2 / 139
第一章 原作前
第2話 ヒロインが恋愛相談してきました
しおりを挟む
超越者とは、あらゆる才能があり、あらゆるスキルを取得することができる。らしい。
らしいってのは、当たり前だが努力しなきゃなんにもならないってことだ。
そういえばドライは体を鍛えたりする環境に無いよな、こんなところに押し込められているし。
だが、やらない選択肢はない。死にたくはないし努力でもなんでもやって生き残ってやる。
幸い軟禁されているとはいえ、部屋からもこの屋敷からも出られる。禁止されているのは城への入場だけだ。
なら、行動あるのみ。だよな。
地下室を出ようとして扉を閉めた。なんかノックするポーズの女の子がいたから思わず反射的に。
『どうして扉を閉めますの? ドライ、聞いておりますか? 早く扉を開けて下さいまし』
ピンクの髪の毛だったぞ? 誰だ? なんで胸がドキドキしてるの!? てかドライに会いに来る女の子っていたのか?
映画内のドライの設定だと婚約者も決まっていなかったよな。ピンクの髪の毛……もしかしてドライの好きな子? でもピンクブロンドだろ? どこかで……あ、まさか……ヒロイン?
『ド ラ イ あ け て で す わ!』
ドンドンと声に合わせて頑丈な扉を叩いている。そろそろ開けてあげないと駄目、だよな……。
ガチャ――
「ふう。もうドライったら、親友のわたくしをないがしろにするとは今日もお仕置きが必要ですわね」
あー! この子は今回のキャストの子に似てる! やっぱりヒロインだよ!
ん? 親友? お仕置き? は? ドライってヒロインの親友だったの? そんな設定俺の台本には書いてなかったぞ!
あ、ヤバい、返事してない、名前は――
「や、やあ、えっと、エリザベス?」
「エリザベスぅ~? ドライ、変なものでも食べましたの? いつもどおりリズでよくてよ」
ヒロイン確定だよ! それが親友? ありえないだろ! それも愛称で呼んでも良いと!? ああー! どうなってんだよこれ!
てかまた返事止まってるし!
「そ、そう、ですねリズ。……そ、それで今日はどういったご用件で?」
「変な喋り方ですわね。気持ち悪いですわ。普通に喋りなさいな」
「わ、わかった。で、用事は?」
「う、うん。今からする相談は……そう! わたくしのお友達のことですわ!」
「うん。お友達のことだね」
「そ、そのお友達なんだけど、す!」
「す?」
「す、好きな人ができたらしいですの!」
「おお! おめでとう! あ、……それで告白はどうしたらいいかとか聞きたいのかな?」
ヤバい。告白なんかしたことないぞ……。
「な、中々鋭いですわね今日のドライは。でも良いわ」
「あ、リズ、立ったまま話すのもなんだし、えっと、椅子無いのか」
「ベッドでよろしくてよ。あ、喉が渇いておりますの。お茶……はありませんものね、そのお水をいただきますわ」
「いいよ。ちょっと待って……あっ、そうだ」
このポット、毒入りの水が入ってた可能性があるんだよな。まあ飲みきったから中身はないんだけど。
「これ、今は空だからお水汲んでこなきゃ駄目なんだ」
「あら、そうなの? じゃあメイドを……ドライじゃ呼べませんわね。では、わたくしが呼んでさしあげますわ」
言うが早いか、部屋の戸を開け放ち――
「お み ず を く だ さ い ま せ!」
――叫んだ。
「これですぐにメイドが来てくださいますわ」
腰に手を置き胸をはるリズ。鼻息もすぴすぴどや顔だ。
…………ヒロインの少女時代めちゃくちゃ可愛いんだけど! 同い年だけどロリに目覚めそうだよ!
