5 / 9
5
しおりを挟む
夕食時
大公閣下は仕事で帰れない為
夕食は一緒に取れない事を伝えられ
明日に挨拶をお願いしたいと言われた。
クリスティーヌは
「わかりました」と返事をした。
とりあえず殺される事は無さそうね。
クリスティーヌは案内された部屋に
入った。
ファルコスは既に席についていて
入って来たクリスティーヌを見た
ファルコスは固まった。
クリスティーヌを森で見た時も思って
いたが、こんなにも綺麗だったとは…
「お待たせしてしまい
申し訳ございません」
クリスティーヌは微笑む
「いや待っていない大丈夫だ…」
食事が始まった
「クリスティーヌ嬢ドレス似合って
いるよ」
「素敵なドレスを用意して下さり
有難く存じます」
「サイズも合う物が有って良かった
しかし、、別人だな。
出会った時の君は怖かったよ」
ファルコンは笑っていた。
裏ではメイド長を筆頭にクリスティーヌに合うドレスを探している
そして大量のドレスやアクセサリーが
注文されている事をクリスティーヌは
知らなかった。
ファルコスが突然連れ帰った
令嬢が珍しい赤瞳であり
美人だった事で他国から花嫁を連れて
来た。と噂になっていた
翌日
クリスティーヌと顔合わせをした
大公爵は目の前の令嬢が女神と称される
魔力の持ち主だという息子の話しに
納得した。
凛とした佇まいに芯が強そうな表情。
大公はクリスティーヌをファルコスの
嫁に迎えられないかと密に動き出した
ファルコスとクリスティーヌは
庭園でお茶を飲んでいた。
「メイドは下げた。話してほしいが
ダメか?」
「何故知りたいのですか?
貴方様は私の人生に巻き込まれたい
のですか?私達は他人です。
邪魔をしなければ危害も加えません」
「君は女神と呼ばれる魔力の持ち主だ
国を味方につければ怖いものは
無いだろう。何故しないんだ」
「そうですねぇ、今はその時では無い
とだけ言っておきますね」
「君が望むならば力になろう。
もちろん、犯罪は別だが…」
「ありがとうございます。
今はお気持ちだけ頂きますね」
その後も食事やお茶を数回して
少しずつだが距離も近くなってきた
クリスティーヌがルーマン大公爵家に
世話になり3ヶ月が過ぎて
ボーン家を出てから1年になる頃
ラーモン公爵のビルウィル子息と
ボーン伯爵家のティファニー嬢の
婚約が発表され、社交界では
魔力持ちの令嬢を狙っていた家門から
羨みやら妬みの声が上がっていた。
ファルコスは婚約の発表を知って
クリスティーヌの魔力が暴走しないか
心配していた。
国王からの呼び出し
ファルコスはクリスティーヌを保護
した事を知っているのは父しか知らず
国王から呼び出しがあったとなれば
クリスティーヌとの約束を思い出し
身構えた。
「クリスティーヌすまなかった
君がここに居る事が知られて
いた様だ。国王との謁見は
俺がエスコートしよう許してくれ」
その言葉にクリスティーヌは
ファルコスの誠意を感じた
「いつかはわかる事です
これまで匿って下さった事
感謝しています。謁見が終わったら
ここを出て行きますね
ですからエスコートは不要です」
ファルコスは想像していなかった言葉に
戸惑った。そして理解できないでいた
ここを出て行くだと?
クリスティーヌが居なくなる?
ファルコスは初めて父に抗議した。
「何故、勝手に彼女の居場所を
知らせたのですか!彼女は出て行く
そう言ってました」
息子の態度にクリスティーヌに魔力を
見せろと言った大公爵はその後に
後悔するのであった。
翌日
ファルコスは父親とのぶつかり合いを
正直に話し
大公がクリスティーヌの魔力が見たいと
言った事を伝えると
「そうですか…大公爵閣下とお話しは
出来ますか?」
「伝えよう」
ファルコスは父親の所へ
行きクリスティーヌの意向を伝えて
その日にクリスティーヌを呼んだ。
「大公爵閣下が私の魔力を見たいと
聞きました。
ここに来る条件として
私の邪魔はしない。と約束したのです
そしてその事を破ったら
この屋敷を吹っ飛ばす。と言いました
何故、国王にお話しされたのですか」
「それは…だな、、そんな約束は
知らないぞ」
「左様でしたか…私の魔力が見たい
との事なので…」
クリスティーヌが指をパチンと鳴らすと
竜巻の様な風が起こり執務室に突風が
吹いた。
大公は突然の強風に驚き
机にしがみつくも、机ごと飛ばされた。
風が止むと執務室の中は元の原型を
留めていなかった。
その場に居たファルコスは頭を抱え
大公爵は呆然としていた。
「これでよろしいでしょうか?
氷や炎だと片付けが大変ですので…
でも他もご希望でしたら
すぐに対応出来ますが…」
「いや、、いい…クリスティーヌ嬢
すまなかった」
「いえ」
クリスティーヌは微笑みを向けた。
クリスティーヌが部屋に戻った後
大公はまだ信じられずにいた。
しかし部屋の中に散らばった書類
倒れた家具…信じるしかなかった。
「ファルコスよ…あれが魔力か」
「そうです。あれがクリスティーヌの
魔力…ですが彼女が本気になれば
王宮も壊れるでしょう」
「今のは手加減か」
「当たり前です。彼女は森で岩を砕い
ていましたから
父上、欲で彼女を縛るのは
命をかける事だとご理解ください
私は彼女に協力すると約束しました
ですから父上も行動や発言には
くれぐれも気をつけてください」
「そうか…わかった」
「そして父上、国王にはどこまで
お話しを?」
「捜索が出ているクリスティーヌ嬢を
我が屋敷で保護しているとだけだ
魔力の話しはしていない」
「何故、保護した。と話したのですか」
「それは、、あれだよ…お前の嫁に
どうかと思ってだな…」
「え!待って下さい…何を…」
ファルコスは言葉を失った
自室に戻ったファルコスは
漠然と考えていた…
色目を使うだけの令嬢達…
大公爵の肩書きや後ろ盾を狙う貴族…
彼女は違う…
それに俺は彼女と一緒に居ると…
いや、何を考えているんだ!
彼女は数十年に1度現れると言われる
女神だぞ!
今までだって歴代の神は
争いを避ける為に独者だった者も多いと文献にあるじゃないか!
「父上…」
ファルコスは切なく項垂れた。
そして後日
大公爵は
「ルーマンは今後クリスティーヌ嬢を
全面的に支援する」
とクリスティーヌに伝えた。
クリスティーヌはやっぱり魔力なのね。
でもまぁ大公爵ならばいいか。
と考えていた…
大公閣下は仕事で帰れない為
夕食は一緒に取れない事を伝えられ
明日に挨拶をお願いしたいと言われた。
クリスティーヌは
「わかりました」と返事をした。
とりあえず殺される事は無さそうね。
クリスティーヌは案内された部屋に
入った。
ファルコスは既に席についていて
入って来たクリスティーヌを見た
ファルコスは固まった。
クリスティーヌを森で見た時も思って
いたが、こんなにも綺麗だったとは…
「お待たせしてしまい
申し訳ございません」
クリスティーヌは微笑む
「いや待っていない大丈夫だ…」
食事が始まった
「クリスティーヌ嬢ドレス似合って
いるよ」
「素敵なドレスを用意して下さり
有難く存じます」
「サイズも合う物が有って良かった
しかし、、別人だな。
出会った時の君は怖かったよ」
ファルコンは笑っていた。
裏ではメイド長を筆頭にクリスティーヌに合うドレスを探している
そして大量のドレスやアクセサリーが
注文されている事をクリスティーヌは
知らなかった。
ファルコスが突然連れ帰った
令嬢が珍しい赤瞳であり
美人だった事で他国から花嫁を連れて
来た。と噂になっていた
翌日
クリスティーヌと顔合わせをした
大公爵は目の前の令嬢が女神と称される
魔力の持ち主だという息子の話しに
納得した。
凛とした佇まいに芯が強そうな表情。
大公はクリスティーヌをファルコスの
嫁に迎えられないかと密に動き出した
ファルコスとクリスティーヌは
庭園でお茶を飲んでいた。
「メイドは下げた。話してほしいが
ダメか?」
「何故知りたいのですか?
