95 / 139
第二章 原作開始
第90話 バキューン
しおりを挟む
王城の図書館でワイバーンの使い道を調べた後、そのまま花火について調べはじめたのだけど……。
「こんなのもうほとんど大砲完成してるよね……」
鉄製の筒から風魔法で、火薬を覆うように土魔法で丸く固めた玉を打ち上げ、最後に火魔法で遠隔爆発させるのが花火だ。
うん。大砲そのものと言ってもいい。上に打ち上げるか横に撃つかの違いだけだ。
というか今回起こる火事って……花火玉に火がつけられず、落ちたところに火があったんじゃね?
夜だし、明り取り用とか、晩ごはんの準備で火を使っていてもおかしくない、よな……。
これ、不発になった花火玉を落ちる前に回収すれば防げるんじゃないかな?
夜目スキルはあるから、花火より上で待機していれば、見つけられるような気がする……。
そうすると、飛行スキルを持ってるリズとファラ、カイラさんで、花火見物すればいいのか?
残されたキャルとアンジーが怒るか……。まだ時間があるし、相談して考えよう。
今は花火の仕組みをもう少し調べておいた方が良いな。
……ほうほう花火玉は作り置きもできるし、火魔法使いは発火させるための遠隔発動ができれば魔力そのものは多くなくてもいいのか。
この花火で一番しんどい風魔法使いも、連発可能なほど魔力消費量は多くない。
これ、砲弾を花火用じゃなくて着弾して爆発するようにしたら大砲の完成だよね……。
用意してもらっていた紙に完成形の図を書く。
砲弾の形状とか大事だよな。花火はまん丸だけど、円錐形にしてっと。
そうだ、筒にライフリング……確か等間隔に溝を刻めばまっすぐ飛ぶんだよね?
OO7のDVDパッケージを思い出しながらこう……螺旋、状に……くっ、難しいな!
手がぷるぷるする……けど、なんとか見れる絵にはなった。満足だ。
次は……爆発って魔方陣ならできるかな? 衝撃でファイアの生活魔法が発動できればだけど。
魔石を潰したら魔力が出るとかならできそうな気がする。魔石って魔力の凝縮されたやつだしね。
……うん。メモっておこう。
普通にピストルならすぐにでもできそうかも。弾丸も本体も小さいし……いや、弾丸に魔方陣を書くのが面倒か。
ん? あれ? ピストルは爆発しなくても良いよね? 鉛の弾丸を飛ばすだけだし……なら火薬入りの弾丸も発火の魔方陣も必要ない。
風魔法の魔方陣だけで済んじゃうよ! 俺、賢くない? 凄く省エネな兵器完成だよ!
バキューンだよ! イラスト付きで書いちゃったよ!
教科書にパラパラ漫画書いたな……高飛び込みのパラパラ漫画書いたの思い出した。
ピストルを撃ってる絵がパラパラ漫画じゃないのに棒人間だから……。
羽ペン書きにくいし、インクがポタポタ落ちるし、落ちるからちょっとしかつけないようにするとすぐかすれるし……。
いや、このしたたったインクを元にゴブリンが撃たれた絵に改造を…………………………。
ふう。うん。力作だ。一応矢印でゴブリンとしておこう。これなら誰にでもわかるはずだ。
と、そこまで書いて気がついてしまった。
……これは駄目だ。こんなの作っちゃったら戦争で、魔法とか弓が届かない距離から一方的に蹂躙できちゃうかも……。
これはボツ。こんなの異世界に持ち込んだら駄目だ。ここは俺の心の中だけにしまって……置けないよなぁ。
もしかすると、こんなこと俺よりもっと頭のいい人もいるんだから、もう作られてるか、まだでも時間の問題だよな……。
そんなことを考えてると、真横から声が聞こえた。
「ほう。ドライ、花火師にでもなる……ふむ。ほほう……これがゴブリンと……ふむ」
「お、王様! こ、これはですね、なんと言うか……た、ただの思い付きで」
「……ドライ。思い付きと言うからにはこれはお前が考えたということか」
うっ、どうする……でも知らせるなら一番良い人ではある。
カサブランカに仇なそうとするものたちが考えつかない、いや、作り出す前にこちらも対抗策として知っていた方が良いけど……。
「えっと……」
「ふむ。この大砲と書かれているものはすでにカサブランカでも秘密裏に試験的にだが作りはじめているものだ」
「え? そ、そうなのですか?」
やはり俺が考えつくんだから当然のことか。
「だが……そうか、魔方陣を組み込むのか……これは試してみても良いかもしれんな」
まじまじと俺の書いた落書きを真剣に見つめる王様。
「ところでこのゴブリンを倒しているピストルとはなんだ? 風魔法の魔方陣だけで飛ばすのはよいが、こんなものでゴブリンが倒せるというのか?」
「……おそらくですけど、倒せるんじゃないかなと?」
そうとしか言えない。どれくらいの飛距離で威力なのかはやってみないとわからない。
「作らせてみるか。ドライ、これは借りていってもよいか?」
いや、王様……借りていいか聞く前に丸めて持っていく準備万端ですよそれ。
「……まあいいですけど」
「そうか。また何か聞くこともあるかもしれんが、ではな」
ニヤリと笑い、そういって図書館から姿を消した。
アレは絶対作ってゴブリンを倒そうって思ってるよな。遊び半分で。
それが上手く行ったとしたら……カサブランカ王国は侵略にしばらく怯えなくて良くなるかもしれない。
勇者の出現で魔王の驚異があるうちは大丈夫だとは思うけど、教国のアザゼル派は今でも心配だもんな。
いわば身の中の敵……なんだったかな、獅子身中の虫だったか? それと同じだ。
教会はほぼすべての街や村にある。アザゼル派がどれだけあるのかカサブランカとグリフィンの分しか数えてないからわからないけど……。
そのアザゼル派が一斉に反旗をひるがえせば教国はもちろん、大陸中の国で多大な被害が出るのは目に見えている。
魔王を勇者になんとか倒してもらうか、俺たちで倒し、封印できちゃうなら……。次はそれだよな。
はぁ……原作のイベントもまだまだあるし、気は抜けないよ……。
よし、もう少し花火のことを調べてからリズたちに合流しよう。
「こんなのもうほとんど大砲完成してるよね……」
鉄製の筒から風魔法で、火薬を覆うように土魔法で丸く固めた玉を打ち上げ、最後に火魔法で遠隔爆発させるのが花火だ。
うん。大砲そのものと言ってもいい。上に打ち上げるか横に撃つかの違いだけだ。
というか今回起こる火事って……花火玉に火がつけられず、落ちたところに火があったんじゃね?
夜だし、明り取り用とか、晩ごはんの準備で火を使っていてもおかしくない、よな……。
これ、不発になった花火玉を落ちる前に回収すれば防げるんじゃないかな?
夜目スキルはあるから、花火より上で待機していれば、見つけられるような気がする……。
そうすると、飛行スキルを持ってるリズとファラ、カイラさんで、花火見物すればいいのか?
残されたキャルとアンジーが怒るか……。まだ時間があるし、相談して考えよう。
今は花火の仕組みをもう少し調べておいた方が良いな。
……ほうほう花火玉は作り置きもできるし、火魔法使いは発火させるための遠隔発動ができれば魔力そのものは多くなくてもいいのか。
この花火で一番しんどい風魔法使いも、連発可能なほど魔力消費量は多くない。
これ、砲弾を花火用じゃなくて着弾して爆発するようにしたら大砲の完成だよね……。
用意してもらっていた紙に完成形の図を書く。
砲弾の形状とか大事だよな。花火はまん丸だけど、円錐形にしてっと。
そうだ、筒にライフリング……確か等間隔に溝を刻めばまっすぐ飛ぶんだよね?
OO7のDVDパッケージを思い出しながらこう……螺旋、状に……くっ、難しいな!
