【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@

文字の大きさ
52 / 139
第一章 原作前

第48話 行動力のある○○

しおりを挟む
 馬車をつかまえ乗り込むと、教会からついてきた人も乗り込んできた。

 なんなんだろうな? たまたまか?

「そういえば――」

『リズ待って。念話で話そう。最後に乗ってきた人は教会を出たところから後ろについてきてたんだ』

「そう――」

『あぶない、普通に話し返すところでしたわ。それで?』

『うん。寄付しなかったから怒ってつけてきてる可能性もあるからね』

 当然そんなことでついてくるとは思ってないけど、もしかしたら俺がクリーク辺境伯家の三男でドライだとわかっているからって可能性が高いと思う。

 なら、ついてきているものが離れるまでは変な動きはしない方がいいかもしれない。




 念話で話しをしながら三十分ほどたった頃、東のスラム前で何人か降りていく。つけてきた男は動かない。

 さらに二十分。思ったより早く教会前に到着した。

 俺たちが降りるとつけてきた男もやはり馬車を降りてくる。

『ついてきますわね』

『やっぱり目的は俺たちのようだね。まあ、ついてこられてもお祈りだけするだけだしな。気にせず行こう』

『はいですわ』

 馬車が動き出す前にその場を離れ、教会に向かう。夕方だけどまだ両開きの扉は解放されたままだ。

 扉をくぐり、キョロキョロしながら鑑定を続け、ここの教会も石像が呪いの触媒だと言うことがわかった。

 さっさと浄化してしまうと、また白いローブを着た人が近づいて来た。

「寄付をお忘れではないですか?」

 直接聞いてくるのかよ……確かに寄付で成り立ってるのか知らないけどさ、それはないんじゃないか?

「寄付金がなければお祈りするのは駄目だったりしますか?」

「いえいえ、そんなことはございませんが――」

 まだなにか続けようとしていたから被せておこう。

「よかった。俺たち新人の冒険者でお金も持ってないから駄目かと思いました。稼げるようになったときには考えますね」

 言葉通り考えるだけだけどね。新人の冒険者って言うのもその通りだし。

「……いえいえ。それではまたのお越しをお待ちしています」

「はい。では」

 よし、さっさと今日は帰ってポーションを作ろう。

 背後ではまた舌打ちするかなと思っていたけど、この人はしないみたいだ。

 扉を出て北に戻る馬車を探す。が……まだついてきてるな。

『まだついてきてるよ。なんなんだろうね』

『気味が悪いですわ。どういたしますか?』

『このまま城に帰るとまずい……よな。どうしようか』

 良い考えが浮かばないまま北に行く馬車に乗り込んだけど、当然その男も乗り込んで来た。

『ドライ、わたくしの住んでいる屋敷に行きますか? クリークのお城よりマシだと思いますわ』

『う~ん、マシ、といわれればマシではあるけど……あっ、そうだ、鑑定してなかったよ……鑑定』

 鑑定の結果を見て思わず吹き出してしまうところだった。

 称号のところにグリフィン王国騎士団とあったからだ。

『リズ、心配はなさそうだよ。なんで最初に鑑定してなかったんだろ。次からは怪しいと思ったら鑑定はすぐにしなきゃな』

『どういうことですの?』

『ああ、ファラの関係みたい。称号にグリフィン王国騎士団ってなってるから、ファラが俺との婚約を王様に言って、俺を調べに来たんじゃないかな』

『まあ、そうでしたのね。それなら安心ですわ。それではこのまま城に帰りますの? それとも騎士の方に話しかけますか?』

『そうだね、でも時間も遅いからリズを屋敷に送っていくよ。その後、城にまでついてきたなら少し話しかけてみるよ』

『そういえばもう夕方ですものね、浄化ポーションはまた明日の教会二ヶ所の浄化が終わってからですわね』

『うん。朝からまわれば昼までに終われそうだし、午後からたくさん作らなきゃね』

『頑張りますわよ。ダンジョンもですが、ポートマンさんのところにも行きたいですし、忙しくなりますわね』

 そんなことを話しながら約一時間。イルミンスール伯爵家の屋敷がある近くにさしかかった。

「御者さん、ここで降りてもいいですか?」

「おう、いいぞ、ちょっと待ってろ、すぐに止めるからな」

 御者さんに途中下車を申請するとこころよく停車してくれた。

「ありがとうございます」

「ありがとうございました」

「おう、じゃあな」

 そしてやはり同じように降りてきた騎士さん。は、ほっといてリズを送っていく。

 屋敷について、アンさんが出迎えてくれたところで今日はお別れだ。

 イスは今俺にくっついてるから、リズも巨乳とは明日までお別れ。

『イス様もお帰りになりますのね……』

 と自分の胸をペタペタしながら残念そうな顔をしていたので五分ほど頭を撫でて慰めておいた。

 別に巨乳じゃなくても大丈夫だからねと優しい気持ちで。

「リズ、また明日ね」

「ええ、朝に迎えに行きますわ」

 機嫌の治ったリズとアンさんに見送られて屋敷を出る。そのまま城に向かっているとやっぱりついてきている。

 城の前まで帰ってきたところで振り返り、手招きしてみようかなと少し思ったけど、バレたら任務失敗になると可哀想だからやめておく。

 通用門の門番さんに挨拶して城に入ると、城にまで来て欲しいと伝言があった。

 なんだろ……門番さんもそうだけど、巡回してる兵士さんたちが多い気がする。

 浄化ポーションの件だよな?






 城に入ると、メイドさんが待っていて、父さんたちが待っているそうだ。それもお客さん付きで。

 メイドさんの案内で騎士っぽい格好をした人が扉の前で立っている。

 なにか偉い人が来てるんだろうか? もしかして王様? ……は、無いか。でもこうやって警備するくらいだから無くはないのか?

 来賓用の応接室前につくと――

「ドライ様がお帰りになりました」

 メイドさんがそういうと中から『通せ』と聞こえた。

 聞いたこと無い声だ。扉が開かれ、一番奥に知らない人がいた。そのとなりにはファラがいる……ってことはやっぱり!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は村田 歩(ムラタアユム) 目を覚ますとそこは石畳の町だった 異世界の中世ヨーロッパの街並み 僕はすぐにステータスを確認できるか声を上げた 案の定この世界はステータスのある世界 村スキルというもの以外は平凡なステータス 終わったと思ったら村スキルがスタートする

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

平凡な村人だと思われていた俺、実は神々が恐れる最強存在でした〜追放されたけど、無自覚チートで気づけば世界の頂点〜

にゃ-さん
ファンタジー
平凡な村人・レオンは、勇者パーティの荷物持ちとして蔑まれ、ある日「役立たず」として追放される。 だが、彼の正体は神々が恐れ、世界の理を超越する“創世の加護”を持つ唯一の存在だった。 本人はまったくの無自覚——それでも歩くたび、出会うたび、彼によって救われ、惹かれていく者たちが増えていく。 裏切った勇者たちは衰退し、彼を捨てた者たちは後悔に沈む。 やがて世界は、レオン中心に回り始める。 これは、最弱を装う最強が、知らぬ間に神々を超える物語。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...