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二限目 元素記号表
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水兵リーベー 僕の船
七曲る シップス クラークか
「何言ってんだお前」
<二限目 元素記号表>
「む。明日のテストは科学。元素記号のテスト」
「その元素周期表は普通に覚えるには実に難しいので、語呂合わせにして覚えてしまおう!という為に作られた歌?ですね」
とある日の放課後。補習部(クラスメイトや先生達にそう呼ばれているだけでその様な部活動は存在しないが)の三人は前と同じ様に勉学に励んでいた。
「で、その語呂合わせで何を覚えろってんだよ」
「ですから元素記号です。水素、ヘリウム、えっと。水兵りーべーなので、リゾット?」
「む。水素ヘリウムリチウムベリリウムホウ素炭素窒素酸素フッ素ネオンナトリウムマグネシウムアルミニウムケイ素リン硫黄塩素アルゴンカリウムカルシウム。この基本的な元素をこの語呂合わせで覚えられる」
六花が解答に詰まった元素を波瑠がすらすらと答える。
「ろっちゃんは本当に理数系科目に弱いなぁ。この程度覚えとけよー」
「いーさんには言われたくないですが!?しかしはーさんは流石の知識量ですね」
「む。数学と理科には自信がある」
六花に褒められた波瑠は無表情でピースサインを見せる。この二人の成績は実に分かりやすく六花は国語、社会系の成績が良いが数学、理科系の成績が赤点ギリギリの成績だ。波瑠は数学は基本満点。科学や生物などは学年一位とまではいかずとも上位に名前がある。逆に国語や社会系の成績は赤点の常習犯だ。
「赤点なんてだっせーなはっちゃん!」
「む。いーの成績を述べるべき」
「国語8点!数学2点!社会14点!理科12点!英語0点だ!」
「分かっていましたが酷いですね」
いろはが堂々と中間試験の解答用紙を机に広げると六花は頭を抱え、波瑠は腹を抱えた。
「ふふふふ。ゴミ」
「シンプルな悪口!?やめろはっちゃん。その術は俺に効く」
「とにかく!次こそはこんな事にならない為にしっかりと元素記号を覚えていきますよ!」
こうして一同による勉強会が幕を開けた。
「すいけーひーけー!お前船降りろ」
「水平りーべー!僕の船です!!途中明らかにふざけてますよね!?」
「ろっちゃん。お前船降りろ」
「・・・本当に帰りますよ?」
「ろっちゃん!お前俺の仲間になれ!」
必死に勉学に取り組む事二時間。遂に勉強の成果を見せる時がやってきた!
「む。じゃあろーから行こうか。六谷六花で、元素記号の詩です。どうぞ」
「何ですかその音楽番組みたいなノリは」
波留がおもちゃのマイク(不用品なので本来は学校へ持ち込み禁止)を手に握ってサングラスの司会者の様な言い方で六花を呼ぶ。六花は恥ずかしそうにもじもじしながら教壇の前へたった。
「ろっちゃんのー!ちょっといいとこ見てみたい~!」
「む!飲んで飲んで飲んでー呑んでー」
「そのノリやめて下さい!せっかく覚えた元素記号が消えてしまいます!」
波留のコールは全く持って関係がないということにすら気づかない程六花は緊張している様だ。
「すー。はーぁ。よし、いきます!」
深く深呼吸をして六花は口を開いた。
水平りーべー僕の船! 七曲るシップスクラークか!
「「おおー」」
間違えずに言えた六花に二人は驚き拍手を送る。
「ぜってー間違えると思った」
「む。いーの下らない語呂に引っ張られると思った」
「信頼がない!?わたくしは優等生なので!この程度大した事はありませんよ!」
いろは歌の様に語呂がいいおふざけを出来なかった事をいろはが悔やみながらも六花は見事元素記号の語呂合わせを暗記出来た。
「む。じゃあ元素の名前は?」
「へ?」
と、一息ついたタイミングで不意打ちを喰らった。
「む。本来それを覚えるための語呂合わせ」
「それはそうなんですけども」
波留の圧に勝てずに六花はまたしても口を開く。
「水素、ヘリウム、リゾチウム」
「む。リチウム」
「リ、リチウム。ベリリウム、僕の船なので、ぼ?ぼっ、ぼって何です?」
「ホウ素」
元素記号の語呂合わせは覚えた。しかし、元素そのものは覚えていなかった。
「僕の船だからボだよな?なんでホウ素何だよ。ボウ素にすべきだろ」
「そっち変えるのですか?ほくの船にすべきなのでは?」
ここが語呂合わせの難しい所だ。語呂に合わせなければいけないので微妙に間違っている所がある。元素一個一個を覚えるよりは断然覚えやすいのだが、妙に紛らわしい。
「む。ではろーは補修。次、いー」
「任せろよ。私がばっちり決めてろっちゃんに教えてやるよ」
「む、その勢い。語呂合わせが終わったら元素そのもので行く」
六花が教壇から自分の席に戻る。そして代わりにいろはが教壇に立つ。
「さあ!刮目せよ!我が元素記号の詩!」
「歌じゃないんですけどね」
いろはが息を大きく吸い込み、祈る様に歌った。
やぁみんな。僕は水平のりーべー君だよ
「はい?」
今日はみんなに僕の船を紹介するよ
僕の船は斜めに曲がってるんだ。でも僕はそんな船も好きだよ
「む。斜めになったお前を、それでも愛そう」
「本日は海賊ネタ多いですね」
彼は航海士のシップス!そしてこっちは音楽家のクラークだよ。カッ!
