クリスティーヌの華麗なる復讐[完]

風龍佳乃

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ビルウィルとティファニーの結婚式

多くの貴族が参列し2人を祝い
結婚式には大公爵も駆けつけ
式は豪華に執り行われた。

ボーン伯爵は妹の結婚式に参列しなかったクリスティーヌに苛立っていた。

「大公閣下、本日は娘のティファニー
    を祝って頂きありがとうございます
    しかしですな、我が娘はもう1人
    居ましてね、まさか式に参列しない
    などありえない事です。
    招待状はクリスティーヌにも
    届いたはずですがね」

「もちろん届いておりますよ。
    しかしその娘の行方がわからぬ状態
    で婚約を発表し、式まで終えるとは
    いやはや、クリスティーヌが
    蔑ろにされていたという噂は
    事実だった様ですな」

「くっ」
伯爵は (何がわかるんだ!)と
言いたかった。

「クリスティーヌは後のパーティに
    参加する予定です。
    久しぶりに再会して娘を崇めて
    下さい。では…」

何だ?
さっきからクリスティーヌと呼び捨てにして、、崇める?どういう事だ?
まぁ後で会えるならばその時に
これからの事を話せば良い。

結婚のお披露目パーティが始まり
両家やビルウィルが挨拶を終えた時

ティファニーが魔力を見せ会場は
一気に沸いた。

ダンスタイムでは主人公の後に
皆がダンスを楽しんでいた

ダンスタイムが終わり談笑が始まった時

ラーモン公爵とボーン伯爵の元に
陛下から大事な発表がある為、
この場を借りたいと打診がきた。

何事かと思ったが結婚式の場に陛下が
顔を出せば箔が付くというものだ

2人は快く承諾した。

陛下が入場するアナウンスが入り
皆が礼をとると陛下はすぐに
挨拶を始めた

「面を上げてくれ、まずは
    ラーモン公爵、ボーン伯爵
    両家の結び付き目出度く祝うぞ
    そして今日は国として大事な発表が
    ある」

会場は「国の大事」という言葉に
ざわついた。

陛下が片手を挙げて静すと話し始めた

「我が国に魔力を覚醒させ女神と認め
    られた者が現れた、その人物の名は
    クリスティーヌ・ルーマン」

陛下が名を呼ぶとクリスティーヌは
ファルコスのエスコートで会場に
入った。
会場からは大きなどよめきが上がった。

入場したクリスティーヌは
金の布に瞳の赤を入れた上品な
タイトドレスを身にまとい
陛下の元まで進んだ。

その凛とした姿に会場からため息が
漏れた…

ラーモン公爵もボーン伯爵も呆気に
取られている。

クリスティーヌが陛下に優雅な礼を向けた後でビルウィルとティファニーに
会釈をした

「この度はビルウィル小公爵そして
    ティファニー夫人お祝い申し上げます
    この場をお借りした事ありがとう
    ございます」

花籠を持つ式場案内人を見た後
クリスティーヌは片手を高くあげると
指をパチンと鳴らした。
それと同時に花籠からたくさんの花弁が
氷混じりで煌めきながら
会場の隅々にまで舞い、その光景に
歓声が上がり
女神降臨だと会場は沸き立った。

一瞬にして主人公の座を奪った
クリスティーヌはティファニーに笑みを
向けるとティファニーは身体を震わせ
唇を噛んだ。

クリスティーヌは歓声が響く会場で

「私、クリスティーヌ・ルーマンは
   魔力が覚醒し無限なる力を
   手に入れた事を皆様にお伝えしたく
   伺いました。皆様に幸多き事を
   願います」

会場は鳴り止まない拍手が響いた。

クリスティーヌは一礼すると会場を後に
した。


追って来たのはラーモン公爵と
父の伯爵だった
「待てクリスティーヌ!一体どういう事
    何だ?話しなさい」

「あら、公爵様にお父様まで…
    見ての通りですわよ」

伯爵はクリスティーヌに詰め寄った
「お前…覚醒したのか。いつだ」

「お2人に裏切られ、家を出た直後
    ですわね。あ、そうだわ
    ボーン家の皆様や使用人の方々には
    感謝しなければいけないかしら?
    だって理不尽な理由で虐げられて
    婚約を勝手に解消されましたからね
    あなた方への憎しみで覚醒したの…
    ふふふっ、どうぞ皆様
    末永くお幸せに  」

伯爵がクリスティーヌに近づいた時
ファルコスと騎士がクリスティーヌを
守る
「いや、ちょっと待てお前は娘だろう」

クリスティーヌは
「まぁー、、娘でしたわね。でも今は
    ルーマン大公爵家の人間ですの」

微笑みを返され苦悶する2人を置いて
馬車に乗り込んだ。

その日の夜
公爵家に着いたティファニーは誰にも
手が出せない程に暴れた

「何であの女がぁー!」
「どうして私じゃないのよー!」

投げられる物は全て投げ倒せる物は倒し
ベッドも顔もぐしゃぐしゃにした。

次の日から使用人達から相手にされなく
なったのは自業自得だった。

慌てたのはラーモン公爵とボーン伯爵だ
「話が違う」と詰め寄る公爵に
「知らなかった」と逃げた伯爵は
すぐに陛下に謁見を求めた


「陛下、あんまりです。あれは娘です
    ボーン家の人間です何故この様な事に
    なっているのか御説明下さいませ !」

「ん?聞いているのはな
    クリスティーヌ嬢が理不尽を受けて
    家を出て、覚醒したところを
    ファルコス子息が助けて恋に落ちて
    結ばれた…だったかな?」

「親である私の許可が無く婚姻だとは
    これは無効です!」

「ん?お互いに成人しているし同意だぞ
    何か問題でもあるのか?」

「つっ、、陛下」

「黙れ!! お前達はどこの貴族なのだ?
    我が国では魔力を持つ者の婚約や
    婚姻は報告の義務がある。
    報告もせずに婚約者を勝手に変更
    した事、どう考える」

魔力保持者が一定の一族に偏らない様に
そして金品等で売買されない様に
婚約、婚姻は報告の義務があり
王家承諾が必要となるのだ。

「ですが…ビルウィルとティファニーの
    婚姻を認めたのは王家です…」

「ははは、お前達は自分達を棚に上げ
    言ってくれるなぁ
    ラーモン公爵よ、お前はボーン家に
    いくら払った?ん?知らないとでも
    思ったか?」

「そ、それは…」

「本来ならばお前達を牢にぶち込んで
    裁判をするところだか
    クリスティーヌがな…
    ま、女神様に逆らうと国も危うく
    なるからな。 お前達は静かにしとけ」

黙るしかない2人はお互いの顔も見ず
王宮を後にした。

それからしばらくの間、街中で女神再来
として祭りが開催されて盛り上がりを
みせた。

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