あれ? 元の年齢十五歳の場合、相手が十歳ならロリコンになるのか? なるか。っと、また返事――
「あ、ありがとう」
「なんてことありませんわ」
「じゃあ水を持ってきてくれるまで、話の続きを聞こうか?」
「そ、そうですわね」
ドヤ顔から一変、ほんのり頬を桜色に染め、おずおずとベッドにちょこんとすわる。
うん。可愛い。もうロリコンでも良いわ。それにドキドキしっぱなしだし、ドライの想い人も確定で良いだろ。
ピンクブロンドの髪を指に絡めて、くるくるいじりながらチラチラと俺のことを見てくる。
……あれ? もしかして――
お友達→エリザベス
好き→ドライ
恋愛相談→告白して欲しい
――なのか! テンプレなのか!
「そ、その、友達が言うには、相手の方はご家族に冷たくされ、虐げられてますの」
「そうなんだ」
ん? 冷たくしいたげられてる?
「それなのにその友達のことも、あ、友達もお家ではよく似ていますの。よく意地悪されていたり、とか。そ、それでね! す、好きになったお方は仲良くしてくれますし、お話もいっぱい聞いて、遊んでもくれますの」
それってやっぱり……。
「や、優しい子なんだね」
「そうですの! 凄く優しいのですわ! わたくしも家ではあまりよく思われてないことは知っていますでしょ?」
完全にわたくしって言っちゃってるし……。
俺は聞いてないけど、ドライは聞いてたってことだよな。だから今は頷いておこう。
「うん」
「だからお母様の療養でこの領地に来て、領主様にご挨拶しにきて初めて会ったとき、わたくし、本当は凄く怖かった」
怖かった?
「噂ではクリーク家の三男はどうしようもなく乱暴で、家族どころか領民たちも恐れてると聞いてましたの」
そんな噂が流れてるのかよ! ってかもう完全にまごうことなく相手は俺《ドライ》確定だよね!
「だからご挨拶に来て、同じ年だからお友達にと言われたとき、ここでもわたくしは――」
あ、完全に自分と言ってることに気付いたかな。桜色に染まっていた頬が、バラ色に変わったし。
こんなとき、気の効いたことを言わないとってなに言えば――
「俺、可愛いリズのこと好きだよ」
口が勝手に! なに言ってんだ俺!
らしいってのは、当たり前だが努力しなきゃなんにもならないってことだ。
そういえばドライは体を鍛えたりする環境に無いよな、こんなところに押し込められているし。
だが、やらない選択肢はない。死にたくはないし努力でもなんでもやって生き残ってやる。
幸い軟禁されているとはいえ、部屋からもこの屋敷からも出られる。禁止されているのは城への入場だけだ。
なら、行動あるのみ。だよな。
地下室を出ようとして扉を閉めた。なんかノックするポーズの女の子がいたから思わず反射的に。
『どうして扉を閉めますの? ドライ、聞いておりますか? 早く扉を開けて下さいまし』
ピンクの髪の毛だったぞ? 誰だ? なんで胸がドキドキしてるの!? てかドライに会いに来る女の子っていたのか?
映画内のドライの設定だと婚約者も決まっていなかったよな。ピンクの髪の毛……もしかしてドライの好きな子? でもピンクブロンドだろ? どこかで……あ、まさか……ヒロイン?
『ド ラ イ あ け て で す わ!』
ドンドンと声に合わせて頑丈な扉を叩いている。そろそろ開けてあげないと駄目、だよな……。
ガチャ――
「ふう。もうドライったら、親友のわたくしをないがしろにするとは今日もお仕置きが必要ですわね」
あー! この子は今回のキャストの子に似てる! やっぱりヒロインだよ!
ん? 親友? お仕置き? は? ドライってヒロインの親友だったの? そんな設定俺の台本には書いてなかったぞ!
あ、ヤバい、返事してない、名前は――
「や、やあ、えっと、エリザベス?」
「エリザベスぅ~? ドライ、変なものでも食べましたの? いつもどおりリズでよくてよ」
ヒロイン確定だよ! それが親友? ありえないだろ! それも愛称で呼んでも良いと!? ああー! どうなってんだよこれ!
てかまた返事止まってるし!
