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第五章
必然の出逢い SIDE 仁①
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彼女との出逢いから時は過ぎ、新入社員が入社してくる時期を迎えた。わが社の入社式は、グループ全体で行う。
城之内のオフィスビル内の大ホールには、真新しいスーツを着たたくさんの緊張した面持ちの新入社員達。
前の壇上では、社長である親父が挨拶をしている。俺は傍らに立ち、新入社員を見回す。例年なら全く興味がわかないが、今年度は彼女が入社しているかもしれないのだ。
見回していると、何人もの女性社員が俺を見ている。それはいつもの事なので気にもしない。勘違いされないように、決して目を合わせない。
そして見回していると、『いた!』彼女だ。凛とした表情で背筋をピンと伸ばし、社長である親父を真剣な表情で見ている。
予想通り俺には全く気づいておらず、そして興味を示すこともない。自意識過剰と言われるかもしれないが、俺は今日まで女性の視線をたくさん浴びて生きてきた。
もちろん、俺が望んだ訳ではないが、家柄と容姿に魅力を感じる女性は少なくない……。
生まれて初めて経験するこの気持ち。
遊んだ時期もあったが、こんなに自ら欲するのは初めてだ。
意識は完全に彼女に向いているが、その間も式は進んでいく。
「次に城之内専務より、新入社員へお祝いの言葉をいただきます」
司会者から名前を呼ばれハッとする。慌てた様子を表情に出さないように、そして隙を作らないように、改めて表情を引き締め壇上へ行く。皆の視線が俺に集まる。もちろん彼女の視線もだ。
「ようこそわが城之内グループへ。ここに居る皆さんは沢山の就職希望者から選ばれし人材です。城之内と縁があってここにいる。自信をもって仕事に励んでほしい。城之内に就職したことがゴールではなく、スタートです。そして、今年度入社した仲間は、同期でありライバルなのです。学生時代とは違う事を自覚してほしい。実力はもちろん努力は必ず報われる。誰かを蹴落とす事を考えるのではなく、誰かより一歩前に出る努力をしてほしい。私からは以上です」
口調は丁寧にしかし淡々と話す俺を、女性社員達からは憧れの眼差し、男性社員からは尊敬の眼差しを感じる。そして、彼女はひとり真面目な表情だ。全く読めない……。
城之内のオフィスビル内の大ホールには、真新しいスーツを着たたくさんの緊張した面持ちの新入社員達。
前の壇上では、社長である親父が挨拶をしている。俺は傍らに立ち、新入社員を見回す。例年なら全く興味がわかないが、今年度は彼女が入社しているかもしれないのだ。
見回していると、何人もの女性社員が俺を見ている。それはいつもの事なので気にもしない。勘違いされないように、決して目を合わせない。
そして見回していると、『いた!』彼女だ。凛とした表情で背筋をピンと伸ばし、社長である親父を真剣な表情で見ている。
予想通り俺には全く気づいておらず、そして興味を示すこともない。自意識過剰と言われるかもしれないが、俺は今日まで女性の視線をたくさん浴びて生きてきた。
もちろん、俺が望んだ訳ではないが、家柄と容姿に魅力を感じる女性は少なくない……。
生まれて初めて経験するこの気持ち。
遊んだ時期もあったが、こんなに自ら欲するのは初めてだ。
意識は完全に彼女に向いているが、その間も式は進んでいく。
「次に城之内専務より、新入社員へお祝いの言葉をいただきます」
司会者から名前を呼ばれハッとする。慌てた様子を表情に出さないように、そして隙を作らないように、改めて表情を引き締め壇上へ行く。皆の視線が俺に集まる。もちろん彼女の視線もだ。
「ようこそわが城之内グループへ。ここに居る皆さんは沢山の就職希望者から選ばれし人材です。城之内と縁があってここにいる。自信をもって仕事に励んでほしい。城之内に就職したことがゴールではなく、スタートです。そして、今年度入社した仲間は、同期でありライバルなのです。学生時代とは違う事を自覚してほしい。実力はもちろん努力は必ず報われる。誰かを蹴落とす事を考えるのではなく、誰かより一歩前に出る努力をしてほしい。私からは以上です」
口調は丁寧にしかし淡々と話す俺を、女性社員達からは憧れの眼差し、男性社員からは尊敬の眼差しを感じる。そして、彼女はひとり真面目な表情だ。全く読めない……。
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