いろはにほへと ちりになれ!

藤丸セブン

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十七限目 これだからデータ連連は

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 ソシャゲとは、ソーシャルアプリケーションゲームの省略であり、SNS上をプラットフォームとして遊ぶアプリケーションゲームのこと
「今回のは作者の体験談だぜ」

 <十七限目 これだからデータ連携は>

「いーさーん。来ましたよー」
「む、開けろー」
 時刻は放課後。本日の補習部の活動はいつもの教室、ではなくいろはの家で行われる。何とか科目に当て嵌めるなら、恐らく情報処理の補習だ。それは昨日のいろはが突然言い出した事なのだが。
「助けてくれぇぇ!!」
 いろはの家の玄関が勢い良く開くといろはが転がる様に玄関から転がってきた。
「本当に転がってきた!?転がる様にって比喩じゃないんですか!?」
「む、中々良い回転」
「悪いな!今の私はそのおちゃらけに反応してやれる余裕がない!頼む!早く助けてくれ!」
 普段からふざけすぎていていろはの話す言葉の八割はおふざけである。そのいろはの余裕が限りなく無い。その状況に二人は冷や汗を流した。
「な、何があったんですか!?」
「わ、わたし、私のゲームのデータが飛んだんだよぉぉ!!!」
 心配して損した。六花の目はその様な事を物語る程に冷ややかだった。
「む、とりあえずわざわざ来たんだし中に入れてよ」
「そうだな。とりあえず入れよ。そんでデータ直してくれ」
 無茶を言いながら立ち上がりいろはは中へ二人を入れる。そのまま手を洗い三人はいろはの部屋へ。
「汚い部屋ですね」
「乙女に向かってなんたる酷い事を」
 いろはの部屋は物がぐちゃぐちゃに置いてあり、足の踏み場がない。と、言う程でもないものの、物が多過ぎてとても綺麗な部屋とは言えなかった。
「それで?データが消えたって?最近のゲームは一手間加えないとデータって消えないと思ってたけど」
「これだ!見てくれ!」
 いろはが指し示したのはテレビの画面。いろはの言うゲームとはテレビやモニターと接続して遊ぶ家庭用ゲーム、プレイス◯ーションの最新型だった。
「む、これはソシャゲ?」
「そうそう!スマホじゃあ容量が足りなくて泣く泣く消したんだけどな!こっちでも配信されたからこっちで遊んでたんだ!」
「・・・すみません、話について行けないのですが」
 普段あまりゲームをしない六花が二人の会話について行けずにギブアップする様に手を上げる。これはつまり簡単に言うと。
「スマホゲームがこっちでも出来るよって事だな」
「なるほど、それは分かった気がします」
 今はスマホという便利なアイテムだけでなく家庭用ゲームまで常に進化を続けている。かく言う作者もこの小説をスマホで書いているというのも進化のお陰だ。昔の文豪はいちいち紙に筆で字を書いていたというのに。
「パソコンで書いてねぇーんだ」
 スマホの方が隙間時間に書けるし、何より打ち込むのが早い。まあ、その分誤字脱字も多くなるのだけれど。・・・話を戻してもらいましょうか。
「む。それで?これの何処がデータが飛んだって?」
 波留はコントローラーを持って画面上にいるキャラを自在に操っていた。見た所しっかりとゲームはプレイ出来ている。
「よーく見てみろよ」
「む?あ。レベルが一だ」
 いろははこのゲームをそこそこやり込んでいたのでキャラのレベルくらいはマックスになっているし限定のキャラクターも数人は持っていた。しかし今のデータでは操作できるキャラは主人公のみ。つまり完全に初めからになっているのだ。
「どうしかしてくれよぉ!このままじゃ私の一四八時間がパーだ!」
「む、リアルな時間だなぁ。でも安心するといい。こういうゲームはアカウントのデータが一瞬で消える事はない。いー、何したの?」
「データ連携だよ」
 説明しよう!データ連携とは、スマホでプレイしている人がスマホとプレステ両方で同じアカウントで遊べる様に文字通りデータを連携する事だ。その他にも一度ゲームを辞めてしまっても連携していればそのゲームを続きから遊べたり、連携する事によってアイテムが貰えたりと中々便利な機能なのである。
「む、データ連携をしようとしたら上手く出来ずに新規アカウントが作られたと、なるほどなるほど」
「頼むはっちゃん!私の一四八時間を取り戻してくれぇ!」
「む、こういうのはアカウントを切り替えればいいだけ。一度ログアウトしてログイン画面でアカウントを切り替える。それだけで解決」
「流石はっちゃん!私達に出来ない事を平然とやってのける!そこに痺れる憧れるぅ!」
 サラッと六花にも出来ない事だと決めつけるいろはだが実際六花も出来ないのでツッコミはなし。
「これ、わたくし要りました?」
「「いらない」」
 ゲームのアカウントを切り替える為に呼んだ助っ人として六花はあまりに無力だった。そんな六花までもを呼びつけたのはいろはに余裕が無かったからか。それとも単純にバカだからなのか。
「む?」
「どうしたはっちゃん!?」
「アカウント切り替えボタンがない」
 そんな話をしながらも波留は黙々と作業をしていたが、ここで壁にぶつかる。どうやらアカウントを切り替えるボタンが見つからない様だ。
「いー。アカウント切り替えで検索」
「ガッテン!」
「これ、本当にわたくし要りませんね」
 スマホでその単語を打ち込むことくらい六花にも出来るが、コントローラーは一つでその一つは波留が握っている。そしてアカウント切り替えの検索をするのはゲームの事をほとんど知らない六花より実際にゲームをプレイしているいろはの方が適役だ。本当に六花は座っているだけだった。
「お茶でも淹れてきましょうか?」
「場所分かるか?」
「・・・分かりません」
 完全に無力だった。
「む、ろーは不安でオロオロしてるいーの話し相手になってあげて」
「は、はい」
「待った、今検索で忙しい」
 完全に、無力、なのだった。
「はっちゃん!出てこねえぞ!?データ連携のやり方とか失敗したとか言う人のコメントはあるけど、アカウント切り替えの情報が一切ない!」
「む?このゲーム、アカウント切り替えが出来ない?じゃあ方法を変える。その失敗した人のコメント見せて。多分一個くらいは上手く出来たものがある筈」
「わ、わたくしも一応調べてみます!」
 作業を一度中止して三人でデータ連携のやり方を見る。そして一度は連携に失敗したものの無事に連携が完了したというコメントを見つけた。
「む!これだ!さっそくこの手順通りに操作する」
「流石はっちゃん!私達に出来ない事を平然とやってのける!そこに痺れる憧れるぅ!!」
「この短いスパンで同じネタ二回やる事なんて中々ないですよね」
 安心しきったいろはは波留の作業が終わるまで六花と雑談を始めた。これで一安心だ。せっかくいろはの家に来たのだから今日はこのまま三人でゲームでも、と思っていた。
「む!出来た!これがいーのアカウント!」
「おおおおおおおお!お?おぉ?」
 データ連携を一度切り離し再度繋げ直す。そうして復活したいろはのアカウントは。
「・・・これ、容量の問題で入れたものの直ぐに消したもうやってないアカウントだ」
 なんと、違うアカウントだった。
「マジか」
「はーさん!アイデンティティが無くなってますよ!?」
 いろはの衝撃の言葉に波留が思わず「む」という特徴的な言葉を忘れて小さく呟いた。
「なんだよぉ!帰ってくるんじゃなかったのかよぉ!私の一四八時間!!」
「む!まだ慌てる様な時間じゃない!いー!こっちでやってたアカウントの連携コードは!?」
「そんなのねえよ」
「む?」
 普段とは違って実に弱々しく呟くいろはに波留が首を傾げる。
「そんなもんはねぇよ!?それを作る為にデータ連携してこうなってんだろうがぁ!!」
「む、そうだった」
 思わず波留に掴み掛かるいろはの目尻には薄らと涙が浮かんでいた。それだけこのゲームが好きだったのだろう。
「むっ!?おっおっ、おっ。もちつけ!」
「落ち着けでしょう?はーさんまで動揺してどうするんですか」
「む、ついつい。こんな取り乱すいろは久しぶりに見たから」
 床に倒れ込むいろはの目に正気はなく口からはいろはの魂が手を合わせて飛び出ていた。
「むっ!ま、まだ舞える!こういう時は自分達でなくプロに頼む!」
「プロ?」
「そう!普通にゲームの会社にお問い合わせをする!!」
 困った時のカスタマーサービスだ。そしてそのサービスを利用するのは何も恥では無い。そして波留はそのメールを送り、数時間後に返信が返ってきた。
「来た!」
 それは、こちらの悩みに自動で回答してくれる定型文だった。
「む、まあまあ!これでも解決方法が分かれば」
 そこに書いてあって事は、先ほど波留がやった行為と全く同じ事だった。
「終わった」
 こうして、いろはのゲームのデータは倉庫の奥へと追いやられたのだっ
「まだ!もう一通送ればいいだけ!必ずいーのデータを取り戻して見せる!!」
 まだ波留の闘志は尽きていない。そうして二度目のメールを送った。
 
 これは実際に作者に起こった出来事です。作者が現実で送ったメールでアカウントが復活すればいろはにもアカウントが戻ります。作者のアカウントが戻らなければ・・・
 
 次回か、その次回か。作者といろはのアカウントがどうなったのかは、その時にお話出来れば幸いです。 十七限目!完!
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