いろはにほへと ちりになれ!

藤丸セブン

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三限目 徳川将軍

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 徳川家康 徳川秀忠 徳川家光 徳川家綱 徳川綱吉 徳川家宣 徳川家継 徳川吉宗 徳川家重 徳川家春 徳川家斉 徳川家慶 徳川家定 徳川家茂 徳川慶喜
「誰よその男達ィィィ!!」
  
<三限目 徳川将軍>

「本日勉強するのは徳川一五代将軍。つまりこちらの方々です」
「む、家ばっかり名前に入っていて全くもって覚えられる気がしない」
「まあ、気持ちは分かりますが」
 波瑠の気持ちは六花も理解出来る。確かに同じ様な名前ばかりの十五人を覚えるというのはなかなかに難易度が高い。
「みんなおんなじ苗字なんて凄いな!昔は佐藤みたいな苗字が徳川だったんだな」
「「え?」」
 素っ頓狂すぎることを言い出したいろはに二人は全力で驚いた。
「そこまでだとは思いませんでした」
「む。徳川将軍達はみんな家族。息子とか孫とかに将軍の座を譲ってる」
「マジか!すげえな徳川!」
 本気で驚き関心をしている所からいろはは本気で徳川将軍が何たるかを理解していなかった様だ。
「まずは徳川将軍が何かから離さないといけませんかね」
「む。正直それは覚えてなくても良くない?徳川将軍とは何か、なんて問題出てこないでしょ」
「確かにそうですね」
 そんな分かりやすい問題は出てこないだろう。ならば今は一人でも将軍の名前を覚えた方がいいだろう。三人はまずそれぞれの方法で徳川将軍を覚えに入った。
「初代が家康。二代目が秀忠、ふむ」
「む。家康、家密?、違った?あー、秀忠、か」
「徳川家康?家康って何だ?変な名前だなぁ」
「あの、この方法ではいーさんが0点です」
 まずはそれぞれの勉強方法を、としたは良いがこれは何の勉強にもならない様だ。いろはが一人で勉強が出来るなどと思い上がったのが間違いだった。
「やはり一緒に勉強しましょう。初代は分かるでしょうからまずは二代目を確実に覚える事を集中しましょう」
「む。分かった」
「おうよ!一緒に勉強した方が楽しいもんなぁ!」
 楽しさ故に共に勉強をしようなどと言った訳ではないのだがひとまず勉強をするつもりになっただけ良しとしよう。六花は教科書に赤いマーカーを引き赤いシートを上に被せた。
「これで名前の部分だけ見えなくなります。さあ、十五代将軍の名前を書いていって下さい」
「え!?そんなの覚えてねぇよ!?」
「む?いきなり過ぎない?」
 六花から出題された問題に二人が文句を言う。しかし六花は二人の文句を真っ向から否定する。
「暗記科目は兎に角繰り返しです!まずは数人だけで良いのです。何度も何度も繰り返す事により覚えていくのです!」
 六花のやり方に二人は顔を歪ませる。確かに六花のやり方は勉強には有効な行いであろう。だがそれが正解かと言われると必ずしもそれが正解とは限らない。何より、
「そんなつまんない勉強したくねぇ」
「む。前みたいに個人個人で覚えて最後にテスト形式の方が楽しい」
 勉強をさせたい二人の友人はこのやり方の勉強を好まない様だ。
「むぅ。このやり方が一番効率がいいと思うのですが。しかしまあ、お二人がそのやり方をしたいと言うのなら良いでしょう」
「む、やった」
「おっしゃぁ!私が天才である事を教えてやるよ」
 こうしてまたしても以前の様に各自での勉強、そしてテストという形となった。
「そして数時間か経過した!」
「こうして数時間勉強するのならわたくしのやり方で数時間勉強して最後にテストをすれば良かったのでは!?」
「む、今更言っても後の祭り」
 さあテストの時間だ。彼女達の勉強の成果をご覧頂こう。
「おほん。まずは僭越ながらわたくしから」
「まあろっちゃんは面白い解答出来ないから初手だよな」
「む。面白くないからね」
「これは大喜利では無いのですよ!?本当に分かっていますか!?」
 激しいツッコミを入れた疲れを深呼吸して落ち着ける。そして、意を決して口を開いた。
「徳川家康! 徳川秀忠! 徳川家光! 徳川家綱! 徳川綱吉! 徳川家宣! 徳川家継! 徳川吉宗! 徳川家重! 徳川家春! 徳川家斉! 徳川家慶! 徳川家定! 徳川家茂! 徳川慶喜!」
「おー」
「おー」
「反応薄くありません!?しっかり言えたのにその反応は悲し過ぎますが!?」
 古くからの友人なのでこの様な反応になる様な気はしていた。していたが、いざ想像通りの反応をされると心に来る。
「む、次は私の番かな」
「やったれー!ぶちかましたれー!!」
「野球の応援じゃないんですから」
 しかし心の傷は思ったより簡単に塞がった。いつまでも悲しんでいると二人に心配されてしまうだろうから。それと恐らく慣れだろう。
「む!徳川家康!徳川秀忠!徳川家光!徳川、む。む?」
「止まってしまいましたね」
「まあ普通言えないよな!」
 楽しげに笑ういろはに波瑠が頬を膨らませる。
「む、侵害!私は言える!」
「言ってみろよぉ?言えるんだるぅぉぉ?いぃぃってみぃろぉよぉぉぉ?」
「む!幾らいーでも許せない!目に物を見せてやる!」
 波瑠が血管を浮き上がらせるほどに怒り、四代目徳川将軍の名を叫んだ。
「徳川茂茂!!!!!!」
 その名前は教室所か外のグラウンドにまで響いた。
「しょっ!」
「「将軍かよォォォォォォォォォォ!!!」」
「寿限無寿限無うんこ投げ機一昨日の新ちゃんのパンツ新八の人生バルムンク=ファザリオンアイザック=シュナイダー三分の一の純情な感情の残った三分の二はさかむけが気になる感情裏切りは僕の名前を知っている様で知らないのを僕は知っている留守スルメめだかかずのここえだめめだか・・・このめだかはさっきとちがうやつだから池乃めだかの方だからラー油ゆうていみやおうきむこうぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺお後かよろしいようてこれにておしまいビチクソ丸」
「ビ!ビチクソ丸かよォォォォォ!!!」
 ドヤ顔で高等呪文を唱えた波瑠に驚きながらいろはは膝から崩れ落ちた。
「以前から教わっていたので将軍の話にはついて行けましたが、何ですかその呪文は?」
「ふっ」
「ちくしょう!ちくしょぉぉぉぉぉう!」
 二人について行けずに苦笑いする六花を放ったらかしに波瑠は胸を更に張り、いろはは泣きながら床を殴りつけ続けた。
「そ、そろそろ勉強に戻りませんか?」
「む、ふぅぅぅうん!」
「あああああああああ!!!ぬっぐぅおおおおおおおおおん!」
「きったない泣き方ですね」
 涙だけでなく鼻水まで垂らし始めたいろはにポケットティッシュを差し出しながら素直な感想を口にする。
「ひ!酷い!!?びぇえぇぇえぇーーん!!!」
 その一言は思いの外刺さった様でいろはは更に強く泣いた。それもきったない鳴き声で。
「む。いーがこんなんになっちゃったら今日はもう勉強なんて無理。まだ時間じゃ無いけど、今日は早めに引き上げよう?」
「え、ええ。仕方が無いですね」
 こうして本日の勉学は終わりを迎えた。帰宅した後もいろはは心ここに在らずといった様子だったのでその後は勉強などできなかった。つまり何が言いたいかというと、テストで赤点を取った石森いろはは補習となったという事だ。
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