53 / 139
第一章 原作前
第49話 錬金術と浄化の応用
しおりを挟む
たぶんこれは挨拶しなきゃ駄目なパターンだよな……。
って、いつの間にか俺たちを付けてきていた人が王様に耳打ちしてるよ!
尾行はヘタクソだけど、動きはミラさんに近いのかもしれない。よし、逆らわないでおこう。
じゃなくて挨拶だろ!
「は、はじめまして。クリーク辺境伯家の三男。ドライ・フォン・クリークと申します。俺。じゃなくて、私をお待ちしていたとお聞きしました。遅くなり申し訳ありません」
「ほほう。礼儀はわかっておるの。我が最愛の娘、ファラたん……ファラフェルがクリーク辺境伯家の長男ではなく三男のに嫁ぎたい、それも第二婦人としてだ」
ファラたんって言ったよこの人! じゃなくて我が娘ってことはやっぱり王様かよ!
なんで来てるんだよ! 王様がホイホイ抜け出して隣国とはいえ他の国に出歩いちゃ駄目だろ!
お、落ち着け。そうじゃない。第二婦人としてってところだろ。ファラは大丈夫とか言ってたけど、やっぱりそれだよな。
「あ、あの、それはですね、えっと……」
どうしよう、何て説明すればいいんだよ!
「ドライ、大丈夫よ。洗脳されていたことも、教会が絡んでいることも、全部ツヴァイ様に聞きましたわ」
「え?」
「だからといって、すべてを許せるわけもありませんし、アイン様からドライに婚約者を変更したことも変えることはありませんわよ」
「そ、うなんだ、じゃなくて、そうなのですね」
「あら、嬉しそうですわねドライ。喋り方は砕けた方でいいわよ。お父様も公務を放り出して勝手に付いてきただけだから」
公務を放り出してきた? ファラたんって呼んだこともだけど、どんだけ娘が好きなんだよ……。
でも……そうか、俺もファラのこと好きになってるんだな。
だからファラがアイン兄さんの婚約者に戻らないとわかって笑ってしまったんだし。
ほんの少ししか一緒にいなかったのに、いつの間にかファラを受け入れ誰にも渡したくないと思っている。
リズもだけど、二人と幸せに暮らすために俺はもっと死なないように変えていかなきゃだな。
「お、おい、それでは私の威厳がだな。確かに今、肩書きはファラフェルの父親として来ているが……まあ、よいか。言い出したら聞かぬ子だものな、母に似て。……ドライよ、席につき、好きに喋るがよい」
「は、はい。ありがとうございます」
「それでドライ、孤児院と教会を回っていたみたいだけど、なにかわかったの?」
「うん。教会や教会が運営する孤児院にあるアザゼルの石像が呪い、熱病の呪いをばらまく触媒だとわかったのです」
「本当にそんなことが……」
「それで、俺とリズでアザゼルの石像を浄化をして呪いの元を消して回ってたんだけど……」
「ちょっと待つのだ。聖魔法はクリーク辺境伯に聞きわかっておったが、本当に教会がそのようなことを?」
「間違いありません。今日だけで孤児院と北、中央、東の教会を浄化してきましたから」
「四つもそのようなものが……クリーク辺境伯よ、お主はどう思う」
「今のドライの話を聞く限り信憑性は限りなく高いです。ならばやらねばならないことは……教会の排除。そう考えております」
「それと、浄化ポーションであるな。それはドライともうひとりの嫁、エリザベス嬢が作れるのであるな?」
「はい、問題なく。薬草と水を揃え、低級ポーションを作り、浄化すれば完成なので」
少し思い付いたことがあるから、もしかすると俺たちじゃなくても作れるかもしれない。
いや、作れるようにしなきゃ駄目なんだよな。リズと二人じゃ熱病の呪いにかかったすべての方に供給するなんて土台無理な話だ。
「今、作ることはできるか?」
「えっと、ツヴァイ兄さん付きのミラさんに薬草とか集めてもらってたんだけど、もってきてもらえたりするかな?」
「ミラ……ならもう扉の向こうで薬草と水を用意し、待っていそうではあるな」
うん。絶対いそう。
そう思った瞬間、扉がノックされた。
『薬草と水、計量カップと鍋、低級ポーション用の小瓶。それと錬金術の本も、お持ちしました』
やっぱり! 言い忘れてたものまで完璧にもってきてるよ!
「……王様、呼び入れてもいいですか?」
「優秀なメイドがいるようだな。入ってもらえ」
「ありがとうございます。ミラさん、入ってください」
『失礼いたします』
料理を運ぶような台車にすべてのものが乗せられている。
俺は立ち上がり、みんなが見える位置の台車の上で低級ポーション作りを実践。
「錬金!」
猫じゃらしのような薬草が、掛け声のあと水に解けていく。
よし! 思った通りだ! 低級ポーションを小瓶に積め。次は浄化も……。
「低級ポーションの完成です。次は、浄化!」
よしよしよしよし! 大量生産化も行けるぞこれは!
「完成ですね。この浄化ポーションで熱病の呪いを解くには二本飲まないと駄目です」
「見事なものだ。だが二本か。最低金貨二枚を払う必要がある。民にとっては大金だ。どうしたものか……」
「そこなんですよね。だから一ついいことを思い付きました」
「いいことだと? 無償で配るとでも言うのか? 王家ならその程度の資金は作れないこともないが……」
「いえ、浄化ポーションを低級ポーションのと同じ大銅貨一枚、は無理がありますが、少し高いくらいで作れるようにするんです」
みんなはぽかーんとしているけど、それもやってみるか。
って、いつの間にか俺たちを付けてきていた人が王様に耳打ちしてるよ!
尾行はヘタクソだけど、動きはミラさんに近いのかもしれない。よし、逆らわないでおこう。
じゃなくて挨拶だろ!
「は、はじめまして。クリーク辺境伯家の三男。ドライ・フォン・クリークと申します。俺。じゃなくて、私をお待ちしていたとお聞きしました。遅くなり申し訳ありません」
「ほほう。礼儀はわかっておるの。我が最愛の娘、ファラたん……ファラフェルがクリーク辺境伯家の長男ではなく三男のに嫁ぎたい、それも第二婦人としてだ」
ファラたんって言ったよこの人! じゃなくて我が娘ってことはやっぱり王様かよ!
なんで来てるんだよ! 王様がホイホイ抜け出して隣国とはいえ他の国に出歩いちゃ駄目だろ!
お、落ち着け。そうじゃない。第二婦人としてってところだろ。ファラは大丈夫とか言ってたけど、やっぱりそれだよな。
「あ、あの、それはですね、えっと……」
どうしよう、何て説明すればいいんだよ!
「ドライ、大丈夫よ。洗脳されていたことも、教会が絡んでいることも、全部ツヴァイ様に聞きましたわ」
「え?」
「だからといって、すべてを許せるわけもありませんし、アイン様からドライに婚約者を変更したことも変えることはありませんわよ」
「そ、うなんだ、じゃなくて、そうなのですね」
「あら、嬉しそうですわねドライ。喋り方は砕けた方でいいわよ。お父様も公務を放り出して勝手に付いてきただけだから」
公務を放り出してきた? ファラたんって呼んだこともだけど、どんだけ娘が好きなんだよ……。
でも……そうか、俺もファラのこと好きになってるんだな。
だからファラがアイン兄さんの婚約者に戻らないとわかって笑ってしまったんだし。
ほんの少ししか一緒にいなかったのに、いつの間にかファラを受け入れ誰にも渡したくないと思っている。
リズもだけど、二人と幸せに暮らすために俺はもっと死なないように変えていかなきゃだな。
「お、おい、それでは私の威厳がだな。確かに今、肩書きはファラフェルの父親として来ているが……まあ、よいか。言い出したら聞かぬ子だものな、母に似て。……ドライよ、席につき、好きに喋るがよい」
「は、はい。ありがとうございます」
「それでドライ、孤児院と教会を回っていたみたいだけど、なにかわかったの?」
「うん。教会や教会が運営する孤児院にあるアザゼルの石像が呪い、熱病の呪いをばらまく触媒だとわかったのです」
「本当にそんなことが……」
「それで、俺とリズでアザゼルの石像を浄化をして呪いの元を消して回ってたんだけど……」
「ちょっと待つのだ。聖魔法はクリーク辺境伯に聞きわかっておったが、本当に教会がそのようなことを?」
「間違いありません。今日だけで孤児院と北、中央、東の教会を浄化してきましたから」
「四つもそのようなものが……クリーク辺境伯よ、お主はどう思う」
「今のドライの話を聞く限り信憑性は限りなく高いです。ならばやらねばならないことは……教会の排除。そう考えております」
「それと、浄化ポーションであるな。それはドライともうひとりの嫁、エリザベス嬢が作れるのであるな?」
「はい、問題なく。薬草と水を揃え、低級ポーションを作り、浄化すれば完成なので」
少し思い付いたことがあるから、もしかすると俺たちじゃなくても作れるかもしれない。
いや、作れるようにしなきゃ駄目なんだよな。リズと二人じゃ熱病の呪いにかかったすべての方に供給するなんて土台無理な話だ。
「今、作ることはできるか?」
「えっと、ツヴァイ兄さん付きのミラさんに薬草とか集めてもらってたんだけど、もってきてもらえたりするかな?」
「ミラ……ならもう扉の向こうで薬草と水を用意し、待っていそうではあるな」
うん。絶対いそう。
そう思った瞬間、扉がノックされた。
『薬草と水、計量カップと鍋、低級ポーション用の小瓶。それと錬金術の本も、お持ちしました』
やっぱり! 言い忘れてたものまで完璧にもってきてるよ!