「どうよ?」
「歌って何です!?」
「む!最後のカッ!がどうしても気になる!最高の話だったのにそこだけ手抜き感が凄い!!!」
二人の反応を見ていろはは誇らしげに鼻を摩った。
「褒めてはいませんよ?」
「む!質問に答えて!最後のカッ!どうにかならないの!?」
語呂合わせは謎の物語へと変貌を遂げたが、しっかりと肝心な部分は覚えていた。こちらの方が覚えやすいといろはが考えるのならそちらの方がいいのかも知れない。
「む。納得できないけど元素記号をどうぞ」
「ゲンソ、キゴー?」
「一つも覚えていないのですか!?」
「む。まあそんな気はしてた」
二時間にも及ぶ勉強は何だったのか。六花は語呂合わせを覚えたし元素記号ももう少し勉強すれば覚える事が出来るだろう。しかしいろはに至ってはまるで話にならない。
「えっと。水素ヘリウムリチウムベリリウムホウ素炭素窒素酸素フッ素ネオンナトリウムマグネシウムアルミニウムケイ素リン硫黄塩素アルゴンカリウムカルシウム」
「「!?!?!?」」
深いため息を吐いた二人の背後で、いろはは元素記号を呟いた。その衝撃の事実に思わず二人は勢いよく振り返り、いろはに鋭い頭突きをかました。
「ぐぁぁぁぁぁ!!」
「いたぁ!す、すみませんつい!」
「む、ダメージ。でもそこは重要じゃない」
波留が慌てていろはを見る。するとそこには、机に置かれた教科書があった。
「む」
その教科書を覗き込むとそこはやはり元素記号が書かれたページ。つまり。
「教科書を読んでただけ」
「紛らわしい事しないで下さい!」
「私が悪いのこれぇ!?」
「今日も騒がしいなー補習部。もう下校時間だぞー」
いつもの様に担任教師が補習部活動終了時間を告げに来る。本日の勉強はここまでだ。
「ひゃっほー!帰宅だー!公園でブランコ乗って帰ろーぜ!」
「む。ブランコよりジャングルジム」
「あ!まだ完全に覚えていないのですからわたくしのお家で続行ですよ!」
補修部の一日はこうして終わる。そして分かりきっていた話だが、いろはは無事補習となった。
七曲る シップス クラークか
「何言ってんだお前」
<二限目 元素記号表>
「む。明日のテストは科学。元素記号のテスト」
「その元素周期表は普通に覚えるには実に難しいので、語呂合わせにして覚えてしまおう!という為に作られた歌?ですね」
とある日の放課後。補習部(クラスメイトや先生達にそう呼ばれているだけでその様な部活動は存在しないが)の三人は前と同じ様に勉学に励んでいた。
「で、その語呂合わせで何を覚えろってんだよ」
「ですから元素記号です。水素、ヘリウム、えっと。水兵りーべーなので、リゾット?」
「む。水素ヘリウムリチウムベリリウムホウ素炭素窒素酸素フッ素ネオンナトリウムマグネシウムアルミニウムケイ素リン硫黄塩素アルゴンカリウムカルシウム。この基本的な元素をこの語呂合わせで覚えられる」
六花が解答に詰まった元素を波瑠がすらすらと答える。
「ろっちゃんは本当に理数系科目に弱いなぁ。この程度覚えとけよー」
「いーさんには言われたくないですが!?しかしはーさんは流石の知識量ですね」
「む。数学と理科には自信がある」
六花に褒められた波瑠は無表情でピースサインを見せる。この二人の成績は実に分かりやすく六花は国語、社会系の成績が良いが数学、理科系の成績が赤点ギリギリの成績だ。波瑠は数学は基本満点。科学や生物などは学年一位とまではいかずとも上位に名前がある。逆に国語や社会系の成績は赤点の常習犯だ。
「赤点なんてだっせーなはっちゃん!」
「む。いーの成績を述べるべき」
「国語8点!数学2点!社会14点!理科12点!英語0点だ!」
「分かっていましたが酷いですね」
いろはが堂々と中間試験の解答用紙を机に広げると六花は頭を抱え、波瑠は腹を抱えた。
「ふふふふ。ゴミ」
「シンプルな悪口!?やめろはっちゃん。その術は俺に効く」
「とにかく!次こそはこんな事にならない為にしっかりと元素記号を覚えていきますよ!」
こうして一同による勉強会が幕を開けた。
「すいけーひーけー!お前船降りろ」
「水平りーべー!僕の船です!!途中明らかにふざけてますよね!?」
「ろっちゃん。お前船降りろ」
「・・・本当に帰りますよ?」
「ろっちゃん!お前俺の仲間になれ!」
必死に勉学に取り組む事二時間。遂に勉強の成果を見せる時がやってきた!
