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11話
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久しぶりの筋トレに...いや、あんなにガチめにやったのは初めてか。
とにかく身体ががくがく。もう一歩も歩けない。
これをほぼ毎日やってるって言うからすごい。
そりゃああんなムキムキにもなるよ。
でもなんか楽しかった!って言うと不謹慎かもだけど。高校の部活みたいにはしゃいだ気がする。
短剣を持った時はやっぱり少し怖かった。これを振ったら誰かが傷つく。身を守るためには必要なことだと言い聞かせているものの、自分にそんなことできるんだろうか。
そんな心の内を読み取ったように短剣を素振りしている時にヴィスが言った。
『チヒロは人に向けて振る練習をした方がいい』
見透かされたようでドキっとした。
でも嫌だなんて言えなくて、丸腰のライドさんに向かって振ることになってしまった。
正直、正面に居るだけでも怖い。
だってもしライドさんに当たっちゃったら?
よく考えたら俺のへろへろな素振りが当たるわけないんだけどさ、その時はそんなこと考えられなくて。
でも手からすっぽ抜けてあらぬ方に飛んでったら?
そんなことを考えていたらキリがない。そんなことはわかってるんだけど。
まぁ結局当たるどころか掠りもしなかったけどね。
ベッドにうつ伏せでぶっ倒れると今すぐにでも寝てしまいそうだ。
だけど扉がバタンと音を立てたもんだからなんとか瞼を持ち上げた。
「ん.....。狼さん....?」
起き上がる体力は残っていないので顔だけ向けると大きな影が音もなくベッドへと上がってくる。
今日も来てくれたんだ。嬉しいけどすぐ寝ちゃいそうだなぁ...。
心配してくれているのか鼻先でつんつん頬を突いてくる。
やば。可愛い。
「ふふっ、かわいいなぁ。今日も一緒に寝てくれるの?」
うつ伏せのまま耳裏を優しく撫でる。
部屋が暗いので表情は見えないが嫌がる素振りは見せない。
すると、前足を背中に乗せて足踏みするかのように交互に足を背中に押し付けてくる。
「んっ....もしかしてマッサージしてくれてる....?うわ、めっちゃきもちいなにこれー.....」
え、本当にマッサージ?めっちゃ頭よくない?ってかめっちゃ優しくない?そしてめっちゃ上手くない?
柔らかすぎずしっかりとした肉球の感触が背中に伝わってくる。
それが可愛くて、気持ちよくてあっという間に夢の世界へと誘われた。
◇◇◇◇
翌朝、やっぱりもう狼さんの姿はなくて案の定全身筋肉痛。
全身筋肉痛とか初めてなったんだけど。
痛くてゆっくりしか動けない。
今日もトレーニングの予定が入っているので痛いけど念入りにマッサージとストレッチをした。
もちろん昨日の夜もちゃんとしたんだけどね。
「今日も無事か?」
今日の護衛はローレン。
「無事じゃないよ。全身筋肉痛」
「えっ!?全身!?」
え、なんでそんなに驚くの?
お前どんだけ運動してないんだよ、的な感じ?
そりゃあここの人たちに比べたらそうかもしれないけどさっ。
「そんな驚くことないじゃん。あんな筋トレしたの初めてだしさ」
日本は平和な国なんですっ。
「あ、ああ、昨日の訓練でか。びっくりした...」
他になにがあるんだ。
「筋肉痛が酷いなら今日の訓練は中止だな」
「えっ?なんで?」
「効率が悪いから。今日は散歩程度にしておけ」
「そうなんだ。でもちょっと申し訳ないな...。早く力つけたいのに」
「焦りは怪我の元にもなる。自分のペースでゆっくりやればいいよ」
そう言ってくしゃくしゃっと頭を撫でられた。
ここの人たちは頭撫でるの好きなのか?
ってかみんな優しすぎない?
今おんぶに抱っこ状態なのに。言うなれば穀潰しなのに。
何か俺にも手伝えることがないだろうか?
そう聞いてみても「体力づくりに専念してくれればいいから」と言われてしまった。
それならこっちにも考えがあるもんね!
「なら、散歩の時仕事の邪魔しない程度でいいからまだ喋ったことない人たち紹介してくれないかな?」
「ん?なんで」
「なんでって、早く仲良くなりたいからに決まってるでしょ」
「それも焦るようなことじゃないだろ」
「でもたくさん居るし少しずつ覚えていったほうがいいでしょ?」
「まぁ....それもそうか」
よし!みんなと仲良くなろう大作戦決行!
仲良くなるにはまず名前を覚えないとね!
とにかく身体ががくがく。もう一歩も歩けない。
これをほぼ毎日やってるって言うからすごい。
そりゃああんなムキムキにもなるよ。
でもなんか楽しかった!って言うと不謹慎かもだけど。高校の部活みたいにはしゃいだ気がする。
短剣を持った時はやっぱり少し怖かった。これを振ったら誰かが傷つく。身を守るためには必要なことだと言い聞かせているものの、自分にそんなことできるんだろうか。
そんな心の内を読み取ったように短剣を素振りしている時にヴィスが言った。
『チヒロは人に向けて振る練習をした方がいい』
見透かされたようでドキっとした。
でも嫌だなんて言えなくて、丸腰のライドさんに向かって振ることになってしまった。
正直、正面に居るだけでも怖い。
だってもしライドさんに当たっちゃったら?
よく考えたら俺のへろへろな素振りが当たるわけないんだけどさ、その時はそんなこと考えられなくて。
でも手からすっぽ抜けてあらぬ方に飛んでったら?
そんなことを考えていたらキリがない。そんなことはわかってるんだけど。
まぁ結局当たるどころか掠りもしなかったけどね。
ベッドにうつ伏せでぶっ倒れると今すぐにでも寝てしまいそうだ。
だけど扉がバタンと音を立てたもんだからなんとか瞼を持ち上げた。
「ん.....。狼さん....?」
起き上がる体力は残っていないので顔だけ向けると大きな影が音もなくベッドへと上がってくる。
今日も来てくれたんだ。嬉しいけどすぐ寝ちゃいそうだなぁ...。
心配してくれているのか鼻先でつんつん頬を突いてくる。
やば。可愛い。
「ふふっ、かわいいなぁ。今日も一緒に寝てくれるの?」
うつ伏せのまま耳裏を優しく撫でる。
部屋が暗いので表情は見えないが嫌がる素振りは見せない。
すると、前足を背中に乗せて足踏みするかのように交互に足を背中に押し付けてくる。
「んっ....もしかしてマッサージしてくれてる....?うわ、めっちゃきもちいなにこれー.....」
え、本当にマッサージ?めっちゃ頭よくない?ってかめっちゃ優しくない?そしてめっちゃ上手くない?
柔らかすぎずしっかりとした肉球の感触が背中に伝わってくる。
それが可愛くて、気持ちよくてあっという間に夢の世界へと誘われた。
◇◇◇◇
翌朝、やっぱりもう狼さんの姿はなくて案の定全身筋肉痛。
全身筋肉痛とか初めてなったんだけど。
痛くてゆっくりしか動けない。
今日もトレーニングの予定が入っているので痛いけど念入りにマッサージとストレッチをした。
もちろん昨日の夜もちゃんとしたんだけどね。
「今日も無事か?」
今日の護衛はローレン。
「無事じゃないよ。全身筋肉痛」
「えっ!?全身!?」
え、なんでそんなに驚くの?
お前どんだけ運動してないんだよ、的な感じ?
そりゃあここの人たちに比べたらそうかもしれないけどさっ。
「そんな驚くことないじゃん。あんな筋トレしたの初めてだしさ」
日本は平和な国なんですっ。
「あ、ああ、昨日の訓練でか。びっくりした...」
他になにがあるんだ。
「筋肉痛が酷いなら今日の訓練は中止だな」
「えっ?なんで?」
「効率が悪いから。今日は散歩程度にしておけ」
「そうなんだ。でもちょっと申し訳ないな...。早く力つけたいのに」
「焦りは怪我の元にもなる。自分のペースでゆっくりやればいいよ」
そう言ってくしゃくしゃっと頭を撫でられた。
ここの人たちは頭撫でるの好きなのか?
ってかみんな優しすぎない?
今おんぶに抱っこ状態なのに。言うなれば穀潰しなのに。
何か俺にも手伝えることがないだろうか?
そう聞いてみても「体力づくりに専念してくれればいいから」と言われてしまった。
それならこっちにも考えがあるもんね!
「なら、散歩の時仕事の邪魔しない程度でいいからまだ喋ったことない人たち紹介してくれないかな?」
「ん?なんで」
「なんでって、早く仲良くなりたいからに決まってるでしょ」
「それも焦るようなことじゃないだろ」
「でもたくさん居るし少しずつ覚えていったほうがいいでしょ?」
「まぁ....それもそうか」
よし!みんなと仲良くなろう大作戦決行!
仲良くなるにはまず名前を覚えないとね!
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