「そ、そう、ですねリズ。……そ、それで今日はどういったご用件で?」
「変な喋り方ですわね。気持ち悪いですわ。普通に喋りなさいな」
「わ、わかった。で、用事は?」
「う、うん。今からする相談は……そう! わたくしのお友達のことですわ!」
「うん。お友達のことだね」
「そ、そのお友達なんだけど、す!」
「す?」
「す、好きな人ができたらしいですの!」
「おお! おめでとう! あ、……それで告白はどうしたらいいかとか聞きたいのかな?」
ヤバい。告白なんかしたことないぞ……。
「な、中々鋭いですわね今日のドライは。でも良いわ」
「あ、リズ、立ったまま話すのもなんだし、えっと、椅子無いのか」
「ベッドでよろしくてよ。あ、喉が渇いておりますの。お茶……はありませんものね、そのお水をいただきますわ」
「いいよ。ちょっと待って……あっ、そうだ」
このポット、毒入りの水が入ってた可能性があるんだよな。まあ飲みきったから中身はないんだけど。
「これ、今は空だからお水汲んでこなきゃ駄目なんだ」
「あら、そうなの? じゃあメイドを……ドライじゃ呼べませんわね。では、わたくしが呼んでさしあげますわ」
言うが早いか、部屋の戸を開け放ち――
「お み ず を く だ さ い ま せ!」
――叫んだ。
「これですぐにメイドが来てくださいますわ」
腰に手を置き胸をはるリズ。鼻息もすぴすぴどや顔だ。
…………ヒロインの少女時代めちゃくちゃ可愛いんだけど! 同い年だけどロリに目覚めそうだよ!
あれ? 元の年齢十五歳の場合、相手が十歳ならロリコンになるのか? なるか。っと、また返事――
「あ、ありがとう」
「なんてことありませんわ」
「じゃあ水を持ってきてくれるまで、話の続きを聞こうか?」
「そ、そうですわね」
ドヤ顔から一変、ほんのり頬を桜色に染め、おずおずとベッドにちょこんとすわる。
うん。可愛い。もうロリコンでも良いわ。それにドキドキしっぱなしだし、ドライの想い人も確定で良いだろ。
ピンクブロンドの髪を指に絡めて、くるくるいじりながらチラチラと俺のことを見てくる。
……あれ? もしかして――
お友達→エリザベス
好き→ドライ
恋愛相談→告白して欲しい
――なのか! テンプレなのか!
「そ、その、友達が言うには、相手の方はご家族に冷たくされ、虐げられてますの」
「そうなんだ」
ん? 冷たくしいたげられてる?
「それなのにその友達のことも、あ、友達もお家ではよく似ていますの。よく意地悪されていたり、とか。そ、それでね! す、好きになったお方は仲良くしてくれますし、お話もいっぱい聞いて、遊んでもくれますの」
それってやっぱり……。
「や、優しい子なんだね」
「そうですの! 凄く優しいのですわ! わたくしも家ではあまりよく思われてないことは知っていますでしょ?」
完全にわたくしって言っちゃってるし……。
俺は聞いてないけど、ドライは聞いてたってことだよな。だから今は頷いておこう。
「うん」
「だからお母様の療養でこの領地に来て、領主様にご挨拶しにきて初めて会ったとき、わたくし、本当は凄く怖かった」
怖かった?
「噂ではクリーク家の三男はどうしようもなく乱暴で、家族どころか領民たちも恐れてると聞いてましたの」
そんな噂が流れてるのかよ! ってかもう完全にまごうことなく相手は俺《ドライ》確定だよね!
「だからご挨拶に来て、同じ年だからお友達にと言われたとき、ここでもわたくしは――」
あ、完全に自分と言ってることに気付いたかな。桜色に染まっていた頬が、バラ色に変わったし。
こんなとき、気の効いたことを言わないとってなに言えば――
「俺、可愛いリズのこと好きだよ」
口が勝手に! なに言ってんだ俺!
202
あなたにおすすめの小説
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる