゃん。なんか食材持ってきてくれ。持ってきてないのにっちゃんだけだから」
「無茶振りしやがってぇー。お父さーん!なんか食材持ってきてー!」
「それじゃあ日華の食材にならないだろう」
舳螺に怒られたのでしっかり日華が食材を選び、鍋の用意も完成した。
「食材の投入は任せてくれ。皆は何が入っているか分からない鍋を楽しむといい」
「ありがとな!にっちゃんの父ちゃん!あんたいつもいるな!暇なのか!?」
失礼極まりない事をサラッと口走ったいろはに智奈が目を飛び出して驚いた。
「ははは!そうかも知れないな!」
「ななななんて失礼な事を!?ごめんなさいなのだわ!!?この子には悪気は無い。無い、無いと、思うのだわ」
庇おうと頑張ったが普段の行いのせいで庇いきれない。が、障は一ミリも気にする素振りはなく、寧ろ楽しそうだ。
「よし、出来たぞ。闇鍋とは暗闇の中で行うものだが、安全を考慮して豆電球は付けて行おう」
「異論はありません。いいないろは」
「おーん。出来れば嫌だけどしゃーねーな。了解了解」
舳螺にそう確認されてはいろはとしてはふざける訳にはいかない。もし舳螺に火傷でもさせたら舳螺の父親が飛んでくる。それは流石にいろはでも避けたい。
「おし。ほんじゃ最初はにっちゃんだな!!」
「何で私!?」
「主役だからな」
まさか主役だったとは。訳が分からないがどうせ食べねばならないのだ。ならば最初だろうが最後だろうが関係無い。
「お願い!食べられるものであって!」
「む!侵害!流石に食べられない物は持ってきてない!」
「そういう意味じゃない!」
日華は箸が触れた物をそのまま掴んで自分の箸に持ち替えてから口に運んだ。
「・・・何この食べ物」
歯応えがあるが、野菜などでは無さそうだ。しかし肉でもなく思える。これは。
「イカ?」
「お~。イカのお刺身~」
「温水さんは本当にイカしか持ってきてないのね!?」
鍋にイカの刺身とは。まあ海鮮鍋などもあるので全く合わない訳では無いが。
「見てたら腹減ってきた!次は私だ!」
「む!負けていられない!」
日華の後にいろはと波留が続いて鍋の中身を口に運ぶ。果たしてその中身は!?
「・・・白菜だわ」
「・・・む、もやし」
実に普通の野菜だった。
「わたくしの白菜ですかね?」
「あ、うちがもやしなのだわ」
「面白みがねえ!!!!」
「む!!闇鍋という物を全く理解できていない!!」
ボロクソに言われるが実際面白さの欠片もない選択ではある。しかし変な物を入れて鍋の味をぶち壊す事はこの二人には出来ない。
「では責任を取ってわたくし達が次に行きますか」
「わ、分かったのだわ」
そのまま二人が鍋の具材を取って口に運ぶ。さて今度は何が出るのか。
「・・・これは、イカのお刺身ですね」
「お~」
「ここで被るのかよ。面白味がねえぞろっちゃん」
そんな事を言われても今回ばかりは六花にはどうしようもない。今日はつくづくボロクソに言われる日となった。
「千葉先生はどうだった?」
「それが、分からないのだわ。何かしらこの食材」
妙に噛みごたえがあるが、モツとかでは無さそうだ。これはもしや。
「味の抜けたガム?」
「む、多分私のだ。そうめん味のガム」
「そうめん味!!?そうめんに味なんてないのだわ!!?」
そんな珍味をどこで手に入れてきたというのか。しかし食べ物ではあるが気を衒うことの出来る闇鍋にもってこいの食べ物ではあった。
「では次は我らか」
「お~。カモ~ン。イカのお刺身~」
舳螺とぬらが鍋から食材を掴み、口に運ぶ。その食べ物とは。
「これは、豆?いや、納豆か」
「美味しいよねー、納豆。私好きなんだー!」
どうやら納豆を入れたのは日華らしい。しかし、納豆は鍋の熱により大分バラバラになってしまっていたし、ネバネバ感もクソも無い。
「鍋との相性は悪いな」
「しゃーないでしょ。私だけ考える時間もクソもなかったんだから」
「こら。女の子がそんな言葉を使ってはいけない」
口の悪い日華を障が軽く叱る。日華が叱られるならいろはは怒鳴られるのだろうか。
「お~。イカだけに~」
「誰もイカなんて言ってないのだわ!?」
謎のいつものボケ?をかましたぬらは何かをもぐもぐしている。果たしてそれは何だったのか。それを教えて欲しい物だが。
「で、何を食べているのですか?」
「お~。多分チキン~。あなたとコンビニの~」
コンビニに売っているチキンとはどうしてあんなに美味いのか。個人的にケンタ⚪︎キーのチキンよりファミ⚪︎キの方が断然美味い。
「って事はこれを入れたのはいろは?」
「いや、我だ。鍋に豚や牛は普通かと思ってな。意外性の為にチキンにしたのだが、どうだろうか?」
「お~。悪くないけど普通に食べたいかも~」
鍋の出汁の味とチキンの味が混ざって味が混乱している。食べられないものではないが、何とも言えない味だった。
「これで一通り回しましたけど、いーさんの選んだ食材だけ出てきてませんね」
「む、何入れたの?」
「ふっふっふ。聞いて驚け見て驚け」
「見ては驚けませんよ闇鍋なんですから」
さて今作の主人公は一体どんな物を入れたのか。その正解を発表しよう!
「炭酸水!!!」
「どうやって食べろって言うんですか!!!?」
こうしてとある休日の闇鍋パーティーが終わりを迎えた。
「・・・逆では?」
<五十四限目 何も見たくねえ>
「という訳でやって参りました!にっちゃんの家!!!」
「どういう訳でやってきたのか説明して貰える!?!?」
とある休日。いろは達補習部と顧問の智奈、副顧問という肩書きはあるものの教育実習生のぬらのメンバーは部員の一人、新田日華の家に集まっていた。
「前回も来てたよね!?私の家を何だと思ってる訳!?」
「秘密基地!」
「む!溜まり場!」
「いつもすみません。こちらつまらないものですが」
他人の家を勝手に基地にするいろはにシンプルに溜まり場にしている波留の後に六花が手土産を渡してくる。それは日華の好きなプリンだった。
「ご家族で召し上がって下さい」
「うぅ、優しさが沁みる」
「我からは羊羹を」
「お~。イカの天ぷら~」
「まっ!ままままままずいのだわ!!!?生徒のお宅にお邪魔すると言うのに手土産を持ってきていないなんて!!!?しっ!死ぬ!?社会的に死ぬのだわ!!?!?!??」
別に手土産はいらないがここまで慌てられると何か手土産必須みたいな雰囲気がしてくる。というか手土産に天ぷらって。
「こほん。それで、今日は何しに来たわけ?」
「闇鍋」
いろはが何事もない様に淡々と答える。
闇鍋とは、複数人でそれぞれ自分以外には秘密の食材を持ち寄り、暗闇の中で一緒に調理して食べる鍋料理で、食事というよりはゲームやイベントとして楽しむものである。
「あの、これを一番前に持ってくるべきでしたよね?なんであんな訳の分からない説明を?」
「マンネリ化防止に決まってんだろ!!?ただでさえワンパターンなんだからこの話はよ!!」
そうでもない気がするが、マンネリ化防止事態は悪くない提案だ。それにしたってチョイスが謎過ぎるが。
「む、仕方ない。作者が三秒で考えたんだから」
「じゃあ作者のせいじゃねえか。私のせいじゃねえよ」
うるせえ!!お前が言いそうな事を考えただけだよ!
「あの、そろそろ始めないとまた二話構成になりますよ?」
六花の言葉で我に帰る。そうだ。ただでさえ一話完結の話が長引いて二話、三話構成になりやすいんだ!さっさと初めて一話で終わらせよう!