「む。じゃあろーから行こうか。六谷六花で、元素記号の詩です。どうぞ」
「何ですかその音楽番組みたいなノリは」
波留がおもちゃのマイク(不用品なので本来は学校へ持ち込み禁止)を手に握ってサングラスの司会者の様な言い方で六花を呼ぶ。六花は恥ずかしそうにもじもじしながら教壇の前へたった。
「ろっちゃんのー!ちょっといいとこ見てみたい~!」
「む!飲んで飲んで飲んでー呑んでー」
「そのノリやめて下さい!せっかく覚えた元素記号が消えてしまいます!」
波留のコールは全く持って関係がないということにすら気づかない程六花は緊張している様だ。
「すー。はーぁ。よし、いきます!」
深く深呼吸をして六花は口を開いた。
水平りーべー僕の船! 七曲るシップスクラークか!
「「おおー」」
間違えずに言えた六花に二人は驚き拍手を送る。
「ぜってー間違えると思った」
「む。いーの下らない語呂に引っ張られると思った」
「信頼がない!?わたくしは優等生なので!この程度大した事はありませんよ!」
いろは歌の様に語呂がいいおふざけを出来なかった事をいろはが悔やみながらも六花は見事元素記号の語呂合わせを暗記出来た。
「む。じゃあ元素の名前は?」
「へ?」
と、一息ついたタイミングで不意打ちを喰らった。
「む。本来それを覚えるための語呂合わせ」
「それはそうなんですけども」
波留の圧に勝てずに六花はまたしても口を開く。
「水素、ヘリウム、リゾチウム」
「む。リチウム」
「リ、リチウム。ベリリウム、僕の船なので、ぼ?ぼっ、ぼって何です?」
「ホウ素」
元素記号の語呂合わせは覚えた。しかし、元素そのものは覚えていなかった。
「僕の船だからボだよな?なんでホウ素何だよ。ボウ素にすべきだろ」
「そっち変えるのですか?ほくの船にすべきなのでは?」
ここが語呂合わせの難しい所だ。語呂に合わせなければいけないので微妙に間違っている所がある。元素一個一個を覚えるよりは断然覚えやすいのだが、妙に紛らわしい。
「む。ではろーは補修。次、いー」
「任せろよ。私がばっちり決めてろっちゃんに教えてやるよ」
「む、その勢い。語呂合わせが終わったら元素そのもので行く」
六花が教壇から自分の席に戻る。そして代わりにいろはが教壇に立つ。
「さあ!刮目せよ!我が元素記号の詩!」
「歌じゃないんですけどね」
いろはが息を大きく吸い込み、祈る様に歌った。
やぁみんな。僕は水平のりーべー君だよ
「はい?」
今日はみんなに僕の船を紹介するよ
僕の船は斜めに曲がってるんだ。でも僕はそんな船も好きだよ
「む。斜めになったお前を、それでも愛そう」
「本日は海賊ネタ多いですね」
彼は航海士のシップス!そしてこっちは音楽家のクラークだよ。カッ!
「どうよ?」
「歌って何です!?」
「む!最後のカッ!がどうしても気になる!最高の話だったのにそこだけ手抜き感が凄い!!!」
二人の反応を見ていろはは誇らしげに鼻を摩った。
「褒めてはいませんよ?」
「む!質問に答えて!最後のカッ!どうにかならないの!?」
語呂合わせは謎の物語へと変貌を遂げたが、しっかりと肝心な部分は覚えていた。こちらの方が覚えやすいといろはが考えるのならそちらの方がいいのかも知れない。
「む。納得できないけど元素記号をどうぞ」
「ゲンソ、キゴー?」
「一つも覚えていないのですか!?」
「む。まあそんな気はしてた」
二時間にも及ぶ勉強は何だったのか。六花は語呂合わせを覚えたし元素記号ももう少し勉強すれば覚える事が出来るだろう。しかしいろはに至ってはまるで話にならない。
「えっと。水素ヘリウムリチウムベリリウムホウ素炭素窒素酸素フッ素ネオンナトリウムマグネシウムアルミニウムケイ素リン硫黄塩素アルゴンカリウムカルシウム」
「「!?!?!?」」
深いため息を吐いた二人の背後で、いろはは元素記号を呟いた。その衝撃の事実に思わず二人は勢いよく振り返り、いろはに鋭い頭突きをかました。
「ぐぁぁぁぁぁ!!」
「いたぁ!す、すみませんつい!」
「む、ダメージ。でもそこは重要じゃない」
波留が慌てていろはを見る。するとそこには、机に置かれた教科書があった。
「む」
その教科書を覗き込むとそこはやはり元素記号が書かれたページ。つまり。
「教科書を読んでただけ」
「紛らわしい事しないで下さい!」
「私が悪いのこれぇ!?」
「今日も騒がしいなー補習部。もう下校時間だぞー」
いつもの様に担任教師が補習部活動終了時間を告げに来る。本日の勉強はここまでだ。
「ひゃっほー!帰宅だー!公園でブランコ乗って帰ろーぜ!」
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