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第九章
全力の愛③
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最上階の最奥にある重厚な扉。
真琴は、城之内社長と自分の間にある厚い壁に感じる。真琴の思いと反して躊躇なくノックする春樹。
『コンコン』
「はい」
「月野さんをお連れしました」
「ああ。入ってくれ」
「月野さん、どうぞ」
扉を開け中へ入るように促された。
「はい……」今すぐ逃げ出したい衝動に駆られるが、入るしかない。
仁は、今か今かと待っていた。
「真琴、こっちへおいで」
仁に呼ばれ恐る恐る部屋に入り驚く。最上階の大きな窓からは、素晴らしい夜景が広がり、部屋は見たこともない広さに豪華なつくりで言葉も出ない。
城之内不動産の社長室とは比べ物にならない。どちらかと言えば、先日目覚めた高級ホテルのスイートルームに近い。
入口近くに立ち止まり戸惑う真琴を、仁が迎えに行く。
「真琴、黙り込んでどうした?」
「えっ?いえ……」
「思っている事を素直に言ってくれ」
「あの、世界が違いすぎて……」
「戸惑う気持ちはわかるが、頼むからそれで俺という人間を判断しないでくれ」
「でも……」
「真琴にわかってもらいたいのは、俺という個人であって、城之内ではない」
「ですが……」
「俺はひとりの男として真琴を愛してるんだ」
真剣な眼差し。真琴の不安をものともしない、決意と情熱。
「……」
「真琴の全てを俺が背負う。俺の伴侶として、これからの人生、俺の隣で愛されてくれないか?」
「城之内……」と言いかけた瞬間、仁の唇が真琴の唇に重なる。『チュッ』と音と共に解放される。真琴は驚きで思わず口を両手で押さえた。
「仁。仕事が終わったら名前で呼ぶ約束だろ」
ふたりの世界に「コホン」と咳払いが邪魔をする。春樹の存在を忘れていたのだ。
「なんだ?春樹覗き見か?」
「あなたが、私の存在を無視してるんでしょう」
「もう、用はないから帰ってくれて構わない」
「はぁ~。では、お先に帰らせていただきます。明日の午後発でドバイに戻りますよ?」
真琴は、城之内社長と自分の間にある厚い壁に感じる。真琴の思いと反して躊躇なくノックする春樹。
『コンコン』
「はい」
「月野さんをお連れしました」
「ああ。入ってくれ」
「月野さん、どうぞ」
扉を開け中へ入るように促された。
「はい……」今すぐ逃げ出したい衝動に駆られるが、入るしかない。
仁は、今か今かと待っていた。
「真琴、こっちへおいで」
仁に呼ばれ恐る恐る部屋に入り驚く。最上階の大きな窓からは、素晴らしい夜景が広がり、部屋は見たこともない広さに豪華なつくりで言葉も出ない。
城之内不動産の社長室とは比べ物にならない。どちらかと言えば、先日目覚めた高級ホテルのスイートルームに近い。
入口近くに立ち止まり戸惑う真琴を、仁が迎えに行く。
「真琴、黙り込んでどうした?」
「えっ?いえ……」
「思っている事を素直に言ってくれ」
「あの、世界が違いすぎて……」
「戸惑う気持ちはわかるが、頼むからそれで俺という人間を判断しないでくれ」
「でも……」
「真琴にわかってもらいたいのは、俺という個人であって、城之内ではない」
「ですが……」
「俺はひとりの男として真琴を愛してるんだ」
真剣な眼差し。真琴の不安をものともしない、決意と情熱。
「……」
「真琴の全てを俺が背負う。俺の伴侶として、これからの人生、俺の隣で愛されてくれないか?」
「城之内……」と言いかけた瞬間、仁の唇が真琴の唇に重なる。『チュッ』と音と共に解放される。真琴は驚きで思わず口を両手で押さえた。
「仁。仕事が終わったら名前で呼ぶ約束だろ」
ふたりの世界に「コホン」と咳払いが邪魔をする。春樹の存在を忘れていたのだ。
「なんだ?春樹覗き見か?」
「あなたが、私の存在を無視してるんでしょう」
「もう、用はないから帰ってくれて構わない」
「はぁ~。では、お先に帰らせていただきます。明日の午後発でドバイに戻りますよ?」
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