「つーわけでにっちゃん。なんか食材持ってきてくれ。持ってきてないのにっちゃんだけだから」
「無茶振りしやがってぇー。お父さーん!なんか食材持ってきてー!」
「それじゃあ日華の食材にならないだろう」
舳螺に怒られたのでしっかり日華が食材を選び、鍋の用意も完成した。
「食材の投入は任せてくれ。皆は何が入っているか分からない鍋を楽しむといい」
「ありがとな!にっちゃんの父ちゃん!あんたいつもいるな!暇なのか!?」
失礼極まりない事をサラッと口走ったいろはに智奈が目を飛び出して驚いた。
「ははは!そうかも知れないな!」
「ななななんて失礼な事を!?ごめんなさいなのだわ!!?この子には悪気は無い。無い、無いと、思うのだわ」
庇おうと頑張ったが普段の行いのせいで庇いきれない。が、障は一ミリも気にする素振りはなく、寧ろ楽しそうだ。
「よし、出来たぞ。闇鍋とは暗闇の中で行うものだが、安全を考慮して豆電球は付けて行おう」
「異論はありません。いいないろは」
「おーん。出来れば嫌だけどしゃーねーな。了解了解」
舳螺にそう確認されてはいろはとしてはふざける訳にはいかない。もし舳螺に火傷でもさせたら舳螺の父親が飛んでくる。それは流石にいろはでも避けたい。
「おし。ほんじゃ最初はにっちゃんだな!!」
「何で私!?」
「主役だからな」
まさか主役だったとは。訳が分からないがどうせ食べねばならないのだ。ならば最初だろうが最後だろうが関係無い。
「お願い!食べられるものであって!」
「む!侵害!流石に食べられない物は持ってきてない!」
「そういう意味じゃない!」
日華は箸が触れた物をそのまま掴んで自分の箸に持ち替えてから口に運んだ。
「・・・何この食べ物」
歯応えがあるが、野菜などでは無さそうだ。しかし肉でもなく思える。これは。
「イカ?」
「お~。イカのお刺身~」
「温水さんは本当にイカしか持ってきてないのね!?」
鍋にイカの刺身とは。まあ海鮮鍋などもあるので全く合わない訳では無いが。
「見てたら腹減ってきた!次は私だ!」
「む!負けていられない!」
日華の後にいろはと波留が続いて鍋の中身を口に運ぶ。果たしてその中身は!?
「・・・白菜だわ」
「・・・む、もやし」
実に普通の野菜だった。
「わたくしの白菜ですかね?」
「あ、うちがもやしなのだわ」
「面白みがねえ!!!!」
「む!!闇鍋という物を全く理解できていない!!」
ボロクソに言われるが実際面白さの欠片もない選択ではある。しかし変な物を入れて鍋の味をぶち壊す事はこの二人には出来ない。
「では責任を取ってわたくし達が次に行きますか」
「わ、分かったのだわ」
そのまま二人が鍋の具材を取って口に運ぶ。さて今度は何が出るのか。
「・・・これは、イカのお刺身ですね」
「お~」
「ここで被るのかよ。面白味がねえぞろっちゃん」
そんな事を言われても今回ばかりは六花にはどうしようもない。今日はつくづくボロクソに言われる日となった。
「千葉先生はどうだった?」
「それが、分からないのだわ。何かしらこの食材」
妙に噛みごたえがあるが、モツとかでは無さそうだ。これはもしや。
「味の抜けたガム?」
「む、多分私のだ。そうめん味のガム」
「そうめん味!!?そうめんに味なんてないのだわ!!?」
そんな珍味をどこで手に入れてきたというのか。しかし食べ物ではあるが気を衒うことの出来る闇鍋にもってこいの食べ物ではあった。
「では次は我らか」
「お~。カモ~ン。イカのお刺身~」
舳螺とぬらが鍋から食材を掴み、口に運ぶ。その食べ物とは。
「これは、豆?いや、納豆か」
「美味しいよねー、納豆。私好きなんだー!」
どうやら納豆を入れたのは日華らしい。しかし、納豆は鍋の熱により大分バラバラになってしまっていたし、ネバネバ感もクソも無い。
「鍋との相性は悪いな」
「しゃーないでしょ。私だけ考える時間もクソもなかったんだから」
「こら。女の子がそんな言葉を使ってはいけない」
口の悪い日華を障が軽く叱る。日華が叱られるならいろはは怒鳴られるのだろうか。
「お~。イカだけに~」
「誰もイカなんて言ってないのだわ!?」
謎のいつものボケ?をかましたぬらは何かをもぐもぐしている。果たしてそれは何だったのか。それを教えて欲しい物だが。
「で、何を食べているのですか?」
「お~。多分チキン~。あなたとコンビニの~」
コンビニに売っているチキンとはどうしてあんなに美味いのか。個人的にケンタ⚪︎キーのチキンよりファミ⚪︎キの方が断然美味い。
「って事はこれを入れたのはいろは?」
「いや、我だ。鍋に豚や牛は普通かと思ってな。意外性の為にチキンにしたのだが、どうだろうか?」
「お~。悪くないけど普通に食べたいかも~」
鍋の出汁の味とチキンの味が混ざって味が混乱している。食べられないものではないが、何とも言えない味だった。
「これで一通り回しましたけど、いーさんの選んだ食材だけ出てきてませんね」
「む、何入れたの?」
「ふっふっふ。聞いて驚け見て驚け」
「見ては驚けませんよ闇鍋なんですから」
さて今作の主人公は一体どんな物を入れたのか。その正解を発表しよう!
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