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第三章
偶然の出逢い SIDE 仁③
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人だかりの先には、胸を押さえて蹲る老人と老人の背を擦る女性。
そして、人だかりにはうちの社員や面接を受けに来ただろう学生。誰も、見ているだけで助けようとはしない……。
女性は、周りを気にする事なく座り込み、老人に話しかけ様子を見ている。
俺は、人だかりにいたうちの社員だろう男性に声をかけた。
「救急車は?」俺の問いかけに、前を見たまま返事する。
「えっ、その女性が呼んでましたよ」
座り込む女性を指差し他人事のように言い振り返った瞬間、きっと俺が誰か認識し驚き固まる。
その時、遠くから救急車のサイレンが――
俺は、女性と老人の元にしゃがみ込む。
「大丈夫ですか?」
「あっ、まだ意識はあるんですが、かなりの痛みのようです」と女性が顔をあげ俺を見た。
その瞬間、俺は彼女に落ちた。
整った顔立ちに加え、心から老人を心配している様子が内面から伝わった。ただ、彼女は俺の事をただ声をかけてきた男性としての認識しかないと思う。
「もうすぐ救急車が来ますからね」ともう俺を気にする事なく老人に話しかけている。
その時、救急車を誘導すべく春樹が動き出しているのが見えた。邪魔になる人だかりを散らしている。
よく見ると彼女も最終面接を受けに来た学生なのだろう。スーツを着ている。
救急車が到着し、救急隊員が手際よく老人をストレッチャーに乗せている横で、彼女は何かをメモしている。
救急隊員が「どなたが救急車に乗っていかれますか?」との問いかけに、彼女が返事しそうだった。
「あなたは、面接があるんじゃないですか?」
「えっ、はい……」
「あとは、こちらで付き添いますので、大丈夫ですよ」
「ホントですか⁉️ありがとうございます」
彼女も通りがかりで老人とは他人のはずなのに、俺に心から感謝している表情だ。
「面接頑張って下さい」
「ありがとうございます。あのっ、あの方に聞ける範囲で聞いた内容をメモしたので、救急隊員の方に渡していただけますか?では、お願い致します。失礼します」
地面に落ちた荷物を拾い走って行ってしまった。
手元に託されたメモには、彼女の人柄を現すような綺麗な字で、老人の名前と連絡先と持病などが書かれていた。
きっと痛む老人の背を擦りながら、必要事項を合間に聞いたのだろう。これがあるだけで、ご家族にすぐに連絡ができる。
「春樹、これ」
「これは?」
「さっきの女性が置いていった」
メモを見た春樹も感心する。緊迫した状況で人を助け、救急車を呼び、必要な事を聞き出しているのだ。
「専務、俺が救急車に乗って行きます」
「ああ。頼む」
こうして、春樹が救急車に乗り込み病院に向かった。老人は、早く病院搬送されたため一命を取りとめた。しかも、驚く事に親父の古くからの友人だったのだ。親父に会いに来て、社を出たところだったらしい。親父にも感謝された。
彼女の名前を聞きそびれたが、うちの社の人事が人を見る目があれば採用しているだろう……。
信じたい――
彼女の姿を城之内で見つけるのが楽しみだ。
独身の『世界の城之内』のJJ様が運命の女性と出会った瞬間だ。
そして、人だかりにはうちの社員や面接を受けに来ただろう学生。誰も、見ているだけで助けようとはしない……。
女性は、周りを気にする事なく座り込み、老人に話しかけ様子を見ている。
俺は、人だかりにいたうちの社員だろう男性に声をかけた。
「救急車は?」俺の問いかけに、前を見たまま返事する。
「えっ、その女性が呼んでましたよ」
座り込む女性を指差し他人事のように言い振り返った瞬間、きっと俺が誰か認識し驚き固まる。
その時、遠くから救急車のサイレンが――
俺は、女性と老人の元にしゃがみ込む。
「大丈夫ですか?」
「あっ、まだ意識はあるんですが、かなりの痛みのようです」と女性が顔をあげ俺を見た。
その瞬間、俺は彼女に落ちた。
整った顔立ちに加え、心から老人を心配している様子が内面から伝わった。ただ、彼女は俺の事をただ声をかけてきた男性としての認識しかないと思う。
「もうすぐ救急車が来ますからね」ともう俺を気にする事なく老人に話しかけている。
その時、救急車を誘導すべく春樹が動き出しているのが見えた。邪魔になる人だかりを散らしている。
よく見ると彼女も最終面接を受けに来た学生なのだろう。スーツを着ている。
救急車が到着し、救急隊員が手際よく老人をストレッチャーに乗せている横で、彼女は何かをメモしている。
救急隊員が「どなたが救急車に乗っていかれますか?」との問いかけに、彼女が返事しそうだった。
「あなたは、面接があるんじゃないですか?」
「えっ、はい……」
「あとは、こちらで付き添いますので、大丈夫ですよ」
「ホントですか⁉️ありがとうございます」
彼女も通りがかりで老人とは他人のはずなのに、俺に心から感謝している表情だ。
「面接頑張って下さい」
「ありがとうございます。あのっ、あの方に聞ける範囲で聞いた内容をメモしたので、救急隊員の方に渡していただけますか?では、お願い致します。失礼します」
地面に落ちた荷物を拾い走って行ってしまった。
手元に託されたメモには、彼女の人柄を現すような綺麗な字で、老人の名前と連絡先と持病などが書かれていた。
きっと痛む老人の背を擦りながら、必要事項を合間に聞いたのだろう。これがあるだけで、ご家族にすぐに連絡ができる。
「春樹、これ」
「これは?」
「さっきの女性が置いていった」
メモを見た春樹も感心する。緊迫した状況で人を助け、救急車を呼び、必要な事を聞き出しているのだ。
「専務、俺が救急車に乗って行きます」
「ああ。頼む」
こうして、春樹が救急車に乗り込み病院に向かった。老人は、早く病院搬送されたため一命を取りとめた。しかも、驚く事に親父の古くからの友人だったのだ。親父に会いに来て、社を出たところだったらしい。親父にも感謝された。
彼女の名前を聞きそびれたが、うちの社の人事が人を見る目があれば採用しているだろう……。
信じたい――
彼女の姿を城之内で見つけるのが楽しみだ。
独身の『世界の城之内』のJJ様が運命の女性と出会った瞬間だ。
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