貴方様は私の人生に巻き込まれたい
のですか?私達は他人です。
邪魔をしなければ危害も加えません」
「君は女神と呼ばれる魔力の持ち主だ
国を味方につければ怖いものは
無いだろう。何故しないんだ」
「そうですねぇ、今はその時では無い
とだけ言っておきますね」
「君が望むならば力になろう。
もちろん、犯罪は別だが…」
「ありがとうございます。
今はお気持ちだけ頂きますね」
その後も食事やお茶を数回して
少しずつだが距離も近くなってきた
クリスティーヌがルーマン大公爵家に
世話になり3ヶ月が過ぎて
ボーン家を出てから1年になる頃
ラーモン公爵のビルウィル子息と
ボーン伯爵家のティファニー嬢の
婚約が発表され、社交界では
魔力持ちの令嬢を狙っていた家門から
羨みやら妬みの声が上がっていた。
ファルコスは婚約の発表を知って
クリスティーヌの魔力が暴走しないか
心配していた。
国王からの呼び出し
ファルコスはクリスティーヌを保護
した事を知っているのは父しか知らず
国王から呼び出しがあったとなれば
クリスティーヌとの約束を思い出し
身構えた。
「クリスティーヌすまなかった
君がここに居る事が知られて
いた様だ。国王との謁見は
俺がエスコートしよう許してくれ」
その言葉にクリスティーヌは
ファルコスの誠意を感じた
「いつかはわかる事です
これまで匿って下さった事
感謝しています。謁見が終わったら
ここを出て行きますね
ですからエスコートは不要です」
ファルコスは想像していなかった言葉に
戸惑った。そして理解できないでいた
ここを出て行くだと?
クリスティーヌが居なくなる?
ファルコスは初めて父に抗議した。
「何故、勝手に彼女の居場所を
知らせたのですか!彼女は出て行く
そう言ってました」
息子の態度にクリスティーヌに魔力を
見せろと言った大公爵はその後に
後悔するのであった。
翌日
ファルコスは父親とのぶつかり合いを
正直に話し
大公がクリスティーヌの魔力が見たいと
言った事を伝えると
「そうですか…大公爵閣下とお話しは
出来ますか?」
「伝えよう」
ファルコスは父親の所へ
行きクリスティーヌの意向を伝えて
その日にクリスティーヌを呼んだ。
「大公爵閣下が私の魔力を見たいと
聞きました。
ここに来る条件として
私の邪魔はしない。と約束したのです
そしてその事を破ったら
この屋敷を吹っ飛ばす。と言いました
何故、国王にお話しされたのですか」
「それは…だな、、そんな約束は
知らないぞ」
「左様でしたか…私の魔力が見たい
との事なので…」
クリスティーヌが指をパチンと鳴らすと
竜巻の様な風が起こり執務室に突風が
吹いた。
大公は突然の強風に驚き
机にしがみつくも、机ごと飛ばされた。
風が止むと執務室の中は元の原型を
留めていなかった。
その場に居たファルコスは頭を抱え
大公爵は呆然としていた。
「これでよろしいでしょうか?
氷や炎だと片付けが大変ですので…
でも他もご希望でしたら
すぐに対応出来ますが…」
「いや、、いい…クリスティーヌ嬢
すまなかった」
「いえ」
クリスティーヌは微笑みを向けた。
クリスティーヌが部屋に戻った後
大公はまだ信じられずにいた。
しかし部屋の中に散らばった書類
倒れた家具…信じるしかなかった。
「ファルコスよ…あれが魔力か」
「そうです。あれがクリスティーヌの
魔力…ですが彼女が本気になれば
王宮も壊れるでしょう」
「今のは手加減か」
「当たり前です。彼女は森で岩を砕い
ていましたから
父上、欲で彼女を縛るのは
命をかける事だとご理解ください
私は彼女に協力すると約束しました
ですから父上も行動や発言には
くれぐれも気をつけてください」
「そうか…わかった」
「そして父上、国王にはどこまで
お話しを?」
「捜索が出ているクリスティーヌ嬢を
我が屋敷で保護しているとだけだ
魔力の話しはしていない」
「何故、保護した。と話したのですか」
「それは、、あれだよ…お前の嫁に
どうかと思ってだな…」
「え!待って下さい…何を…」
ファルコスは言葉を失った
自室に戻ったファルコスは
漠然と考えていた…
色目を使うだけの令嬢達…
大公爵の肩書きや後ろ盾を狙う貴族…
彼女は違う…
それに俺は彼女と一緒に居ると…
いや、何を考えているんだ!
