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23話
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「へ......?」
え?は?いや、規模でかすぎない?どうしたらそんなことに....。
「今、全面戦争になってないのはあいつの存在がデカいことは知ってんだろ?」
「えっ!?」
フィレルさんが!?
「おい、なんにも教えてねえのかよ」
「...巻き込むつもりはなかったので」
「へぇ~?随分過保護だな。まあわからんでもないが。こういうタイプはこの国にはいないもんな」
まじまじと見つめてくる視線に耐えきれず目を背けるが、顎を掴まれ戻されてしまう。
「人族を擁護してた奴が人族に殺されそうになったとなれば、どうなると思う?」
「!?」
「ふっ、本当にいい表情をする。どんな想像をした?自分の所為で人族が殺されることか?それとも自分の所為で半殺しにされるあいつのことか?」
俺の所為だと強調して言われ、心臓がズキンと痛んだ。
———だけど...。
「っ..人の所為に、するなよ」
たしかに俺の存在が人族やフィレルさんを傷つける結果になったとしても、それは俺を利用したお前らの所為だ。
目を逸らしたら負けだと自分に言い聞かせ、震えそうになる声を必死に抑える。
「ははっ!いいねぇ。身体は震えてるのにその強気な発言。やはり殺すには惜しいな。お前、俺のモンになれ」
「は.....?」
もしかしたら殴られるかもとびくびくしていたのにノックスは怒るどころか嬉しそうだ。
っていうかこいつはなに言ってんの...?
オレノモンニナレ....?モノ?
....つまり...所有物?になれってこと?
「こんなときになに言って...ってか意味わかんないんだけど....」
「なら言い方を変えてやろう。お前が俺のモノになればあいつも殺さないし、お前のことも殺させない」
「!?」
「チヒロ殿!耳を傾けてはなりませぬ!」
「フィ、フィレルさん....」
「おい、そいつ縛っとけ」
ノックスの言葉に剣を構えていた2人がフィレルさんをあっという間に縛りあげてしまった。
「フィレルさん!」
「で、どうする?」
「っ....、本当にフィレルさんを助けてくれるんだな?」
「ああ、お前が素直に俺のモノになるならな」
「チヒロ殿!いけません!」
「...ごめんなさい、フィレルさん。でも俺嫌なんです。フィレルさんがケガするのも、死んじゃうのも」
「っ!」
ノックスのものになったところでなにをされるかなんてわからないけど、殺させないって言ってくれた。だからきっと酷いことはされないだろう。
...うん?待てよ。殺させないってことは他の人にはって意味でノックスに殺される可能性はあるのか!?
うぅ....。でも今更撤回なんてできない。覚悟を決めて頷こうとしたとき、チッ、と舌打ちをしながらノックスが立ち上がった。
え、なに...?
周りを見ると俺以外の全員が一つしかないドアを見ている。
誰かいるの....?
一番近くにいた人がドアを開けると見覚えのある顔が現れた。
あの人だ。砦に来た近衛騎士団員。隊服は着てないけど。
「おい、此処へは来るなと言ってあったはずだ」
ノックスの口ぶりからして仲間ではないようだが協力者であることは間違いない。
「時間がかかりすぎている。この作戦は時間との勝負だと言ったのはお前だろう。それに、お前を信用しているわけではないからな」
「あ?そんなん知るか。お前の所為で此処がバレるのも時間の問題だ。お前ら、移動するぞ」
「は?尾行などされていない。それよりも早く仕事をしろ」
「お前が俺を信用していないように、俺もお前のことを信用していない。というか匂いも消さずどういうつもりだ?舐めてんのか?」
「転移陣は壊したんだ。今日くらい大丈夫だろ。それにお前みたいにほいほい匂いを消してたら逆に怪しまれる」
「はっ、そんな甘っちょろい考えでよく今までやってこれたな。悪いがこの仕事は降りさせてもらう」
その言葉にノックスの仲間たちが自身になにかを吹きつけていく。
「ふざけるな!何を言っている!そんなこと許されると思ってるのか!?」
「ふざけるなはこっちの台詞だ。お前の軽率な行動の所為でこの作戦はもう成功しない。お前はあいつを甘くみすぎてる」
顎でフィレルさんを指しながら言った。
なんなんだ、仲間割れか...?
「っ!」
男が言葉に詰まった直後、ノックスになにかを吹き付けられそれを自身にも吹きつけた。
え、だからこれなんなの?
疑問に思っているとノックスに「悪い、ちょっと寝てろ」と耳元で囁かれ、首に衝撃が走った。
「チヒロ殿!」
フィレルさんの声を遠くに感じながら、訳もわからず意識を手放した。
え?は?いや、規模でかすぎない?どうしたらそんなことに....。
「今、全面戦争になってないのはあいつの存在がデカいことは知ってんだろ?」
「えっ!?」
フィレルさんが!?
「おい、なんにも教えてねえのかよ」
「...巻き込むつもりはなかったので」
「へぇ~?随分過保護だな。まあわからんでもないが。こういうタイプはこの国にはいないもんな」
まじまじと見つめてくる視線に耐えきれず目を背けるが、顎を掴まれ戻されてしまう。
「人族を擁護してた奴が人族に殺されそうになったとなれば、どうなると思う?」
「!?」
「ふっ、本当にいい表情をする。どんな想像をした?自分の所為で人族が殺されることか?それとも自分の所為で半殺しにされるあいつのことか?」
俺の所為だと強調して言われ、心臓がズキンと痛んだ。
———だけど...。
「っ..人の所為に、するなよ」
たしかに俺の存在が人族やフィレルさんを傷つける結果になったとしても、それは俺を利用したお前らの所為だ。
目を逸らしたら負けだと自分に言い聞かせ、震えそうになる声を必死に抑える。
「ははっ!いいねぇ。身体は震えてるのにその強気な発言。やはり殺すには惜しいな。お前、俺のモンになれ」
「は.....?」
もしかしたら殴られるかもとびくびくしていたのにノックスは怒るどころか嬉しそうだ。
っていうかこいつはなに言ってんの...?
オレノモンニナレ....?モノ?
....つまり...所有物?になれってこと?
「こんなときになに言って...ってか意味わかんないんだけど....」
「なら言い方を変えてやろう。お前が俺のモノになればあいつも殺さないし、お前のことも殺させない」
「!?」
「チヒロ殿!耳を傾けてはなりませぬ!」
「フィ、フィレルさん....」
「おい、そいつ縛っとけ」
ノックスの言葉に剣を構えていた2人がフィレルさんをあっという間に縛りあげてしまった。
「フィレルさん!」
「で、どうする?」
「っ....、本当にフィレルさんを助けてくれるんだな?」
「ああ、お前が素直に俺のモノになるならな」
「チヒロ殿!いけません!」
「...ごめんなさい、フィレルさん。でも俺嫌なんです。フィレルさんがケガするのも、死んじゃうのも」
「っ!」
ノックスのものになったところでなにをされるかなんてわからないけど、殺させないって言ってくれた。だからきっと酷いことはされないだろう。
...うん?待てよ。殺させないってことは他の人にはって意味でノックスに殺される可能性はあるのか!?
うぅ....。でも今更撤回なんてできない。覚悟を決めて頷こうとしたとき、チッ、と舌打ちをしながらノックスが立ち上がった。
え、なに...?
周りを見ると俺以外の全員が一つしかないドアを見ている。
誰かいるの....?
一番近くにいた人がドアを開けると見覚えのある顔が現れた。
あの人だ。砦に来た近衛騎士団員。隊服は着てないけど。
「おい、此処へは来るなと言ってあったはずだ」
ノックスの口ぶりからして仲間ではないようだが協力者であることは間違いない。
「時間がかかりすぎている。この作戦は時間との勝負だと言ったのはお前だろう。それに、お前を信用しているわけではないからな」
「あ?そんなん知るか。お前の所為で此処がバレるのも時間の問題だ。お前ら、移動するぞ」
「は?尾行などされていない。それよりも早く仕事をしろ」
「お前が俺を信用していないように、俺もお前のことを信用していない。というか匂いも消さずどういうつもりだ?舐めてんのか?」
「転移陣は壊したんだ。今日くらい大丈夫だろ。それにお前みたいにほいほい匂いを消してたら逆に怪しまれる」
「はっ、そんな甘っちょろい考えでよく今までやってこれたな。悪いがこの仕事は降りさせてもらう」
その言葉にノックスの仲間たちが自身になにかを吹きつけていく。
「ふざけるな!何を言っている!そんなこと許されると思ってるのか!?」
「ふざけるなはこっちの台詞だ。お前の軽率な行動の所為でこの作戦はもう成功しない。お前はあいつを甘くみすぎてる」
顎でフィレルさんを指しながら言った。
なんなんだ、仲間割れか...?
「っ!」
男が言葉に詰まった直後、ノックスになにかを吹き付けられそれを自身にも吹きつけた。
え、だからこれなんなの?
疑問に思っているとノックスに「悪い、ちょっと寝てろ」と耳元で囁かれ、首に衝撃が走った。
「チヒロ殿!」
フィレルさんの声を遠くに感じながら、訳もわからず意識を手放した。
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