「……王様、呼び入れてもいいですか?」
「優秀なメイドがいるようだな。入ってもらえ」
「ありがとうございます。ミラさん、入ってください」
『失礼いたします』
料理を運ぶような台車にすべてのものが乗せられている。
俺は立ち上がり、みんなが見える位置の台車の上で低級ポーション作りを実践。
「錬金!」
猫じゃらしのような薬草が、掛け声のあと水に解けていく。
よし! 思った通りだ! 低級ポーションを小瓶に積め。次は浄化も……。
「低級ポーションの完成です。次は、浄化!」
よしよしよしよし! 大量生産化も行けるぞこれは!
「完成ですね。この浄化ポーションで熱病の呪いを解くには二本飲まないと駄目です」
「見事なものだ。だが二本か。最低金貨二枚を払う必要がある。民にとっては大金だ。どうしたものか……」
「そこなんですよね。だから一ついいことを思い付きました」
「いいことだと? 無償で配るとでも言うのか? 王家ならその程度の資金は作れないこともないが……」
「いえ、浄化ポーションを低級ポーションのと同じ大銅貨一枚、は無理がありますが、少し高いくらいで作れるようにするんです」
みんなはぽかーんとしているけど、それもやってみるか。
132
あなたにおすすめの小説
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
【読切短編】転生したら辺境伯家の三男でした ~のんびり暮らしたいのに、なぜか領地が発展していく~
Lihito
ファンタジー
過労死したシステムエンジニアは、異世界の辺境伯家に転生した。
三男。継承権は遠い。期待もされない。
——最高じゃないか。
「今度こそ、のんびり生きよう」
兄たちの継承争いに巻き込まれないよう、誰も欲しがらない荒れ地を引き受けた。
静かに暮らすつもりだった。
だが、彼には「構造把握」という能力があった。
物事の問題点が、図解のように見える力。
井戸が枯れた。見て見ぬふりができなかった。
作物が育たない。見て見ぬふりができなかった。
気づけば——領地が勝手に発展していた。
「俺ののんびりライフ、どこ行った……」
これは、静かに暮らしたかった男が、なぜか成り上がっていく物語。
「俺にしがみつくのはやめろ」と言われて恋が覚めたので、しがみつかずにリリースします。相容れないとほざくあなたは、今、私に捨てられましたわ
西野歌夏
恋愛
前世でフラれた記憶を思いだしたフローラ・ガトバンは、18歳の伯爵令嬢だ。今まさにデジャブのように同じ光景を見ていた。
エイトレンスのアルベルト王太子にまつわるストーリーです。
※の付いたタイトルは、あからさまな性的表現を含みます。苦手な方はお気をつけていただければと思います。
2025.5.29 完結いたしました。
平凡な村人だと思われていた俺、実は神々が恐れる最強存在でした〜追放されたけど、無自覚チートで気づけば世界の頂点〜
にゃ-さん
ファンタジー
平凡な村人・レオンは、勇者パーティの荷物持ちとして蔑まれ、ある日「役立たず」として追放される。
だが、彼の正体は神々が恐れ、世界の理を超越する“創世の加護”を持つ唯一の存在だった。
本人はまったくの無自覚——それでも歩くたび、出会うたび、彼によって救われ、惹かれていく者たちが増えていく。
裏切った勇者たちは衰退し、彼を捨てた者たちは後悔に沈む。
やがて世界は、レオン中心に回り始める。
これは、最弱を装う最強が、知らぬ間に神々を超える物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる