【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪

鈴菜

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告白

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「…様、…お嬢様!目を覚ましてください!」

私を呼ぶ声に起こされると、目の前にはシズの今にも泣き出してしまいそうな顔がありました。
最近はすっかり感情を表に出さなくなっていたから、シズのそんな顔を見るのは久しぶりね。

「おはよう、シズ。朝からずいぶんと元気ね。」

ゆっくりと手を動かし、昔していたみたいに彼の頭に手を乗せると目から涙がこぼれてしまいました。
それからシズは感極まったように私を抱きしめます。
強く抱きしめられたことで伝わってくる体温と止まらない涙の熱が、温かくて気持ちいいわ。

「もう本当に、死んでしまわれたのかと…」

シズが嗚咽混じりに語った内容はこう。

まず、今は私が魔力を暴走させてから3日が経過しているらしく、私はずっと眠り続けていたみたい。
さらには、眠っていた場所も玄関から近いシズの部屋だったようで、無意識に誰も部屋に入って来られないよう魔法で結界みたいなものを作っていたせいで行方不明扱いされていたそうです。

シズはあの崩壊した屋敷で目を覚ますとすぐに私を探したようですが、発見したのはついさっき。
おそらく結界が人の意識を逸らす効果を持っていて、それが原因だったのでしょうね。

「それにボクが見つけてお嬢様に触れた時も死体かと思うくらい冷たくなっていまたんですよ。」

それは魔力暴走のあと何人も癒やしの魔法で治癒したせいで、魔力が枯渇していたからだと思います。
3日も眠り続けた原因の方もそれね。

ああ、でもそういう話を聞いているとシズには悪いのだけれどお腹空いているのを意識しちゃうわね。
3日も飲まず食わずだったもの。

そうして1度意識してしまったのがマズかったわ。
シズに抱きしめられたまま、私のお腹がくぅ~と空腹を訴えてしまいました。
私は顔から火が出そうなほど恥ずかしいのを我慢してシズに朝食を持って来ることを命じました。


それから十数分後、シズが持ってきたのは卵粥。
お腹に優しいものを選んでくれたみたい。

「ではお嬢様、口をお開けください。」

そう言って、息を吹きかけ冷ました卵粥をスプーンに乗せて私の口の辺りに近づけてきました。
一瞬少しだけ躊躇いましたが受け入れます。

「…美味しいわ。」

照れを隠しきれないまま呟くように伝えます。
自分のことながら、転生前と合わせてなかなかの時間を生きてきたのにこういう経験が無さすぎて駄目ね。

「シズ、私ね貴方のことが好きよ。」

だから本当はこんな状況で伝えるつもりじゃ無かったことを、緊張し過ぎて今言ってしまいました。
違うの。本来ならシズに熱く愛を告白してもらって、それから仕方無さそうに私も言うつもりで…

でも現実はこんなにも無様。
どこの世界に想い人から看病を受けている時に告白をする女が居ると言うの…
ほら、シズだって固まっているじゃない。

「本当、ですか…?お嬢様がボクを?」

「本当よ。私は貴方が好き。愛している。貴方が私の元を自分の意志で去ると聴いて悲しみと絶望のあまり魔力を暴走させてしまうくらいにはね。」

私はもはや自分自身を抑えられません。
魔力が暴走した次は感情が暴走しています。

でも仕方のないことかもしれないわね。
これまで私はカトレアナの経験から、誰であろうと人とある程度以上親密になるのを避けていました。
無意識に人間不信になっていたのです。

記憶を取り戻して、あるいはこれまで以上に他人との距離を慎重に見極めようとするかもしれません。
それでも、シズだけは避けたくありません。

だって、リュミエラはシズが大好きだから。

転生前、カトレアナは本当に自分しか愛せませんでした。
ですが、死にかけのリュミエラに出会い自分の意志で助けたいと思えるほどの好きを知りました。

結局思い返せば、カトレアナは臆病だっただけ。
1度好きを知ってしまえば、妹ローデリカに親友など何人も好きになれたのですから。

そんな臆病なだけの過去の自分に足を引っ張られるのなんて、真平ごめんよ。
私は、シズを好きという気持ちに向き合います。

「返事を聞かせてもらえる?これでも人生ではじめて愛した男性に贈る、初めての告白なのよ。」

それまで顔を真っ赤にして混乱状態になっていたシズでしたが、深呼吸して私の目を見つめてきます。

「私もリュミエラお嬢様のことがこの世の誰より好きで、ずっとお慕いしております。」

この世の誰より好き、の辺りで私の身体はすでに動き始めていたと思います。
ベッドから身を乗り出し、シズに向かって飛び、再びシズに抱きしめてもらうと両手を彼の頭に回し、

 私はシズに誓いのキスをしました

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