手がぷるぷるする……けど、なんとか見れる絵にはなった。満足だ。
次は……爆発って魔方陣ならできるかな? 衝撃でファイアの生活魔法が発動できればだけど。
魔石を潰したら魔力が出るとかならできそうな気がする。魔石って魔力の凝縮されたやつだしね。
……うん。メモっておこう。
普通にピストルならすぐにでもできそうかも。弾丸も本体も小さいし……いや、弾丸に魔方陣を書くのが面倒か。
ん? あれ? ピストルは爆発しなくても良いよね? 鉛の弾丸を飛ばすだけだし……なら火薬入りの弾丸も発火の魔方陣も必要ない。
風魔法の魔方陣だけで済んじゃうよ! 俺、賢くない? 凄く省エネな兵器完成だよ!
バキューンだよ! イラスト付きで書いちゃったよ!
教科書にパラパラ漫画書いたな……高飛び込みのパラパラ漫画書いたの思い出した。
ピストルを撃ってる絵がパラパラ漫画じゃないのに棒人間だから……。
羽ペン書きにくいし、インクがポタポタ落ちるし、落ちるからちょっとしかつけないようにするとすぐかすれるし……。
いや、このしたたったインクを元にゴブリンが撃たれた絵に改造を…………………………。
ふう。うん。力作だ。一応矢印でゴブリンとしておこう。これなら誰にでもわかるはずだ。
と、そこまで書いて気がついてしまった。
……これは駄目だ。こんなの作っちゃったら戦争で、魔法とか弓が届かない距離から一方的に蹂躙できちゃうかも……。
これはボツ。こんなの異世界に持ち込んだら駄目だ。ここは俺の心の中だけにしまって……置けないよなぁ。
もしかすると、こんなこと俺よりもっと頭のいい人もいるんだから、もう作られてるか、まだでも時間の問題だよな……。
そんなことを考えてると、真横から声が聞こえた。
「ほう。ドライ、花火師にでもなる……ふむ。ほほう……これがゴブリンと……ふむ」
「お、王様! こ、これはですね、なんと言うか……た、ただの思い付きで」
「……ドライ。思い付きと言うからにはこれはお前が考えたということか」
うっ、どうする……でも知らせるなら一番良い人ではある。
カサブランカに仇なそうとするものたちが考えつかない、いや、作り出す前にこちらも対抗策として知っていた方が良いけど……。
「えっと……」
「ふむ。この大砲と書かれているものはすでにカサブランカでも秘密裏に試験的にだが作りはじめているものだ」
「え? そ、そうなのですか?」
やはり俺が考えつくんだから当然のことか。
「だが……そうか、魔方陣を組み込むのか……これは試してみても良いかもしれんな」
まじまじと俺の書いた落書きを真剣に見つめる王様。
「ところでこのゴブリンを倒しているピストルとはなんだ? 風魔法の魔方陣だけで飛ばすのはよいが、こんなものでゴブリンが倒せるというのか?」
「……おそらくですけど、倒せるんじゃないかなと?」
そうとしか言えない。どれくらいの飛距離で威力なのかはやってみないとわからない。
「作らせてみるか。ドライ、これは借りていってもよいか?」
いや、王様……借りていいか聞く前に丸めて持っていく準備万端ですよそれ。
「……まあいいですけど」
「そうか。また何か聞くこともあるかもしれんが、ではな」
ニヤリと笑い、そういって図書館から姿を消した。
アレは絶対作ってゴブリンを倒そうって思ってるよな。遊び半分で。
それが上手く行ったとしたら……カサブランカ王国は侵略にしばらく怯えなくて良くなるかもしれない。
勇者の出現で魔王の驚異があるうちは大丈夫だとは思うけど、教国のアザゼル派は今でも心配だもんな。
いわば身の中の敵……なんだったかな、獅子身中の虫だったか? それと同じだ。
教会はほぼすべての街や村にある。アザゼル派がどれだけあるのかカサブランカとグリフィンの分しか数えてないからわからないけど……。
そのアザゼル派が一斉に反旗をひるがえせば教国はもちろん、大陸中の国で多大な被害が出るのは目に見えている。
魔王を勇者になんとか倒してもらうか、俺たちで倒し、封印できちゃうなら……。次はそれだよな。
はぁ……原作のイベントもまだまだあるし、気は抜けないよ……。
よし、もう少し花火のことを調べてからリズたちに合流しよう。
112
あなたにおすすめの小説
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる