【完結】ど近眼悪役令嬢に転生しました。言っておきますが、眼鏡は顔の一部ですから!

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33 ど近眼魔女ともうひとりの魔女

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 頭が痛くなって膝をつきそうになった。その時、温かくて柔らかい気配が私を包んだのだ。



 “ぼくがいますよ。ぼくはどんな状況でだって、絶対にアリア様のお側を離れません”


 “アリア様は、やっぱりぼくがいないとダメですね”



 そして、いつも私を優しく見つめてくれる蜂蜜色の瞳を思い出したのだった。





「コハク…………!」














 ***






『……君は、ボクの会いたい“誰か”を知っているの?』

 いつの間にか世界は一面真っ白になっていて、消え去った全ての代わりに淡く輝く小さな光が目の前にいた。その小さな光が私に問いかけてきた。

「あなたは……?」

 しかしその小さな光は私の言葉には反応せず、弱々しい声で話し続けてきた。

『……ボクね、ずっと“探してた”んだ。でもどこにもいないから、疲れちゃったの。だから人間の国でお休みしてたら怖い人間に見つかっちゃったんだ。人間はボクのお話なんて聞いてくれないし、痛いことばっかりしてくるんだよ。だからね、もう人間なんて全部壊しちゃおうかなって思ってたら……魔女さんが言ったの』

「魔女?」

『魔女さんはね、ボクの探してる“誰か”に会えるのはきっともう少し後だからしばらく眠ってるといいよって言ったんだ。その時がくるまでボクの体を守ってあげるよってちょっぴり苦いお薬をくれたの。それからボクはずっと眠っていたんだけど……そう言えばあの魔女さん元気かなぁ?うっかり未来を変えちゃいけないからボクと出会った自分の記憶もお薬で消すけど、必ず“優しい魔女”がボクを“誰か”に会わせてくれるから待っててねって言ってたのに……ちゃんと迷子にならずにに帰れたのかなぁ?』

「…………」

 まさか。そんな考えが脳裏によぎる。いや、でも年代が合わないんじゃ……ううん、それより師匠って何歳だったっけ?確かに師匠の魔力は凄かった。薬作りだって。それに魔女の村との繋がりもある。いつ?どのタイミングで?でも、師匠は自分の命をかけたときだってそんな事ひと言も……いや、記憶を消したって言った?


 確信は無いけれど……もしかしたら……………?

 私が混乱しながら黙っていると、小さな光は私の周りをくるくると回りだした。

『……君はボクの探していた“誰か”じゃないみたいだけど、君の魔力はなんだか安心する…………。

 ねぇ、君はボクの会いたい“誰か”を知ってるの?』

 最初と同じ事を言って、小さな光は私の目の前で動きを止めた。

「────あなたの会いたい“誰か”が、誰なのかは私は知らないの。でも、あなたに会ってもらいたい“誰か”ならいるわ。……それは、私の“大切な人”なの」

『…………さっき君が見ていたのは、“もしも”の世界だよ。魔女さんが言ってたんだ、優しい魔女もその時にボクと同じように“大切な人”がいるはずだよって。でも、あの魔女さん以外の人間なんて信じられなかったから……人間はその“大切な人”がいない“もしもの世界”でも平気なんじゃないかって思っちゃって……ごめんなさい』

 そう言って、小さな光はグリフォンの姿となり……私の腕の中におさまったのだった。


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