彼女は数十年に1度現れると言われる
女神だぞ!
今までだって歴代の神は
争いを避ける為に独者だった者も多いと文献にあるじゃないか!
「父上…」
ファルコスは切なく項垂れた。
そして後日
大公爵は
「ルーマンは今後クリスティーヌ嬢を
全面的に支援する」
とクリスティーヌに伝えた。
クリスティーヌはやっぱり魔力なのね。
でもまぁ大公爵ならばいいか。
と考えていた…
169
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!
しずもり
恋愛
ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。
お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?
突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。
そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。
よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。
*なんちゃって異世界モノの緩い設定です。
*登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。
*ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。
婚約破棄で見限られたもの
志位斗 茂家波
恋愛
‥‥‥ミアス・フォン・レーラ侯爵令嬢は、パスタリアン王国の王子から婚約破棄を言い渡され、ありもしない冤罪を言われ、彼女は国外へ追放されてしまう。
すでにその国を見限っていた彼女は、これ幸いとばかりに別の国でやりたかったことを始めるのだが‥‥‥
よくある婚約破棄ざまぁもの?思い付きと勢いだけでなぜか出来上がってしまった。
「本当の自分になりたい」って婚約破棄しましたよね?今さら婚約し直すと思っているんですか?
水垣するめ
恋愛
「本当の自分を見て欲しい」と言って、ジョン王子はシャロンとの婚約を解消した。
王族としての務めを果たさずにそんなことを言い放ったジョン王子にシャロンは失望し、婚約解消を受け入れる。
しかし、ジョン王子はすぐに後悔することになる。
王妃教育を受けてきたシャロンは非の打ち所がない完璧な人物だったのだ。
ジョン王子はすぐに後悔して「婚約し直してくれ!」と頼むが、当然シャロンは受け入れるはずがなく……。
まさか、今更婚約破棄……ですか?
灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
チャールストン伯爵家はエンバー伯爵家との家業の繋がりから、お互いの子供を結婚させる約束をしていた。
エンバー家の長男ロバートは、許嫁であるチャールストン家の長女オリビアのことがとにかく気に入らなかった。
なので、卒業パーティーの夜、他の女性と一緒にいるところを見せつけ、派手に恥を掻かせて婚約破棄しようと画策したが……!?
色々こじらせた男の結末。
数話で終わる予定です。
※タイトル変更しました。
【完結】男装の麗人が私の婚約者を欲しがっているご様子ですが…
紺
恋愛
伯爵令嬢のグラシャは同じ女学校のシルビアと婚約者で侯爵家のアシュレイが両想いであるという噂を耳にする。シルビアは彼の幼馴染、しかもその長身と整った顔立ちから『男装の麗人』として人気を集めている。
お互いが想い合っているなら潔く身を引こう、心に決めたグラシャはアシュレイを呼び出し別れを告げようとするが……
「俺が君を手放すと、そう思っているのか?」
勘違いした令嬢と不器用な婚約者がある噂をきっかけに急接近?!ざまぁ要素あり、基本溺愛系です。
※ノベルバでも投稿しております。
【完結】幼馴染に告白されたと勘違いした婚約者は、婚約破棄を申し込んできました
よどら文鳥
恋愛
お茶会での出来事。
突然、ローズは、どうしようもない婚約者のドドンガから婚約破棄を言い渡される。
「俺の幼馴染であるマラリアに、『一緒にいれたら幸せだね』って、さっき言われたんだ。俺は告白された。小さい頃から好きだった相手に言われたら居ても立ってもいられなくて……」
マラリアはローズの親友でもあるから、ローズにとって信じられないことだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる